DASH SNOW
早いもので今年の夏でDash snowがこの世を去ってから10年になる 昔はよくNYのローワーイトサイドの公園やデリで見かけたものだ結局、彼はヘロインのオーバードーズで亡くなったのだが、彼みたいに生き急いだ人間はそうそう見る事がなかっただけに
亡くなったという話を聞いたときは「やっぱりなあ」と感じたのを覚えている
彼の才能は多彩で写真、オブジェ、コラージュと枠にはまらず、常にストリートと密着してすごくかっこいい作品を発表していた
NY timesを始め様々なメディアからはウォーホールチルドレンと言われていたし、ダミアン ハーストの出現以降、世界を引っ張っていたNYのアートシーンはロンドン勢に打って変わり、NYのアートシーンが静かだった所に現れたDash Snowの存在は大きかったと思う
作品は至ってアナーキーで文字通りエッジに生きた人、超・サラブレッドでアメリカでも有数の裕福な家系の生まれたにも関わらず、自分に正直に境界線を歩いた男としては近年まれに見る生き様な男だったように感じます
顔もかっこ良かったし、おしゃれだったし、、、
今でも思い出すのが「NEST 」って言う作品で廃屋のスタジオで電話帳を1000冊ぐらい破って紙くずを引詰めた空間で大音量でバンドが演奏する中、ドラッグを摂ってへべれけになりながらハムスターの気持ちを味わうという、インスタレーションや黒人のエレクチオンした下半身にヘロインを乗っけてライアン•マッギンレーがスニーズしている写真作品、壁にタギングすると逮捕されてしまうのでホームレスにタギングしていく作品はやもはや境界線を一歩越えた作品が当時印象的でした
自分を取り巻く社会や発言態度などドラッグ・カルチャーの問題も含めて賛否両論や新しいものを求めるギャラリーなどの持ち上げっぷりなど色々あったけども、こんな生き方できるのかと?
言われるとこの人しかできなかったんだなあとおもいます
生き方自体が作品として成り立ってたなあとつらつらと、NYUの学生やヤッピーが跋扈するコマーシャルプレイスに変わり果ててしまったローワーイーストサイドを通りかかるたびに彼の事を思い出してしまう
街角のグラフィティを、読めるようにしてみた──「ストリートアートの翻訳」
コンクリートの壁やガレージに書かれたスプレーペンキによる殴り書きを記録し、活字書体に「翻訳」するフランス人アーティストのマシュー・トレンブリン。その作品「タグ・クラウズ」によって、彼は落書きのプラスの面に人々の目を向かわせたいと言う。
フランス人アーティストのマシュー・トレンブリンは、6年前から数多くの落書きをペンキで消し続けてきた。そんな彼が、実は落書きに愛着を感じていると語るのは不思議に思える。「わたしは心の底からタギング(スプレーペンキで描かれた落書き)を愛しています」とトレンブリンは言う。
トレンブリンの日課である、スプレーペンキによる殴り書きを消していく作業は、彼が現在行っているプロジェクト「タグ・クラウズ」に関係するものだ。独特の書体によるタギングで飾られた建物やガレージのドア、地下道を見つけては、注意深くそれぞれのタグの記録を取り、消してから元に戻す。
ただし、新しい書体は元の落書きのそれではない。トレンブリンが再びプリントするタグには、ヘルヴェチカやアリアル、タイムズ・ニュー・ローマン、ジョージアなどの書体が使われる。路地裏ではなく、新聞紙や電子メールで一般に見かける美しい活字書体だ。
書体を変えることによってトレンブリンが提供するのは、「ストリートアートの翻訳サーヴィス」のようなものである。
街を新しい目で眺めること
「タグ・クラウズ」の目的は、タギングをした人々を暴き出したり、更生させようとしたりすることではなく、賞賛することにある。「タギングをたどり、それを読むことにより、タギングとは、街をいつもとは異なる方法で巡るきっかけを与えてくれるものだということを明らかにしたいのです」とトレンブリンは言う。タギングによって、人々の視線は街灯の柱や人が住まなくなった建物など、通常なら見られないかもしれない場所に向けられる。たとえ、落書きやそれが表現するものすべてが嫌いだったとしてもだ。トレンブリンは、タギングを支持する陣営にいる。彼によればタギングとは、身体全体で描かれる、一種のカリグラフィーのような装飾書体なのだ。
「タグ・クラウズ」にはもうひとつ、さらに遊びの要素が大きいテーマがある。トレンブリンが「IRL(In Real Life) 対 URL」と呼ぶものだ。
トレンブリンが翻訳し、新しくプリントしたタグは、インターネットで使われる単語のまとまり「タグクラウド」のように見える。タグクラウドのなかでは頻出する単語が大きく表示されるが、落書きのタグも、サイズがさまざまに異なっている。
ただし、こうした言葉遊びは、トレンブリンがフランスの街で「タグ・クラウズ」を始めた2010年のほうが適切であったと彼は言う。2016年のいま、特に『ポケモンGO』が爆発的な成功を見せたあととなっては、彼の作品における「IRL 対 URL」は、拡張現実(AR)を使って表現するほうがふさわしいのだろう。
想像してほしい。街を歩いていて、橋の側面にスマホを向けると、ヘルヴェチカでプリントされたタグが見える世界を。
PHOTOGRAPHS BY MATHIEU TREMBLIN
TEXT BY MARGARET RHODES
TRANSLATION BY MAYUMI HIRAI, HIROKO GOHARA/GALILEO
WIRED (US)
TEXT BY MARGARET RHODES
TRANSLATION BY MAYUMI HIRAI, HIROKO GOHARA/GALILEO
WIRED (US)