銃器装備の犬型ロボットが登場、「来るべき時が来た」と海外紙
30倍光学ズーム・暗視用サーマルカメラを備える有効射程1200メートルの銃器を装備した四足歩行ロボットが登場しました。IT系ニュースサイトのThe Vergeは「来るべき時が来た」と表現しています。
They’re putting guns on robot dogs now - The Verge
https://www.theverge.com/2021/10/14/22726111/robot-dogs-with-guns-sword-international-ghost-robotics
このロボットは、アメリカのGhost Roboticsが開発した「Vision 60」という四足歩行ロボットに、個人携行用銃器を専門とするSWORD Internationalが製造した、ロボットプラットフォームに取り付る用途の専用の銃器「Special Purpose Unmanned Rifle(SPUR)」を装着したもの。SPURは30倍光学ズーム・暗視用サーマルカメラを備えており、有効射程は1200メートルとのことです。
SPUR - SWORD Defense
https://sworddefense.com/spur/
Ghost RoboticsとSWORD Internationalがどの程度の協力関係を結んでいるのかは不明ですが、少なくともGhost Roboticsの四足歩行ロボットはアメリカ軍によって運用されています。2020年にフロリダ州のティンダル空軍基地にある第325治安部隊は国防総省傘下の中で初めて四足歩行ロボットを通常業務の中で運用しましたが、その際に用いられたのがGhost Roboticsの機体でした。当時のインタビューの中で、Ghost RoboticsのCEOは「(四足歩行ロボットは)人間や車両にとって好ましくない湿地帯などで運用されている」と解答しています。
この機体は2021年10月11日から13日にかけて開催されたアメリカ陸軍協会主催の年次会議「陸戦用兵器に関する展示および専門的開発フォーラム」の中で初めて披露されたもので、実際に販売されているかどうかは不明。ただし、SWORD InternationalはSPURの専用ページに今回の機体の写真を掲載し、「SWORD Defense SystemsのSPURは無人兵器システムの未来であり、その未来は今です」と銘打っているため、The Vergeは「販売していなかったとしても、販売されるのは時間の問題だろう」と述べています。
四足歩行ロボット「Spot」の知名度によって四足歩行ロボット業界最大手と評されるボストン・ダイナミクスは、軍事運用を禁じる厳格なルールを設けていますが、当然ながら全てのメーカーがこうしたルールを設けているわけではありません。The Vergeは多くの団体が求めているにもかかわらず(PDFファイル)アメリカの公式政策が自律型致死兵器システムに関する開発や販売を禁止していない点を指摘し、来るべき時が来たと述べています。