グーグルの有馬氏が語る、Webマーケティングにおける3つのトレンドの変化
2012/07/26(木) 07:23
有馬氏によると、世界のトップ20のブランドの検索結果のうち「25%」が、ユーザーが作成したコンテンツへのリンクだという。「53%」のイン ターネットユーザーは、オンラインで商品やサービス、ブランドのレビューを参考にしているという。そして、「57%」のユーザーは現実の世界よりもオンラ イン上のほうがよく話をするという。
有馬氏はマーケティングにおける3つのトレンドの変化として「ソーシャル」「ローカル(地域情報)」「モバイル」を挙げた。
ポイント1:ソーシャル
Google+を使うことでビデオチャットが格安に、簡単に利用できるようになった。この結果、これまでのプロモーションとは違ったアプローチが可能になった。2012年6月に行われたAKB48の総選挙では、Google+を活用したライブ配信により、動画の再生回数が300万回を超えた。
トヨタはGoogle+の機能の一つである「ハングアウト」 を使い、ファンと新コンセプトカーについてQ&A形式で話し合った。NYとシカゴにそれぞれ住むユーザーをハングアウトでつなぎ、質問等をする様 子をGoogle+で伝えた。多くのユーザーがその様子を見て、何かを感じ取ったのだろう。その後、トヨタはGoogle+のページで100万人のフォロ ワーを獲得した。
一方で、Googleの検索結果では、友だちが共有した情報を適切なタイミングで表示するようになった。Google経由で表示する広告では、友だ ちがチェックした広告が分かるようにもなった。友だちや知人が情報をチェックしていることで、人は安心して情報に接するようになる。ちなみに、ここでいう 友だちは、Google+でサークルに追加したユーザーを指す。
上記の事例から、人の行動に変化が起きているのが分かる。AKB48やトヨタのケースでも、AKB48のメンバーやトヨタのスタッフを通じて情報を受け取るので、より親しみが湧く。そして、関心が高まる。
ポイント2:ローカル
5月30日に、Google+ ローカルのサービスが始まった。5月31日にはGoogle マップのアプリがアップデートで、Google+ ローカルと連携した。スマホでGoogle+ ローカルを活用する環境が整った。Google+ ローカルでは、店舗情報を確認することができる。タウンページ等の情報をもとに既に基本情報が記載されており、店舗経営者が自ら情報を更新することも可能だ。
ローカルとGoogle+の利用者が増加すれば、レストランを探す時、友だちの評判がよい店を見つけやすくなる。また、Google+を通じて友だちがおすすめする店舗のメニューを知ることもできる。
「地図」から、「検索」から、「ローカル」から、「Google+」から、様々な入り口から情報にアクセスできる。そして、答えが見つかる。
Googleは、Google+をGoogleが提供する様々なサービスと連動させて利用することを想定している。検索して地図を見て、Google+で情報を共有するというように、全体のサービスを行ったり来たりしながら便利に使うことを考えている。
ポイント3:モバイル
有馬氏によると、日本のスマホ利用率は20%だという。アメリカは44%で、イギリスは51%、ドイツは29%、オーストラリアは52%。検索比率で見ると、PCは53%でスマホは29%。スマホやタブレットからのアクセスは、夜に伸びる傾向にある。
アメリカやイギリスでは、タブレットの普及率も高い。キッチンで料理を作っている時やリビングでTVを見ている時にタブレットを利用することが多いようだ。
また、行動パターンで見ると、スマホでは調べ事をする時に、PCでは決済を行う時に利用するのが主流だが、タブレットでは調べて決済まで進む傾向にあるという。また、モバイル最適化サイトでは、CTRとコンバージョン数が向上するという。
日本でスマホやタブレットが普及すれば、上記のような傾向が強まる可能性が高い。プライベートな時間ではPCよりもスマホやタブレットを利用する頻度が高まることが考えられるので、大きな変化と言える。
以上が、3つのトレンドの変化だ。
ユーザーがスマートフォンやインターネットのサービスを簡単に、気軽に利用する時代が訪れようとしている。そのなかで、Google+が存在感を発 揮するSNSになるのかは分からないが、様々なSNSやWebサイトにアクセスするのが従来の携帯電話より容易になるので、人々の行動パターンに変化が起 きるのは確実だ。
様々なプロモーションを考え、実施できるようになりつつある。
http://appllio.com/news/20120726-2348-msw2012-google