世界的な映画監督であり、アーティストとしても幅広く活躍するアレハンドロ・ホドロフスキー(Alejandro Jodorowsky)監督。彼の妻でデザイナーのパスカル・モンタンドン=ホドロフスキー(Pascale Montandon-Jodorowsky)とともに共作したドローイング展『二人のホドロフスキー 愛の結晶』が9月21日(日)まで、渋谷のアツコバルーで開かれている。
シニカルでありながら甘酸っぱい色彩が広がる二人だけの美しい愛の世界
『エル・トポ』(1970年)や『ホーリー・マウンテン』(1973年)で世界を熱狂させ、今年23年ぶりの新作『リアリティのダンス』が日本でも公開されているアレハンドロ・ホドロフスキー(Alejandro Jodorowsky)監督。本国フランスではコミックスの原作者やマルセル・マルソーのもっとも有名なパントマイムの制作などで知られる彼でありながら、絵の才能についてはあまり知られていない。
プロの漫画家としての作品は知られてきたものの、画家としての作品発表は近年になってから。そのきっかけを与えたのがホドロフスキー監督の妻であり、グラフィックアートと空間デザイン、さらに『リアリティのダンス』では衣装デザインを手がけた妻パスカルだった。パスカルが夫の古いデッサンを見て「もっと描いたらいいのに」と声をかけたことをきっかけに、二人でドローイングをおこなうという独特のスタイルが生み出されたのだ。 日本ではじめて彼らの作品を見ることができる本展では、2012年にパリ市近代美術館で発表された作品を中心に展示。オリジナルではなく、インクジェットで印刷されたハイクオリティのジクレー版画を紹介することで、ファンにとって求めやすい価格帯を実現した。 「ドローイングによってお互いをもっと深く知り、もっと愛せるようになった」というホドロフスキー夫妻。残酷でシニカル、夢想の世界を描きながら甘酸っぱい色彩が広がる絵画は二人だけの美しい愛の世界を表している。 |
Le tango du tigre トラのタンゴ @Alejandro Jodorowsky , Pascale Montandon - Jodorowsky