木曜日, 6月 16, 2016

『Runcible』|Monohm

余暇をのんびり過ごすための週末デバイス『Runcible』予約受付開始。

 



米国のスタートアップMonohmが、"アンチ・スマートフォン" と呼称するIoTデバイス『Runcible』を製品化するための出資募集キャンペーンを開始しました。出荷時期は2016年9月で、実質的には先行予約と言えそうです。




Runcibleは飲み物を置くコースターぐらいの大きさをした円盤で、まるいディスプレイとカメラを備えます。普段は画面にアナログ時計や方位磁針を表示する一方で、IoT(Internet of Things)デバイスらしくSNSなどからの通知を表示することも可能。通知機能は音や振動ではなく、画面上に "それとなくわかるように" 表示するため、ユーザーが仕事や遊びなど何かに集中したり、余暇をのんびり過ごすのを決して邪魔しません。






Monohmは昨年3月のMWC 2015でRuncibleのプロトタイプを公開しました。当時すでに完成に近い形になっていたRuncibleにはLTE/WiFi/Bletooth LEなどに対応し、音声通話も可能とされていました。

搭載する機能は冒頭で説明したように時計やコンパス、さらにカメラと写真ビューアが基本。一方で各種SNSにも対応しつつ頻繁な通知から開放されてのびのびと「人生そのもを楽しめるようにする」ことを目指したとします。

その他、デジタルデバイスらしくたとえば自動車や自転車のハンドルにはめ込んでカーナビとして機能させたり、ウェアラブルデバイスとして使ってみたりといった、ユーティリティ的な使い方もできるとしています。


動画:Firefox OS搭載 Monohm Runcible 試作機公開、LTE/WiFi/Bluetooth対応。スマホを離れる週末デバイス


MWC 2015の当時、Runcibleが採用していたのはFirefox OSでしたが、その後MozillaがFirefox OS搭載スマートフォンの開発を断念したことも影響したのか、Buni OSと呼ばれるChromiumベースのWebAPIを搭載するAndroid系OSに改められました。この変更によって、APKで提供するネイティブアプリなども実行可能となっています。







仕様をどうこういうデバイスではないことを前置きしつつそのスペックを記述すると、

CPUにはQualcomm Snapdragon 410、
GPUはQualcomm Adreno 306、
1GB RAMと8GBストレージを搭載

円形ディスプレイの仕様上の解像度は640 x 640px、
背面カメラは7MP

802.11b/g/n WiFi(2.4GHz)
Bluetooth 4.1に対応。

MWCで説明のあったLTE通信機能は最終的な合計出資額によって追加されるかもしれないオプション扱いになりました。

その他
GPS/GLONASSの位置情報機能、
外部インターフェースは
microUSB、オーディオ入出力。




なお、Runcibleはケースを分解することで機能拡張できるようにも設計されており、内部基板から各機能にアクセスが可能。Monohmは、ユーザーが自由にパーツを製作・交換して、自分にあったRuncibleにしていくことを望んでいます。









Runcibleは現在、クラウドファンディングサービスIndiegogoで、製品化に向け出資募集キャンペーン中。出資枠は背面ケースが海洋ゴミ・リサイクルのプラスチックモデルが399ドル、マドローナ材モデルが499ドル。


Runcible プラスチックモデル


約4万円からと聞くと少々お高い印象。しかし、四六時中タッチスクリーンを覗き込み、たとえ食事中でもバンバン通知が来るせわしない人生を、これから先は空を見上げてのんびりできる毎日に変えていきたいと願うのであれば、Runcibleは長く付き合えるちょっと良いアイテムになるかもしれません。