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水曜日, 12月 16, 2015

log5|日本人がイノベーションを起こすためにはフレームワークとマネジメントが必要

イノベーションでは日本人が最強 – ただしフレームワークとマネジメントを克服すれば


log5

「働き方と学び方」の研究開発を強化することを目的に設立した「WORKSIGHT LAB.(ワークサイトラボ)」に、USBメモリなどの発案者であるの元パナソニック、Ziba戦略ディレクターの濱口秀司氏が登壇し、イノベーションを生み出すための方法論を教えます。本パートでは、クリエイティブ職に携わる人々を悩ませるマネジメント層の説得方法について濱口氏が解説します。会社組織がもつ構造的な問題のひとつであるコミュニケーションギャップを埋めるために覚えておくべきルールを紹介しました。

バイアスを壊すフレームワーキング

濱口秀司氏(以下、濱口):次に3番目いきます。イノベーションを実現するための課題、これですね。

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バイアスを壊すっていうのわかったんですけれども、壊し方です。どのレベルで壊すかと、どのくらい壊すかというのがやっぱり問題なんですね。

一番冒頭に申し上げましたけれどもちょっと壊し方が弱いんですね。フレームワークがちょっとちっちゃいんです。 フレームワークが問題です、これは。プロセスは受け入れるんだけれどもフレームワーキングを少し覚えないといけないと。

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フレームワークっていったい何かというと目的と範囲と切り口が組み合わさったもんです。

何か絵で書いてあるかもしれないけど、何のためのものなんですか。
これは、この市場を理解するためのものです。もしくは、ビジネスモデルです。
何か目的があって、範囲っていうのはどの範囲まで考えたらいいんですかと。
で、その範囲の中でどう物事を考えたらいいんですかっていうものなんですね。

例えば、新しいバイアスを見つけて壊していこうという作業の時に、目的をさわるというのはすごい有効なんですよ。 どういうことかというと、ここにある問題、例えば「この机のここの角を丸めたらいいよ」っていう問題、目的ありますよね。そうすると美しくなる。でも、その先は、例えば、精神的にも気持ちいい、もしくは安全だ、もしくはそうすると売れるみたいな。実は高い目的があるんですよね。 で、通常ブレークスルーをしようと思うと、自分たちが今固着してしまって悩んでるところよりも、1歩とか2歩高いところの目的を設定すると全然違って見えるという手法があります。

ただし、上がりすぎるとだめですよ。上がりすぎると組み立てていったら社会平和のためみたいになるから、社会平和で机の問題は解決できないんで。 でも、1歩か2歩上に上げると、これはテクニックとして有効です。

「目的・範囲・切り口」をズラす

で、切り口、これはさっき見ましたよね。例えば、さっき僕が組んだみたいに、実はそれはサイズとモビリティみたいな切り口で全然違って見えてくる。

プレゼンで僕デモンストレーションをよくやるのがこれですね、範囲。
範囲ってちょっとわかりにくいんで、こういうのがあります。

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範囲があります。写真ですね。ぱっと見たときに、ああ、きれいな山と川が流れていると、広いスコーピングです。ああきれいだなと、絵はちょっと汚いですけどね。

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次に、ぎゅっと寄ると。こんど狭いスコーピングですね。川を拡大したらと。で、濱口が手を振っとんぞと、楽しそうやなと。で、これが狭いです。

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ちょうど真ん中あたりに行くと実は滝があったと。実はこいつは喜んでいるんじゃなくて叫び声を上げていると。
この時点で何もかも変わりますよね。目的変わりますよね。「救え!」みたいな。
切り口も変わりますよね。これ実は全部繋がってるんですね。
目的と範囲と切り口は繋がっているんです。

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実は、これを触っていって、少し高めのやはり目的。もしくは広めのスコープっていうので探っていくというのが実は日本人が弱いんですよ。

いろんなベンチャーというかIT関係もいたんで、いろんなベンチャーがきて「濱口さん」と、「すごいイノベイティブなもの考えましたと。見てください」と、見るんですね。
これ何かというと「Twitterと連携して」とか、「Facebookのアプリです」みたいな。それちょっと小さくないかと。

やるんやったら例えばTwitterと戦ったりしないのっていう、そのレベルでやっぱりスコーピングが弱いんですね。弱いというか、自分が楽しいものを作ってしまって、大きなスコープのもので戦おうという発想がやっぱり少ないですね。

ヨーロッパとかは多分侵略をやって、侵略やった後に100年ぐらい稼げるような深いフレームワークを用意したりするんですけども、それに慣れてないだけです。

これは練習すればできます。これが問題1ですね。
 

Dellが起こしたイノベーションとは

フレームワークを、できるだけ触って、今、我々が考えてるフレームワークよりも高いところに持っていった状態でバイアスをたたき潰すと、これがあるとかなりイノベーティブになりますね。

で、もうちょっとだけ深い話をすると、イノベーションをどこで起こしますかと。

「どこで起こすんですか」「いろいろ範囲ありますよね」と。実はですね、いろんな見方があるんですけれども、こういう範囲が設定できます。こっち人(スライドの右側)でこっち会社(スライドの左側)ですね。

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僕がよく言うのはBTCビジネス、テクノロジー、コンシューマーと、イノベーションいろんなところで起こしているんですよ。

産業資本主義を引っ張っとったんで間違ってる人はよく、イノベーションとはテクノロジーイノベーションであると。

真ん中であると、それはね昔は正しかったです。そこで新しいことをやったら、それを装置に入れて工場に入れてアセットにするとライバルと戦えると。

それは正しかったんですね。 ひとつおもしろい例はですね、例えば1980年代に、コンピューターとコンピューターテレグラフの市場を見たときに、イノベーションの数がもし測れたとします。

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そうするとね、こうなってるはずなんです。実際は測ったんですけど、僕。こうなってるんです。

これ何かっていうと、ほとんどのイノベーションは、CPUの速さだとか、インタフェースが優れてるかどうかというところのイノベーションで、顧客体験は別にコンピューターだと、もしくはビジネスモデルを作って出すだけだと、別にユニークなものはないんですよ。
ひたすらすごいイノベーションはテクノロジー周りで起きていたんですね。

1980年。 で、82年か83年に、変なやつ出てきたんですね。それではDellです。

今ちょっと元気なくなってますけど、Dell出てきたんですね。Dellが何をやったかっていうと、あいつらCPUなんか全然作ってないですよね。
何やったかというと一番左端でビジネスモデルですわ。
買っていただいたらクレジットカードで先にお金くださいと。作る前からお金よこしてくださいと。運転資本率がマイナスになるようなムチャムチャ酷いモデルです。先に金をよこせと。 次にそれ実現するために、サプライヤーと繋がるという、ビジネスモデル側のイノベーションをやっているんですね。
加えて今度こっち側(コンシューマー側)、顧客体験としてパソコンはWebでカスタマイズして注文できますという。
次に名前ですよね。Dellという自分の名前をつけてるんですよ。パソコンですよ当時。もうなんかスーパーコンピューターみたいなやつに「山田」とかつけてるようなもんですよ。
それはイノベーティブですよね。 これは実は端と端、みんながやってないところをやったんです。これ何か示唆してますよね。
 

AppleはBTC全部を組み合わせて顧客体験をつくった

まず、イノベーションを考えるときに、みんなが頑張ってるとこだけやっていいんか? と。もう1個目の示唆はもう産業資本主義は終わってしまって、あちこちでイノベーションをやらないといけないゾーンが広がってるっていう話ですね。

Appleが何に強いかっていうと、いろんな強さはありますよね。

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でもこのチャートで見ると、あいつら全部やっているんですよ。

ビジネスモデルからプラットフォームから、ソフトウェアもやっているし技術的にもなんかやっとるし、顧客エクスペリエンスからやり倒してるんです。それ全部組み合わしてエクスペリエンスを作ってるんですね。

これは何を意味してるかというと、先ほどの日本人議論でいうとちょっと辛いです。なぜかというとフレームワークに弱いですよね。

技術のとこだけでイノベーションをしてくださいって誰かがフレームを与えといてくれたら、イノベーティブなんですよ。だから強かったんです。

ところがその蓋をパーッと空いちゃって、技術だけじゃなくて、顧客体験とかビジネスモデルも全部組み合わせちゃって戦わないといけなんですよって。全部OKですよと。 ゼロからフレームワーク考えてくださいって言われてるのと一緒なんで、実は日本人にとっては、今やばい状態なんですね。 でも、グッドニュースはイノベーティブなことを考えるプロセスには信用性が高いと。

要はフレームワーキングだけしっかりしておいたら勝てるっていうことです。それがこの議論ですね。
 

なぜ管理職には話が通じないのか?

最後の議論にいきましょうか。

次ですね、不確実性が高くなるんで、すごいものを思いつけば。何が起きるかというと、マネジメントの問題が起きるんですね。

普通数字で取り扱いたい人は取り扱えなくなると。こういうチャートを書きましたね、先ほど。ストラクチャード・カオス。これね、違うふうに使いましょうか。

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会社の中での人口分布を見た時にどうなっているか、ストラクチャードに考える人。カオティックに考える人。もし人口分布がこのチャートのままだったらラッキーですよね。クリエイティブな人がいっぱいいると。

実際はね、そうじゃないんですよね。こうなっちゃってんですよね。

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何かというとスーパーコンピューターみたいに考える人って1,000人に1人か1万人に1人しかいないですよね。

何かこれってこの問題ってどうやって解決したらいいんですかって聞いたら「それは雲である」みたいな、わけのわからん禅問答みたいなこと言う人いないですよね。

大体何となく、すごい構造、ちょっと構造的に考えるの、理屈っぽく考えるのが好きな人と、何となく直感で、フワッと考えるのが好きな人とに分かれるんですね。

で、やばいのはですね、マネジメント層は左に行くんですよ。再現性を求めてるんで、かつ数字で見たいんで左側に行くんですね。 で、クリエイティブな人たちは、右側に行くんですよね。これね言語が通じないです。例えば、クリエイティブな人がこんな感じの物ですって持っていったら、マネジメント層が何て言うかというとそれいくら儲かるのと、数字で問うんですね。

これね、深い問題ですね。

例え真ん中に、すごくストラクチャード・カオスが得意な人がいても、結局ストラクチャード・カオスな状態で数字を取り扱ってないんで、マネジメント層とね、話がつかないんですよ。
 

イノベーションをマネジメントするために必要なこと

これは深い問題です。

例えば今言った言語が通じないんで、マネジメント層がクリエイティブな人間と話すときには、数字で追わないとか、クリエイティブな人がマネジメント層と喋るときには、とりあえずストーリーっぽく喋るとかですね。いろんなルールがありますね。

それとか、例えば、生々しい話なんですけど僕のクライアントでP&Gがあるんですけれども、P&Gの中でパンテーンという部門がありますよね。 パンテーンの部門で、マーケティング戦略会議があるんです。で、6つのマーケティングのイニシアティブが半年にわたっていろんなプロジェクトをやって、パンテーンの社長と役員がいる前で6つのプレゼンをするんですよ。

その中身はいえないんですけれども、これ面白いんですよ。

1個目プレゼンしますよね。その途中で「これが未来のユーザーのインスピレーショナルカラーです」みたいなの出てくるんですね。マーケティングですよ。

仮に、それがパナソニックだとしましょ。まずその瞬間に役員の皆様が「えっ?」ってなるんですよ。一応紳士なので「うーん?」だけですけどね。

次の2番目のプレゼンテーションで今度ビデオが流れるんですよ。これは、未来の例えばこの国のマーケティングの、こういう感じのイメージで、みたいな。なんかよくわかんないんです、女の人が歩いているだけで。

その時点で、パナソニック旧松下電工ですね。やめてくれと。おれは理解できないからと。

これね、P&Gのパンテーン部門は6つともずーっと聞いてるんです。これ、明らかにわかっとらんと思ってるんですけども、フンフンと言いながら聞いてるんですけど、すごい面白いですよね。

何かというと、こっち側にいる人(構造化の側にいる人)が超インスピレーショナルなものを、OKですと。

僕は聞きます、私なんですけども女性だから。私は聞きますという主張なんですね。これはこっち側の人にとってすごく良いメッセージですね。

例えば、こういうふうに組織を組んでってるんですね。

これ一例なんですけれども、要はよくわからないものをどうやってコミュニケートさせて決めていくかという、今までは数字とか論理だけで語れたもの。PL計算して、もしくは将来のキャッシュフローを計算してディスカウント・レートで割戻して、ネット・プレゼント・バリューは20億円ですっていう、その計算ではない物を取り扱えるようなマネジメントスタイルを作らないと、実はイノベーションってマネジメントできないんです。これが2番目の問題です。
 

見たこと、聞いたことのないものをバイアスを壊してつくる

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まとめるとですね元のチャートに戻って、イノベーションというのは見たこと聞いたことがなくて、実行可能で議論を生むと。

おもしろいのは実行可能であるというとこばっかりみんな話すんですね。
こんなのどうでもいいです。もう慣れてるんで普段から実行可能なものをチェックする機能はあるんで、そんなのセルフで勝手に動かしてりゃいいです。

問題は見たこと、聞いたことのないものをバイアスを使って潰して作ることですね。

もう1個は作り上げたあと不確実性が上がっちゃうんで、組織の中でどう受け取るかです。

ただこのチャートの上でプロセス全体は日本人としては最強です、世界の中で。
ただ、この上と下の問題を解決すればいいということですね。ということで、結論はですね、この通りです。

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日本人最強ですね。以上です。


 

log4|濱口秀司が日本人とイノベーションの相性の良さを語る

日本人の「決められない」が武器になる–世界を4分類してわかったイノベーションに適した国家とは


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「働き方と学び方」の研究開発を強化することを目的に設立した「WORKSIGHT LAB.(ワークサイトラボ)」に、USBメモリなどの発案者であるの元パナソニック、Ziba戦略ディレクターの濱口秀司氏が登壇し、イノベーションを生み出すための方法論を教えます。本パートでは、「日本人イノベーション最強論」を唱える濱口氏が、世界を4分類することで日本とイノベーションの相性が良いと主張する理由を解説しました。

IDEOと取り組んだクリエイティブの実験

濱口秀司氏(以下、濱口):次、どうやってクリエイティブに考えるかですね。どう考えるんですか? 

1つ事例を紹介します。これは口頭でいきます。コンペティターのお話なんで。IDEO対Hideshi Hamaguchiですね。

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10年以上前なんですけれどもIDEOのティム・ブラウンって、今社長なんですけれども。ティム・ブラウンと僕とで、おもしろい実験をやったんですね。何かっていうとIDEOのプロセス改善をしようと。

もう超例外条件でIDEOのブレスト、本読まれた方は知ってると思うんですけど、むちゃむちゃ速いブレストですわ。1時間で7人集まって100個アイデアを作ると、自慢げに書いてるやつなんですけれども。 その実はね、ブレストに僕参加したんです。参加っていうかオブザーバーです。

7人いて、ファシリテーターがいて、ティム・ブラウンと僕が後ろの席にいて、で、実験をやるんです、ガーって、リアルケースで。 で、改善していくと。

すごいんですよ、本当に。1時間でぴったし100個。7人で、それもかなりバラエティに富んだやつ。 その1時間の終わりに差し掛かったときに何が起きたかというと、ファシリテーターが「グッドジョブ、みんな」と。

まあアメリカ人ですからグッドジョブと褒めて、ポストイット渡すんですね。1人3枚ずつ「はい、はい、はい」と。 で何を言ったかというと「その中でクールだと、すごいいいな、と自分が好きなアイデアを3つ選んでください」と。「選んでポストイット貼んなさい」と。これ自動投票システムですね。

そのアイデアの何がおもしろいかを考える

壁に、これ、これ、これって貼って投票されると。

で、ファシリテーターが「あ! これ票が5つも集まってるからグッドアイデアだね! グッドジョブ! さよなら!」て言ったんですよ。

これ何かおかしくないですか!? 僕ね、何かこれおかしい! と思って笑ったんですね。

そしたらティム・ブラウンが「何で笑ってんねん!」って顔して、大阪弁じゃないですけどね、英語で。

で、かなりね、ムカついてるんですね。

で、「おかしいんじゃない?」って言うと「何がおかしいの?」て言うから「だってさ、ブレストのゴールはすごいアイデアを思いつきたくてやってるんでしょ?」と。

「もしそのミーティング中にすごいアイデアが出たら、そんなのね、投票しなくてスゲー!っていうか、先ほどのコントロバーシャルであれば、半分の人間は大好きで半分の人間は大反対って言ってるけど大好きなやつは本当に大好きなんで、君んとこの有名なプロトタイプ、いきなりここで始まるんじゃないの?」と言ったわけですね。

これね、その時点で盛り上がってプロトタイプにしないってことは、全然おもんないってことですわ、アイデアが。

おもんないアイデアに投票して、「これが一番」って言って、「よくやったね」って言うのはサラリーマンじゃないか!? と。

あ、サラリーマンってみんなサラリーマンですけど。「おかしいんじゃないか!?」と。

という話をしたらティム・ブラウンが「じゃあ、君どうすんの?」って言うから、「待ってよ。じゃ、まだ帰んないで」と。

「いや、ファシリテーターは座れ」と。

「お前はもうだめだ」と。

で、何をやったかっていうと、もう一度ポストイットを配ったんです。はい、はい、はいって3枚ずつ。その瞬間の7人の顔のくもりよう。同じことやらすんか、こいつって(笑)。この東洋人は、と。

で、もう1個言ったんですね。「何でおもしろいか考えてください」と。

で、「そのおもしろい理由をこのフォーマットで書いてください」と。

棒1本引っ張って「こっちがこうだからおもしろい。というふうに書いてください」と。

「例えば、普通はそれは女性向けの商品だけれども、男性向けにしたからおもしろい。普通はそれを5個のパーツで作ってるけれども、1個にしたからおもしろい。何かおもしろいというクールファクター、おもしろいなと自分が思ったのを書いて、それを貼ってください」と。

宗教の違いでアイデアの出し方も変わる!?

これ何かというと、アイデアがおもんないと。

しかし日本人としてですね「八百万の神」を信じている僕はですね、そのつまらんアイデアの中にも、何かおもしろいもんがあるはずだと。それを引き出そうとしたんですね。

で、実はそれを組み立てることはできますよね。クールファクター2つ組み合わせて強くすることができますよね。それをデモンストレーションしたんですよ。

アメリカ人はそれ、なかなかしないですね。絶対神を信じてるから、すぐもう投票してこれがいい!って決めるんですけど、僕は全部とにかく取り込みたいと。

しかしアイデア全部取り込むのは無理なんだけれども、そのおもしろそうだとみんなが思ってる、えも言えないような切り口を塊にして持つ、ということをしたんですね。

で、それでブレストして「例えばこんなアイデアできるよね、この切り口を組み合わせると」ってみせると「おぉ、おもしろいじゃんこの東洋人」となるわけですね。

で、それで終わりそうになったんですね。

「待て、待て」と。「君たちがこのあとこのブレストをあと5回やったら、たぶんここにたどり着いて、その方向で考え始めるよ」と。

これ何かというと「バイアス」です。そのIDEOのプロフェッショナルがクールだと考じる方向で、どんどん考えていくはずなんで。「これがバイアスだ」と。

で、それは構造化しても見えてるんで、その場で「例えばこんなふうに壊してさ、こんなアイデアどう?」って言ったらみんな「えーっ!?」って言うわけです、さっきの車と一緒で。

「えー!?」みたいな。「二人乗りだけど自由度ないの?」みたいな。

で、説明すると「おぉ、おもしろいじゃん!」と。

これが実はね、IDEOと僕とのセッションの1つの例なんですね。これ、何を意味してるか? ブレストのプロセスがあります。IDEOの最初やったプロセスっていうのは、これですね。


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有名なやつで、「どんどんどんどん、アイデア出そうぜー。で、そこで否定してはいけないよー」とかね。「ポストイットに必ず1個書けよー」みたいなルールがあって考えるわけですね。 で、これアイデアがアイデアを刺激したりとかしながら、いろんなこと思いついて、次何やるかというと、投票するか、くっつけてすごいアイデアにする、と。

これ何でかと言うと、ブレストのゴールが右なんですよ、必ず。

そら当たり前ですよね、新しいアイデアを作りたいわけで。モチベーションが右に向いてるんですね。

だから投票したくなる。

加えて、「八百万の神」を信じてないから。

って、あのすいません、宗教の闘いをするつもりはないんですけれども、もしキリスト教の方がおられたらごめんなさいね。あの、絶対神を信じていると右に行くと。

これがね、ブレストレベル1です。ま、素人レベルですね。 で、会社でやると、よくこれやりますね。

で、もちろんもっと深い話になると、アイデアがアイデアを生んでるようなんだけれども、後ろでいろんな切り口を考えてる、ってのもあるんですが200メートル離れて見ると、こういう形ですね。
 

ブレストやるときはアイデアを見てはダメ

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次のレベル。「切り口を出す」と。

これ僕がIDEOにデモンストレーションしました。切り口を出して、それを例えばもう少し組み合わせて、もう一度割り戻すとできますし。

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もしくはレベル2で、マイクなんだけれども1日24時間あるので、シーンを分けていきましょうと。

で、オフィスでこのプレゼンで使ってるマイク。

それ考えますよね。「いや、プレゼン終わったあとに使うマイク」「え、何それ?」みたいな。

「いや、朝起きたときのマイク、トイレ行ったときのマイク、歯磨きしてるときのマイク」これ普通に論理的に切り口出せますよね。

それで作っていく、と。

こういうことができますよね。 でもポイントは、一番左の包括モデルまで持っていくと。

これが重要なことですね。なぜかっていうと、包括モデルっていうのはバイアスを探ろうとしている。

それを潰すと。これがやり方です、簡単に言うと。

すごくおもしろいです。何かって言うと、普通アイデアに着目しちゃうんですよ。

ブレストやったらアイデアを見ちゃうんですけれども、見たらいけないんです。

これが難しいところです。 アイデアじゃなくて、なんでそのアイデアが生まれてるの? 誰が、なぜそれが、クールだと感じてしまうの? と抽象概念を引きずり出して、組み合わせて、それを壊す、というのが実は重要なやり方ですね。よろしいでしょうか?
 

似たものが並んだときにあなたは何を選ぶ?

次行きます。2番目のトピックです、やっと。イノベーションと日本人。

さてどんな関係があるんでしょうか? 日本人を理解しようと思ったら、世界の人も理解しないといけない、と。

いろんな分類の仕方があります。いろんな理解の仕方あります。

実は2010年のBODW、ビジネスオブデザインウィークという、世界最大のデザインとファッションとイノベーションのイベントが香港であって、そこで僕が喋った内容の一部です。

世界の人を分類しましょう、と。この際、分類方法はこの切り口です。

人間が目の前にある物体、オブジェクトに対してどういう判断をしますか? と。

目の前にあるものに対してどう考えますか? と。

まず1つがですね、異質なものを見たとき。

例えば、このiPhoneとマイクを2つ渡したと。で、「どっちか選んでね」って言うと、「iPhone!」って。「僕iPhone好きだからこういう理由で」「俺マイク!」みたいな。

とにかく選ぶと。これはわりと何か西洋的ですよね。

決定論的に選んで、理由をつけて決めると。

で、これ対極的にあるのがですね「選べない」と。

「いや、何か両方とも欲しいんだけど。

いや、そんな無理に決めろって言われても何かちょっと決めれないよ」と。

深いところに、先ほど言った宗教観みたいなのがあって、「おばあちゃんはすべてのものに神様が入ってるから、俺マイク取ったらiPhoneの神様に、スティーブ・ジョブズに怒られる」みたいな、こういう感じを受けるわけですね。

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A and BとA or B。

もうわかってると思うんですけれども、見たら、同じようなものがいっぱいあったときどうするか? ですね。

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よく似たものA1、A2、A3、こういうやつ、これとこれとよく似てますよね。よく似たものが並べられたときに人間がどう反応するか? 
 

世界中を4つの分類する

1つがmore is betterですね。「全部欲しいよ、俺」と。

反対は「いや、そんなよく似たものだったらシンプルにいきたい」と。

「質素倹約で1個でいい」と。

もしくは「引き算の美学でもっと煮詰めたい」と。

こういうふうに分かれるんですね。 これで4通りに分かれますよね。で、ステレオタイプはよくないんですけども、世界中の人間分類します。

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1番目。右上。簡単です、アメリカ人ですよね。バン、バーン! て決めると。
「トラック乗りたい! でかいやつ」と。
一番いい例が、最近何か映画でヒットしてる『アベンジャーズ』。 (会場笑)
あれ、ありえないですよね? A、A、A、A、Aがドワーっと集まって(笑)。
あれ日本人ではありえないですよね? 感覚的に。
アメリカ人にむちゃヒットしてるんです、これ。アメリカ人ですよね。

次、反対側、日本人。これ日本人ですわ。決めれないけど、最後、龍安寺の石庭作っちゃう? みたいな。 (会場笑)
これはもう、全然違うタイプですよね。

 で、よく似てるんですけど中国の方。「選んでくれ」って言ったら「いやAもBも欲しいし、CもDも欲しいけれども、どんどん大きくいっぱい欲しい」と。

こういうメンタリティの方がいますよね、ステレオタイプでいうと。

で、右下は例えばイギリス人とかフランス人。何となくやっぱり西洋チックに、アメリカ人チックにバン、バン! って決めるんですけども、イギリス人からアメリカ人見たら「そんないっぱい取らんでええやん」と。フランス人から見たら「何でそんないくの? もうちょっとピュアにいこうよ」みたいな。

こういうふうに分類されるんですね。 これ、すごくおもしろいんですね。両方、隣同士はわりと仲良くできるんですね。

うちプロジェクトやってると、例えば中国のプロジェクトやったときには、たくさんがいいっていう議論しているうちは中国チームとアメリカチーム、OKなんですよ。 ところが、さあ物事決めて戦略決定だっていう話になったときに、中国チームは「待て、待て、待て。まだAもBもCも全部持っときたいよ」っていうので分かれるんですね。

実は中国人と日本人はOKなんです、コンプロマイズしてるときは。でも日本人から見る中国人のいっぱいを見ると「あ、それ、ちょっといっぱい過ぎる」と。 イギリス人とはこういう関係。実は隣同士は理解しあえるんですね。対角線上はもうね、ミステリアスですわ。 (会場笑)
 

日本人がイノベーションと相性が良い理由

もうアメリカ人から見て「何なの? あの寿司は」みたいな。
日本人から見て「何なの? ウェスタンは」みたいな。

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香港なんかおもしろいですよね。香港なんかこの真ん中ですよね。イギリスと中国の文化の接点みたいな。これね、対角線上はもう、実はね、あまりにもミステリアスだから逆に食えるんですよね。利害関係がないから、売り方によっては。こういう形になってますね。

MUJI(無印良品)の話なんですけれども、MUJIはなんなのみたいな。

MUJIってここ、日本の文化なんですよ。本当はシンプルなんですけれども、いろんなバランスを取ってるんですよね。

面白いのは、中国人から見たMUJIは、バランス取ってるのはわかってると、シンプルやなーと。
イギリス人から見たMUJIは何かというと、シンプルなのはわかってるけれどバランス? みたいな。
アメリカ人から見たMUJIは何なのそれ? みたいな。
店の数を見たらわかりますよね、最初イギリスで大成功しましたよね。今も増えてますよね。で、中国、今すごい人気ですよ。アメリカはまだ1店舗、こういうことですね。

こういうふうにキャラクターが別れたときに、4種類の人たちが世界で生きてるんですねーというチャートなんですね。これ注意しましょうねー、マーケティングする時よく考えましょうねー、というチャートなんですが、これとイノベーションを組み合わせると、1ヶ所だけ僕のさっき言ったプロセスにぴったりのクワドラントがあるんです、これです。


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これ何かというと、決めない。すぐ投票して、いいもの見つけないと。なんとなく全部の人を入れてジャグリングしながらでもその背後にあるものを探りたいと。包括的に何か見たいと。このA&Bですね、捨てたくないと理解したいと。

次は、そのままほっといたら、ひっちゃかめっちゃかになるんですけれども、無理やりあるとき単純化して、何か見たいと、本質をと。

この左下のカルチャーを持ってる人だけが、僕の先ほど書いたこのプロセスに3番のレベルと、あれを壊すというのに合うんですね。

で、Zibaっていうのは多国籍なので、22ヶ国ぐらいの人が集まってるんですね。教育もします。プロジェクトもします。明らかに、明らかにアメリカ人だめです。 もう、僕のプロセスは頭では理解するんですけれどもすぐ投票したり、すぐ決めようとするんです、わかってても。

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ところが、日本人チームはいなんですけど、日本人僕1人なんで、日本のクライアントさんと仕事したりするとこれを説明すると全然OKなんですよ。左側の概念論をとにかく組み立ててみたり触ったりするんですね。これすごいんですよ。

これ日本人は、だからこういう意味でイノベーションには実は近いというのは結論ですね。ですからこのプロセスは充分日本人は受け入れることができると。

もしくは「よーいどん」で学ばしたりとか、「よーいどん」で練習したりとかすると確実に日本人の方がレベルが高くなります。だって体に根付いているもんですからね。

log3|アイデアが生まれやすい脳の状態とは? クリエイティブをマネジメントする方法

アイデアが生まれやすい脳の状態とは? クリエイティブをマネジメントする方法

「働き方と学び方」の研究開発を強化することを目的に設立した「WORKSIGHT LAB.(ワークサイトラボ)」に、USBメモリなどの発案者であるの元パナソニック、Ziba戦略ディレクターの濱口秀司氏が登壇。濱口氏がケーススタディを用いて、イノベーションを生み出すための方法論を教えます。アイデアを生むためにはクリエイティブな脳の状態を維持することが必要だという同氏がお勧めの2つのメソッドを紹介しました。


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京都にユニークな電気自動車を走らせるプロジェクト

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濱口秀司氏(以下、濱口):4つめ。4つめで終わります。ケースとしては。最近のケースです。
「エレクトリックビーグルを京都でユニークに走らせてみよう」と。これ、実際にあったそういうテーマです。いいですか?車会社がデザイン会社に頼んで、京都の中で、あの狭い町で電気自動車を走らせて、おもしろい仕組みを作ってくれよと。

実際あったプロジェクトで、5社が入って考えたんですけれども、どうもアイデアとしておもしろくないと。で、僕に声がかかったんですね。「ちょっと1発やってくれんか」と。その時に考えたのは、まず車を全て小さくしてます。狭い町で、細い路地に入ったらおもしろいとこもあるし、ビジネスもあるから、小さくしないと路地に入れないと。いいですか?

2人乗りとか、3人乗りとか。それは、5社ともそういうふうに考えたんです。もちろん、例えば西陣織の地域でやるとしたら、西陣をシートに入れて地産池消にするとか、もしくはスマホ使ってEVステーションをちゃんと自動的に見つけるようにするとか、いろんなことを言ってるんですけど、基本的にエレクトリックビーグルとして小さくなってるんです。これはOKだと思いま す。とりあえずね。

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じゃあ、どこにバイアスがあるか。これ見てくださいね。

「objectとmobility」これ、真ん中が例えば普通の車のサイズにしましょう。ちょっとこっち行くとプリウスですね。もうちょっと行くと、皆が考える3人乗り、2人乗りの電機自動車。もうちょっとこっち行くとセグウェイですね。一応左下は人間にしておきます。人間一番小さいんで。人間は自動車じゃないですけど。こっち行くと電車っぽいやつですね。すみません、電車を一番端にしようか。この辺が電気バスですね。飛行機とかはやめておきましょう。一応空飛んでるんで。あと地下鉄はやめて、地上にはいつくばっているものと。要は、人間から電車サイズまでobjectのサイズがあると。

で、おもしろいのは、なぜデザイナーたちが皆小さくしようと思ったかというと、それはmobilityを上げたいんですね。例えば京都の町並みで、この細い路地を人間がこうやってキューって入ってきますし、例えば軒下にも入れますよね。電車は入れないですよね。実はmobilityと、もののサイズは、相関関係があると。これに従ってもしアイデアを作ると、全員が2人乗りでmobilityの高いものを作るんですね。

視覚化したバイアスを壊して、新しいアイデアをつくる

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もう一度。これがアイデアを作っている深い源泉だとしましょうか。

視覚化されていますよね、線が。これ壊せますよね。これ、子どもに「この線と違う線を書いてください」って言ったらおしまいで、ぐにゃぐにゃって曲げて書く子もいれば、ぺけにする人もいれば、仮にこの線を引いたらどうなります?

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ここですね。2人乗り、3人乗り。トゥクトゥクって線を上げると、ここにぶち当たりますよね、新しいアイデアとしては。

いいですか? 2人乗りなのに、mobilityが低いですと。

これ聞いた瞬間に「ええ!?」と思いますよね。「え、何で? 2人乗りだからmobility高いはずなのに、mobility無いの? おかしいじゃん!」と。

仮に堀川通り。関西出身ならわかるんですけど、南北に走ってる太い幹線道路があるんですね。4車線とか5車線の、一番端だけ走れると。で、スピードは自由に調整できます。端のレーンで、速く行ったり、遅く行ったり、2人乗りで楽しく。で、その代わり、走行車線に入ると危ないからアウトと。普通はそこから路地に入ると楽しいことが待ってるんですけど、路地は駄目と。堀川だけ走れる、ちょっと自由度がある、そういうEVを作るんですね。
もうちょっと拡張して堀川、北大路、東大路、三条ってロの字型にしますよね。それでも、その端っこだけしか入れない。で、各交差点にEVの充電所を作るんです。いいですか? ロの字型で。
で、各交差点は、例えば、いろんなお店があったり、ここ清水寺、ここ銀閣みたいのありますよね。そうすると、旧所明跡とリンクできるし、かつ「ああ、ここの充電ステーション10台停まってていっぱいだから、次のところ行こう」と思ったら、自分のスマホ見たら、次のところ空いてるよって。でも目で見ても視覚的に空いてると。あそこだと。
固定されているからわかりやすい。これもうちょっとぐっと押しましょうか。
固定されていると。仮にそれが京都に敷設されて、京都で地震が起きて、停電が起きたとしますよね。これ固定されてて、車自体はバッテリーですよね。夜多分繋がってますよね、80パーセントくらいは。停電したらLEDライトが点いてて、充電ステーションが全部光るんです。各交差点ごとの、ロの字型で。
そうすると京都の人は、ライフラインとして、とにかく電気が切れても、あそこの幹線道路まで行けばライトは点いてると。次行きますよね、そこに。充電の箱がありますよね。バーンあけるんです、非常用の。ワイヤーが200本入ってて、引き出すんです。何かっていうと、携帯に繋がる。何か災害があったときに、携帯の基地局は相当強く作られてて、別の予備電源があるんで通信はできるんですけど、何が問題かというたら、町の中で電気が無いので、自分の携帯が使えなくなると。そしたら、そこに繋がってるEVのバッテリーが全部切れるまで、とにかく京都市民に電話通信はできるようするというインフラに作りかえることができますよね。

これだけの話が、何で出てくるかというと、皆が「こうだ!」って思っているものをピュッと壊すことで出てくる。
 

壊すバイアスは深ければ深いほどいい

もうちょっと深く考えて、例えばこれで世界のインフラ設計をしようと。

都市のサイズ、産業の分布の仕方でパターンニングしようという時に、Aという車会社が、このバイアスに従ってインフラストラクチャーを作ったと。

パリの街はこれと。でかいのと小さいの、みたいな。パリの郊外は、このでかいのだけという、このラインに沿った車を準備してインフラを組んだ場合と、B社はこれを知っていて、mobilityが低い2人乗りというのを持っている場合で、明らかに競争優位性は違いますよね。

これ何を言いたいかというと、壊すバイアスは深ければ深いほどいいと。

本当に当たり前だと思っているところをぶち壊すと、相当イノベイティブなところにいくと。ですから、我々がやらないといけないのはバイアス探しなんですけれども、どうやってアイデアを作るかというバイアス、それから、できるだけ深いバイアスを探す。それを視覚化して、視覚化すれば壊せる。これがバイアス崩しのポイントですね。よろしいでしょうか。
 

クリエイティブな状態を作り出す

じゃあ、どうやってやるのと。何か絵描いて、違う線引いて考えたらいいんだなと。それは正しいです。じゃあどうやってやるの、という話です。

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答えは、要はクリエイティブに考えればいいという、すごく突き放し系の答えなんですけれども、もう少し詳しくいきましょう。

クリエイティブに考えればよいと。これは重要です。やっぱ新しいことを考えるので、例え先ほどのようなやつでも、クリエイティビティは保っておきたいですね。で、「クリエイティビティって何なんですか?」ということですね。

また脳内です。やっぱり脳みそなんですね。で、脳みそが、いつクリエイティブなのかっていうのを理解しないと、絶対コントロールできないですよね。

これ1つの例なんですけど、脳みその中を見ると、ものすごく構造的に考えてる瞬間、ロジカルに考えてる瞬間、なんか公式で考えてる瞬間、算数で考えてる瞬間がありますよね。反対が直感であーだこーだランダムに考えてる瞬間がありますよね。人間の脳って右脳左脳があってすごくおもしろくて。

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仮にこうだとします。脳の中にはモードがありますと。すごく構造的に、論理的に考えてる瞬間と、反対側の瞬間と。で、この上で、クリエイティビティはどこが一番高いんですか?っていう議論をすると、よく皆考えるのは、縦向きにこう線を、斜めにきゅっと。(左下から右上に斜めな線を描くフリをする)

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構造的に考えてるときは低いと。 例えばミーティングルームに入って、「はい、皆さんこんにちは。今から3分間考えてください。その後1つずつのテーマを、1人1個で30秒ずつご説明ください」っていうと、クリエイティビティが下がると。カオティック(無秩序)に何かワイガヤ(ワイワイガヤガヤ)でやってると、クリエイティビティが高まると思ってるんですが、僕の経験上、全然違うんですよ。こうなんですよ。

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カオティックにむちゃくちゃやってる時は、実は個人のクリエイティビティはあまり高くないです。グループでも全然違いますね。ストラクチャードが低いっていうのも、これは正しいです。新しい発想は生まれないです。なぜかというと、先ほどのバイアスモデルと一緒で、結局数式を使ったり公式を使うっていうことは、もうそのバイアスに縛られるわけで、それが崩れた状態を議論しないといけないわけですから。

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そうすると、真ん中のゾーンが実はスイートスポットになるんですね。それを、ストラクチャードカオスと1998年に名付けたんですね。

構造的、でも混沌。普段人間の頭って、こういう瞬間ありますよね。何となくロジカルに考えてるけれども、でも直感も入ってるという。実はこれがスイートスポットなんです。で、これが一番クリエイティブな状態です。
 

クリエイティブをマネジメントする方法

さて、これが正しいとしたら、先ほど言ったクリエイティブに考えようっていう時に、クリエイティブな状態、この山のてっぺんに保つっていうのが結構大変なんですよ。

山の上にボールを置いているようなもんで、パナソニックに行ったら、皆で議論したら、ボールは必ず左側に転がっていきますね。「はい、構造的に」みたいな。
 ベンチャーと仕事をすると、右側にボーン転がっていって、何を言ってるかわからなくなると。これ、山のてっぺんにボール置くとの一緒で、むちゃくちゃ難しいんですね。

で、いろいろ考えて実験した挙句、実はね、これマネジメント方法があります。2つだけ今日ご披露します。本当は3つあるんですけど。これ謎かけで、思いついたら教えてください、気が付いたら。
 

構造と無秩序を行き来する

メインの2ついきます。

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まず1つ目。行ったり来たりする。
これ、むちゃむちゃパワフルです。例えばこの瞬間「はい、このマイクをイノベーションしてください」て、どなたかに言いますよね。でも「3分後にプレゼンしてください、この皆さんの前で」と。カーテン、バーン! と開けたら「周りにあと5,000人います」と。そこで「説明してください」って言ったら、かなりカオティックにいきますよね。ハードルは高いし、緊張感は高まるし。

で、こっち側に行くと。で、考えていただいた直後に「あ、すいません。間違ってました」と。「えっと、もうちょっと構造的にいきましょう」と。先ほど言ったみたいに「マイクの部品点数は全部で7つでできておりますので、これをですね、20個、100個、という感じで、もし作っていくとどんなふうになるか、考えてみてください」と言うと、ガーッて左側行くんです。

これ実際、行ったり来たりすると、論理的にはこのてっぺんを頭が通ってる確率が高くなると。科学系のほうでよく言われる電子イオンみたいなものですね。「どこに電子があるかわからないけれども、その辺は通ってるはずだ」と。こういうアプローチです。これ有効です。
  
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2つ目はですね、物理的にコントロールすると。

科学なら次は物理だということですね。物理的にコントロールすると。 で、物理的に何かコントロールしようと思うと、3つ必要で、

1つ目は「目的を知ってる。そこに置きたい」と。

2番目、モニターできると。「あ、転がっとるわ」と。

で、転がった瞬間に3番目。「元に戻すツールがある」と。

こんだけあったらコントロールできるんですね。これコントロールできます。ゴールを知ってるから。で、どうやってモニターして、どうやってコントロールするか? ってすごい簡単です。脳の話なんで、中で使ってるメディアに着目します。

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例えばブレストやるときに、ひたすら論理的なことを問うと。「全て数字で語ってください」と言ったら簡単に左側行きますよね。

次に、とにかくこのマイク考えるときによくわかんないけれども「美しい絵で描いてください」とか、もっと言うと「建築物の一部の写真で語ってください」って言うと、もうこっち側行きますよね。

で、いいものがあって、実は。

1つはダイヤグラム。僕がこれ書いてるのは全部ダイヤグラムですね。これ、ある程度論理的なんだけれども、でもいい加減じゃないですか。何が構造的?みたいな定義しかしてないわけで。このある程度いい加減なダイヤグラムっていうのは、すごいパワフルなツールで、それを書いてるあいだは、実は構造的混沌のちょっとこの辺で頭が動いてるんですね。

次、ポンチ絵。今日は描いてないですけれども、よく描くんです、ノートにいろんな絵を。でも全然きれいな絵描けないんで。僕デザイナーじゃないんで。何かこうやって棒状の人間を描いて携帯持たせてみたいな。ポンチ絵、これってね、全然美しくないんで、インスピレーショナルじゃないんで、こっち側(カオティックな方向)に来るんですね。 この両端のメディアをもし使えば脳がそこに行くんだったら、簡単ですよね。

ひたすらその2つで考えたら、真ん中行きますよね。

もっと言うとチームメンバーがやたらストラクチャーなことを考え始めて、壁にマーケットデータを貼ってたら「わかった」と、「それはわかったけれども、それをもう少しダイヤグラムに変えてください」と。

「いやそれを、ソリューションをもう少し何かこう、ちょっと簡単な絵で描いてください」って言うと真ん中に持ってこれる。

これがマジネメント方法の2つ目ですね。

で、先ほどの「行ったり来たりする」それから、「メディアをコントロールする」というこの2つだけで、最初の議題ですね、クリエイティビティは真ん中の高い状態に保てます。

これがまず1つ目ですね。で、まずこれで「クリエイティブに考える」土台ができたと。

log2|全員が賛成するアイデアはダメーイノベーションを生む3つの条件とは

全員が賛成するアイデアはダメ–イノベーションを生む3つの条件とは

「働き方と学び方」の研究開発を強化することを目的に設立した「WORKSIGHT LAB.(ワークサイトラボ)」に、USBメモリなどの発案者であるの元パナソニック、Ziba戦略ディレクターの濱口秀司氏が登壇。イノベーションには3つの共通点があるという濱口氏が、ケーススタディを用いて新しいアイデアを生み出すための方法論を教えます。イノベーションでもっとも重要なのは「バイアスを壊すこと」と語る同氏が、技術開発や商品開発にどのようなバイアスが存在しているのかを視覚化し、構造化することの重要性を解説しました。


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イノベーションは定義できない?

濱口秀司氏(以下、濱口):やっと1番目のテーマですね。イノベーションについてお話しましょうということですね。

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まずその前に、イノベーションって一体何ぞやということを定義しないと取り扱いができないです。ちょっと考えてみてください。 例えば、これWikipediaでさっき引っ張ったんですけれども、Wikipediaで見ると何かいっぱい書いてますわ。

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で、もう読んでもしょうがないからぐにゃっとしときますけど。 イノベーションの定義をしてくださいっていうと、これできないです、はっきり言って。
昔に別の講演で言ったことがあるんですけれども、学者の数だけイノベーションの定義があると。もしくはビジネスマンの数だけイノベーションの定義があると。ある人は「永続的うんちゃらかんちゃら」って、ある人は「顧客のエクスペリエンスが」って、もうね全然定義できないです。
ただ僕の経験上、定義はできないんですが「この要件を満たしているとイノベイティブである」というものがあります。それが何かというと、何かよくわからないんだけど、棒で突き刺すと形が見えてくると。「あ、イノベーションの形だ」というような感覚ですね。
棒は100本も200本もいらないです。大体というか、僕の経験上3本突き刺したら、大体それがイノベーションかどうかわかります。そのお話をします。

イノベーションの3つの条件

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3つありまして、1つめが、当たり前なんですけど「見たこと、聞いたことがない」。
非常に当たり前です。でも、僕がポケットからぴゅって出した時に、皆さんが「わ! それ見たことあるわ! 聞いたとあるわ!」と言ったら、もうその時点でイノベーションじゃないですね、やっぱり。

2番目。ビジネスやってるんで、実行可能じゃないといけないんです。例えば「よし、このマイクを並べて、今から皆で月へ行きましょう」って言ったら、「おお! 聞いたことねえよ、そんなの!」って。でも、実行可能じゃないですよね。2000年経ったらできるかもしれないですけど、ビジネスで与えられた5年とか10年であれば実行不可能ですよね。だから、ビジネス上では実行可能であるアイデアであるというのが重要です。

3番目が「議論を生む」です。そのアイデアを目の前に出した時に、議論が生まれると。英語で言うとcontroversyですね。「あ、俺大好き、これ!」という人に対して、「絶対反対!」と。もしくは「え、こんなことやっちゃったらどうなんの!?」みたいな、「危険がすごく大きいよ!」みたいな。「いや、いいじゃないか」と意見が分かれると。

これが実はイノベーションの匂いですね。 例えば、全員が賛成しているっていうのは絶対イノベーションじゃないですね。2万人に聞いて、2万人とも反対しているのもイノベーションじゃないですね。実はこの2つの意見が対立している状態というのがイノベーションですね。なぜそうなのかは後で説明します。よろしいでしょうか。
 

イノベーションのキーワード「バイアスを壊す」

イノベーションの定義が仮にこれでできたとします。「これとは違うんだ」っていう方は後でディスカッションしましょう。
やり方ですね。やり方のヒントは、実は1番目にあります。なぜかというと、見たこと聞いたことがないものを作らなきゃいけないわけで、これがやり方のヒントですね。

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見たこと聞いたことがないっていうのは、結局人間の脳みそなんですね。
人間の脳みそが「おぉ、それ見たことないぞ、聞いたことないぞ」と判断するわけですね。で、実は人間の頭の中には一定の先入観だとか、難しい言葉で言うとパラダイムとか、考え方があるんですね。「これはこう考える」と。

 例えば、マイクをイノベーションしようと思ったら、エンジニアであれば、ぱっと見て「部品が全部で7つでできてるから、それを200個にしてみよう!それは変だぞ!」みたいな。
もしくは、それがユーザーリサーチの企画者であれば、マイクの持ち方、置き方みたいなものを研究しながら考えるだとか。
実はあるそういう考え方があるんですね。もし僕があるアイデアをその考え方に近い状態に沿って出すとどうなるかっていうと、「おぉ、見たことある、聞いたことある」と。当たり前ですよね。

じゃあ、イノベイティブな脳を作ろうと思ったら簡単で、そのバイアスに対抗するものを作ればいいんです。

アイデアを生みだそうとする考え方、システムと反対側のもの、もしくは違った角度のものを放り込めば「ええー!?」と思うと。これすごく簡単ですね。

ですから、何をしなきゃいけないかというと、バイアスを壊すことです。 これ非常に深い話です。この話だけで何時間も話ができて、手法論がいっぱいあるんですけど、でもイノベーションの一番重要なもの、一番重要なステートメントは、バイアスを壊すことです。 それは自分のバイアスかもしれないし、人のバイアスかもしれないし、ライバルのバイアスかもしれないし、コンシューマーのバイアスかもしれないし。バイアスを壊すことです。
 

共通のバイアスから離れるほど議論が深まる

これ実は人間との戦いです。人間っていうのは、脳との戦いです。自分の脳と他人の脳との戦いです。消費者の脳との戦いです。 で、バイアスが外れるから、バイアスをぶっ壊すから、もしくは、こうだと思っている規定の概念から離れるから、そのアイデアを実行しようと思うと、実は読めなくなるんですね。

普通の、自分の知ってるとおりのことが起きると思うと、大体数字で読めるんですよね。「あ、売り上げこれくらいだ」とか、「これならお客さんに受け入れられる」と。それと違う発想だから、読めなくなるんです。

読めなくなると、不確実性が上がるということですよね。不確実性に関しては、人間は合意できないんですよね。

例えば、僕がこのマイクを投げるのを死ぬほど練習して、大学の先生をいっぱい集めて力学も勉強して、マイクを投げてそこの壁に当たって跳ね返ってきて僕の額に当たる確率みたいな。これを全員合意することは不可能ですよね。だから、不確実なものは合意できないから、だから議論を生むんですね。 もともと、皆が持ってる共通のバイアスから離れれば離れるほど議論は深くなります。議論は対立します。誰もそこにパラダイムを持ってないから。
 

バイアスを見える化して破壊する

少しバイアスを壊すという概念を、具体例で感覚的に皆さんに掴んでもらおうと思います。

ケース1。

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仮に、コンセプチュアルにアイデアが4つあります。ではバイアスを崩してみましょう。
こんな感じです。1、2、3、4って。これ1つ1つのアイデアです。これバイアスを崩せないですよね。例えば1つ1つのアイデアを聞いても、これ崩せないんですね。

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仮に、これをある特性で並べたらこんなふうに並びましたと。アイデアそのものの話はしてないです。ある特性に基づいて並べると仮想曲線が見えますよね。
 

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「あ、これってトレードオフなの?」みたいな。「皆のアイデアは、bを取るとaを失うし、aを取るとbを失うというアイデアに沿って皆考えてるの?」と。 こういうのありますよね。
商品開発やった時に、aをやるとbは絶対入らない、bをやるとaが入らないみたいな。もしくは企業でも、ビジネスネゴシエーションで、aを取るとbは失うみたいな。これ、結構ビジネスの中だとか、普通の生活でもありますね。 そういうふうなカーブがもし見えたら、これは論理的にバイアスを壊すことができますよね。 例えば、こんなアプローチができます。

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それがそうなら、極端にAに行こうと。普通の人が考えるよりも、極端にBを忘れてAにいこうと。もしくは極端にBに行こうと。こういうのができますよね。

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もう1つは、バイアス曲線の上で中庸をいくと。うまーく組み合わせると。日本人が得意ですね。バランスを取った商品みたいな。これできますよね。これ2つめのアプローチです。

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3つめは、バイアス曲線が見えているので、壊しちゃえと。これ意味、何かわかんないです。でも普通はAとBが取れないのに、とにかくA、B取る形に持っていこうと、こういう議論ができますよね。

この中でイノベイティブなのは何かというと、Dです。

なぜかというと、所詮エクストリームなAを作っても、それを誰かに見せた時に、それが根源的なバイアスであれば、「ああ、極端パターンね」と、「知ってるよ」と思いますよね。

それから中庸パターンを作っても、「ああ、そこのバランスを頑張って取ったのね」と。「知ってるよ」と。「見たこと、聞いたことあるよ」「想像の範囲だよ」と思うんですね。

ところが、このトレードオフがすごく深いバイアスで、全員信じてて、壊すというアイデアを持ってくると、「ええー!?」となるわけです。これが、1つの事例です。


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何かというと、「見えないものは破壊できない」ということです。バイアスを探っても、例えば空気を壊すとかできないです。何か形にしないと、見えるようにしないとバイアスは壊せないと。
 

桃太郎を破壊せよ

で、次のケースいきましょうか。

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「桃太郎を破壊せよ」と。

桃太郎っていう物語ありますよね。これを今から破壊してくださいという議論をしようと。 そしたら、「桃から生まれた桃太郎だから、じゃあ林檎太郎にしようか」という人もいますよね。「いや、どんぶらこと川から流れてくるから、じゃあ逆にロケットエンジンつけて、川上に飛ばして壁に当たって桃太郎が生まれてくる」みたいに血まみれになってみたいな、そういう発想はありますよね。でも、それが本当に桃太郎という物語を破壊してるかどうか、わからないですよね。

で、こういうアプローチがあります。例えば、桃太郎はヒーローものだと。ヒーローものだと。よくよく見てると、雉とか猿とか、そこら辺の奴らと複数チームになっていると。


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これに対して、僕が良く知っているヒーローものは1人なんですね。じゃあ、1人対複数で、桃太郎はそのヒーローモードで言うと複数、チーム戦なんだなと。

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仮にですね。ヒーローものだから、勧善懲悪だと。桃太郎はさすがに鬼退治にいって、宝物をせしめて、おじいさんとおばあさんを幸せにすると。勧善懲悪でいいものですね。鬼が悪者ですよね。 最近聞いた話では、仮面ライダーがそうじゃないらしいですね。最近の新しいやつは。なんか苦悩するらしいですね、良いものと悪いものの間を。グレーであると。 これで、実はヒーローものの簡単なモデルができて、これ正しいかどうかわからないんですよ。でもロジカルに何か見えてる。で、桃太郎はどこにいるかというと、もちろん左上で、勧善懲悪で複数だと。ここまで見えたとしましょうか。こういうの破壊できるんですね。

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新桃太郎は、鬼を退治して、船に乗って、おじいさんとおばあさんのところに戻っていってると。戦場でいきなり雉に飛びかかって焼き鳥にして食ったと。これは、崩れますよね。「え、あいつ1人だったの、実は?」と。そして、「え、あいつ良い者じゃないの? 宝物は持って帰ってるけど、仲間食っちゃってるよ?」みたいな。これ破壊されてますよね。だから、実は構造化するっていうのはすごく重要なんですね。

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ポイントは「構造なきものは破壊できない」。だから、バイアスを崩していこうと思うと、アイデアを見てもしょうがないんです。その背後にあるものを、何とか視覚的に構造化して壊せるようにしないといけないということですね。
 

USBメモリはどんなバイアスを壊したか

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もうちょっと行きましょうか。これは僕がやったケースですね。1999年に、カジュアルデータマネジメントのバイアス。例えばフロッピーディスクがありますね。「データちょうだい?」「はい」って渡してますよね。「添付」とかいうのをやってますよね。99年です。 これのバイアスが何だったかと。これがその時に書いたチャートです。

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1つがデータサイズ。データがでっかい、ちっちゃいですね。もう1つがexperience、体験として、Tはタンジブルです。
 要は触って分かる。「俺フロッピーディスク持ってる」「俺のデータ」「あ、踏んだ」「踏まれた、俺のデータ」と。わかるというのと、感じられないと。
例えば「ファイル添付してメールで送ります」。何も感じないですよね。サーバーに入れたら何も感じないですよね。 で、この時、実はこれUSBのフラッシュドライブのケースなんですけれども、クライアントも、Zibaのチームも、ブレストすると全部この話になるんです。

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どういうことかというと、データサイズはどんどん大きくなっていくと。だってデジタルカメラの性能は上がっていくし、パワポにどんどんいろんなもんくっつけるし、フロッピーに入らねえと。
でも、その時言われたのは、これおもしろい話なんですけど、今は皆さんああいうものを使ってるから当たり前だと思うんですけど、当時ディスカッションすると「絶対にもうワイヤレスになる」と。IR(赤外線)で飛ばしたり、インターネットに載せたり、とにかくそんな物理的に「はい、どうぞ」なんて、フロッピーディスクっぽいものとか、コンパクトフラッシュにいちいち入れてなんて、あり得ないよという話なんですね。 これ見たら構造化されてますよね。じゃあ、これと違う矢印を作れって言ったら、こうなりますよね。

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疑問として「本当にそうなの?」と。やっぱりデータが大きくなって5年後も10年後も「あ、それ俺のデータ」ってポケットに入れて持ってるという人間らしい感覚というものがなくなっちゃうんですか? というところが、実はUSBのフラッシュドライブの始まりです。

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で、この後実はモデルはいっぱいあります。これ以外に、例えばテクノロジーのモデルも触ってますし、実はマーケティングのモデルも触ってるんですね、これね。でも、それは皆が考えてるバイアスを全部切り崩していって組み合わせています。だから、ああいうふうに立ち上がってるんですね。で、USBのフラッシュメモリと。

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「人々の発想のバイアスを狙うべし」ですね。USBのフラッシュドライブは、チームメンバーがこう考えていると、こうやってアイデアを作るんだと思っているバイアスを探っていると。