精緻に模した木彫の朝顔や草がコンクリートの壁からのぞく、という現代美術の作品。
慶
應SFCの坂井研の冬ゼミで金沢に行ったときに「金沢21世紀美術館」で、「廊下や美術館の外の庭」
などまさか作品展示とは思えなかった場所に、「本物と見分けがつかないほど精巧に草花を木彫で作った植物」が点在していた。学芸員の説明が無ければ、おそ
らく僕も気がつかなかっただろう。それもそのはず、須田悦弘さんは通常作品が展示されることのない「ふとした場所に設置する手法で知られる作家」だ。彫刻
家と呼ばれることを須田さんがまったく否定する通り、彼の作品の最大の特徴は、木彫そのものの繊細さはもちろんのこと、思いがけない空間を作り出し、忍ば
せる見せ方にある。(画像にあるコンクリートから出ている朝顔や草が木で彫られた植物に見えますか?)
(須田悦弘さんの語り)
「空間にひっそりと咲く、木彫の花々。」93年から作品を発表していますが、木で作った
植物を空間に展示するというスタイルは変わっていません。基本的には、好きなものを作り続けている、作りたいものを作っているだけです。ある場所に、ある
筈のない、あるものと、ある時を、ある場合にのみ、存在させるその「あるもの」が、今のところ私には木で彫られた植物なのです。
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