「Z世代とミレニアル世代」、企業が知っておくべき4つの違いとは
大人世代にとっては驚くことに、今の10代の若者たちはミレニアル世代(Y世代)に一般的な行動や態度とは異なる特徴を持ち、ブランド各社が今後の成功のために理解しておくべき新たな基準を生み出している。
Y世代とは明らかに異なる傾向から、Z世代は「ピボタル(中枢の、の意味)世代」とも呼ばれ始めている。
真面目で勤勉、お金や教育、キャリアの成功については伝統的な見方を重視するため、ベビーブーマー世代と似ているとも指摘される。
ただし、「考え方」については別の話だ。
Z世代は人種や性別、アイデンティティー、性的指向に関するリベラルな考え方を持ちつつも、それらに関する新たな基準を作り出している。
そうしたZ世代の将来に対する希望を支持し、彼らの基準に合ったビジネスを展開したいと考えるブランドこそが、今後この世代の忠誠心を勝ち取っていくブランドだ。
各社のリーダーたちが彼らについて知っておくべきことは、次の4つの点だ。
1. Z世代にとって極めて重要なのは、個人としての独立と成功だ。
不況の中で成長してきたミレニアル世代は、必要以上の「モノ」に対する支出は苦労して稼いだ金の使い道として価値がないと考える。そのため、モノよりも経験を重視する。
しかし、Z世代はモノを買うことに「価値がない」のではなく、「収入を増やすべき」なのだと考える。起業家精神を持ったこの世代からの支持を得るには、ブランドは今後、「私たちが導く」ではなく「あなたの成功を支援する」というメッセージを打ち出していく必要がある。
2. Z世代を特徴付ける重要な問題は、人種、性別、性的指向における平等だ。
10代の若者たちの大半は、移民制度改革や労働法、所得格差など社会的な問題に関する議論には加わっていないが、人種や性などの問題に関して高まる議論に接するなかで成長してきている。
それ以前の世代に比べて、早いうちから社会的活動に参加する若者も多い。史上最年少でノーベル平和賞を授賞したマララ・ユスフザイなど、多くの若者を例に挙げることができる。
SNSの使い方にも変化
ミレニアル世代が企業の環境問題への取り組みを加速させてきたように、“ピボタル”世代はブランドに対して今後、自分たちが重要と考える問題について明確な態度を示すことを求めていくだろう。
3. Z世代は「完璧であること」を求めていない。
自分との違いを理由に他者を低く評価することもなく、従来の“完璧”なイメージを否定し、あるがままのその人たちを受け入れる。身体イメージについても同様だ。10代の少女たちは幼いころから、異なる人種や体形について、いずれも肯定的に受け入れることを学んでいる。
市場は全体として、広告に「リアルさ」を求める傾向にある。その傾向を後押ししているのは、ブランドに対し日常生活をより現実的に反映した広告を期待するこうした若者たちだ。Z世代にとって現実的な広告は包括的で、型にはまったイメージを否定するものであり、自分自身のアイデンティティーを築くために役立つものでなくてはならない。
4. ミレニアル世代はソーシャルメディアに取り付かれていると言われてきた。
Z世代はさらに、それとも全く異なるレベルにある。ソーシャルメディアはZ世代にとって、自由参加型のルールのない世界ではない。メッセージを適切に伝えるための、一定の規則体系と決まり事がある。
例えば、フェイスブックは共有のためのチャンネルではなく情報ハブだ。一方で、スナップチャットは実生活の中での個人的な情報共有のプラットフォームとなっている。
Z世代がソーシャルメディアの今後を再定義していく中で、ブランド各社は変化し続ける彼らの希望やソーシャルプラットフォームに関する規則について、常に正確に把握しておかなければならない。そして、彼らのメッセージを受け止め、対応を変えていく必要がある。