ヴォルフガング・ティルマンス「Affinity」
作家自身がインスタレーション空間をディレクションした、ヴォルフガング・ティルマンスの5年ぶりとなる待望の個展。
2014.01.21
Fespa Car, 2012 (c) Wolfgang Tillmans
ティルマンスは今回も3日間ほど、ほぼギャラリーに詰めてセッティングしたという。その結果できあがった空間には、しゃがまないと見えないほど低い位置に 写真があったり、逆に高いところに貼られていたりする。観客の中には腰をかがめたり背伸びをしたりする人も。ティルマンスは作品を設置する作業を、「パ フォーマンスのようなものだ」と言ったことがある。彼の個展を見るということは、その間に行われた行為の蓄積を見ること、パフォーマンスを追体験するよう なものでもあるのだ。
in flight astro (ii) , 2010
Osterwaldstrasse, 2011 (c) Wolfgang Tillmans
今回の個展では、印画紙に直接光や感光乳剤で操作した「Silver」シリーズなどの他、2012年に出版された写真集『Neue Welt(新しい世界)』からの作品が並ぶ。彼が世界中を旅して撮った写真の他、日常を写したもの、移動中の写真も収められている。彼が現代美術作家とし てデビューしてから20年あまりの間に世界は大きく変わった。「写真はつねに、世界を経験することの転写だ」というティルマンス。彼の視線で世界の新しい 見方が生まれる。
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参考文献:『ヴォルフガング・ティルマンス』(美術出版社)