木曜日, 12月 11, 2014

バイオニック・ブラ

人工筋肉繊維製「バイオニック・ブラ」開発、胸揺れに応じて動的サポート



豪州ウロンゴン大学の研究者らが、胸の揺れに応じて自動的にサポート力を調整する「バイオニック・ブラ」の試作品を公開しました。

人工筋肉繊維とセンサにより平常時はふんわりと、胸が大きく揺れる際にはしっかりと保持することで、特に巨......豊満な女性や日常的に運動をする女性に適したブラジャーを目標としています。







Bionic Braの試作品を公開したのはオーストラリア University of Wollongongの Gordon Wallace教授、Julie Steele教授ら。「最先端テクノロジーを活用したブラジャー」ですが、トリンプが毎年発表する宴会芸のような『世相ブラ』(今年は『仲良し姉妹ブラ』)とは違い、大学の真面目な研究成果です。

オーストラリアの研究機関 Breast Research Australia (BRA)でディレクターを務め、運動中の女性の胸揺れについて15年以上研究してきたという専門家である Steele教授によれば、適切なブラジャーによるサポートがない場合、首や背中の痛みといった問題に加えて、肩で神経が圧迫されることにより指先の痺れなど長期的なダメージを受ける可能性があるとのこと。

しかし強く保持するほど快適さは損なわれるため、センサーで運動と体の状態を感知し、アクチュエータで動的に保持力を調節するバイオメカニカル・ブラジャーでこの問題を解決できるとしています。


Wallace教授によれば、新しい試作品の開発を可能にしたのは3Dプリンタなど新たな製法の登場や、繊維に埋め込めるセンサや新しいアクチュエータ、人工筋肉繊維といった要素技術の発達。試作品のバイオニックブラは、オーストラリアで11月末から12月まで開催された第九回オーストラリア バイオメカニクス カンファレンスで一般に公開されました。

ただし写真のように、最新の試作品でもまだ一般的なブラ同等とは言いがたく、今後も機能性と快適性の両立を目指した研究を続けるとのこと。

当人にとっては切実でも周囲に理解され難い苦痛の代表ともいえる「悩み:胸が大きいこと」が一部でも軽減されることに期待したいものですが、着るセンサーとアクチュエータといえば、米軍の国防高等研究計画局DARPAでは兵士向けの戦闘服として研究を続けるテーマです。こちらは柔軟でありながら適切な状況で硬化し関節のサポートや負荷の分散、さらには筋力の増強や負傷・疲労軽減を図るスキンスーツ Warrior Web。



米陸軍とDARPA、服の下に着る強化スキンスーツWarrior Webの開発に着手