『フォント』とは、古くは金属活字時代から受け継がれている、純粋な意味での「書体デザイン」を指す言葉です。そんなこと言われてもピンとこないと いうあなた、よく周りを見渡してみてください。雑誌の表紙や街中にある看板、よく行くレストランのメニュー、そして、あなたが今まさに読んでいるこの記事 も……。それらに使用されている様々な書体デザイン、これが『フォント』なのです。
至るところに存在している『フォント』。今回ご紹介するのは、海外サイト『thatslikewhoa.com』に掲載されている、『フォント』の 歴史をわかりやすく家系図に描いた『THE FAMILY TREE OF TYPOGRAPHY』です。
目にしているだけで楽しくなるようなこちらの家系図は、1837年創業、活版印刷プリ ンターを長年製作してきたドイツの会社『Bauer Type Foundry』の100周年を記念して作られたものなのだとか。
今や何気なく目にしている『フォント』。そのため、私たち日本人の多くは『フォント』を選ぶ際、「読みやすさ」や「美しさ」を優先しがちで、その背 景にある「歴史」や「由来」を特に意識することはありません。しかし、そもそも欧文フォントの多くは、特定の文化や歴史を連想させるものでもあります。だからこそ『フォント』を選ぶ際には、それぞれが持つ「言外にある意味」を考える必要があるのです。
例えば、フランス料理のメニューにはイタリア由来のフォント『Bodoni』は使用しないし、オランダ風に表したいものにはオランダ由来のフォント 『Universe』を使用する。このように一般の欧米人の間には、「このフォントはイギリスっぽい」「これはフランス風」な どといった、漠然とした共通認識が存在するというわけ。なるほど、興味深いですね。
この家系図は、『フォント』を掲げる人物たちが着ている洋服も、その国や時代に合わせて描かれています。そのため書体が持つ歴史的背景もうかがい知ることができるので、とっても便利かつ書体フェチにはたまらないアイテム。
ちなみに、掲げられているフォント名がそのまま書体を表しているので、詳しくない方でも充分楽しめますよ。あなたが好きな書体の歴史背景や、ほかのフォントとのつながりを調べてみてはいかがでしょう。
参考元:thatslikewhoa.com( http://goo.gl/fdJ7q )
※当記事内で「フランス料理のメニューにはイタリア由来のフォント『Bodoni』は使用しない」などの説明をしておりますが、反論の意見を頂いております。
■検討記事を掲載しました→ http://externalstorageunit.blogspot.jp/2013/07/ng.html
※ほか修正点
誤・活版印刷プリンターを長年製作してきたドイツの会社『Bauer Type Foundry』
→正・『Bauer Type Foundry』は文字をデザインして活字にしてきた会社でありプリンターは製作していない。
誤・オランダ由来のフォント『Universe』
→正・フランスのフォント『Univers』
▼フォントに歴史あり!