人類にチンパンジーの快眠を
「人類進化ベッド」開発
京大
チンパンジーのベッドにヒントを得て究極の快適睡眠を目指した「人類進化ベッド」を、京都大や寝具メーカーのグループが開発した。心地よい「揺れ」 と体を包み込むような「くぼみ」が絶妙な寝心地を生むといい、市販を目指す。
6日から京大総合博物館(京都市左京区)で始まる「ねむり展」で公開する。
ベッドは1・6メートルと1・2メートルの楕円(だえん)形で、高さは45センチ。枠組みが木質繊維を原料とした成形板「MDF」、中央の網目部分が樹脂 を含んだ紙ひも「ペーパーコード」を材料としており、どの方向にもゆりかごのように揺れる。専用の敷布団も合わせて開発した。
旬の果実を 求めて移動するチンパンジーは樹上で枝を折り重ねて、真ん中がくぼんだ皿型のベッドを毎日作る。
アフリカでチンパンジーを研究する座馬耕一郎・京大研究員 が残されたベッドで横になると、「今までで一番の寝心地」だったという。「人の寝具にも応用できるのではないか」との思いから、デザイナーの石川新一さん や寝具メーカーのイワタ(中京区)の岩田有史社長と、ベッドの開発プロジェクトを立ち上げた。
完成したベッドを試した座馬研究員は「チンパンジーのベッドの気持ちよさをうまく再現していて、どんな寝相にもなじむ」と話す。
「ねむり展」は6月26日まで(月・火曜と同18日は休館)。要入館料。