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火曜日, 10月 13, 2015

「A9」サムスン製がTSMC製より電力を消費する理由

サムスン製「A9」がTSMC製より電力を消費する理由


iPhone 6s・6s Plusのバッテリーの性能が、搭載されているチップ「Apple A9」のメーカーによって差があることが話題になっています。
「A9」はSamsung とTSMCが供給していますが、Appleも”性能に2〜3%の違い“が存在することを認めており、その要因はチップの「製造プロセスルール」が、
  • サムスン製 :14nm
  • TSMC 製 :16nm
と異なることにあるようです。

リンクの動画をはじめ、様々な比較テストが行われていますが、概ね次のような傾向がみられるようです:
  • プロセッサーのベンチマークに差はない(僅かにサムスン版が優勢?)
  • サムスン版は連続して高負荷かけるとバッテリーをより多く消費する
  • サムスン版は連続して高負荷かけると本体の温度がより高くなる
  • 通常の負荷ではバッテリー・温度に差はみられない

単純に考えると、プロセスルールがより微細な14nm(サムスン製)の方が、16nm(TSMC製)より省電力なはずですが、テスト結果が真逆なのはなぜでしょうか。


サムスン製のA9がより電力を消費する理由


「Apple A9」を分析したChipworksによって、プロセスルールの違によってダイサイズが異なることが判明しています。
14nmと16nmとで大差が無いように見えますが、メタルピッチ(配線層の間隔)は同じで、ゲートピッチのみサムスン製が狭い、ということのようです(参考)。
配線の微細化というよりも、14nmの方がより隙間を詰めた設計、ということでしょうか。

apple_a9_identifier_0
image: Chipworks
ではダイサイズの違いは、電力消費にどう影響するのでしょうか。
その理由ひとつとしてAnandTetchは、ダイが小さいサムスン製A9は、負荷がかかるとより早く温度が上昇する、という可能性を指摘しています。
一般的にチップは、温度が上がるとリーク電流(無駄に流れる電流)が増えるという性質があり、消費電力の増える傾向にあるとのこと(下は「Intel Core i7」の例)。

a9_power_consumptions_2
image: AnadTech
つまり、TSMC製A9に比べてダイが小さいサムスン製A9は、
「連続した高負荷」>「チップ温度上昇」>「リーク電流の増加」>「消費電力の増加」
というサイクルが早く始まる、というわけです。

a9_power_consumptions_1

たしかに、高い負荷をかけなければ温度が上がらないため、「通常の負荷ではバッテリー・温度に差はみられない」、という現象も説明できます。
また、高い負荷をかけて温度が上昇しても、パフォーマンス(処理速度)には影響が出ていないことから、スロットリング(異常な温度上昇に対する安全機能)は起きておらず、正常範囲ということなのでしょう。
新iPhoneのような膨大な需要に応えるには、複数サプライヤーからの調達が必須といっても過言ではありません。
しかしながら、供給が可能なサムスンとTSMCが別々のプロセスルールを採用していたことが、不幸の始まりだったのかもしれません。
どちらのA9を搭載していても、iPhone 6s・6s Plusはスペック上の性能を満たしているはずで、「ハズレ」は無いはずですが、どうも釈然としないというユーザーの気持ちも理解できます。
チップおよびバッテリー性能に問題が無いと主張するのであれば、アップルはその根拠として、どのようにテストしているのか、「Real-World usage」はどう定義されるのか、を明らかにすべきではないでしょうか。


あなたのiPhone 6sのチップ「A9」はどこ製?

 

木曜日, 10月 01, 2015

あなたのiPhone 6sのチップ「A9」はどこ製?

iPhone 6s・6s Plusの「Apple A9」がTSMC製かサムスン製かを調べる方法

「Apple A9」のメーカーを調べる方法が紹介されています。
iPhone 6s・6s Plusのチップ「Apple A9」は、台湾のTSMC社と韓国のSamsung社によって製造されていることが知られています。

これは、エンジニアリング・コンサルタント会社のChipWorksの分析により、iPhone 6s・6s Plusには、実際この2社から供給されていることが確認されています。
「A9」のメーカーによる違い
リスクを分散するために供給元を複数持つこと珍しくありませんが、興味深いのは、使われているCPUの製造プロセスルールが、TSMCが16nm(ナノメーター)、Samsungは14nm、と異なることです。
プロセスルールの違いは、ダイサイズの差となって現れ、TSMC社製(APL1022)は104.5平方ミリ、Samsung製は96平方ミリ、となっているとのこと。

image: Chipworks
デバイス毎のメーカー内訳
では、ダイサイズが異なる2種のプロセッサーを、アップルはどのように使い分けているのでしょうか。
単純にSamsung製はiPhone 6、TSMC製はiPhone 6 Plus、という訳ではなく、実際には下のようになっているとのこと(サンプル数2,500:source: MacRumors)。
iPhone 6sではTSMC製が約8割と圧倒的に多く、逆にiPhone 6s Plusでサムスンの方がやや多い、という割合のようです。

apple_a9_identifier_3
image: MacRumors

「A9」のメーカーを判別する方法
気になるチップメーカーの判別は、開発者・ヒラクチャン氏(@hirakujira)が公開しているツールで調べることができます。
【注意】このツールはApp Storeで配布されておらず、利用者が開発者を信頼(プロファイルの信頼)した上で使用するのが前提です。一般的にこの配布方法はリスクが非常に高く、当サイトは利用を推奨している訳ではありません。一方、開発者の方には便利なツールの公開を感謝致します。

apple_a9_identifier_4

筆者の手元の6s・6s Plusで試したところ、2台ともTSMC製でした。
プロセスルールの微細化は、省電力やパフォーマンスの向上にも繋がる可能性があり、実際に差が生じているのか、今後の検証結果が注目されます。


追記

iPhone6s・6s+の「A9」が「サムスン版」か「TSMC版」か安全に調べる方法

Engadgetによると、Apple Storeで公開されているアプリで、「A9」のメーカーを区別できるとのこと。
App Storeのアプリ(無料)をダウンロードするだけで、簡単かつ安全です。
「A9」のメーカーを判別する方法
まずはApp Storeから『Battery Memory System Status Monitor App Store』というアプリをダウンロードし、「System」タブの画面下方にある、「Model」という欄をチェックします。

「Model」にある文字列で、どちらのメーカーか区別することができます。
  • iPhone 6s
    • N71AP:Samsung製
    • N71mAP:TSMC製
  • iPhone 6s Plus
    • N66AP:Samsung製
    • N66mAP:TSMC製
「A9」は、CPUの製造プロセスルールが、TSMCが16nm(ナノメーター)、Samsungは14nm、と異なることが明らかになっています。
プロセッサーの性能、とくにバッテリー性能(発熱)に差があるとの報告が出始めており、詳しいテストの結果が待たれます。