ラベル Security の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル Security の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

木曜日, 11月 28, 2019

数千ものAndroidアプリに「脆弱性のあるコード」

 

Facebookからヤフーまで、数千ものAndroidアプリに「脆弱性のあるコード」が含まれている:調査結果


フェイスブックや日本のヤフーによるアプリを含む数千ものAndroidアプリに、コードに由来する脆弱性が含まれていることがセキュリティ企業の調査で明らかになった。


あなたが利用しているアプリの多くは、完全に独自につくられたものではない。開発者が誰でも利用できるように、あらかじめ用意されたコードを使っていることが多いからだ。
こうしたコードのライブラリーには、ほかのソフトウェアと同じようにセキュリティの脆弱性が含まれている可能性がある。そのコードをそのままアプリに利用すると、気づかないうちに脆弱性までコピーされてしまう。いまAndroidの世界において、こうした事態が大きな問題になっているのだ。


数千ものアプリに脆弱性を発見

古い脆弱なヴァージョンのコードを利用していることが原因で、セキュリティのリスクを抱えているアプリがどれほどあるのか──。その実態を定量化しようとする新たな研究が、このほどセキュリティ企業のチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズによって実施された。このなかで同社の研究者らは、「Google Play ストア」にある数千のアプリにセキュリティ上の欠陥が含まれており、なかには数年前から存在しているものもあることを発見したのである。

「アプリには多くの脆弱性が含まれています」と、チェック・ポイントのサイバーリサーチ部門を統括するヤニフ・バルマスは言う。「そうした脆弱性の一部はアプリ固有のものではなく、コードライブラリーから見つかりました。現代のアプリは、数十、数百ものそうしたライブラリーを利用して動作しているのです」

コードライブラリー(ソフトウェアライブラリーと呼ばれることも多い)のおかげで、開発者はJavaScriptなどの特定の分野で専門的な知識をもたなくても、すでに作成されたコードを利用することができる。

チェック・ポイントの研究者らは、脆弱性を含む既存のコードライブラリーを調査し、Playストアのアプリと比較した。現在進行形の脅威を発見するために、同社のセキュリティチームは定期的にAndroidアプリを精査しているという。

「結果は驚くべきものでした。一部に脆弱性が見つかることは予想していましたが、これほど多いというのは予想外でした」と、バルマスは語る。「実際に数千というアプリに(脆弱性が)見つかりました」。さらにチェック・ポイントが発見した脆弱性のなかには、数年前から存在していて長期間パッチが当てられていないものもあったという。

「あるオープンソースプロジェクトに脆弱性が存在し、それが固定化された場合、その脆弱性に影響を受ける可能性のあるネイティヴライブラリーや、そのライブラリーを利用しているアプリを(通常は誰も)コントロールできません」と、チェック・ポイントは今回の研究についてブログ記事で指摘している。「そのため脆弱性が発見されても、長年古いヴァージョンのコードを使い続けているアプリが存在するのです」


フェイスブックやヤフーのアプリにも脆弱性


研究者らは、数十種類の脆弱性を発見したという。だが今回の研究で引用されているのは、3つのみだ。そこで触れられている脆弱性は、オーディオソフトウェア、動画ストリーミング、そしてそのメディアの扱われ方に関する問題である。チェック・ポイントは、発見したすべての問題を公表するのは適切ではないと指摘している。

世界最大規模のアプリの一部も問題を抱えていると見られている。チェック・ポイントによると、フェイスブックの「Facebook」「Messenger」「Instagram」に加えて、「WeChat」、日本のヤフーのアプリなどが脆弱性を抱えているという。同社は500万~10億ダウンロード以上を記録しているアプリを例に挙げている[編註:調査結果によると、「Yahoo!カーナビ」「Yahoo! MAP」などヤフーの4つのアプリが含まれる]。
フェイスブックの広報担当者は、同社のサーヴィスの利用者は「これらのコードを利用しているわたしたちのシステムの設計上、チェック・ポイントが指摘したいかなる問題に対しても脆弱ではありません」と語っている。同社は現在のコードベースに脆弱性が存在しないとは主張していない。ただし、Instagramについてはチェック・ポイントが指摘した脆弱性に晒されている可能性があり、パッチを当てているという。

チェック・ポイントのバルマスは、問題の本質は個別の欠陥にはないのだと言う。「わたしたちが発見した特定の脆弱性は興味深いものですが、そこが重要というわけではありません」と、バルマスは言う。「フェイスブックのアプリに脆弱性が見つかったと指摘することはできますが、問題はコンセプトにあると思っています」


現在進行形の問題


ではその解決策は? チェック・ポイントによると、アプリの開発者は最新のパッチが当てられたヴァージョンのコードベースを使い続けるべきだという。それと同じく「Play ストア」をはじめとするアプリストアも、サーヴィス内で提供しているアプリの精査により力を入れるべきだと指摘する。

「アプリ開発者に対して“総当たり攻撃”を仕掛けるのは有効かもしれません」と、バルマスは語る。当初、数カ月前に調査を実施したチェック・ポイントは、グーグルに問題を報告していた。グーグルの広報担当者は、報告された結果に対して調査を実施しており、開発者とセキュリティ研究者との協力を促すためにPlay ストアにおいて脆弱性の発見に関する報奨金システムを拡充したという。

この取り組みは現在進行中だが、バルマスによると脆弱性を含むアプリは、いまもPlay ストアに存在しているという。エンドユーザーには、アプリをアップデートし続ける以外にできることはほとんどない。

「今回公開した脆弱性は、2カ月前に実施したテストで発見されたものです」と、バルマスは言う。「もし同じテストを改めて実施したら、まったく異なるアプリからまったく異なる脆弱性が見つかるでしょう。








木曜日, 3月 16, 2017

携行式対UAV兵器導入イスラエル企業と契約

 

ISの改造ドローン攻撃に携行式対UAV兵器を導入。イスラエル企業と契約

米軍

 


市販ドローンを改造して爆撃ヘリに仕立て上げてきたイスラム国に対抗するため、米軍が新たな対ドローン兵器を導入したことが分かりました。イスラエル系企業が開発するその新兵器は、携行式のドローン無力化システムであると説明されています。

米国国防関連のニュースサイトDefence Oneは、米空軍がイスラエル企業Israeli Aeronautics Industries (IAI)と対ドローン用の「Man Portable Aerial Defense System kits」に関する1560万ドルの契約を締結したと伝えました。納品は7月28日予定。

なお、Man Portable Aerial Defense Systemは MANPADS、MPADSなどとも表記され、スティンガーミサイルなどを含む携行式対空兵器を指します。

米国国防省が公開した資料にこの対ドローン MANPADSの詳細はないものの、契約したIAI の製品ラインナップからすると、2015年より販売中の対ドローンシステム「Drone Guard」またはそれに近いシステムと推測できます。

このシステムは3次元レーダーでドローンを捕捉追跡し、電波で飛行・操縦を妨害、無力化する能力を備えます。またドローンのナビゲーション系や遠隔操作を狂わせ離陸地点へ戻すか、電源をシャットダウンさせ墜落させることも可能とのこと。これは1月にイラク治安部隊が導入を報じられた対ドローン電波銃DroneDefenderとほぼ同じ機能です。







一方、米軍はこのような電波式だけでなく、従来の銃火器を用いたドローン対策も調査検討中と伝えられています。

クルドのメディアRudawによると、イスラム国の科学研究施設内では化学兵器の製造の痕跡が見つかっています。また3月に入ってからはイラク国内で猛毒のマスタードガスが攻撃に使用され、子供5人を含む十数人の一般人が被害にあいました。

マスタードガスを使ったのがイスラム国なのか別の軍隊なのかは判明していませんが、イスラム国はこれまでに何度か化学兵器を使用したとされ、今回も米国はイスラム国を名指しで批判しました。

イスラム国は今後、ドローンに爆弾だけでなく化学兵器を搭載して特攻または投下させる可能性が指摘されています。米空軍は、2018年内にはドローン対策機器の導入を随所にまで行き渡らせたいとしています。









[Image : Israeli Aerospace Industries IAI]

土曜日, 12月 24, 2016

AirPodsにご注意!

 

 

注意!

簡単接続のAirPods、名前バレも簡単!?

あなたの名前を勝手にお知らせしちゃうかも!

 

設定確認と対策のしかた


アップルらしいシンプル高機能と(相対的に)お手頃な価格で注目の無線イヤホン AirPodsですが、Bluetoothアクセサリに不慣れだと気づきにくい仕様のために、人によっては避けたい「名前バレ」の可能性があります。

堂々と本名を名乗って何が困るのか分からないとか、アップル慣れした皆さんには、縁のないお話ですが、、、

相手と場所により芸名通名源氏名ハンドル名で通す事情のあるかたのために、確認と回避の方法をお伝えします。



なぜそうなるのか?

AirPodsの機能を含め簡単にまとめると


1. アップルの新しい無線イヤホン AirPods は iPhone の近くでフタを開けて、画面の「接続」を押すだけで設定完了。

2. このとき、AirPodsには自動で iPhoneのユーザー名が付く
姓名で登録している場合はファーストネームが使われる (例:「林子のAirPods」)

3. この名前はAirPods側に保存されるうえ、登録を解除しても消えないため、ペアリングを試みると周囲の人にも「名前+のAirPods」と表示される

周辺機器に自動でユーザーの名前がつくのは、Apple Watch などでも共通する以前からの仕様です。

AirPodsの場合、最初に「接続」をタップして設定完了したタイミングですぐに「[ユーザー名]のAirPods」が表示されます。


 

 

ストーリー1

AirPodsをお披露目


誰かが AirPods を持ってきて、フタを開けるだけで近くのiPhoneにダイアログがポップアップする様子を実演してきた場合。

言われるままに接続を押すとすぐに「ユーザー名のAirPods」が見られてしまいます。
(条件不明ながらこのタイミングで表示されないという報告もあるようですが、いずれにせよAirPodsに名前が記録されます)

対策: 名前を知られたくない相手の前では、AirPodsのポップアップが出ても接続を押さない・押させないこと。




ストーリー2

AirPodsをお試し

AirPodsを貸し借りして試した場合や、自分の AirPods から目を離して誰かに触られた場合、AirPodsを手放した場合など、二番目以降に接続してもデバイス名は「最初に接続したユーザー名のAirPods」のままなので見られてしまいます。
※そもそも見ず知らずの人に貸したりはしないと思いますが、、、




最初に接続したiPhone以外のデバイスの近くで開くとこの表示。「接続」を押すと、今回は本体裏ボタンの長押しが必要です。接続すると、AirPodsに設定されていた名前(最初のユーザーの名前)が表示されます。


対策: AirPodsを接続したあと、設定のBluetoothから接続したAirPodsの ( i ) マークをタップ。名前を押して適当な名前に変更する。ただし、当然ながら接続状態でないとAirPods側の名前は書き換えられません。

 

 

本来の仕様です、が。



iOSやデジタル機器に多少慣れている人にしてみれば、「本名バレがイヤならそもそもiPhoneに登録するのがおかしい」「自分のデバイスから目を離したり、言われるままに操作する時点でセキュリティ意識が低い」と言いたくなるのは実にごもっともですが、日本ではiPhoneユーザーが非常に多いこともあり、誰もが機器の挙動に精通しているわけではありません。

iPhone (iOS)に自分の連絡先がどう登録されているかを答えられる人も決して多数派ではないうえに、最初の設定をショップなどに依頼したために把握していない場合、Siriとの会話やFacebook連携などで確たる自覚がないまま設定する場合もあります。

また本名を設定したことを自覚していたとしても、それが具体的にどこで使われるか、外部から見られるかは OSの実装に依存するため、完全な予想はできません。

特に外部機器の名前に自動的に使われること、それが自分の端末内部の識別用だけではなく機器自体に記録されること、登録を解除しても手放しても残る挙動は、100人が100人理解できるかといわれれば難しいところです。



対策方法。

iPhoneに登録した名前の確認と変更


根本的な対策としては、知られたくない名前は iPhoneに登録しない選択肢もあります。ただし Siri など、名前を登録しておいたほうが便利な機能はニックネームで運用せざるを得ません。また前述したように、ニックネームのほうをたとえばSNSアカウント名などにした場合、本名で通していて別人格名を隠したい相手にバレてしまう可能性もあります。

一番簡単な確認の仕方は、Siriに「私は誰?」と聞いてみること。


極力外部に知られたくない名前を答えられた場合、連絡先のトップに表示される自分の連絡先を編集して、無難なものに変更できます。




ニックネームと優先設定

本名を登録しつつ、周辺機器の自動命名やSiriなどアプリで使われる名前を変えたい場合、iOSの連絡先で「ニックネーム」を追加して、設定アプリの連絡先から「ニックネームを優先」を有効にする方法があります。






ニックネームは自分の連絡先を編集、下の方の「フィールドを追加」からニックネームを選んで項目追加、入力。

さらにそのうえで、今度は設定アプリのなかの「連絡先」から「略称」を選ぶと、ニックネーム優先のスイッチがあります。





こうすると、AirPodsのように自動的に名前が設定される場合もニックネームが使われます。








AirPodsのほか、iPhone本体の名前も「設定 -> 一般 -> 情報」から確認して、場合に応じて書き換えることも必要です。このiPhone本体名は、AirDrop などで周囲のユーザーからも常に観られる可能性があります。


このように、AirPods などの周辺機器で起こりうる「本名バレ・垢バレ」はいわゆる脆弱性や欠陥というより、「誰でも直感的に把握できるとは言い難い仕様」の範疇です。分かりやすくなるにこしたことはありませんが、現実問題として、これまで存在しなかった複雑な機器で「誰でも直感的に理解」が難しいのは言うまでもありません。

本名は変更がほぼ不可能に近く、いちど好ましからざる相手に把握されてしまえば、そのほかの情報とリンクさせて、いくらでも個人情報を探られる危険がある時代です。

実名で盛んにFacebookなどを使っている人でも、コミュニティや時と場合と相手により見せたくない状況はいくらもあります。もしあなたがそうでなくても、周囲に当てはまりそうなかたがいる場合、真の名前を言い当てられると人間に負けてしまう神話系のかたがいらっしゃる場合、AirPodsがなくてもiPhoneの名前登録についてそれとなく伝えてあげてください。












iOSアプリのHTTPS通信義務化を延期。|Apple

 


アップル、iOSアプリのHTTPS通信義務化を延期。アプリ開発者に猶予を与える

 

アップルが、2017年1月1日から全iOSアプリを対象に実施するとしていた、App Transport Security (ATS)適用の義務化を延期すると発表しました。ATSとは、iOSアプリの通信セキュリティを確保するための機能で、これを適用するとアプリはインターネット経由の通信をすべて暗号化したHTTPSで行わなければならない取り決めとなっています。

ATSは2015年のiOS 9で導入されましたが、ATSへの対応にはアップルが指定する条件を満たすHTTPS通信を使う必要があります。またアプリの通信をHTTPSに変更するためには、アプリ側だけでなく通信相手となるサーバー側もHTTPSに対応しなければなりません。

もし、ひとつのアプリで複数のサーバーとのやり取りが発生するような場合は、そのすべてのサーバーがHTTPS通信に対応している必要があるわけです。さらに、サーバーをHTTPS対応させるにはSSL証明書の取得が必要になり、そのための費用も発生します。

このためすべての開発者がすぐさまアプリをATSに対応させたわけではなく、Googleに至ってはアプリへの広告掲載継続のためATS回避コードを公開して既存アプリの継続使用を可能としていました。

一方、アプリの個人情報保護やセキュリティ向上をはかりたいアップルとしては、そんな状況を放置できるわけもありません。そこで2016年6月のWWDCにて、アップルは2016年内にすべてのアプリがATSを有効としなければならないと期限を切りました。

ところがいまだATS対応を完了していない開発者が多すぎるのか、12月21日の時点でアップルは「さらなる時間を与えるため、最終期限を延長する」と発表しました。アップルはATS有効化の最終期限をどのぐらい延期するかについては明らかにしていません。ただいずれは有効化されることに違いはないはずなので、AppStoreにアプリを公開している開発者は早めに対応するほうが良さそうです。




Via: 9to5Mac
Source: Apple

水曜日, 11月 30, 2016

DroneGun|DroneSheild

DroneGun

不審ドローンを強制的に離陸地へ

弾は出ません

 

 





豪シドニーおよび米バージニア州に拠点を置くDroneSheildが、2kmという超ロングな射程距離を備えるライフル型電波銃DroneGunを発表しました。飛行禁止の危険区域に侵入する不審ドローンを遠隔から安全に着陸させることができると主張します。



DroneGunは背中に背負ったバックパック型電池の電源を利用して飛来した不審ドローンに電波を浴びせて制御を奪うことができます。説明文によれば、多数のメーカー製ドローンに対応しており、強制的にビデオ撮影を停止させたり、GPS/GLONASSの信号をジャムらせることもできます。



コントロールを奪ったドローンは強制的にその場に着陸させたり、飛び立った場所へ引き上げさせることも可能。その行方を負っていけば、自然と操縦者を捕まえることもできるわけです。


また、これまでにあったドローン対策砲のようにドローンを撃墜しないのもDroneGunの大きな特徴かもしれません。いくら不審な行動や違法な飛行をするドローンとは言え、ものによっては相当に高価です。これまでにあったドローン撃退グッズのように安易に撃墜・破損させてしまった場合、実はギリギリ許可区域内を飛んでいたことが証明されて相手から金銭的な補償を求められないとも限りません。









動画では屈強な傭兵風のマッチョマンがDroneGunを抱えているものの、その重さは6kg弱とみかけによらず軽め。VR用の背負い式PCが4.9kgなので、2kgぐらいの差です。



DroneSheildは空港近辺の警備やドローンを使った爆弾テロなどにDroneGunが大きな威力を発揮するとアピールしています。ただ、ひとつDroneGunの問題としてあげられるのは、それがFCC(Federal Communications Commission、連邦通信委員会)の認証を通っていないこと。FCCを通していないのであれば、おそらく日本のVCCI(Voluntary Control Council for Information Technology Equipment、情報処理装置等電波障害自主規制協議会)の審査も受けていないと考えて良さそうです。

土曜日, 12月 26, 2015

クレジットカードは安全?

以外と知らないクレジットカードの仕組み

 

クレジットカードをハッキングする「MagSpoof」って?



2015年11月末ごろ、クレジットカードのセキュリティに関するちょっとした話題があったので紹介する。

数々の騒動を起こした一方で、各種サービスや製品の脆弱性の発見など、ハッキングやセキュリティ関連の研究で知られるSamy Kamkar氏が11月24日、「MagSpoof」というデバイスを開発したとその概要を公表したのだ。 MagSpoofは10ドル程度の部品で組み立て可能なコイン大の装置で、クレジットカードの磁気情報を本体に記録し、磁気データを無線信号で送り出すことで、あたかも読み取り機にカードの磁気部分を通したかのように読み取らせることができる。Samsung Pay(Loop Pay)の「MST(Magnetic Secure Transmission)」を小型装置で実現したものだと考えてもらえばいいだろう。この装置の便利なところは、複数のクレジットカードを1つの小型デバイスに格納してしまえるため、持ち運びが楽な点だ。






このMagSpoofだけでも十分にすごいのだが、Kamkar氏の説明ページ後半には「Security Issues」、「American Express Card Number Prediction」という問題提起がなされており、実はこの部分が話のキモになっている。改めて検証は必要だが、とりあえず同氏の説明を少しわかりやすく解説するので、その真偽は各人が判断してほしい。

 

意外と知らないクレジットカードの仕組み


クレジットカードには「クレジットカード番号」、「有効期限」、「名前」が記されている。カードを裏返すと(もしくはカード番号の横)、そこに「認証番号(CVV/CVS/CID)」があることが確認できるだろう。これら主に4つが"カードで目視可能"な構成要素だ。これら情報を基にカード利用者を識別し、"利用者本人かどうかを確認しつつ"決済を行っている。



クレジットカードの各部名称

 




クレジットカード番号は最大19桁までの数字の列である「PAN(Primary Account Number)」で成り立っているが、一般にはJCB、MasterCard、Visaのようなメジャーなカードブランドでは16桁、American Expressでは15桁となっている(カードブランドによっては13桁や14桁のこともある)。このうち、最初の6桁は「IIN(Issuer Identification Number)」と呼ばれ、あらかじめ業界やカードブランドによって利用可能な番号が決まっている(ISO/IEC 7812で規定される)。例えば、最初が「4」で始まる番号は「Visa」、「5」で始まる番号は「MasterCard」といった具合だ。なお、MasterCardに予約されているのは2桁目の数字が「1~5」(つまり51~55)で、5で始まる残りの数字は「Maestro」向けのものだ。American Expressでは「34」または「37」で予約されており、たまにオンラインサイトでのカード番号入力の場面でカードブランドが自動選択されるのは、こうしたIINの予約番号で自動判別しているからだ。

PAN全体の13~19桁の番号のうち、最初の6桁を除いた残りが「個別の利用者番号」と「チェック・ディジット(パリティ)」となる。チェック・ディジットはLuhnアルゴリズムで一意に決定されるPAN全体のチェックサムで、1桁の数字で表される。PANの桁数によって異なるが、利用者個人に割り当てられる個別の番号は最大12桁となる。

ケースバイケースだが、たいていのオンライン決済では「クレジットカード番号」「有効期限」「名前」に加え、「認証番号(CVV/CVS/CID)」を入力すれば処理が完了するだろう(住所や連絡先を求められることもあるが......)。基本的には、決済時に相手に渡す必要がある情報がこの組み合わせとなる。これは"対面取引"といわれる店頭での決済でも同様で、クレジットカードを磁気部分を読み取り機に通す場合にも同じ情報がカードを処理するネットワークに対して送信されている。

つまり、磁気部分にはこれら情報が記載されているわけだが、カード裏面等に記載されている「認証番号(CVV/CVS/CID)」だけは記録されていない。そのため、仮に「スキミング」と呼ばれる行為で磁気データを丸ごとコピーされても、そのままではオンライン決済には利用できないという仕掛けだ。

一方で、カード裏面記載の番号とは別の「認証番号(CVV/CVS/CID)」が磁気部分には記録されており、一種のカードの整合性チェックとなっている。仮に磁気データの丸ごとコピーではなく、カードのエンボス等に記載されたPANや有効期限をメモしておいて、それを基に自身で磁気カードを起こしたとしても、このチェックで弾かれる。磁気情報で記録されている側を「CVV/CVS/CID」、カード裏面に記載されている側を「CVV2/CVS2/CID2」などと呼ぶこともある。

 

 

磁気データとMagSpoof

 

さて、本題はここからだ。実際にこの磁気部分にはどのように情報が記録されているのだろうか。Kamkar氏が自身のクレジットカードを酸化鉄の粉末をまぶして図説しているが、記録データは完全に2進数の世界だ。クレジットカードなどで利用される磁気カードの記録方式はISO/IEC 7813で定められており、「Track 1」、「Track 2」、「Track 3」の3種類がある。Track 3は実質的に使われていないため、「Track 1」または「Track 2」が一般だ。MagSpoof自体は3種類ともサポートしているという。

Track 1はアルファベットも利用可能な方式で、一方のTrack 2は0~9までの10の数字と「:」「;」「<」「=」「>」「?」の6種類の記号しかサポートしてない(これはASCIIコードの 0x30~0x3Fまでの並びに準拠している)。10+6=16で、つまり16進法表記だ。Track 2は、2進数でいえば1文字の表現に4ビットを必要としている。Track 1とTrack 2を比較した場合、一般にTrack 2のほうが記録密度が低く、記録ビットの有無である「0」と「1」の磁気情報が広い間隔で存在しているため、判別しやすくなっている。このように磁気情報を読んでいくと、Kamkar氏のサンプルでいえば「;42668413......」とPANの上8桁の数字が出現する。「;」はTrack 2における開始記号で、記録データは必ず「;」からスタートする。注意点としては、読み取り方向から順番に「下位ビット 上位ビット」と数字が並んでいるため、下の画像では一般的な数字の並びとは反転していることに気を付けてほしい。


酸化鉄粉末でクレジットカードの磁気部分を浮き上がらせたところ。2進数のビットの有無で記録情報が解読できるようになっている(Samy Kamkar氏のサイトより引用)






Track 2における文字列の並びは下記のようになる。

----
「;」+「PAN」+「=」+「有効期限(YYMM)」+「サービスコード(3桁)」+「認証番号(CVV/CVS/CIDなど)」+「?」+「LRC(Longitudinal Redundancy Check、チェックサムの一種)」
----

お気付きかもしれないが、Track 2では名前が記録されておらず、「PAN」+「有効期限(YYMM)」+「認証番号(CVV/CVS/CID)」の3種類の組み合わせのみで利用者を判別している。これはアルファベットが仕様上記録できないためとみられる。

MagSpoofでは、この磁気情報の並びを記憶しつつ、磁気カード読み取り機に近付けることでアンテナが反応して適切な順番で磁気情報を吐き出す。これを読み取り機が認識して、実際に"カードが通された"と判断して処理を行う。

「Coin」という、1枚のクレジットカード型装置に複数のカードを記録し、適時切り替えて利用できるという製品がある。Coinにカード情報を記録する際には、ペアリングしているスマートフォンに専用の"ドングル"を挿して磁気カード情報を読み取らせ、それを転送する形で利用する。MagSpoofに記録されたカード情報を、スマートフォンに挿したドングルに読み取らせてCoinに転送し、Coinに転送されたカード情報を使って決済を行うというデモも、Kamkar氏は紹介している。

 

 

クレジットカードのICチップを無効化する

 

ただ同氏によれば、Coinには1つ難点があるという。例えば、ICチップ付きクレジットカード(EMV)をCoinで読み取らせると、カード決済時にCoinを磁気カード読み取り機に通してもレジで受け付けてもらえず、ICチップが付いたカードをEMV対応の読み取り機に挿入し、4桁数字のPINを入力してICチップのロックを解除してやる必要がある。これは、発行されたカードがICチップ対応であり、特定の条件下(例えばレジがEMV対応の場合)で磁気情報ではなくICチップでの決済を要求するためだ。

そこでKamkar氏が注目したのが、Track 2の情報に含まれる「サービスコード」の部分だ。サービスコードは3桁の数字で表現され、その組み合わせでカード(あるいはレジにおける決済)の挙動を決定している。カードが国外で利用できるのか、あるいは特定の条件下でのみ利用可能なのか、さらに決済時にPINコードを要求するのかも含め、情報が記載されている。


 

サービスコード(3桁数字)の内訳(Samy Kamkar氏のサイトより引用)

 





前述のICチップ利用の強制もサービスコードのパラメータで決定されており、設定しだいで「無効化」して、磁気カード決済も可能になるという。実はMagSpoofの本当のキモはここで、この設定を無効化してICチップ付きクレジットカードであってもMagSpoofですべて代替できてしまうのだという。本来はカード側の設定変更だけで対応できたり、あるいは改ざんが可能という点が問題なのだが、もしKamkar氏のいうように回避可能なのならば、ここがセキュリティ上の最初の問題となる。

 

 

American Expressの再発行/更新のカード番号を予測する

 

同氏がもう1つ問題提起しているのが、「カード番号予測」だ。紛失や盗難時に、クレジットカードを停止して再発行を依頼したことがある人は少なくないだろう。カード会社はすぐに再発行したカードを郵送してくるが、同氏は再発行されたカードの番号が以前の番号とそれほど差がないことから、何か法則性があるではないかと考え、過去にAmerican Expressで自身が発行してもらったカードと比較しつつ、さらにそれ以外の20以上のAmerican Expressのカードもサンプルにしたところ、具体的に次に届くカード番号を予測するパターンを発見したのだという。

もし元のカード番号が盗まれたり紛失したものだったとしても、(15桁の)番号が完全にわかっている状態であれば再発行番号が予測可能であるため、大きなリスクになるという。前述のように、クレジットカードの利用にはカード番号(PAN)以外に、「有効期限(YYMM)」と「認証番号(CVV/CVS/CID)」が必要だ。前者については法則性があるため、再発行を依頼した時点で次の有効期限を予測するのは問題ないという。

問題は後者だが、実は再発行されたカードでもこの番号は変化していないため、PAN予想アルゴリズムと元の番号、そして発行タイミングさえわかれば、悪意のある第三者がカードを不正利用し続けることが可能だとしている。なお、認証番号についてはKamkar氏の記事中ではCard Security Code(CSC:カードセキュリティコード)と記載されている。

磁気タイプのカード作成に必要な情報がすべてわかっているため、偽造カードの作成も可能だ。こうした理由からアルゴリズムの内容については公開せず、American Expressへの問題提起にとどめているとの文章で説明が締められている。

なお、同氏が参考とした資料の一覧や、MagSpoof作成に必要な回路図やソフトウェア情報はすべて公開されており、実力さえあれば誰でも作成することは可能だろう。カード自体の脆弱性の実際については継続的なウォッチが必要だが、何かの機会が改めてフォローしたい。

 

水曜日, 10月 28, 2015

スパイ型マルウェア「Regin」

ドイツ当局、米英によるスパイ活動疑惑の調査を開始。首相府高官らのPCからマルウェア検出


ドイツ検察庁がスパイ型マルウェア「Regin」について調査を開始したと独シュピーゲル紙が伝えています。Regin は昨年11月にシマンテックなどが公表したトロイの木馬の一種。各国政府や企業、著名研究者などの PC にバックドアを仕掛け、多様な情報を盗み出しているとされる悪質なマルウェアです。

※見出しの写真は記事内容と関係ありません。
 

Regin は、5段階の攻撃手法や高度なステルス/暗号化機能を駆使してセキュリティソフトの検出を巧みに逃れるよう作られています。また攻撃手法別にモジュール化 されたプログラムをロードする仕組みを備え、目的とする攻撃に応じて柔軟なカスタマイズが可能。感染したコンピューターどうしでP2Pネットワークを構成 し、TCP、UDP にくわえ偽装した ICMP を利用して通信内容の検出を困難にするなど、情報を盗み出すための悪質さではトップクラスのマルウェアと言えます。

また、その考えぬかれた構造から Regin の開発にはある程度大きな(例えば国家)組織が絡んでいると言われており、遅くとも2008年ごろから各国政府や主要研究機関、著名研究者、企業などを対象に情報の収集をしていた可能性があるとされます。

今回調査を開始したドイツでは、メルケル首相に近い首相府高官らが使用していたノート PC で Regin の活動痕跡があったとされています。ドイツといえば、2013年に米国家安全保障局(NSA)によるメルケル首相の携帯電話盗聴の疑いが浮上し、両国の関 係はある意味緊張状態となりました。ドイツ政府は盗聴の犯人を特定すべく捜査を継続していましたが、立証困難としてこの6月、2年間にわたる調査を終了し ています。
 

Regin はロシアやサウジアラビア、中東諸国、インド、欧州の一部で活動の痕跡がみつかる一方、米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5か国か らはまったく発見されていません(一部には米英からもみつかったとする情報もある)。この5か国は Five Eyes と呼ばれる諜報同盟を結んでいることが米国家安全保障局(NSA)の元職員エドワード・スノーデンが暴露した情報から明らかになっています。

メルケル首相近辺からの情報収集についても Five Eyes、特に NSA および英政府通信本部(GCHQ)による諜報活動が噂されています。しかし、もしこの5か国がそれぞれ Regin を個別に利用していたとするならば、ドイツ首相府の PC を操っていたのは誰か、またはどこの機関か、犯人を特定するのは非常に困難なことかもしれません。

 

金曜日, 12月 05, 2014

iPhoneの指紋認証を回避する最も簡単な方法を7歳の子どもが発見


iPhoneの指紋認証を回避する最も簡単な方法を7歳の子どもが発見、生体認証が抱える深刻な問題も明らかに


コンピュータセキュリティや暗号化を教える大学教授の7歳になる息子が、いとも簡単に父親のiPhoneの指紋認証を破ることに成功したというニュースが話題となっています。
その小さなハッカーの成し遂げたことによって、より重要で深刻な側面も浮かび上がっているからです。
Matthew Green氏は、ジョンズ・ホプキンス大学で暗号化やコンピュータセキュリティを研究する権威です。
セキュリティや暗号化の専門家である彼は、自分の7歳の息子によって、こともあろうに自分のiPhone 6 Plusの指紋認証を破られました。
Green氏のiPhone 6 Plusは、当然ですが、彼の指紋によってだけロックを解除できます。
そこで、息子のHarrison君は、大胆な考えを実行に移しました。
彼は、ある日の朝、両親の眠る寝室にそっと忍びこみました。
そして、ぐっすりと眠る彼のお父さんの右手の指をiPhoneのTouch IDに押し当ててロックを解除することに成功しました。
Green氏は、その間、起きることはできず息子を叱ることはできませんでした。
幸い、Green氏の被害は、MinecraftとAngry Birdsをダウンロードされただけでした。
そんなことか!と思うかもしれません。
しかし、この事実は、生体認証自体のより深い問題を浮かび上がらせる結果となりました。


Appleは、最近、ユーザーのパスコードを回避できない暗号化を発表しました。
FBIは、その完璧な暗号化によって、iPhoneを使う犯罪者を保護すると主張しました。
しかし、それは正しくないとGreen氏はTwitterで発言しました。
その方法は彼の息子が実践してくれたのです。
つまり、警察は、Harrison君がしたように、あなたの指をiPhoneの指紋スキャナーに押しつけることができます。
あなたが逮捕されている場合、指紋センサーのような生体認証は、あなたの情報を保護する上で最良の方法ではないとGreen氏は説明します。

米国では、そういう状況が現実に起きています。
バージニアビーチ事件では、逮捕者の指を使ってスマートフォンのロックを解除させることを強制できると州裁判所は判決を下しました。
もし、あなたのiPhoneのTouch IDを無効にしておくなら、あるいは指紋スキャナーを利用せずにしておくなら、合衆国憲法の修正第五条(自己に不利な供述を強制されない)を行使でき、パスコードを教える必要はありません。

Source:CNN Money via BGR

水曜日, 10月 22, 2014

「セーフ・ハウス」(Safe House:安全な家)


「ガラス張り」から「コンクリート要塞」に変身する、用心深い家

ボタンひとつで、明るく開放的なモードから、侵入不可能なコンクリートの要塞に変身する家を紹介。


TEXT BY CHARLIE SORREL
TRANSLATION BY MINORI YAGURA/GALILEO

WIRED NEWS (US)

セーフ・ハウス」(Safe House:安全な家)は、矛盾をはらんだ家だ。無数の大きな窓のおかげで明るくて風通しがよく、開放的でありながら、侵入することはほぼ不可能にもできるのだ。
ポーランドの建築家KWK・プロメスが設計したこの家には、ふたつの姿がある。在宅中で、状況が安心できるときには、「無防備」モードで開放的な家になる。家の1面は全体がガラス張りで、間仕切りのない屋内は外の世界に対してオープンだ。2階からは、屋内プールを備えた別の建物に続く可動式渡り廊下まである。
左側は別棟の屋内プール。
だが、ハロウィンの日にお菓子を強引にねだる子ども達など、問題の兆しが見えたら、ボタンを押して家を封鎖し、要塞に変身させる。家の正面にあるシャッターは閉まり、巨大なコンクリート平板が動いて窓を塞ぐ。渡り廊下は引き上げられ、建物は完全に外界から隔絶される。
渡り廊下も引き上げられる。
いったいどういう人が、このような家を欲しがるのだろうか?
マフィアか? 麻薬王か? それとも、被害妄想に苛まれた平凡なただの米国人だろうか? いや、この家を欲しがったのは、ワルシャワ郊外に住む非常に用心深い顧客だという。
緊急時に避難できるパニックルーム(この場合はパニックハウス?)の必要性をなくす最良の方法は、家宅侵入が起きないような国の田舎に住むことのように筆者には思える。だが、あまりにも多くのガジェットを所有している者のひとりとして考えると、留守中の防衛手段の必要性は理解できる。この驚くべきコンクリート製の家に住めば、泥棒について心配せずに、2週間の休暇に出かけられることだろう。