iTunesで限定配信中の映画『ももいろそらを』が面白い
「ウケねえよこのアナルファッカー」
女子高生がこんな言葉を口にする映画『ももいろそらを』が面白い。
この映画は昨年の第24回東京国際映画祭で作品賞を受賞し、サンダンス映画祭にも出品された。今年も第25回東京国際映画祭が六本木ヒルズを 中心に開催されていて、12月から新宿武蔵野館で『ももいろそらを』が劇場初公開となる。それを記念して10月17日から2週間、iTunesが期間限定 で先行配信している。
新聞の採点を日課としている女子高生「いずみ」が大金の入った財布を拾い、その持ち主を探し当てるところから波紋が広がる。池田愛が演じる 「いずみ」の口調は、常に江戸っ子言葉。「仕事しろよ、酒くさいんだよ、いいってことよ、バカヤロー、このあほガラス」などなど、登場人物との掛け合いが 面白い。池田愛の雰囲気は吉高由里子に似ていて、表情が豊で魅力的だ。
「アナルファッカー」や「ももいろそらを」は単に奇をてらった言葉ではなく、終盤でちゃんとストーリーに結びつく。映像は全編モノクロだが、 光の入れ方が綺麗で単調さは全く感じない。小林啓一監督は映画初挑戦だが、ミュージックビデオやTVCMを手がけてきただけあってセンスが光る。被写体に 焦点を当てて背景をボカす手法がいい。
笑いあり涙なしアナルファッカーありのこの映画。主人公「いずみ」の直球な感情と女子高生という設定、そしてモノクロの映像が上手くハマり、物語にぐっと引き込まれる。iTunesでの先行配信も残りあと僅か。新宿の武蔵野館で観る予定のない方は是非。
➤ ももいろそらを(iTunes)
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