月曜日, 1月 30, 2017

ニコン?キヤノン?


 

ニコン?キヤノン?

 

デジタル一眼レフカメラ初心者にオススメの選び方

 

こちらは「初心者でも一眼レフカメラで綺麗な写真が撮りたい!」と思っている人に向けた記事になります。

今回はデジタル一眼レフカメラの購入を検討している方に向けて、その選び方について掘り下げていきたいと思います。

初心者向け、あくまでもおすすめ、ということでご了承いただければ幸いです。

それでは、はじめます。



一眼レフを買う際に重視するべきポイント



初心者の方が一眼レフカメラを購入しようとするとき、気になるのは以下のようなポイントではないでしょうか。
  • 撮ることのできる写真のクオリティ
  • 予算内に収まるかどうか
  • 初心者でも扱える操作性

それらを踏まえた上で、次に考えることは以下の3点。
  • メーカー
  • ボディ
  • レンズ

“写真のクオリティ”“予算内に収まるかどうか”“初心者に扱えるかどうか”は、実はメーカー・ボディ・レンズの選び方で決まります。


これがどういうことか、1つずつ説明していきます。




デジタル一眼レフ、カメラのメーカーの選び方



後述しますが、一眼レフカメラの特徴は、自由にボディとレンズを組み合わせられることです。

しかし、どんなボディにもあらゆるレンズを装着できるわけではありません。
これは、ボディとレンズを接合する機構がメーカーによって異なるためです。

この機構はレンズマウントと呼ばれ、代表的なものにはニコンのFマウント、キヤノンのEFマウントなどがあります。カメラ好きなら一度は耳にしたことがあると思いますが、みなさんの憧れライカとかだと、Mマウントとか、Lマウントとかですね。


基本的には、ニコンのレンズマウントにはニコン(ニッコール)のレンズを、キヤノンのレンズマウントにはキヤノンのレンズを接合します。

実際にはボディにメーカー違いのレンズをつけるためのアダプターなども売られていたりしますが、初心者の方はとりあえずボディと異なるメーカーのレンズを付け替えることはできない、と思っておいてください。


したがって、レンズを買い替えたくなれば、手持ちのボディに接合できるレンズの中から選ぶことになり、ボディを買い替えたくなれば、手持ちのレンズを接合できる機種の中から選ぶことになるため、よほど資金が潤沢で無い限りは、一度ボディを買ってしまえば、結果的に同じメーカーの製品を買い続けることが多いです。






また、一眼レフカメラのボディとレンズは一般的にとても高価なものであるため、メーカーごと乗り換える決断がしにくいという事情もあります。


最初に選んだメーカーが、あなたのカメラ人生における長年のパートナーになる可能性は高いでしょう。

慎重に検討する必要があることもおわかりいただけるかと思います。
(カメラのメーカーは、しばしば結婚相手を選ぶことにたとえられます(笑)。それだけ大切なポイントということですね。)



The Kissing Sailor   Alfred Eisenstaedt

 

 

2社に絞って考えてみましょう



最初にメーカーを選ぶことが大切であると説明しましたが、デジタル一眼レフカメラを発売しているメーカーは、国内でも実に数多くあります。

初心者がこれらすべてのメーカーの違いや特徴を理解し、1つのメーカーを選ぶのはとても難しいことです。

そこで、初心者の方には、まずは「ニコン」「キヤノン」のどちらかに絞って考えることをおすすめします。


というのも、一眼レフカメラの国内シェア率はニコンとキヤノンが90%を占めており、圧倒的にニコンとキヤノン、どちらかの一眼レフを使用している場合が多いためです。

必然的に、レンズやボディのラインナップが優れており、選択肢も豊富です。

前述したように、レンズマウントの違いもあるため、愛好者、知り合い、友達同士でレンズの貸し借りをするようなことがあれば有利となります。


また、カメラの設定や操作方法がわからなくなることは初心者ほど多いので、周りの人に聞こうとした場合、同じメーカーを使っている方が便利なことも多いでしょう。

メーカーによって各種ボタンの位置が違っているなど、落とし穴は意外と多いものです。

このように、ニコンとキヤノンは比較的、初心者にも扱いやすいカメラと言えるでしょう。

※あくまで初心者の利便性を重視した場合ですので、興味のある方は、実店舗でさまざまなメーカーのカメラを実際に触り、その違いを体感することをおすすめします。





ニコンとキヤノンの違い



デジタル一眼レフカメラは、同じメーカーの製品でも機種やレンズによって写真のクオリティや操作性に大きな差が出ます。

したがって、ニコンとキヤノンのボディ・レンズに優劣はつかないのですが、二社のカメラ開発の経緯を振り返ると下記のようなことがわかります。


 

Nikon ニコン


ニコンは元々、三菱の資本によって計器メーカーの光学部や硝子製造、レンズ製造といった専門分野の技術者が集まり、合同で設立した会社でした。

一般向けに双眼鏡などを製造しながら、戦争で使用される光学兵器、いわゆる狙撃銃のスコープ(望遠鏡)を開発してきた、という歴史があります。







このことから、ニコンはファインダーを覗いて撮影する人の気持ちを考え、操作性を重視したカメラを、開発していると言われることがあります。


 

Canon キヤノン  (キャノンじゃなくてキヤノン)


一方、キヤノンは創立当初からカメラやビデオ、プリンタなどを開発してきました。

このことから、キヤノンはでき上がった写真を見る人の気持ちを考え、美しく現像されることを重視したカメラを開発していると言われることがあります。



色味


また、二社のカメラの違いは現像時(プレビュー時)の色味にあるという意見も多く聞きます。
一般的に、ニコンは人間の目で見たままの色味になるように、
キヤノンは人間の目で見たときに美しく見えるように、
色味の調整を行っているとされます。

人間を撮影したときに、同じ肌の色でも
ニコンの方がやや暖色(黄色がかった色)に、
キヤノンはやや寒色(青白い色)に調整がされている、
という話もありますが、写真の色味は撮影時にカメラ本体で設定が可能ですので、こちらはそこまで気にする必要はないでしょう。




ボディの選び方について



「一眼レフカメラを購入する」と、必然的に「ボディとレンズを購入する」ことになります。

コンデジ(コンパクトデジタルカメラ)のようなレンズ一体型のカメラと違い、一眼レフでは基本的にはボディとレンズが別売りになっているからです。

つまり「ボディを選んで、さらにレンズを選ぶ」必要があります。

用途に合わせて自由にボディとレンズを組み合わせられることが、一眼レフカメラの特徴であり、強みです。




ボディの選び方



まずはボディの選び方についてご紹介します。気をつけるべきは以下の10点です。


  1. イメージセンサーのサイズ
  2. 本体価格
  3. 見た目、素材
  4. 重量
  5. シャッターユニットの性能
  6. オートフォーカスの性能
  7. ファインダー視野率
  8. 有効画素数
  9. ISOの上限値
  10. フルバッテリー時の撮影可能枚数



機種によって得意分野がそれぞれ異なるので、用途に合わせたボディ選びをするのがオススメです。

たとえば、「ライブハウスのような暗がりでも綺麗な写真が撮りたい」ということなら、ISO(デジタルカメラが光を捉える能力)の上限値やシャッターユニットの性能が気になるでしょう。

一方、「子どもの運動会で良い写真を撮りたい」というケースでは、オートフォーカスの性能も気になります。
※ただし、これらはボディの性能だけで決まるものではないので、後述するレンズについてもご参照ください。


ここで、初心者の方に一番気にしてほしいポイントはイメージセンサーのサイズです。

イメージセンサーとは、カメラボディの内部に搭載されている“取り込んだ光を電気信号に変換し、画像として映し出すデバイス”のことです。昔のカメラのフィルムをイメージするとわかりやすいと思います。

一眼レフの場合は主に“35mmフルサイズ”と“APS-C”の2種類のイメージセンサーが用いられており、同じメーカーの製品でも“35mmフルサイズ”のイメージセンサーを搭載しているボディの方が高価で、“APS-C”を搭載したカメラより10万円以上も高くなることがあります。


フルサイズとAPS-Cって?

知っている方も多いと思いますが、ここでそもそもフルサイズとAPS-Cとはなんぞや、ということに少し触れます。

フルサイズ:36×24mmのイメージセンサー。35mmフィルムと同寸。
APS-C:24×16mmのイメージセンサー。多くのデジタル一眼で採用されている。

“35mmフルサイズ”は画像素子が大きく、センサーが大きいとより多くの光を取り込めるため、ノイズの少ない高感度な写真(画質が高い)が撮れます。また、同じ設定でもフルサイズの方がよくボケ、立体感のある写真を撮影することができます。



“フルサイズ”は画質が高いという特徴がありますが、とりあえず初心者向けであれば“APS-C”を搭載したカメラが値段もお手頃でおすすめです。







同じレンズを使用し、同じ場所から同じ設定で撮影しても実際に撮影できる写真の画角にはセンサーのサイズによってこのような差が生まれます。


ちなみにミラーレス(Micro Four Thirds )はAPS-Cよりもさらに小さいです。

が、ミラーレスの魅力は「安い・小さい・軽い」ことですから、普段使いには充分すぎるほどです。旅行先にフルサイズ一眼を持っていくのは一苦労なので、カメラもTPOによって長所・短所の見極めが必要です。


 

 

ニコン?キヤノン?


ニコン、キヤノンそれぞれに複数シリーズがあり、少しわかりづらいので、参考までに
ニコンとキヤノンの代表的な一眼レフシリーズについて、さっくりと触れておきたいと思います。



ニコンの代表的な一眼レフシリーズ

 

  • D1桁シリーズ:ニコンを象徴するフラグシップ機。ハイスペック・高価格。プロ向け (D3、D4、D4Sなど

  • D2桁シリーズ:D90を最後に廃止となり、ニーズがD四桁シリーズへ移った。中級者向け(D40、D70、D90など)

  • D3桁シリーズ:35mmフルサイズのイメージセンサー搭載。ハイアマチュア向け(D600、D610D800、D800Eなど)

  • D4桁シリーズ:APS-Cのイメージセンサー搭載。初心者向け(D3300、D5200、D7100など)

 

 

 

キヤノンの代表的な一眼レフシリーズ

 

  • EOS-1Dシリーズ:キヤノンを象徴するフラグシップ機。ハイスペック・高価格。プロ向け(EOS- 1D X、1D X Mark IIなど )

  • EOS-2桁Dシリーズ:APS-Cのイメージセンサーを搭載。中級者向け(EOS- 60D 、80Dなど )

  • EOS-5Dシリーズ:35mmフルサイズのイメージセンサー搭載。ハイアマチュア向け(EOS- 5D Mark IVなど )

  • EOS Kissシリーズ:APS-Cのイメージセンサー搭載。初心者向け(EOS- Kiss X7、EOS Kiss X8iなど )

 

EOS-6DEOS-5Dの下位モデルとなる35mmフルサイズ搭載機

 EOS-7DEOS-50Dの上位モデルとなるAPS-C搭載機になります。





もちろんみなさん価格のことも気になると思います。
参考までに、 Nikonの主なカメラの本体(ボディ)価格は以下のような感じです。


フルサイズ D5 XQD-Type ¥586,800
D5 CF-Type ¥589,996
D4 ¥666,576
D4S ¥578,000
Df [ブラック] ¥187,399
D810A ¥294,657
D810 ¥264,044
D750 ¥163,600
D610 ¥117,116
D600 *24-85 VRレンズキット ¥159,800
APS-C D500 ¥190,597
D7200 ¥82,290
D5600 ¥76,800
D7100 ¥65,500
D3300 ¥63,307
D5300 ¥60,769
D5500 ¥60,486
D7000 ¥48,997
D3400f ¥42,300


ニコン(Nikon)のデジタル一眼カメラ 製品一覧 価格.com

 

 


 

おすすめ

 

特に用途を限定しない場合、初心者向けの入門カメラとしては、
ニコンのD4桁シリーズの中からD3400
あるいはキヤノンのEOS Kissシリーズの中からX7iをおすすめしたいと思います。


値段がお手頃な上に小型軽量で扱いやすく、一眼レフデビューにうってつけの機種と言えるのではないでしょうか。



Nikon デジタル一眼レフカメラ D3400 AF-P 18-55 VR レンズキット ブラック D3400LKBK






Canon デジタル一眼レフカメラ EOS Kiss X7i レンズキット EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM付属 KISSX7I-18135ISSTMLK



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レンズの選び方



次に、レンズの選び方について説明します。

ボディー同様、レンズにもやはりさまざまな種類のものがあります。
価格帯も数万円からなんと数百万円!と、正にピンからキリまで。

この価格の差は主に「明るさ」「レンズの倍率」「焦点距離」「レンズ外側のフレーム素材」「レンズ加工の仕方」によるものです。

レンズによって撮れる画、撮れない画がはっきりと分かれるので、ここでもやはり用途に合わせたレンズ選びが必要となります。

たとえば「山で野鳥を撮影したい」なら望遠撮影が可能な焦点距離の長いズームレンズが必要であり、「砂漠でラクダを撮影したい」なら防塵耐性に優れたフレーム素材のレンズが必要でしょう。

しかし、初心者の方が撮影を始めて一番気になるのは“明るさ”です。

レンズの明るさとは、“光をどれぐらいロスせずにイメージセンサーまで通せるか”という性能のことです。

“開放F値”

と呼ばれる指標があり、この値が低ければ低いほど高性能となります。

目安として“開放F値2.8以下のもの”が一般的に明るいレンズとされており、このようなレンズで撮った写真には一眼レフ独特の“ボケ味”を出すことができます。




Kristin Hiatt




このように、背景をぼかして主役を引き立てる写真が撮れるのは、明るいレンズの強みです。

また、明るいレンズはシャッタースピードを稼ぎやすいため、光が少ない暗がりなどの撮影でも像がブレず、比較的にくっきり写るといったメリットもあります。

とにかく明るいレンズは素晴らしいのですが、開放F値が低いレンズほど高価なことも多いです。

明るいレンズを安価に手に入れる方法としては、単焦点レンズのようなズームができないシンプルな構造のレンズを買うという方法もあります。

“明るい割に構造がシンプルなため安い”といった特徴があるので、撮影時に焦点距離を変える必要がない、被写体に自由に近づくことができるといったシーンにはオススメです。


 

 

おまけ


もし最初にNikon、あるいはCanonのボディを買ってしまったら、ずっとNikonあるいは、Canonのレンズを買わなければいけないの?

いいえ、そんなことはりません。

サードパーティー製レンズ


レンズ選びの選択肢の1つとして、シグマタムロントキナーに代表されるようなレンズメーカーの製品もあります。


これらは俗に「サードパーティー製レンズ」と呼ばれていますが、ニコンやキヤノンといったカメラメーカーが発売している純正品レンズと同等の性能を持ちながら価格が安いという特徴があります。

もちろん全てのカメラメーカーに対応しているわけではありませんが、 ニコンのFマウント、キヤノンのEFマウントなど各社メーカーのマウントに合わせた製品ラインナップをあるていどそろえています。焦点距離、F値、ボケの美しさなど、レンズメーカーならではの特徴を活かしながら独自世界観を持った製品を開発しています。

ただし、純正品と違ってメーカー側が動作確認をしているわけではないので、使用時にカメラ側に何らかのトラブルがあった場合でも、保証の対象外になってしまう点に注意が必要です。


シグマはレンズメーカーでありながら、sdシリーズdpシリーズといった超個性的なカメラも作っていたりします。

SIGMA デジタルカメラ dp2Quattro




 

 

まとめ


いかがでしたでしょうか?

このように、一眼レフカメラのメーカー、ボディ、レンズは多種多様です。

一概にどれが良いと言えるものでもなく、用途に合わせてそれぞれを選ぶことが一番大切なことになります。




特に用途を決めておらず、入門としての購入を考えているのであれば

  • メーカーは“ニコンかキヤノン”
  • ボディはイメージセンサー“APS-C”を搭載したもの
  • レンズは開放F値2.8以下で予算的に手が出せる範囲のもの

を選ぶことで、お手頃な予算で楽しく撮影しながら一眼レフカメラを学ぶことができるかと思います。


是非、じっくりと考えた上で購入を検討してください。