火曜日, 6月 28, 2016

最後に人が行き着く欲求とは?

 

最後に人が行き着く欲求とは?

 

プライベートバンカーが明かす富豪たちの「三段階の欲求」

 







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フェラーリを何度も買い替える富豪がいるのはなぜか?

 

「日本の富豪」の素顔と習性とは。

   本当の富豪を知り尽くしたプロたちが語る

 



富豪になる人々には、共通する習性や行動パターンがあるのだろうか?

金融の執事と呼ばれるプライベートバンカー、富裕層を担当する不動産業の幹部、そうした富豪を知るプロたちに話を聞くと、1つのプロセスが見えてくる。

それは、「富豪の欲求、三段階」だ。


最初に物欲、次に名誉欲、そして「ヒトの社会性」へと欲求は変化を見せるという。




「30代で成功した人がいますが、最初は絵に描いたような物欲の塊でした。

車、女、酒です」と、匿名を条件に某企業の富裕層担当者は言う。









「例えば、最初はフェラーリを買って自宅のガレージに置いて眺めるんですが、すぐに飽きる。でも、フェラーリを何度も買い替えるのです。なぜならフェラーリは予約から納車まで2年かかる。欲しい人は待ちきれないから、すぐ手に入る中古車を買いたがる。だから中古車の方が高い。つまり、2、3回乗って、あとは車庫に置きっぱなしにして売る。見るのにも飽きたら、そんな使い方をしているんです」

ちなみにランボルギーニをイタリアから貨物船で輸送すると1カ月かかるので、800万円かけて空輸し、結局、乗り飽きる富豪もいる。
物欲はいずれ飽きがくるものだが、飽きたことで大ヤケドを負うケースもある。

女性をモノのように取っ替え引っ替えした結果、痛い目に遭い物欲の病いから目が覚めるのだ。




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一方、いま物欲モード全開で日本にやって来るのが中国の富豪だという。


「沖縄で最高グレードのホテルをつくりたい」と何でも最高級のものを求め、不必要なくらい大型のプライベートジェットでやって来るから飛行場の駐機場代もバカにならない。

感覚が麻痺した浪費の仕方である。国の意識が「物欲段階」なのかもしれない。




次の名誉欲は、個人の名誉というより「感動」に近い。別の富裕層担当者が言う。
「プロ野球チームやヨットチームをもつことは、究極のカネの使い方でしょう。
自分のチームがスキルを磨いて闘い、勝つ。

人をコントロールする面白さがありますが、ヨットは最先端技術への莫大な投資が必要だし、プロのコーチやマネジャーを仲間にするため、自分の会社で雇うことになる。

そこまでやってアメリカズカップで優勝しても賞金はなく、優勝カップだけです。

最終的に得られるのは仲間との喜び。栄光という名誉以上に、感動が得られるのです」

こうしたカネの使い方は創業社長に多いのも特徴だ。
2代目がチームを受け継ぐことはほとんどないという。



 

最後にヒトが行きつく欲求とは?


さて、次のステップだが、あるプライベートバンカーはこんな話をする。

「100億円以上の資産をもつ大富豪は、人の紹介で海外のプライベートバンクに相談に来ます。彼らのニーズで多いのは、資産を増やすことよりも、守ってもらうことです。

日本国内でプライベートバンキング業務を行っている国内金融は、自社の商品を買ってもらおうとするので、そこがニーズの噛み合わないところでもあります」


 

ここで2通りに分かれる。


年を取ったとき、人生を振り返る人そうでない人だ。


先祖代々から地主のような資産家は後者。生活範囲から出ることはなく、「土地の有効活用」とか「投資」をもちかけられても関心をもたない。

一方で、別のプライベートバンカーはこう言う。

「ハングリー精神で成功を掴んだ人たちは、ご自分の人生をふと振り返って、ここまで自分がやってこられたのは人様や社会のお陰だと気づき、またそういう人生の過程を誇りに思ってらっしゃる。

そもそもご本人が富豪の地位を築いたこと自体が、雇用をはじめ、実は社会貢献をしてきた証拠なのですが、社会のために何かをしたいと思っても、気力はあるものの、体力が衰えている。そういうとき、我々はどういう相談に乗れるのかが問われるのです」

人はその段階に到達すると、何によって心が満たされるのか?

多くの富豪とつきあってきたある不動産関係者は、ある日、気づかされることがあった。

ずっとマンション建設をもちかけていた富豪の未亡人からこう言われたという。

「やっとやりたいことが見つかったのよ。亡夫と私は写真が趣味だったから、私は老人ホームに入ってカメラの技術をみんなに教えたい。そして夫の写真展を開きたいの」


その不動産関係者が振り返る。

「誰もが現役時代に培った知識や体験を後進に伝えたいんだと思います。これが物欲や名誉欲を超えた最終的な欲求だと思います。男性が伝えたいことは自分が生きてきた証しでもある仕事です。仕事を通して自己実現を成し遂げたわけだから、仕事に対する思い、哲学、技術を後輩に伝えたい。女性は子どもたちに何かを託したい。そうした伝える場があることで心が満たされる。


社会をつくってきたプロセスを後世に伝えるというのは、“ヒトの社会性”じゃないでしょうか。それが最大の喜びだと思います」


おそらく、お金をどれだけもっているかに限らず、人間の最後の欲求なのかもしれない。












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