多関節オフロード EV 「Swincar」 発表。道なき道をクモのように走破
フランスの Mecanroc が、オフロード EV 「Swincar」を発表しました。まるでクモのような多関節かつ、やたらと可動範囲の広いサスペンションを備えます。また4つのホイールすべてに内蔵したモーターにより、道なき道をいとも簡単に走破します。
Swincar の特徴は見てのとおり、自由すぎるサスペンション。あまりに自由なため、道だろうが溝だろうがお構いなしに走破することができます。
もうひとつ特徴的なのは、ドライバーの座るシートが振り子式になっているところ。この機構により、コーナリングの際はバイクのように内側に体が傾きます。さらに急斜面を横切るような場合でも、左右にバンクするシートが水平を保つように作用、安定した走行が可能です。
動力は4つの車輪に備えるインホイールモーター。各モーターの出力は 1kWもしくは1.5kWから選択可能。ブレーキ回生機能も備えます。ハンドル操作によって前輪だけでなく後輪も向きも変わる四輪操舵(4WS)機構を搭載。荒れた山道などの狭く滑りやすい場所でも小回りの効いた走りが可能です。またバッテリーは2kWh、4kWh、そして6kWhのものを搭載することができます。
Macaroc では、前後に並んで着座する複座式 Swincar も計画中。いずれもレクリエーションを主な用途にあげています。一方でまだ構想段階としながらも、障害者向けにジョイスティックで操作可能なバージョンも製作したいとしています。
Swincar の開発には、さまざまなプロトタイプを含めて8年もの歳月が費やされてきました。すでに複数の受賞歴もあるものの、まだ製品化には至っていません。現在は投資家や量産化のための設備を持つ製造パートナー、卸販売業者を探している段階。うまく投資家が見つかり、早く市販バージョンの Swincer に乗れる日が来てほしいものです。