孤独でいる人ほど人間の本質を見抜く洞察力が優れている可能性(米研究)
好む好まないにかかわらず、孤独な人生を過ごしている人は、内向的で人と関わっていくのが苦手なイメージがある。
だがそれは、積極的に社会活動を行っていないだけで、実は、高い社会性を内に秘めている可能性があるという。
研究によると、孤独で内向的な人ほど、人間の本質を見抜く洞察力に優れているというのだ。
内向的な人ほど他者を理解する能力に長けている
この研究を行った、エール大学の心理学者、アントン・ゴルヴィッツァー氏とジョン・バー氏は、内向的な人はふさぎこみがちになりやすい傾向にあるが、外交的な人よりも社会のさまざまな場面での他者の反応を正確に推測する能力に長けていると報告している。
さまざまな社会状況で、たいていの人はどのように考え、感じ、行動するかについて、1000人以上のボランティアに「本当・嘘」の2択で答える質問した。
例えば、"人は自分の判断が正確だと常に自信をもっている"とか、"人は同じ行動をしている他者がまわりにいるとき、自分の行動に責任を感じる"といった質問だ。
こうしたアンケートに続いて、高得点の人を対象に、彼らに共通の特性があるかどうかを見るために一連の心理テストを行った。
社会心理学に関して正確な判断をした回答者は、おおむね知性が高く、複雑な問題に関心をもつ傾向にある一方で、彼らはだいたい孤独で内省的で、自尊心があまり強くない人だちであることもわかった。
内向的な人は人間の本性をじっくり観察している
「ふさぎこむことが多い内向的な人たちは、他者と交流するのに忙しい人たちよりも、人間の本性をじっくり観察する時間が多いと言える。」「彼らは刺激となる偏見をもつことが少ないため、より緻密にじっくり内省する。陽気で外交的な人たちのように、単純に世間を楽観的には見ないのだ」とゴルヴィッツァー氏。
正式な勉強をしていない内向的な人たちは、プロの心理学者ほどの知識はもっていないものの、現実世界でその能力を役立てることはできるかもしれない。
あるいはこれから本格的に勉強し、心理学者の道を目指すという手もある。
この研究論文は『Social Psychology』誌に掲載された。
References:yale/ written by konohazuku / edited by parumo
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