クアルコムの独自スマートウォッチ Toq は12月発売、常時表示のMirasolディスプレイ採用
クアルコムの子会社 Qualcomm Connected Experiences は、Androidスマートフォンと連携する独自のスマートウォッチ Qualcomm Toq を12月2日に発売します。発音は " Talk " と同じ「トーク」。
最近は各社競って投入するスマートウォッチですが、Toq は低消費電力のMEMSディスプレイ Mirasol (構造色!)やワイヤレス充電 WiPower、AllJoynネットワーク対応、左右が分かれたステレオBluetoothヘッドホンなど、クアルコムの技術を結集した製品。
特に反射型カラーの Mirasol ディスプレイは日中の屋外で(も)見やすく、常時オンのままで数日間の通常使用が可能です。
Qualcomm といえば Snapdragon シリーズでスマートフォンやタブレット用SoCで圧倒的なシェアを誇り、また元々の本業(?)であるベースバンドチップも広く使われています。スマート ウォッチ Toq は、モバイル時代に我が世の春を謳歌するクアルコムが、ウェアラブルなどさらにコネクテッドなデバイスの時代に向けて発売する技術ショーケース的な製品。
最大の特徴である Mirasol は、MEMS技術を使った低消費電力の反射型カラーディスプレイ。クアルコムが何年も前からタブレット用や電子書籍リーダー用として試作品を披露するもの の、なかなか実際の製品として芽が出ない、未来テクノロジー候補生のまま年季が入りつつある技術のひとつです。
Mirasol は蝶の羽やCDの記録面のように、表面の微細な構造が特定波長の光を反射して色を表示するディスプレイ技術。表示を書き換える(微細構造を変化させる)とき以外は電力を消費しない低消費電力、カラー対応、かつ動画も表示できる高速応答が特徴です。
バックライト液晶や有機ELを使った市販スマートウォッチのなかには、「ウォッチ」を名乗るにもかかわらず常時表示ができず、時間を確認するにも電源ボタ ンを押すようなものがありますが、Toq はディスプレイを常時表示にしたまま、利用状況により「数日間」は再充電せずに使えることが売り。
Mirasol はバックライトを使わず、また自発光もしていない反射型のため、明るい日中ほど見やすくなります。明るくない室内での鮮やかさはそれなり。バックライト液 晶や有機ELなど光っている系のディスプレイには及びません。また真っ暗な場所では見えないので、Toq はフロントライトを内蔵します。
(画像:ワイヤレス充電クレードル兼ヘッドホンキャリングケースに載せたところ。)
Toq の主な機能は、Android (4.0.3以上、Jelly Bean推奨) 端末と Bluetooth 接続で連携して各種通知の表示、通話の発信者表示と応答、テキストメッセージの表示と定型文返信 (定型文はAndroidアプリで編集追加)、音楽リモコンなど。デフォルトで天気や株価表示ウィジェットを用意するほか、アップデートで機能の追加にも 対応します。
またワイヤレス充電 WiPower に対応し、充電ステーションに置くだけ充電も特徴。オプションで用意されるステレオBluetoothヘッドセットは耳掛け式で、耳の後ろにやや大きな バッテリー部と本体部があるものの、左右をつなぐケーブルもない完全ワイヤレスステレオ方式です。ヘッドセットも同じワイヤレス充電に対応しており、ひと つの充電ステーションで時計本体とヘッドセットの充電ができます。
Qualcomm Toq は12月2日発売。価格は349.99ドル。どちらかというと技術ショーケースや開発者向けに近い位置づけですが、完成した製品として一般ユーザーでも購 入できます。左右もワイヤレスで「一日使える」というヘッドセットは、2014年発売の Premium Audio Edition に付属する予定。こちらの単品販売や価格についてはまだ発表がありません。