体内のミトコンドリアを増やして元気になるための3つの方法
あらゆる病気は、細胞内のエネルギー工場・ミトコンドリアの量が足りていないことが原因だと、ミトコンドリア研究の第一人者・太田成男は言う。逆に言えば、ミトコンドリアを増やせばずっと健康でいられるということだ。
誰にでもできるシンプルな「ミトコンドリア健康法」を紹介。
「人間を含めた高等生物は、もともとは遺伝子をつくる生物とエネルギーをつくる生物の2つが合体して生まれています。そのエネルギーをつくる生物が、現在のミトコンドリアです。ミトコンドリアがなければ、間違いなくわたしたち人間は存在していないでしょう」
そう話すのは、日本医科大学教授の太田成男。30年以上にわたってミトコンドリアと健康の関係を追い続けてきた、ミトコンドリア研究の第一人者だ。
ミトコンドリアが増えるほどカラダは元気になる、と太田は続ける。「極端に言えば、病気とは『ミトコンドリアが足りなくなった状態』のことをいいます。身体には悪くなったところを治す力がもともと備わっていますが、治すためにはエネルギーが必要。エネルギーが十分にあれば、すなわちミトコンドリアが十分にあれば、病気になっても必ず健康になることができるのです」
では、ミトコンドリアを増やすにはどうしたらいいのだろう?
太田が教えてくれた3つの方法は、とってもシンプルだ。
「エネルギーが足りない、と細胞が感じると、ミトコンドリアは増えるようにできています。
そのためには、ひとつは身体に寒さを感じさせること。ひとつは運動によってエネルギーを消費すること。そしてカロリー制限をすること。
強めの運動を心がける、あるいは週に1回1食抜くといった習慣を続けるだけでも、2週間でミトコンドリアは増えていく。鍛えれば鍛えるほど、ミトコンドリアは増えてくれるし活性も出るのです」(ちなみに太田自身のミトコンドリア増殖法は社交ダンスだそうだ)
健康も病気も、「ミトコンドリア」というひとつのレンズを通して説明をしてしまう太田の考えは、まさに目から鱗だった。
「すべての細胞に存在するミトコンドリアの研究は、全身を対象とするものです」と太田は言う。「ミトコンドリアを考えることで、脳や心臓といった身体の部位を一つひとつ切り離すのではなく、総合的にとらえる視点を得ることができるのです」
太田成男|SHIGEO OHTA
日本医科大学教授。1951年生まれ。日本ミトコンドリア学会理事を務めるミトコンドリア研究の第一人者。共著書に『ミトコンドリアのちから』『体が若くなる技術』など。
TEXT BY WIRED.jp_U
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