月曜日, 12月 01, 2014

フリスクPC? マウスコンピューターの「m-Stick」を試す

え、このサイズでPC!? マウスの「m-Stick」を試す
しかも1万円台のお値打ち価格

パソコンだから制約なし、何でも見られる

マウスコンピューターから、超小型のパソコンm-Stickが登場しました。最近では、Chromecastのようなテレビに差して映像などを楽しめる機器が増えていますが、いろいろ制約があります。一方m-StickはこのサイズでWindows 8.1がそのまま動作するパソコンです。パソコンで再生できるファイルであれば、何でもテレビに映し出せる万能選手といえるでしょう。
フリスクよりはちょっと大きいサイズ
USB端子はフルサイズ。中央は充電用のMicro-USB端子、右端に電源ボタンmicroSDカードスロットを装備。ファンレスということで、筐体にはところどころスリッドが開けられている。
本体はフリスクよりほんの一回り小さい程度。端子が少し飛び出ていますが、本体の幅は100mmということで、ちょうど名刺やクレジットカードと同じぐらいです。名刺を縦長で半分に折ったぐらいのサイズを想像すると大体あってると思います。
CPUはBayTrail-Entryと呼ばれるAtom Z3735F(1.3GHz)。BayTrailはパフォーマンスが高いCPUなのでブラウジングや動画再生程度であれば十分に快適に動きます。2GBのメモリーをオンボードに搭載しているので、日本語環境でも問題ないでしょう。ストレージはeMMCの32GBなので、速度はそれほど期待できませんが、Windowsの起動なども十分に高速ですし、このサイズと消費電力であれば、常時起動でも問題なさそうです。
ウィンドウズが動作します。Windows 8.1 Update対応。OneDriveなどと組み合わせて、Officeファイルを見たりとかも快適。
パフォーマンス面で少々懸念があるとすると、32GBと容量に制約があるので、ウィンドウズアップデートなどを実施する際に少々困る点でしょうか。ただ、リカバリー用のイメージも小さく抑えられていますし、無線LANやUSB 2.0を持っているので、NASやオンラインストレージなどを積極的に活用するなど、ちょっとした工夫をして、ストレージの空き容量を確保するようにしておけば十分カバーできると思います。
こんな風にテレビやディスプレーの端子に差して使用します。ちなみに最近の薄型テレビはUSB端子を装備しているものも多いので、端子から給電も可能かもしれません(実際はスリープで突然電源が切れたりするので、注意が必要です)。
もちろん本体から飛び出ているHDMI出力をテレビの端子に指せば、もちろんフルハイビジョンでデスクトップが現れます。性能的には一般的なウィンドウズタブレットと同程度のm-Stickですが、大画面のテレビと接続できて、高解像度で見られるというのはちょっと世界が変わります。
YouTubeやニコニコ動画などを楽しむのはもちろんですが、最近ではHuluやdアニメストアのように配信型のコンテンツサービスも充実してきているので、パソコンがテレビのもうひとつのチャンネルになるという感じが実体験できます。
ここまで万能なネットワーク視聴機器というのはないかもしれません。
m-Stickの主な仕様
製品名m-Stick MS-NH1
CPUAtom Z3735F(1.33GHz)
メモリー2GB
ストレージ32GB(eMMC)
インターフェースmicroSDカードスロット、HDMI、USB 2.0
通信IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0
サイズ幅100×奥行き38×高さ9.8mm(端子部含まず)
重量約44g
価格1万9800円(送料込み)


パッケージも非常に小型、早速開封の儀

パッケージはとてもコンパクトですが、出し入れがしやすいよう配慮されています。付属品は最小限ですが、HDMI端子を延長する短めのケーブルが付属する点は、なかなかの配慮ではないかと(直接させない場所にコネクターがあるテレビも多いですからね)。
小型のパッケージだが、本体を引き出しやすくするなどいろいろ考えられている。
長さも手ごろですし、この手のケーブルは相性の問題もあったりするので、メーカーが検証したケーブルが同梱されているのはうれしいです。場所も忍者屋敷のように、工夫された場所においてあります。
HDMIの延長コードはこんな場所に収納されていた。
本体にはUSB端子がありますが、Micro-USBは給電用です。なお、2A供給できるUSB機器であれば、ACではなくそちらに差してもいいので、給電対応のUSBハブを持っているディスプレーや、録画用のUSB端子を持っているテレビなどならよりシンプルに設置できるかもしれません。
ただしテレビは消費電力を抑えるために、すぐに電源供給をきってしまう場合があるので、利用には注意が必要となるでしょう。
下側には充電用のACアダプターとUSBケーブルが入っています。
付属品の一覧です。
本体にキーボードは付属しないため、無線キーボードを用意すると便利です。Bluetoothにも対応していますが、タッチパッドを備えたタイプを用意すると便利でしょう。マウスコンピューターのサイトでは購入時にこうしたオプションも選べるようにするそうです。
実際に使用する際には、無線キーボードを利用すると便利。写真のロジクール製キーボードも本体と同時購入できるので、合わせて用意したい。タッチパッドも一体化しているタイプ。


超低消費電力が利用シーンを広げる

本体サイズに注目してしまいがちですが、編集部では消費電力の低さもポイントになると考えています。写真を見てもらえばわかりますが、タブレットとかに付属しているのとおんなじUSB端子でケーブルをつなぐタイプのACアダプターが付属しています。2A給電のものであれば、おそらく流用できるのではないでしょうか(メーカーサポートは当然ありませんが)。
付属のACアダプターは、本体のMicro-USB端子からつなぐタイプ。2A対応なので、iPad対応のものなのも流用できるかもしれない。
今回PCMark8などベンチマークを実施してみました(残念ながらテスト時間内で、結果が取れませんでしたが)。CPU占有率が60~70%まで上げても電圧は5.1V、電流は0.55Aを超えることはほぼなく、かなり低い消費電力と言えそうです。通常のブラウジングや動画再生などはかなり快適です。
簡易ワットチェッカーで計測。ベンチを回しているタイミングでも0.5A強程度だった。
ならばということで、編集部にあったモバイルバッテリーとの接続を試してみました。通常の1A給電のものでしたが、結果は起動し、あっけないほど簡単に使えてしまいました。こちらもメーカーサポート外ですが、緊急用なら十分実用に足る選択なのではないかと感じます。
これだけ消費電力が低ければ……ということで、モバイルバッテリー接続も実施。無線LAN経由でブラウジングなど基本的な操作を試してみたが、特に問題なく利用できた。(動作保証外)
最後にこれはぜひやっていきたいなと感じたのが、小型プロジェクターとの組み合わせ。USB端子を持っている製品もあるし、コンパクトに大画面が実現できてしまうので、これは便利です。写真のプロジェクターはminiHDMI端子搭載なので、変換アダプターが必要ですが、USB端子などを備えているモデルであれば、プロジェクターからの電力供給で動作してしまうかもしれません。
ディスプレーにつなぐ以外にも、小型プロジェクターとの組み合わせなどは楽しいかもしれない。
大画面PCを持ち運ぶという、これまで難しかった用途が、m-Stickで可能になるわけで。パソコンで見られる画面、パソコンだけでしか見られなかった画面がどこにでも広げられるという点で、とても注目したいですね。