資産額、出身地や卒業校など、詳細なデータとともにご紹介
トップ50の顔ぶれは?
順位
氏名 | 企業名/ブランド名/業種 | 資産額 (億円) |
年齢 | 前回順位 | 結婚 | 子供 | 出身大学 | 出身地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 孫正義 | ソフトバンク | 2兆2640 | 59 | 2 | 既婚 | 2 | カリフォルニア大学バークレー校 | 佐賀県 |
2 | 柳井正 | ファーストリテイリング | 1兆8200 | 68 | 1 | 既婚 | 2 | 早稲田大学 | 山口県 |
3 | 佐治信忠 | サントリーホールディングス | 1兆4650 | 71 | 3 | 既婚 | 慶應義塾大学 | 兵庫県 | |
4 | 滝崎武光 | キーエンス | 1兆3880 | 71 | 4 | 既婚 | (兵庫県立尼崎工業高等学校) | 兵庫県 | |
5 | 三木谷浩史 | 楽天 | 6770 | 52 | 5 | 既婚 | 2 | ハーバード大学(MBA) | 兵庫県 |
6 | 高原慶一朗 | ユニ・チャーム | 5000 | 86 | 7 | 既婚 | 3 | 大阪市立大学 | 愛知県 |
7 | 森章 | 森トラスト | 4880 | 80 | 6 | 既婚 | 3 | 慶應義塾大学 | 東京都 |
8 | 毒島秀行 | SANKYO(パチンコ) | 4660 | 64 | 8 | 慶應義塾大学 | 群馬県 | ||
9 | 伊藤雅俊 | セブン&アイ・ホールディングス | 4100 | 69 | 10 | 既婚 | 3 | 慶應義塾大学 | 東京都 |
10 | 三木正浩 | ABCマート | 4050 | 61 | 11 | 既婚 | 東邦学園短期大学 | 三重県 | |
11 | 韓昌祐 | マルハン | 4000 | 86 | 9 | 既婚 | 6 | 法政大学 | 韓国 |
12 | 永守重信 | 日本電産 | 3890 | 72 | 13 | 既婚 | 2 | 職業能力開発総合大学校 | 京都府 |
13 | 似鳥昭雄 | ニトリ | 3660 | 73 | 15 | 既婚 | 北海学園大学 | 北海道 | |
14 | 前澤友作 | スタートトゥデイ(ZOZOTOWNの運営等) | 3330 | 41 | 18 | (早稲田実業高校) | 千葉県 | ||
15 | 重田康光 | 光通信 | 3310 | 52 | 16 | 既婚 | 3 | 日本大学(中退) | 東京都 |
16 | 森佳子 | 森ビル(森稔夫人) | 2890 | 76 | 14 | 未亡人 | 2 | - | 香川県 |
17 | 木下盛好 一家 | アコム | 2600 | 12 | - | 兵庫県 | |||
18 | 岡田和生 | ユニバーサルエンターテインメント(パチスロ機の製造等) | 2440 | 74 | 29 | 既婚 | 3 | (東京テレビ技術専門学校) | 大阪府 |
19 | 小林一俊・孝雄・正典 | 株式会社コーセー | 2260 | 19 | 慶應義塾大学 | 東京都 | |||
20 | 大塚実・裕司 | 大塚商会 | 2150 | 94・63 | 17 | 中央大学(実)・立教大学(裕司) | 栃木県 | ||
21 | 多田直樹・高志 | サンドラッグ | 2090 | 20 | |||||
22 | 宇野正晃 | 株式会社コスモス薬品 | 2000 | 70 | 24 | 東京薬科大学 | 宮崎県 | ||
23 | 武井博子 | 武富士(創業者夫人) | 1940 | 75 | 21 | 未亡人 | 3 | ||
24 | 多田勝美 | 大東建託 | 1900 | 71 | 23 | 既婚 | 1 | (四日市工業高等学校) | 三重県 |
25 | 笠原健治 | mixi | 1890 | 41 | 27 | 既婚 | 東京大学 | 大阪府 | |
26 | 安田隆夫 | ドン・キホーテホールディングス | 1670 | 67 | 26 | 既婚 | 1 | 慶應義塾大学 | 岐阜県 |
27 | 島村恒俊 | しまむら | 1550 | 91 | 28 | 既婚 | 3 | 埼玉県 | |
28 | 石原昌幸 | 平和(パチンコ) | 1440 | 68 | 37 | 拓殖大学 | |||
29 | 鈴木郷史 | ポーラ・オルビスホールディングス | 1390 | 63 | 33 | 既婚 | 早稲田大学 | 静岡県 | |
30 | 山海嘉之 | サイバーダイン(医療福祉機器・サービスの研究開発等) | 1380 | 58 | 25 | 筑波大学大学院工学研究科 | 岡山県 | ||
31 | 田中良和 | グリー | 1370 | 40 | 34 | 独身 | 日本大学 | 東京都 | |
32 | 福嶋康博 | スクウェア・エニックス・ホールディングス | 1330 | 69 | 35 | 既婚 | 日本大学 | 北海道 | |
33 | 福武總一郎 | ベネッセホールディングス | 1320 | 71 | 32 | 既婚 | 1 | 早稲田大学 | 岡山県 |
34 | 上月景正 | コナミホールディングス | 1310 | 77 | 45 | 既婚 | 2 | 関西大学 | 兵庫県 |
35 | 野田順弘 | オービック | 1280 | 78 | 30 | 既婚 | 関西大学 | 奈良県 | |
36 | 松井道夫・千鶴子 | 松井証券 | 1290 | 64 | 31 | 既婚 | 3 | 長野県(道夫) | |
37 | 篠原欣子 | テンプスタッフ | 1220 | 82 | 47 | 離婚 | 神奈川県 | ||
38 | 上原昭二 | 大正製薬 | 1210 | 89 | 36 | 既婚 | 2 | 東京薬科大学 | 東京都 |
39 | 小川賢太郎 | ゼンショーホールディングス(すき家 など) | 1170 | 68 | 48 | 東京大学(中退) | 石川県 | ||
40 | 襟川陽一・恵子 | コーエーテクモホールディングス | 1150 | 慶應義塾大学(洋一)・多摩美術大学(恵子) | 栃木県 | ||||
41 | 山西泰明 | イズミ(スーパーマーケット) | 1145 | 70 | 39 | 慶應義塾大学 | 静岡県 | ||
42 | 石橋寛 | ブリヂストン | 1140 | 70 | 43 | 既婚 | 3 | 福岡県 | |
43 | 佐藤洋治 | ダイナムジャパンホールディングス(パチンコ) | 1120 | 71 | 44 | 既婚 | 3 | 早稲田大学 | 東京都 |
44 | 金沢要求・全求 | 三洋物産(パチンコ) | 1070 | - | 愛知県 | ||||
45 | 里見治 | セガサミーホールディングス | 1050 | 75 | 50 | 既婚 | 3 | 青山学院大学(中退) | 群馬県 |
46 | 杉浦広一 | スギ薬局 | 930 | 66 | 40 | 既婚 | 2 | 岐阜薬科大学 | 愛知県 |
47 | 藤田晋 | サイバーエージェント | 900 | 44 | - | 既婚 | 1 | 青山学院大学 | 福井県 |
48 | 増田宗昭 | カルチュア・コンビニエンス・クラブ(TSUTAYA) | 880 | 66 | 49 | 既婚 | 2 | 同志社大学 | 大阪府 |
49 | 稲盛和夫 | 京セラ・KDDI | 840 | 85 | 41 | 既婚 | 3 | 鹿児島大学 | 鹿児島県 |
50 | 馬場功淳 | コロプラ | 790 | 39 | 22 | 離婚 | 1 | 九州工業大学 | 兵庫県 |
2017 |
2016 |
今年の日本長者番付から、上位10位には入らなかったものの、ここ1年で世界の話題を集めたり、資産を大幅に増加させたりした5人をご紹介。
スタートトゥデイの前澤友作 代表取締役 |
誇り高きコレクター、前澤友作(14位)
前澤の著名美術品に対する愛は、ここ1年間で存分に示された。
2016年11月のクリスティーズのオークションでは、ピカソの「女の半身像(ドラ・マール)」を2260万ドル(約25億円)で落札。
同年5月には、ジャンミシェル・バスキアの無題の絵画を、約5700万ドル(約62.4億円)というバスキア作品最高額で落札した。
前澤の保有資産は、ファッション通販サイトZOZOTOWNの運営により1年で36%増加し、30億ドル(約3330億円)に。前澤は、ジェフ・クーンズ、ロイ・リキテンスタインを含む美術品コレクションを一般公開するため、千葉に美術館を設立する予定だ。
人材派遣の先駆者、篠原欣子(37位)
助産師の娘として生まれた篠原は、東証上場企業テンプホールディングスの株価がここ1年で30%上昇したことから、日本初の「たたき上げ女性ビリオネア(資産10億ドル以上の富豪)」となった。
篠原はオーストラリアで秘書として働いた後、1973年に帰国。東京のワンルームアパートに事務所を構え、女性の社会進出支援を目指し、人材派遣会社テンプスタッフを設立した。[関連:日本で最も成功した女性起業家、篠原欣子の人生]
家具のプロ、似鳥昭雄(13位)
家具大手ニトリホールディングスは、東京など都市部の市場拡大に支えられ、2017年2月期の売上高は5129億円、純利益は599億円で、18期連続の増益を達成した。ニトリは国内の競合他社や、日本に9店舗を持つスウェーデン家具大手イケアとの商戦に直面しながらも成長を続けている。
同社の株価上昇により、似鳥の総資産は昨年比9億ドル増の33億ドル(約3660億円)となった。似鳥は2016年に社長を退任し、会長に就任。過去の著作物で、大学時代にスナックの未払い金取り立てのアルバイトをしていたことを明かしている。
現実界の遊戯王、上月景正(34位)
コナミホールディングスの創業者で会長の上月景正は、同社株の急騰により、資産を昨年比42%増の11億8000万ドル(約1310億円)に増やし、2014年以来3年ぶりにビリオネア(保有資産10億ドル以上の富豪)の仲間入りを果たした。
コナミはこのところ、サッカーや野球、トレーディングカード「遊戯王」のモバイルゲームで成功を収めている。遊戯王の漫画が誕生した約20年前、同社は日本の株式市場で最盛期を迎えていた。ジュークボックス修理業を原点に持つ上月は、懐かしの品から利益を生み出す方法を心得ている。
コナミは米国市場向けスロット機器も製造しており、日本のカジノ合法化に商機を見いだしている可能性もある。
牛丼長者、小川賢太郎(39位)
牛丼チェーン「すき家」などを運営するゼンショーホールディングスの創業者で社長の小川は、同社株が1年間で30%上昇したことで、初めてビリオネアの仲間入りを果たした。
小川は港湾労働者として働いた後、1982年にゼンショーを設立。同社は中国、ブラジル、マレーシア、タイ、台湾など9か国・地域にレストランを展開している。
http://forbesjapan.com/feat/japanrich/
日本人が知らない「新しい富の方程式」
フォーブスが先日発表した2017年版「世界長者番付」。2016年の結果に比べて資産総額は増えているものの、世界長者番付における日本人は依然、下位でのランクインが続いている。
なぜ、日本人の存在感は薄まっているのか。前回の入山章栄氏に続き、これからの人材育成のあり方を説いた資料「シン・ニホン」が話題になった、ヤフーCSO(チーフストラテジーオフィサー)の安宅和人氏に話を伺った。
トヨタとグーグル、時価総額はなぜここまで違うか
富を生み出す方程式が劇的に変化した──日本は、この事実をきちんと理解しなければなりません。順を追って説明していきましょう。
まず、ビリオネア(資産総額10億ドル以上)として上位にランクインされるためには、事業を創り出してマーケットキャップ(時価総額)によって富を得る。特殊なケースを除き、ビリオネアになるためには基本的にはこれしか方法がありません。要は、事業を起こし、事業のマーケットキャップを高めていくことが重要なわけです。
これまでマーケットキャップを高めるためには、市場でのプレゼンスと利益の規模が重要でした。言い換えれば、既存の枠組みとルールの中での規模と効率の追求が鍵でした。しかし、今はまったく違う。ここ10年余りで方程式が変わったのです。
下の時価総額ランキングを見てください。エクソンモービルを除き、上位はすべてICT系の企業。そして驚くべきは、生み出している利益に対してマーケットキャップが巨大である、という事実です。
マーケットキャップの上位企業に共通していること。それは「世の中を変えている感」「未来がその会社の向こうにある感」を投資家から持たれている点にあります。トヨタは、アルファベットやマイクロソフトと利益額に大差はないものの、残念ながら時価総額は足元にも及びません。日本のトップ企業が30位前後まで落ちたことも久しくなかったことです。
2017年4月、7万6000台しか車をつくっていないテスラが、その130倍以上の車を売っているGMのマーケットキャップを越す、というニュースがありました。これも富を生み出す方程式が変わったことを示す、わかりやすい証左でしょう。市場は「モビリティの未来はテスラにある」と考えているのです。
日本はICT「しか」成長させてこなかった
「世の中を」という言葉もポイントです。「日本を」ではダメなのです。
例えば、ウーバーは事業を初めて8年しか経っていませんが、グローバルに多くの都市で課題解決を行うことで、すでに7兆円というマーケットキャップを生んでいます。かつてホンダもパスすることは不可能と言われた排ガス規制をCVCCエンジンで世界で初めて乗り越えることで世界規模の課題解決を行い、大きな事業価値を生み出しました。
こうした事実からも分かるように、ICTや技術革新をテコに不可能だったことを実現し、グローバル規模で世の中をアップデートしていく。これこそが巨大な富を生み出す方程式なのです。
しかし、多くの日本人はこのことに気づいていないか、都合よく無視している。だから、日本は世界長者番付の上位にランクインすることができないわけです。
ただし、日本にまったくチャンスがないわけでもありません。よく「日本はICTで負けている」という声を聞くのですが、実際は違います。他の国と比べてみても、ICT技術の浸透度合いは決して低くありません。GDPにしめるICT産業の割合も米国とほぼ同じ。ただ、アメリカがICTの革命をテコに過去20年すべての産業をアップデートして大きく成長させてきた中、日本はここ20年の間「ICTしか」成長させてこなかったんです。
その背景にあるのは、「テックギーク」の圧倒的不足です。海外のトップスクールでは学部段階で計算機科学が専門を問わずデフォルト化し、基礎教養となってきている中、日本はいまだに高等教育で理数を学ばない人が中心で、データ分析、情報科学、エンジニアリングについて基本的な理解がない人が多い。これでは世の中をアップデートしていくことはできません。
これまでビジネスの世界で劇的な革新を起こしてきたのは、ほぼすべて20代〜30代前半の若い人材です。世界長者番付のトップ10に日本人がランクインするためには、まず日本の教育を変えることが必要不可欠でしょう。
安宅和人
◎ヤフー株式会社チーフストラテジーオフィサー。データサイエンティスト協会理事。慶應義塾大学SFC特任教授。応用統計学会理事。東京大学大学院生物化学専攻にて修士課程修了後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。4年半の勤務後、イェール大学脳神経化学プログラムに入学。2001年春、学位取得(Ph.D.)取得。ポスドクを経て2001年末、マッキンゼー復帰に伴い帰国。マーケティング研究グループのアジア太平洋地域における中心メンバーとして、幅広い分野におけるブランド立て直し、商品・事業開発に関わる。2008年9月ヤフーへ移り、2012年7月より現職。経済産業省 産業構造審議会 新産業構造部会 委員、人工知能技術戦略会議 産業化ロードマップTF 副主査、内閣官房 第4次産業革命 人材育成推進会議 委員なども務める。