スミソニアン博物館、収蔵品の3D プリンタ用データを無償配布。マンモスの複製も可能に
米スミソニアン博物館の運営するサイトSmithsonian X 3D が、収蔵品の3D データを公開しました。データはウェブブラウザ上で閲覧できるほか、無償でダウンロードできるため、3D プリンタを使用して複製することも可能です。
今のところ公開されているデータは、マンモスの骨格やエイブラハム・リンカーンのライフマスク、ライト兄弟の飛行機ライトフライヤー号など。データ形式はSTL。ダウンロードにはユーザー登録が必要です。
なおデータの用途は、非営利の個人かつ教育目的に限定しています。詳細な規約はリンク先Terms of Use へ。
Smithsonian X 3D は同館のデジタル化プログラムの一環で、約1億3700万個の収蔵物すべてをスキャンして3D データ化することが目的です。
しかし数が数だけに、仮に収蔵物1個を1分でスキャンできるとして、それを1日24時間続けたとしても完了までに260年かかる計算のため、まずは収蔵物の10% を優先的に進めるとしています。
データを無償で公開・配布する理由については、3D プリンタで作成したものを学校の授業で使用することで、生徒の理解を深める事に役立てて欲しいとしています。また館内では収蔵物の1%ほどしか展示できないため、残り99%を広く公開することも目的のひとつです。
3D モデルの閲覧に対応するブラウザは、Windows/Mac/Android 用のChrome 30以降とFireFox 24以降。Safari は開発者メニューからWebGL を有効にする必要があります。
Internet Explorer は今のところ非対応ですが、IE11 で閲覧できるよう作業中。なおiOS デバイスは、アップルによりWebGL の使用が制限されているため閲覧できません。
Smithsonian X 3D についての動画。英語字幕が表示できます。また同チャンネルにはスキャン作業の様子などもあります。