土曜日, 8月 18, 2018

紳士は小指を立ててお茶を飲む?

 

「小指を立てる」ジェスチャーに潜む意外な心理とは


飲み物を飲もうとしたとき、小指が立っていることありませんか?小指を立てる仕草は深層心理も関係しているようで、人から注目されたい、目立ちたいという欲求が強く女性的な人が多いらしい。そのほかにも、小指を立ててしまうのは人体のメカニズムが影響しているようです。

あなた小指たってない?

グラスに入った水を飲むとき、ストローを摘んで飲み物を飲むとき、マイクを握ってカラオケで熱唱しているとき。無意識のうちに、小指を立ててしまっていませんか?

「なんで小指立ってるのー?」って言われたり、男性の場合は「お前女かよー」なんて友達から笑われてしまった経験あるでしょう。
あなたの気持ちとは裏腹に、どんなに意識をしていても立ってしまう小指。なぜ小指が立ってしまうのか、そして立つことに何の意味があるのか、知られざる小指の謎に迫ります。

なぜ小指が立つのか?

意識していてもなぜ、こんなにも小指が高くつきあがってしまうのか。
それには、物理的なメカニズムが関わっているんです。
 



小指と薬指の手の甲あたりには、筋肉と骨をつなぐ腱があります。指先を動かそうとすると、薬指の腱が引っ張られて小指を立ててバランスをとろうとします。また小指以外の手の指は、指を曲げる力と伸ばす力では曲げる力の方が強いのですが、小指だけは、伸ばす力の方が強いため、無意識にすべての指全体に力を入れようとすると自然と小指がピーンと伸びてしまうのです。

つまり、あなたがどれだけ小指を立たせないようにと意識しようがしまいが、あなたの小指はピーンと伸びるようにできているのです。

実は心理的な理由も?


じつは、物理的な理由とは別に心理状態も影響している?
グラスを持つとき、マグカップを持つとき、缶ジュースやペットボトルの飲み物を飲むときを、思い返してみてください。友人や彼から「何その小指ー」って笑われたことありませんか?
イエスと答えたあなたは、まわりから注目を浴びるのが好きまたは女性的な部分が強い人ではないでしょうか?小指を立てるすべての人がそうだとは一概には言えませんが、傾向として、自分の存在をアピールしたい、チヤホヤされたい、という自己顕示欲が強い人によく見られるようです。


心理的というよりは演出?



小指を立てて飲み物を飲む人は、女性的で、周囲から注目を浴びるのが好きな人。
実は、小指を立てて飲むしぐさは、 本能から出るしぐさではなくて、女性らしさをアピールする演出なのです。いつからか、小指は、 女性を現すイメージが定着しましたので、女性らしさを表現する時には、小指を立てて飲み物を飲みます。

歴史を紐解いてみると、もともとは、 西洋の貴婦人達が紅茶を飲む時に、ティーカップの取っ手が小さいため、親指・人差し指・中指の3本でつまむように持ったことが発祥のようです。そこから、小指を立てると女性らしいというイメージが広まったようです。



よく、お芝居や演劇などで、 男性が女装したときは、小指を立てて、クネクネとした演技をしますが、このように、小指を立てるのは、女性らしさの演出なのです。

小指を立てる=女性らしいというイメージが定着していますので、女性らしい人は、小指を立てて、女性らしさをアピールするのです。
もちろん、女性だからと言って、必ず小指を立てるわけではありません。あくまでも、女性らしさをアピールしたい時に現れるしぐさであるということを知っておけばよいでしょう。
人間関係をよくしたいのであれば、このしぐさをしている人は、 女性らしく見てほしいと感じていますから、その点を誉めてあげればいいでしょう。
「女性らしくて、すごく素敵ですね」とか「かわいいね」「美しいね」とか、女性としての魅力を誉めてあげれば、とっても喜んでくれるはずです。
男性が小指を立てている時は、あまり誉めていいのかどうか、判断に迷いますので、そこは、自己責任でお願いいたします。

小指とか言うけど実は重要な指


5本の指のなかでもっとも端にあり、そして一番ミニマムサイズの小指さん。小さいためどちらかというと軽い扱いを受けてしまいがちな小指ですが、実はけっこう重要な指なのです。5本ある指のなかで親指と対になっている小指は2番目に大切な指だと言われています。ボールペンを握って字を書いたり、包丁で野菜を切るとき、手に力を入れられるのは、小指を動かすためだけの筋肉があるから。

小指伸筋肉といって、腕から伸びる小指のみを動かすためだけの筋肉があります。しかも、薬指と小指の筋肉は同じ腱でつながっているから、カラオケでマイクを軽く握ろうとすると薬指が浮いて小指が立ち、反対にがっちり握ろうとすると小指と薬指両方に力が入るんです。つまり、小指とそれをサポートする薬指の存在なくして力は入れられないということでしょう。

小指に力を入れた場合、小指を離した場合でボディービルダーの握力を計測すると、小指を使わない場合は力が半減したそうです。





また、任侠映画やドラマのなかで、不始末への落とし前として、指詰め、エンコ詰めと言って、小指を切り落とすシーンがあります。これは、苦痛を伴う肉体的制裁を加えるためだけではなく、小指を切ることによって手に力を入れられなくする意味もあるようです。



なぜ小指が立ってると女性っぽい?

上流階級の女性マナーだった

上流階級の人たちが、優雅にお茶を楽しむ社交の場での嗜みが関係しているみたい。ティーカップを持つとき、小指をクッションにしてカップと受け皿がぶつかり合うのを防いでいたそうです。気品あふれるレディのマナーをまねた男性が女性的、と言われる所以はここにあるんでしょう。


アフターヌーンティーのマナーとしては❌

カップを持つ際バランスは確かに保ちやすくなるようですが、マナーとしてはタブーとされているようです。イギリスでもよくある間違いとしてとりあげられるそうです。

女性解放運動のシンボルだった

19世紀、性における差別はやめにして、押さえつけられていた女性の権利を広げようとする思想を主張するフェミニズム(女性解放運動)が起こりました。そのときこの運動に参加した女性たちが、ほかの指から離れている小指を独立した女性に見立てて、自分たちの存在をアピールしたことから、女性のシンボルとなったようです。 


昔は香辛料を取るための指だった

世界中に海賊がいた15世紀から17世紀半ば頃の大航海時代、調味料は高値で取り引きされていたんだそう。貴族にとってもかなり貴重な材料だったため、小指につけて香辛料をとっていたらしいんです。瓶に入った調味料を使うとき、味見をするとき、小指を立てる人が多いのでは?きっとそれも、当時の時代背景が今でも深く根付いているということでしょう。 

 

小指=女性は、日本だけ?


男性同士の会話のなかで、「嫁がこれなんで、今日はお先っす!」とか「もしかして、これとデートかぁ?」。ドラマでも芸人のコントでも見かける機会が何かと多いこのやり取り。奥さん、または対象者となる女性を現す、小指を立てるジェスチャーはもはや定番です。







韓国でも「女性・恋人・彼女」という意味合いで使われているようです。でも、小指を高く突き上げるジェスチャーは、国によっては誤解を生みかねません。

・インド……「トイレに行きたい」

・バングラデシュ……「お手洗い(小便)」

・シンガポール……「一番あと」

・タイ……「友情・友達」

・フランス、中国……「侮辱(役立たず、でき損ない)」

※ボディランゲージが盛んなアメリカには、小指を立てるジェスチャーがないので、特に意味はないようです。

これらは、握りこぶしの状態から小指を立てた状態においての意味合いです。それにしても、海の向こう側では小指にこのような意思表示があったなんて、びっくり。飲食業に携わる方々、ぜひ「お手洗い」のジェスチャーを取り入れてみては?




やっぱり治したい?

それでもやっぱりなんとかしたい、立ってしまう小指問題。調べてみると、子どもの頃に通っていたピアノ教室で小指が立つのを注意された、という人が結構いるみたいです。
日常生活での治し方は、コップを持つとき、マウスを動かすときなど、立ってしまった小指を隣の薬指で軽くおさえる、という方法です。
これを毎回続けると、意識せずとも次第に小指が立たなくなるんだそう。小指ピーンの状態から一刻も早く抜け出したい、と思う方は一度試してみては?

たかが小指、されど小指

コップを持つとき、マイクを握るとき、ふと気がつくと指の一番端で起きている「小指立つ」問題。日本では小指を立てるジェスチャー=女性・彼女・恋人と捉えられていますが、国によってはお手洗い、友情などまったく別の意味を持つとは、驚いた方も多いはず。

「今まで小指が立つのは自分だけなのかも」と悩んでいたのは、あなただけではなく、むしろそれは元々体に備わっている自然現象で、生きている証拠なんですよ。