2014年1月末、レノボがGoogleからモトローラ・モビリティを買収すると発表しましたが、この買収正式に完了しました。これによりレノボはMoto X、Moto G、DROIDといったモトローラの製品群を手に入れたわけですが、注目はこの発表文にレノボ・ジャパンの社長がコメントしている点です。
現在のところレノボは、日本においてスマートフォンを販売しておらず、製品ラインナップはPCのほかタブレット。この意味深なコメントにどういった意味があるのか、今のところ定かではありません。写真はCEOのYang Yuanqing(中央)らレノボ幹部。まずはレノボ・ジャパンのロードリック・ラピン社長のコメント全文をどうぞ。
「今回の買収完了はまた一つのマイルストーンでありレノボにとって大きなチャンスをもたらします。特に弊社のインターネット関連事業開発への現在の多大なる投資は、既存のハードウェアとデバイスの製品ポートフォリオも補完する形となり、レノボはイノベーションへの飽くなき追求を続け、法人だけでなく個人のお客様にとってもエンドツーエンドで対応できる会社へと変貌を遂げます。
またMotorola製品は成熟市場にマッチしていることもあり、今回の買収によってレノボは、日本のスマートフォン市場への将来的な参入の可能性に向けて、戦略的な形で計画を練ることが可能になります。日本という独自性が高く、重要な市場でこれまでのパートナー様だけでなく、新たなパートナー様とも協業していけることを楽しみにしています」
とまぁ、コメント自体はいまいち要領を得ない形ですが、日本のスマートフォン市場への参入を匂わせているのは事実。そもそもプレスリリースでその国が関係なければ、日本法人の社長がわざわざコメントすることはありません。
なお、広報部ではスマートフォン事業への参入について「未定」と話しています。現時点で観測気球の域を出ませんが、スマートフォン事業だけでなくもしかするとそれ以外の領域にも期待できるかもしれません。
というのも、モトローラ・モビリティはスマートウォッチ Moto 360 も手がけていますが、現在日本で販売していません。Android Wearの日本語Webサイトにも案内はなく、一部でこれはNECの保有特許に丸い文字盤の液晶ディスプレイが抵触するため、との噂もあります。ご存知の通り、レノボとNECはPC事業においては非常に関係が深く、多分に期待を込めて言えば、スマートウォッチの分野で何か動きがある可能性も捨てきれません。
なお、モバイル業界の比較的新しい流れとしては、先日ASUSがモバイル向けの発表会を開催し、SIMロックフリーのASUS ZenFone 5 を発表するなど、MVNOをターゲットとした製品展開も始まっています。