「RADWIMPS」、
「君の名は。」を語る
新海監督の斬新なジャッジ
居酒屋から「LINE」で打診 映画制作と同時進行で曲作り
大ヒットアニメ映画「君の名は。」の音楽を担当したロックバンド「RADWIMPS(ラッドウィンプス)」が“次の一手”を打った。
主題歌「前前前世」のオリジナルバージョンなど15曲を収めた最新アルバム「人間開花」(通常盤)を23日に発表。
主題歌に起用されなかった候補曲「光」もあり、映画の制作過程が読み取れそうだ。
大ヒット映画の舞台裏をメンバー3人に聞いた。
「RADWIMPS」は平成13年に結成。パワフルでありながら、繊細さをも感じさせる独特の表現力で人気を集めている。
「君の名は。」の依頼を受けたのは一昨年。ボーカルの野田洋次郎(31)は、新海誠監督と一緒に居酒屋にいたプロデューサーから無料通信アプリ「LINE(ライン)」で打診されたという。
一般的には完成した映画に主題歌を書き下ろすが、「この映画は脚本しかできていなかった。だから、一緒に映画が作れると思ったし、そこに喜びを感じた」(野田)。
主題歌に起用されたのは4曲。野田は「最初は歌詞がこんなに入っている曲があっても良いのかな、と半信半疑でした。物語の邪魔をしないのかなと思っていたんです。だけど、新海監督が『大丈夫です』と言ってくれたので、それを信じようと思った」。
特に「前前前世」は言葉の組み合わせがユニークで、インパクトが強い。
「『光』の方が映画との相性が良いのかなと思ったのですが、新海監督は強い言葉を望んでいた。それでも(自分に)『選んでいいよ』と言ってくれた。1年ほど迷いましたが、新海監督の思いに乗ってみようと思った」
新海監督は「前前前世」を聴きながら、リズムを合わせてアニメを制作した。この曲が流れるシーンからは映像と曲の一体感が感じられる。最新盤には、シーンの尺に合わせて歌詞を付け加えたオリジナルバージョンを収録。もう一つの主題歌「スパークル」のオリジナルバージョンも入れた。
「スパークル」の映画バージョンではストリングスの演奏が響く。その部分でオリジナルバージョンではギターの音色が際立つ。メンバーでギターの桑原彰(31)は「ギターのひずみの音が強過ぎてしまう部分を、映画ではストリングスに変えました。ギターのひずみに耳を奪われないようにしようという話し合いをしたんです」と語る。
ベースの武田祐介(31)は言う。「これまでは(野田)洋次郎がかじ取りをしてくれていた。でも映画では、洋次郎の向こう側にジャッジをしてくれる新海監督が現れた。これは新しい経験でした」
実は、新海監督側から作り直しを要請されて戸惑いやいらだちを感じたこともあった。
それでも「出来上がった映画が素晴らしかったので、新海監督が自身のビジョンを伝えてくれていたんだなと思った。楽しくやらせてもらいました」
来年2月25日からはツアーが始まる。映画音楽制作を通して進化したメンバーが新たな一面を見せてくれそうだ。
New Album『人間開花』
▲『人間開花』通常盤 |
▲『人間開花』初回限定盤 |
New Album『人間開花』
2016年11月23日(水・祝)発売初回限定盤:CD+DVD 4,500円+税 / UPCH-29241
通常盤:CDのみ 3,000円+税 / UPCH-20436
RADWIMPS LIVE TOUR 2017 チケット特別先行受付(抽選)のご案内シート封入
[収録楽曲]
01.Lights go out
02.光
03.AADAAKOODAA
04.トアルハルノヒ
05.前前前世 (original ver.)
06.‘I’ Novel
07.アメノヒニキク
08.週刊少年ジャンプ
09.棒人間
10.記号として
11.ヒトボシ
12.スパークル (original ver.)
13.Bring me the morning
14.O&O
15.告白
[初回盤DVD track list]
「10th ANNIVERSARY LIVE TOUR FINAL RADWIMPSのはじまりはじまり」のまとめ
at 幕張メッセ国際展示場4〜6ホール (2015.12.23)
01.トレモロ
02.ます。
03.透明人間18号
04.億万笑者
05.π
06.有心論
07.ピクニック
08.25コ目の染色体
09.DADA
10.いいんですか?
11.君と羊と青
12.会心の一撃
13.ふたりごと
映画「君の名は。」が年内に邦画歴代2位浮上へ 興行収入184億円突破、ジブリ2作超え間近