火曜日, 11月 04, 2014

「朝早く起きてすぐ書く」

「朝早く起きてすぐ書く」ことの驚くべきメリット

軽視できない素晴らしさ。「朝早く起きてすぐ書く」ことの驚くべきメリット

Crew:早起きは三文の徳というように、早起きを勧めるアドバイスが巷にあふれています。
筆者はもともと早起きなので、このアドバイスに対して疑問を感じたことはありませんでした。むしろ、遅く起きると1日を無駄にしてしまった気がして、もったいないと感じるタイプなのです。
では、何に疑問を感じていたかというと、そのようなアドバイスの中でも「執筆は早朝にすべし」というもの。ライターであり、もとから早起きでもある私は、「とにかく早く起きて書く」ことを勧めるたくさんのブログ記事を、おろそかにしていたのです。
悪い習慣を断ち切りたい人と同じように、私は早起きなんていくらでもできると言い続けていました。そうすることのメリットがわからなかったから。いずれにしても私は1日中書き物をしているので、さらに早起きしてまで書く理由がわからなかったのです。

実験


先日、私は実験をすることに決めました。朝6時に起きて、書くことにしたのです。起きたらコーヒーを淹れ、7時まで書く。その後シャワーを浴び、いつも通りの1日を過ごすという実験です。
毎朝の実践はできなかったものの、その効果には目を見張るものがありました。そして、これは毎日の習慣にする価値があると確信したのです。

7時までの生産性

私は、たくさんやり遂げたときの感覚が大好きです。起きてすぐに書くことの何が素晴らしいって、シャワーも浴びる前から、生産的に感じられるところ。コーヒーを淹れてからの40分から45分間は、ひたすら書く時間。その時間は書き物に専念する(リサーチやすでに書いた原稿の推敲はしない)ことにしたので、毎朝1000ワードのペースで書けています。

脳の目覚め

かつて「朝起きてすぐ書く」というアイデアに賛同できなかったのは、きっと起きたばかりではグロッキーだろうと思っていたから。価値あるものをクリエイトするには、起きてからある程度の時間が必要だと思っていたのです。でも、実験の結果、ヘミングウェイの言葉が正しかったことを知りました。

邪魔する者はなく、気温は涼しいか寒いぐらい。机に向かって書いているうちに、温かくなってきます。

私の場合、書いているうちに、身体だけでなく脳も温まってきます。7時を回るころには、思考が非常にクリアになっていて、1日を迎える準備ができているのです。

やりたい仕事に取り組める

上でも書いたように、私はいずれにしても1日中書いているので、早起きする意味はないと思っていました。でも、いま思えば、「食べるための仕事」と「自分のためにする仕事」の違いを見失っていたのです。同じスキルを使う作業であれば、自分のための仕事よりも食べるための仕事を優先してしまうのは仕方のないことでしょう。
朝に書くようにしてからは、毎週金曜日に新しいブログ記事を投稿しながら、新コンテンツを立ち上げることもできました。

言葉で考える

投資家のポール・グラハムは、書くことはアイデアの形成に役立つと述べています。

アイデアを表現することは、アイデアの形成に役立ちます。いえ、役立つという言葉では弱すぎるかもしれません。私の書くエッセイは、たいていが机に向かって書き始めたときに思いついた内容に落ち着くのです。だから私は、エッセイを書くのです。

私の場合、特に朝起きてすぐに書くと、この言葉を実感することがあります。暗くて静かな時間帯に自分のための文章を書いていると、誰かのため、仕事のために書いているときに感じるプレシャーから解放されます。書きたいことを熱狂的に書けるのは、その時間帯だけなのです
このアプローチのおかげで、朝いちばんに面白いアイデアを追求できること、そして、書くことで物事を熟考し、新しいアイデアにたどり着けるのだということを知りました。

早起きをお勧めする理由


これらはすべて、私が見つけたメリットですから、全員に当てはまるとは限りません。それでも、ショーン・マッケイブの言うところの「Early wake, daily write」(早く起きて毎日書く)の実践を考えているなら、それが健康にも執筆にもいいことを示す証拠はたくさんあります。
朝型の方が、夜型よりもハッピーかつヘルシーに感じる傾向が高いようです。これは恐らく、起きる時間が社会全体の時間とうまく合致しているからでしょう。朝型人間は、より積極的で、人生を自分で操っている感覚を持っていることもわかっています。
夜型の方がクリエイティブで知的かつ社交的であると言われますが、生産性に関しては、朝型に分があるようです。
食生活は、朝型の方がきちんとしている傾向があるようです。夜型よりも、ファーストフードの利用が少なく、フルーツや野菜を食べる量が多いのです。夜型は就寝前のカロリー摂取が高く、体重が増加しやすいようです。
まだまだあります。夜型は、うつのリスクが高い、睡眠の質が悪い、アルコールやタバコの消費が多いなどなど。
もちろん、朝型に切り替えたからといって、必ずこれらの要素に変化が起こるわけではありません。でも、多少なりとも起床時間が関係している可能性はあるようです。
朝型か夜型かを決める「クロノタイプ」のおよそ半分は、遺伝子で決まると言われています。ですから、睡眠習慣に多少の変化をもたらすことはできても、劇的な変化は難しいでしょう。できたとしても、快適ではないはずです。例えば、上述のショーン・マッケイブは、仕事をしているときは早起きをしているものの、休暇中は自然と夜型に戻ってしまうのだそう。
早起きは、唯一の解ではありません。生まれ持ったクロノタイプに逆らうと、健康を損なう可能性もあります。それでも、本気で睡眠習慣を変えたいと思うのなら、日中の光を浴びるようにしてください。そうすることで、少しずつ就寝時間と起床時間を早めていくことができます。

私の場合


私は早起きが好きですが、実験は必ずしもうまく行っているわけではありません。実験を始めたのは、冬が終わり春が訪れるころ。まだ朝は寒く、日が昇る前に床を離れるのは容易ではありませんでした。
以下に、私になりのやり方をお伝えしておきます。

根気

今より何時間も早く起きようと思ったら、Leo Babautaのアドバイスに従い、毎日15分ずつ目覚ましの時間をずらしていくといいでしょう。実験を始めた当初、6時に起きようと思った私は、目覚まし時計をすぐに6時にセットしてしまいました。それから2週間、目覚ましどおりに起きることはかなわず。それでも、面倒なので、目覚ましの時間は変えませんでした。根気強く続けたおかげか、ようやく最近になって、週に2、3回は6時に起きられるようになってきました。

ご褒美

毎朝書き始める前に、コーヒーを淹れます。淹れたてのコーヒーを片手にデスクに向かうのは、私にとってご褒美のようなもの。6時に目覚ましが鳴ってもなかなかベッドから出られないときは、コーヒーが私をベッドから引っ張り出す役割を果たしてくれます。もう1つ、同じ役割を果たしてくれるのが、早起きに成功した日の生産性と気分の違いを思い出すこと。早起きにはそれに見合う価値があるのだと思うことで、何とかベッドから這い出すことができています。

目を覚ましてからベッドを出る

6時に目を覚ましても、しばらくベッドから這い出せないことがあります。布団にくるまっていると、温かくて気持ちがいいのです。このアイデアに賛同してくれる人はあまりいないかもしれませんが、私はベッドの中でケータイをチェックし、メールを読み、Twitterをひととおり読み流します。これをしていると、明るい画面と精神的な努力のおかげで、少しずつ目が覚めてきます。そんなことを15分も続けていると、ようやくあきらめがついてベッドから出られる状態になります。

あらかじめトピックを用意しておく

朝6時に起きて書くことは、あまり嬉しい体験ではありません。身体と脳が目覚めるまで、多少の時間が必要なのです。7時を回るまでには、必ず本調子を発揮することができます。それまでは、眠気との戦いです。
あらかじめ書くトピックを決めておくと、デスクに向かってすぐに書き始めやすくなります。何を書こうかあれこれ悩むのは、朝いちばんにはできるだけ避けたい事態です。

毎日同じ時間に起きる

毎朝6時に目覚ましが鳴り、薬を飲むことをリマインドしてくれます。私は、前の日に寝るのが遅くても、週末でも、必ず起きて薬を飲みます。そのまま再び眠りに落ちてしまうことも多いのですが、一度は決まった時間に目を覚ますことで、毎朝6時に起きられるような身体のコンディションを築くことができています。

遅く寝る

これは直感に反するかもしれません。私も、最初はやってみる気になりませんでした。実験を始めたころは、早く寝るほど早く起きられると思っていたのです。でも、これがなかなかうまくいきません。だいだい夜の8時半から9時には寝る準備ができていたのですが、これだと、4時や5時などの早すぎる時間に目が覚めてしまうのです。まだ早いと思って再び眠りに就くと、次に起きたときには8時半か9時ごろ。こうなると、寝過ぎで疲れてしまいます。さらに、朝を無駄にしてしまった気がして、1日を悪い気分で過ごすことに。そのうえ、夕食時にはエネルギーが尽きてしまうなど、良いことは何もありませんでした。
今では、夜は10時から11時ぐらいまで寝ないことにしています。そうすれば、6時に起きても7~8時間の睡眠時間を確保できるのです。これが功を奏して、早起きが前よりもずっとかんたんになりました(ベッドから出るかどうかは別問題です)。

それでも早起きのメリットを理解できない人もいるでしょう。それはあなたのせいではありません。誰にでも当てはまることではないのですから。でも、一度でいいから、数週間試してみることをお勧めします。早く起きて書くことを習慣づけるうえで、いちばん苦しいのは実験期間です。何がうまくいくかは人によって異なるので、時間をかけてさまざまな方法にトライする必要があります。やってみて、気分や生産性にポジティブな変化が見られたら、それがあなたに向いている方法です。