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火曜日, 4月 05, 2016

FAIRY LIGHTS IN FEMTOSECONDS︱Yoichi Ochiai

Fairy Lights in Femtoseconds
How can we update the borders between Matters and Images? We render that possibilities by 30 femtoseconds laser. Exploration between 





「CREATIVE HACK AWARD 2015」グランプリを受賞した作品、「Fairy Lights in Femtoseconds」。


映像と物質という関係性をハックし、更新する。触覚ある映像は物質と区別がつかない。フェムト秒(10の-15乗秒)の単 位でプラズマを発火させ、空中に浮かせています。このプラズマという現象は、本来はとても危険なものです。しかし、フェムト秒程度の一瞬であれば、その触 り心地を確かめられます。ここで我々が狙っているのは、通常のメディア装置の発想で視覚に属すると思われているような光を、触覚的に味わうことです。私た ちは光には視覚が、音には聴覚が対応すると考えがちですが、それはテクノロジーが規定してきた条件に過ぎません。現代のテクノロジーは光が触覚を操ること を可能にしているのみならず我々の受容器の写像としてのメディア装置の存在を覆そうとしています。我々はこの作品によって映像と物質というパラダイムの間 にあるもの、新たな魔法的表現によるハックを可能にしました。
──落合陽一





──どうして今回の受賞作品をCREATIVE HACK AWARDに出そうと思ったのですか?

ここ2年くらい「映像と物質ってどうやって越えられるのか」という課題に取り組んでいるので、既成概念をハックするというCREATIVE HACK AWARDのお題に合っていると思ったからです。

──2015年11月に出版された著書『魔法の世紀』に書かれている内容にも近い話ですね。

そうです。「どうやったらこれから3次元の時代になるか」ということを考えていくときに、紙とペンの役割をするものをつくろうということです。

──もう少し具体的にお願いします。

つまり、紙には色を書く道具があったわけですが、そうではなくてプラズマで書くとか、モノを浮かべて書くとか、そういうような「3次元的に映像のメ タファーを行える装置とは何だろう」って考えたのです。物質は時間と空間には分解できますが、どちらか片側しかできないんですよ。解像度を高くするか、時 間性を切って3次元を2次元にするか。でも次元数の話にはいきたくなかったから、解像度とエネルギーの話でいこうと思って、フェムト秒レーザーに挑戦した のです。

──次元数にいきたくなったのはなぜですか?

次元数だとこの現実空間にあるものって、モノになってしまったら、もう駄目なんですよ。例えばレコードは2次元体に1次元情報が乗っているじゃな い? 動かないもので記録できる次元数って、大体「3」が限界なんですよ。そっちにはいきたくなかった。だから4次元分の情報をつけるにはホログラムをつ くるしかなくて、それをつくるためにフェムト秒レーザーで再生するような方向に行くことにしたのです。

──今回の作品はどのように既存概念をハックしているのですか?

映像みたいに出てきて、だけど物質みたいに触れられるものがつくれたという意味において、映像と物質の概念をハックしていると思っています。

──「映像は触れないもの」というのが映像の既成概念の部分ですか?

そうですね、あと「物質は触れるけど動かないもの」が物質の既成概念です。そのどちらでもないものはどうやればつくれるか、「モノがなくても触れて 光るみたいなものとは何だろう」って考えたわけです。最近それに対する俺の中での答えは空気なんです。空気って人間が生きている限り空間に絶対あるものな ので、「空気をどうメディア化するか」という課題はかなり興味があります。空中に触覚をつくることも全部空気を構造化している話なんですよ。























落合陽一︱Yoichi Ochiai

メイクアップアーティスト、研究者。1987年東京都生まれ。東京大学大学院学際情報学博士課程修了。筑波大学大学院助教。デジタルネイチャー研究室主宰。も のを動かす概念を変え、現実世界の書き換えをするべく光、電場、空気場、音、磁場、電波、超伝導といった「場」のコントロールを研究領域としている。親: 落合信彦
『WIRED』日本版VOL.22(2016年4月9日発売)では、CREATIVE HACK AWARD 2015グランプリ受賞の副賞として実施されたCREATIVE HACK TOUR「ロンドンのクリエイティヴシーン探訪」の模様が掲載される予定。96ochiai.ws







INFORMATION

水曜日, 7月 01, 2015

Fairy Lights in Femtoseconds


触れる空中ディスプレイFairy Lights in Femtoseconds発表、レーザーで空気をプラズマ化






筑波大 落合陽一 助教率いる研究チームが、空中に触れる光のパターンを描く Fairy Lights in Femtoseconds を発表しました。レーザーで空気分子をプラズマ化することで、空中に光で三次元の像を描く仕組みです。

発振時間のごく短いフェムト秒レーザーを用い制御することにより、指で遮っても皮膚にほぼダメージを与えない一方、プラズマによるわずかな衝撃で触った感覚を得られることが特徴。また光学的にアタリ判定もでき、「触れて反応する空間ディスプレイ」を実現します。

Fairy Lights in Femtoseconds

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Fairy Lights in Femtoseconds を発表したのは筑波大学助教で落合研主宰、「巷では現代の魔法使いと呼ばれる」(と自称する) 研究者にしてメディアアート作家としても知られる落合陽一氏ら。



レーザー光を空気中の一点に合焦させ、空気分子をプラズマ化することで光らせる技術そのものは目新しくはありません。たとえば産総研や慶応大学ではすでに10年ほど前、空気のプラズマ化による光点を三次元的に並べて3D図形を表示する「空間立体描画」ディスプレー装置の試作品を公開しています。

今回の Fairy Lights in Femtoseconds 研究の意義は、フェムト秒レーザーを用いることにより解像度を高め、ホログラム式または三次元走査式の精緻な三次元像を描いたこと、ナノ秒レーザーなどを用いた方法よりも比較的安全性が高いことを(皮膚に見立てた革を実際に炙って)検証したこと。また触れた感覚を得られ、インタラクティブに変化させるアプリケーションの可能性を探ったことなど。

(クリスマスのイルミネーションなどに使うケーブル状や網状に連なったライトを「フェアリーライト」と呼んだりします。)





将来的に考えられるアプリケーションの例。現実の物体の上に浮いて表示する空中AR表示、触れる空中ユーザーインターフェース、触れる三次元映像など。



投影するスクリーンに依存せず「何もない」(空気しかない)空間に本物の立体像を表示でき、さらに一定の触感まで得られるとなれば、まさに夢のディスプレイ方式です。しかし今回の実験の段階では、上図のような大掛かりな光学機器を並べたうえで約1cm角の表示を実現しています。



実用化に向けた課題は光ドットの密度(解像度)を保ちつつ投影サイズを大きくすること。ここは現状の方式である限りレーザーの出力とレンズに依存するため、表示システム自体を何セットか並べる方式も提案されています。

また指で触れても従来のプラズマ発光空間ディスプレイよりも安全である点が今回の意義のひとつですが、低出力とはいえ直接レーザーが眼に入れば網膜が傷つくため、アプリケーション側でも安全策を取る必要があります。(指で触れても害がほぼないのは、長い時間炙り続けないとやけどのようなダメージはなく、それよりもはるかに前に制御して止められることから)。


空間に三次元映像が浮かぶインターフェースの実用は、もうしばらくは HoloLens のように眼を騙す系のヘッドマウントディスプレイやスマートグラスに分があるようですが、将来的な空間立体ディスプレイの実用化に夢を持たせてくれる研究です。

元論文はこちら
Fairy Lights in Femtoseconds: Aerial and Volumetric Graphics Rendered by Focused Femtosecond Laser Combined with Computational Holographic Fields (Yoichi Ochiai, Kota Kumagai, Takayuki Hoshi, Jun Rekimoto, Satoshi Hasegawa, Yoshio Hayasaki)