月曜日, 10月 20, 2014

XPA-700|PIONNER


パイオニア初のポタアン XPA-700 発表。DSD 5.6MHz対応、フルバランス出力、MIL規格準拠の耐衝撃性能など




パイオニアが、同社初のポータブルヘッドホンアンプ XPA-700 を発表しました。DSD 5.6MHz、384kHz/32bit などのハイレゾ音源再生やフルバランス出力対応など、高い基本性能に加えて豊富な付属品による柔軟なカスタマイズ性も備える個性的な製品です。
 

DAC には ESS社 の最上位 ES9018K2M を採用。ハイレゾ音源の再生は DSD 5.6MHz のネイティブ再生に加え、PCM 方式では 384kHz /32bit まで対応します。本体側面にはインジケーターランプを備え、再生中の音源のサンプリング周波数を目で見て確認できます。
 

通常のデジタル音源を最大 192kHz まで「ハイレゾ化」するアップサンプリング機能や、SHARP / SLOW / SHORT の3段階に音質を調整するデジタルフィルター機能を搭載。デジタル接続時のロックレンジを調整してジッターを低減する「LOCK RANGE ADJUST」機能まで搭載するなど、音質への強いこだわりを伺わせます。

こだわりといえば、カスタマイズ可能な外観もそのひとつ。「TACTICAL ARMORED」という愛称もよく似合う、かなり無骨なデザインを採用しています。前後あわせて4種類のバンパー、2つのケーブルガイドなどを付属、機能性などをユーザー自身が工夫してさまざまに組み合わせることができます。また、スマートフォンなどに固定するシリコンバンドも2本ずつ2種類を同梱します。

さらに見た目だけに終わらず、筐体にはアルミ削り出し素材を使用。米軍調達規格 MIL-STD-810G Method 516.6 レベルをクリアする耐衝撃性能を備えるなど、質実ともに「堅牢な GEAR 感」を醸し出します。
 

入出力はボリュームノブのあるフロント側に iPhone などに対応する USB-A 端子(最大48kHz/16bit)、3.5mmミニジャックのライン入力兼 光デジタル入力(最大96kHz /24bit)、おなじく3.5mmミニジャックのヘッドホン出力(アンバランス)兼 光デジタル出力を搭載。リア側には PC とのデジタル接続、充電用の microUSB-B 端子(最大384kHz /32bit)、3.5mmステレオミニのライン出力および、バランスヘッドホン出力用の角型4極 IRIS 端子を備えます。

アンプ出力は100mW + 100mW(32Ω)。ヘッドホンのインピーダンスは8Ω〜600Ωにまで対応します。

バッテリーの持ちはアナログ接続で約6時間。USB-A 端子に iOS 端末を接続したデジタル再生時で約4.5時間。充電時間は PC の USB 端子経由で約7.5時間。1A出力の USB 充電器で約4.5時間。

大きさは同梱のバンパーなどをフル装備した状態で幅76 x 高さ26 x 奥行154mm。重さは最大380g。

発売は11月下旬。オープン価格ですが、税別の予想実売価格は5万7000円前後。
 

ハイレゾ音源の普及にともない、ポータブルオーディオもより高音質を追求しバランス出力端子を搭載する製品が増えてきました。ところが、バランス出力の端子形状にはこれといった決まりがありません。

XPA-700 が採用する IRIS 端子も、もとはといえばカメラなどに多く使われているコネクターです。しかし米国の Ray Samuels Audio や ALO Audio などが、この端子をポータブルヘッドホンアンプのバランス出力用として採用したことから、徐々に採用が広がっています。

一方、国内で最近発表されたバランス出力搭載のポータブルオーディオを見てみると、ソニーの PHA-3 は3.5mm ミニジャック x2 を採用していますが、Astell & Kern AK120 II などは 2.5mm 4極ジャックを、XLR 端子を採用する機種などもあり、見事に端子の形状がバラバラです。

普段からバランス駆動ヘッドホンを使うユーザーにとってはケーブルの自作など手慣れたものなのかもしれませんが、やはり利便性を考えれば、端子は統一してほしいものです。