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金曜日, 8月 19, 2016

『Royal』|movie

 

 

フライング・ロータスの映画監督デビュー作は「今年最も過激な短編」

 

音楽プロデューサーでDJのフライング・ロータスが、「steve」の名で映画監督としての一歩を踏み出した。何が彼を、映画制作へと向かわせたのか。そして、グロテスクで「臆病な人には向かない」デビュー短編作『Royal』はどのようにして生まれたのか?








スティーヴン・エリソンは芸名の「フライング・ロータス」として最もよく知られているかもしれないが、もうすぐ映画ファンは、彼を「steve」と呼び始めるかもしれない。
その名前──そう、すべて小文字で──は、エリソンが映画監督として活動するときに使うものだ。

彼のショートフィルムデビュー作である『Royal』は、8月にロサンゼルスで行われた「Sundance NEXT Fest」でプレミア上映された。まったく予想外の展開、というわけでもない。steveはロサンゼルス映画学校に通っていたし、キャリアの早い時期にはアダルトスイム(米国のアニメ専門チャンネルが大人向けの番組を編成するために設定した放送時間帯)にインストゥルメンタル楽曲を提供している。

だが、彼が映画制作を再開することになったすべての始まりは、あるGIFだった。
2015年10月、エリソンはTwitterで風変わりな短編を見た。DJブースにいる彼とレディオヘッドのフロントマン、トム・ヨークのGIFである。映像には、2人のミュージシャンが交わす可笑しな会話が加えられていた。










「大笑いしたよ」。エリソンはそのGIFについて言う。思いもよらないことだったが、彼はその動画のパワーにインスパイアされる自分に気づいた。
そこで、Adobe After Effectsのアニメーション技術を学ぶために、友人でアニメーターのデイヴィッド・ファース(英国のテレビシリーズ「Salad Fingers」のクリエイターだ)に助けを求めた。
エリソンはすぐに、長編アニメーション用に脚本を書いた。南カリフォルニアで起きた巨大地震の余波を受けた人々の、さまざまな人間関係にフォーカスしたものだ。

だが、あるときニューヨークへ向かう途中で、彼の想像は大きく膨らんだ。「ニューヨークにいると、自分が変質者のように感じるときがある」とエリソンは言う。
「自分のそばを通りすぎるさまざまな世界をたくさん見ることができる。そして、隣りの部屋や廊下の向こう側ではいったい何が起こっているのかと考えるんだ」

そのとき彼に、別のアイデアが浮かんだ。ある1組のカップルを実写で描いてみよう、と。彼はニューヨークを離れるとともにストーリーを書き始め、ロサンゼルスのエディ・アルカサール監督(彼が以前手がけた短編の楽曲はエリソンが担当している)の家に着くまでに書き上げた。ストーリーを読んだアルカサールは、作品をプロダクションの段階に進めるべきだと言った。







その結果生まれたのが『Royal』であり、今年デビューするショートフィルムのなかで最も過激な作品のひとつである。

作品は、ミッシー(イエシャ・コットン)とケネス(アウティ・ザム)という1組のカップルに焦点を当てており、2人は、彼らが抱える肌の疾患につい て知れば知るほど不安になっていく──しかもそれは、片方の登場人物が2人の関係を一変させる秘密を明かす前の話である(これだけは言っておこう。臆病な人には向かない映画だ)。

『Royal』にアニメーションは使われていないが、エリソンは脚本と監督のほかにも、いちばん過激で性的なシーンで操り人形の操作を務めている。 もし作品が観客を不快にさせたとしても、エリソンにとっては問題ないのだろう。というのも、彼は大きく影響を受けたもののひとつに、米国のテレビアニメ 「レンとスティンピー」の下品なスラップスティック・コメディを挙げているからだ。

だからといって、『Royal』は彼が求める通りの出来に仕上がったというわけではない。「フライング・ロータスとしての経歴があるせいで、映画づ くりは楽な道のりではなかったよ」と彼は言う。今年始めに行われたキャスティングも、エリソンが両方のメインキャラクターに黒人の俳優を使いたかったという理由で時間がかかった。

「黒人俳優の演技に対する人々のイメージを広げたかったんだ」と彼は言う。

さらに、作品のメインキャラクターには元々デイヴ・シャペルを希望していたが、シャペルのマネジメントチームに断られた。「彼らは、俺のしていることをひどく怖れていた。シャペル本人はこの提案のことを知らされてもいなかったと思うけど、マネジャーに拒否されたんだ」

演じたのがシャペルであろうとなかろうと、完成した作品は非常に不快で、かつグロテスクなまでに笑える。エリソンが(今後手がけるアニメーションの)長編プロジェクトが成功するかどうかを測れるものがあるとすれば、それはこの容赦のない実験作に対する観客の反応だろう。







TEXT BY K.M. MCFARLAND

WIRED (US)

火曜日, 10月 02, 2012

FLYING LOTUS


MUSIC|フライング・ロータス 最新作が国内先行発売!01
2012.09.18 

FLYING LOTUS|フライング・ロータス
前作『Cosmogramma』から2年、潜在意識の深奥へいざなう未知なる旅
フライング・ロータス 『Until the Quiet Comes』国内盤先行発売

LAビートシーンの最先端を担い、もはや誰もが認める中心人物として君臨するフライング・ロータス。その最新作『Until the Quiet Comes』が9月26日(水)に、日本国内で先行発売される。前作『Cosmogramma』から2年、期待以上の出来栄えとなっている本作。フライン グ・ロータスの快進撃は、誰にも止められない!

Text by IWANAGA Morito

神秘的事象、夢、眠り、子守唄のコラージュ


フライング・ロータスの作品はすべてが事件だ。一定の間隔でリリースされることはなく、また市場の方程式にしたがって作られることはない。その作品群は、 ジャズやソウル、エレクトリック・ミュージックにおける過去の偉大な巨匠たちが抱いた野心やヴィジョンを共有し、それでいて、誰も見たことがない圧倒的な 未来を描いている。 前作『Cosmogramma』は、フライング・ロータスが住む“宇宙”を描いた作品。シンセサイザーは常軌を逸したソウル・ジャムを奏で、ディープなフ リー・ジャズのノマドたちによって作られた大きなうねりは、壮大なオーケストラへとみごとに昇華されている。その「スペース・オペラ」の残光から、フライ ング・ロータスの次なる作品の芽は生まれていた。

フライング・ロータス本人曰く「神秘的事象、夢、眠り、子守唄のコラージュ」として創作された本作は、“夜行性の情緒を携えたむこう側の世界への旅”とい う特殊な感覚をまとっている。作品全編を通してサウンドには緊張感が漂い、相互に作用するメロディとリズムが優雅な展開を描き出す。コズミックなベースの 重厚さとコンピューターを駆使したアレンジの絶妙な融合は、プロデューサーとして、コンポーザーとしての飛躍的な成長を証明するだけでなく、よりディープ なコンセプトが収録曲のすべての基盤になっていることを示している。

美しきカオスを紡ぎ上げるコラボレーション

長年にわたってコラボレーションをつづけてきたニキ・ランダとローラ・ダーリントンが前作に引きつづき参加。また、オースティン・ペラルタ、サムアイアム、ドリアン・コンセプト、ミゲル・アトウッド・ファーガソン、といった彼の同志も本作品のために集まった。
そして、トム・ヨークとの共演がふたたび実現。デジタル・フリー・ジャズとでも形容できそうな「Electric Candyman」では、このふたりならではのディープなコラボレーションを味わえる。また『Cosmogramma』において、その類い稀なベース・プ レイを披露したサンダーキャットは、本作でもアルバム全編にわたってベースをプレイし、「DMT Song」ではヴォーカリストとしてもフィーチャーされている。さらに、本作品ではあらたに90sネオ・ソウルの核心にして、R&Bの女王、エリ カ・バドゥが参加。アルバムのハイライトのひとつである「See Thru to U」で、念願の共演を果たしている。

MUSIC|フライング・ロータス 最新作が国内先行発売!03
フライング・ロータスは、活気あるロサンゼルスを拠点に、いまもっとも急進的かつ広範囲に成長しているビートシーンの中心に存在している。驚異的なスピー ドで飛躍をつづけながらも、ベースライン、そしてビートが生み出す独特の「グルーヴ」という重要な基盤を失うことはない。『Until the Quiet Comes』は、伝統的な音楽理論に基づいた作品でありながら、まったくあたらしい方法論を提案している。それこそが傑作の証なのだろう。


フライング・ロータスの作品はすべてが事件だ。一定の間隔でリリースされることはなく、また市場の方程式にしたがってつくられることはない。その作品群 は、ジャズやソウル、エレクトリック・ミュージックにおける過去の偉大な巨匠たちが抱いた野心やヴィジョンを共有し、それでいて、だれも見たことがない圧 倒的な未来を描いている。


2006年に15歳という若さでアルバムデビューし、「ジャズ界の王子様」と呼ばれた天才ジャズピアニストのオースティン・ペラルタ。彼もまた、フライング・ロータスとの強いつながりをもっていた。

これまでにもフライング・ロータスのアルバムやツアーに参加してきた盟友、ドリアン・コンセプト。世界が注目するビートメイカーだ。

本作品ではあらたに90’sネオ・ソウルの核心にして、レフト・フィールドR&Bの女王、エリカ・バドゥが参加。アルバムのハイライトのひとつである「See Thru to U」で念願の共演を果たしている。

フライング・ロータスから、その特異なサウンドセンスを高く評価されているサムアイアム。

トム・ヨークとの共演がふたたび実現。デジタル・フリー・ジャズとでも形容できそうな「Electric Candyman」では、このふたりならではのディープなコラボレーションが味わえる。

前作『Cosmogramma』において、その類い稀なベース・プレイを披露したサンダーキャットは、本作でもアルバム全編にわたってベースをプレイ。「DMT Song」ではヴォーカリストとしてもフィーチャーされている。

伝統的な音楽理論に基づいた作品でありながら、まったくあたらしい方法論を提案している。それこそが傑作の証なのだろう。
















『Until the Quiet Comes』
2012年9月26日発売 2200円 http://www.flying-lotus.com

01. All In
02. Getting There feat. Nikki Randa
03. Until the Colours Come
04. Heave(n)
05. Tiny Tortures
06. All the Secrets
07. Sultan's Request
08. Putty Boy Strut
09. See Thru to U feat. Erykah Badu
10. Until the Quiet Comes
11. DMT Song feat. Thundercat
12. The Nightcaller
13. Only if You Wanna
14. Electric Candyman feat. Thom Yorke
15. Hunger feat. Nikki Randa
16. Phantasm feat. Laura Darlington
17. me Yesterday//Corded
18. Dream to Me
19. The Things You Left(日本盤ボーナス・トラック)





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