農業用トラクターメーカーからスーパーカー生産へ。ランボルギーニ創業者の生涯が映画化される
フェルッチオ・ランボルギーニの 生涯を描いた新しい映画の制作が現在進行中だ。この伝記映画の仮タイトルは『Lamborghini – the Legend』で、イタリア生まれでカナダ在住のアンドレア・イエルヴォリーノが自身の映画制作・興行・配給会社AMBIグループでプロデュースを手掛けている。今夏イタリアでクランク・インの予定だという。
米エンターテインメント業界誌『Variety』(ウェブ版)によると、この映画は今年で生誕100年を迎えるランボルギーニ創設者のキャリアを辿る作品で、第二次世界大戦中に軍用車両の整備をしていたフェルッチオが、その技術を活かして農業用トラクターの製造販売をしたことから始まり、1963年にスーパーカー・メーカーを設立して、1993年にその人生に幕を下ろすまでを描いている。
ランボルギーニの会社としての歴史は波乱含みで、政治的混乱による契約不履行から資金難に陥ったフェルッチオは1971年にランボルギーニ・トラットリーチSpAを売却、続いてアウトモビリ・ランボルギーニSpAも手放している。その後はクライスラーなどいくつかのオーナーを経て、1999年からフォルクスワーゲン・グループのアウディ傘下となっている。
この映画には、フェルッチオの息子で、バッグや服飾品などのデザイン・販売を手掛けているトニーノ・ランボルギーニが制作協力として加わっていると報じられている。プロデューサーのアンドレア・イエルヴォリーノは、カナダ・トロントを拠点とするイタリア生まれの映画監督。
彼は2004年に映画化されたシェイクスピアの『ヴェニスの商人 』や、2014年の『The Humbling(原題)』など、アル・パチーノ出演の映画をいくつか手掛けている。昨年はエイドリアン・ブロディとサルマ・ハエックが出演する『Septembers of Shiraz(原題)』でも共同プロデューサーとして名を連ねている。彼とモニカ・バカルディが共同で創設したAMBIグループでは、現在いくつかの作品のポスト・プロダクションに入っており、ジョン・スタインベックの小説「疑わしい戦い」を基にした映画『In Dubious Battle(原題) 』もその1つだ。こちらはジェームズ・フランコがメガホンを取る予定で、ブライアン・クランストン、エド・ハリス、ロバート・デュヴァルなどが出演する。
現在、フェルッチオのライバルであるエンツォ・フェラーリを題材にした映画も2本が制作中で、1本はロバート・デ・ニーロ主演、もう1本はクリスチャン・ベール主演となっている。また、ニュージーランドではブルース・マクラーレンの生涯を描いた映画も制作中と言われている。今年はレーシング・チームやスーパーカー・メーカーの創設者を題材にした映画が目白押しの1年になりそうだ。