ウインクで撮る。
メガネに装着するウェアラブルカメラ
「BLINCAM」CEOインタビュー
2016年4月に開催されたスタートアップのイベント「SLUSH ASIA」。日本をはじめ世界中のスタートアップが集まった同イベントで、面白そうなガジェットを見つけました。それが、メガネに装着するウェアラブルカメラ「BLINCAM」です。BLINCAMは、ウインクをすると写真が撮影でき、見たままの主観が瞬間的に記録できるデバイス。
製品は現在開発中で、7月14日よりクラウドファンディングサイト「Makuake」で先行予約販売がスタートします。ありそうでなかったガジェットに興味が惹かれ、別日に取材を申し込み高瀬社長にインタビューをしました。
高瀬社長はBLINCAMを作るために、ジョンソン・エンド・ジョンソンを退職し、2015年7月に会社を設立。安定した大企業を飛び出して勝負に出たキッカケは、「子どものふとした瞬間を撮りたい」という想いでした。
——起業のキッカケを教えてください。
高瀬:もともとスタートアップウィークエンドの運営をやっていたのがキッカケです。ファシリテーターをやっていて偉そうなこと言ってる割に、自分自身がサラリーマンなことにずっと引っかかっていて起業しようと思いました。起業するんだったら愛情が続くものがいいなと思って、IoTで子供ネタから考え初めて。子どもがまだ6歳なのに会社を辞めちゃいました。
——家族がいるのに思い切りましたね。
高瀬:思い切りました...。
——それで生まれたのがBLINCAMなんですね。
高瀬:そうです。子どもと一緒に過ごしていると、ふとした表情やしぐさを撮りたくなることがたくさんあるんですが、いざスマホで撮ろうとしてもポケットに入っていることが多いですよね。急いで出して構えても、撮りたい瞬間には間に合わない。それに、カメラを構えると、ポーズを決めたり恥ずかしがったりして、これはこれでいいんですけど、何気ない瞬間がなかなか撮れません。
それだったら、普通のカメラでは間に合わない瞬間や、ふとした瞬間、自分が見ているありのままを記録できるデバイスを作ろうと思いました。
——メガネに取り付けて、シャッターをウインクにしたのはなぜですか?
高瀬:メガネに取り付けることにしたのは、見たままの主観を撮りたいと思ったからです。シャッターがウインクなのは、心が動かされた瞬間を撮れるように、人間の感情が結びついている動作にしたいと思ったので。
——Google Glassなどのメガネ一体型のデバイスにしなかったのは?
高瀬:メガネをかけている人は自分のメガネを使いたいでしょうし、メガネ一体型は大きかったり、値段も高かったりします。それに、アレ系のデバイスって日常的に使おうと思うと、ちょっと異質で浮いちゃいますよね・・・。僕たちはもっと気軽に使って欲しいなと思いました。
——確かにあれは悪目立ちしますよね。では、メガネをかけてない人は使えますか?
高瀬:メガネかサングラスをかけていただく必要はありますね。最近は度が入っていないメガネをファッションでつけている人も多いですし、そこはそんなに心配はしていません。クラウドファンディングでは、伊達メガネとのセットプランも用意します。あと、将来的にはメガネをつけないものも考えていきたいと思っています。
■子どもやペット以外にも、企業のイベントでも使ってもらいたい
BLINCAMのスペックは、500万画素のカメラ、8時間のバッテリー(カメラを通常起動で約4時間)、重さ25g。micro USB経由の充電で、Bluetoothを介して撮った写真をスマホの専用アプリに送り、アプリで写真の保存やSNSへの投稿をする仕様になっています。価格は19,800円。クラウドファンディングでは先行予約割引で10〜20%OFFのプランが用意されるとのこと。
——クラウドファンディングで先行予約販売をスタートさせるとのことですが、製品の開発状況はどんな感じなのでしょうか?
高瀬:製品自体は開発を始めてから1年ぐらい経っていて、まだ筐体におさまるサイズではないですが、ウインクでシャッターが切れる試作機は動いています。8月中には筐体に収まるサンプル機もできあがる予定です。製品の出荷は、12月を予定しています。工場から見積とスケジュールもとれているのでめどはたっている状態です。
——BLINCAMはカメラの画素数が500万画素とのことですが、動画は考えられてないですか?
高瀬:ご要望は結構いただいているんで考えてはいます。
——子どもやペットの写真以外でどのような用途を考えていますか?
高瀬:スポーツ観戦や料理やサイクリングなどの両手が塞がっているときに使えます。ビジネス用途だと、たとえば、工事・建設現場で作業しているときに写真を撮ったり、歯医者で口の中を撮って患者さんに見せてあげる、といった使い方もできるかもしれません。
あとは、SLUSHなどのイベントやテーマパークで使ってもらたいです。来場者にBLINCAMを貸し出して写真をとってもらって、来場者は帰るときにその写真がもらえる。イベントやテーマパーク側からすると、画像認識などでどのブースやアトラクションが人気だったかわかればマーケティングに使えます。
——記者やブロガー、Youtuberなど取材する人間にも良さそうですね。
——今後の展開を教えてください。
高瀬:まずは今回のクラウドファンディングを成功させること。今そのために頑張っています。来年はCESやSXSWなどの出展を考えています。また、KickstarterかIndiegogoでプロジェクトを発足して世界へ飛び出て、量産化したいと思います。
winkの方が日本人にはわかりやすいかな。
外国だとblinkなのかな?