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水曜日, 11月 22, 2017

Atlas君、着実に成長

 

Boston Dynamicsの人型ロボットがバク宙に成功

「中に体操選手などいない」

 



ソフトバンク傘下のBoston Dynamicsは、開発を進めている人型ロボット「Atlas」の最新デモ映像を公開した。ビデオには、2足歩行するロボットが箱に飛び乗ったり、箱から後ろ宙返り(バク宙)して床に飛び降りたりするようすが収められている。





バク宙もこなす(出典:Boston Dynamics)

Boston Dynamicsは、馬のように動く4足歩行ロボットやAtlasで知られるロボット開発企業。2013年にGoogleに買収された後、親会社のAlphabet傘下となり、2017年にソフトバンクグループ(SBG)子会社となった。

Atlasは、2本の脚と腕、胴体、頭で構成され、人間とよく似た形をしたロボット。腕、胴体、脚を連携させて制御するシステムにより、比較的小さな設置面積でありながら、大きな機動性を備えている。安定性にも優れ、荒れ地でも人間のように歩ける。押されても倒れにくく、倒れても自力で立ち上がれる。その動作は、映画「ターミネーター」で描かれたロボットのようだ。


高さは1.5m、重さは75kg、バッテリで駆動し、関節数は28。自動運転車などにも利用されるレーザー光による距離計測センサLiDAR(ライダー)と、ステレオ画像センサを搭載し、周囲のようすを認識できる。11kgの物を搭載可能。




水曜日, 11月 01, 2017

犬型ロボット「AIBO(アイボ)」の最新モデルを発表!


ついに犬型ロボット「AIBO(アイボ)」の最新モデルを発表! 

発売は来年1月11日、価格は19万8千円


11月1日、ソニーは記者向けの新商品発表会を行い、平井一夫社長が登壇。同社が開発する新ロボットを報道陣向けに公開した。 事前に公開されていたティザー動画には、犬のようなサイズのロボットの視点で部屋の中を動き回る様子が映されていた。そして本日発表されたのが、この犬型ロボット「aibo」だ。






平井社長は、「AIにロボティクスという動かす技術、先進の技術を組み合わせることで自社の強みを活かせると考え、複数のプロジェクトが動いている」と語り、その中から同社のエンターテインメントロボットAIBOの最新モデルを発表した。平井社長がAIBOと呼びかけると、袖から3体のAIBOが登場した。 初代AIBOの定価は25万円、1999年7月に発売された同製品は、予約開始から20分で日本向け3,000台の受注を締め切るほどの人気を博した。その後毎年新モデルが発売されてきたが、その後生産を中止。本日新たなaiboが発表された格好だ。




平井社長から開発チームに開発の指示が行われたのは約1年半前だという。自ら好奇心を持って、人に寄り添いながら、共に成長していくパートナーを目指して開発された。







新たに誕生したaiboの特徴は、親近感のあるルックス、視線を惹きつける瞳など愛らしい姿や、躍動感のある多彩な動きと小気味よい反応。日々のコミュニケーションを通じて個性を育みオーナーに寄り添うという。

aiboには以下3つの特徴がある。

一つ目は、その見た目だろう。丸みを帯びた生命感あふれる佇まいと質感、デザインが目を引く。また、オーナーへあふれる想いを伝えるため、aiboは生き生きとした表情と躍動感に満ちた動きを見せるという。くるくると動く瞳、個性的な鳴きごえ、そして耳や尻尾、体全体で表現するボディランゲージを組み合わせた多彩で愛くるしい“ふるまい”は、オーナーの日々の暮らしに心和むひとときを与えることだろう。



このような状況に応じたふるまいの表出を可能にするために多彩なセンサーを搭載し、画像、音声の認識・解析にはソニーの培ったディープラーニング技術を活用している。また魚眼カメラを用いた地図作成(SLAM)技術を搭載し、オーナーに寄り添った生活を実現する。

そして三つ目の特徴が「関係性の醸成」だ。人々とのふれあいを重ねていくことで、aiboのふるまいには徐々に変化が生まれていく。やさしいオーナーには愛情を返すようになり、さらにオーナーからの愛情を感じると、より深い愛情を返すようになるなど絆を深めていく。

この絶え間ない変化を生み出すのは、本体とクラウドが連携して実現するソニー独自のAI技術。本体のAIは、オーナーとのやり取りを学び、aiboを個性的に成長させる。また、事前に同意を得た上で、さまざまなオーナーとのやり取りのデータを収集し、クラウド上のAIが集合知として蓄積することで、aiboがさらに賢く進化していくのだという。

aibo(アイボ)の価格と、発売時期の詳細


aiboの価格は税別198,000円。加えて、aiboを使用するためには、aiboベーシックプランの加入が必要となる。

aiboベーシックプランに加入すると、家庭でのWi-Fi接続やモバイル回線接続で、クラウドで解析された情報を元にしたaiboの成長や、専用アプリ「My aibo」との連携(aiboフォト、aiboストア)など、aiboのすべての機能をお楽しみいただけるようになるという。また、定期的にaibo本体のデータはクラウドにバックアップされる。故障・事故等で修理が不可能な場合でも、バックアップされたデータを新しいaiboに復元するサービスの提供が予定されているという。

aiboの発売は来年の1月11日。2017年11月1日(水)午後11時1分よりソニーストアオンラインにて予約受付を開始する。日付・時間ともにいずれも1が三つならぶ「ワンワンワン」となっている。

aibo(アイボ)の仕様


aiboは今回合計22軸のアクチュエータを搭載している。両目がOLEDのディスプレイとなっており、スピーカーが1つ、マイクが4つ搭載されている。カメラは前方カメラとSLAMカメラの2つ。そしてセンサーが大量に搭載されている。搭載されているセンサーは、ToFセンサー(Time of Flight(TOF)方式距離画像センサー)、PSDセンサー(位置検出素子)×2、タッチセンサーが背中・頭・顎に付いており、6軸検出システムが2つ、人感センサー、照度センサー。

そのほか、SIMカードスロットがあり、SIMも付属しているため、すぐにaiboをネットに接続することができる。サイズは立ち姿勢時に幅約180mm × 高さ293mm × 奥行き305 mm、重さは2.2kg。連続稼働時間は約2時間となっている。



「aibo(アイボ)」が動く様子







新しいAIBO?「SpotMini」|Boston Dynamics

木曜日, 2月 02, 2017

今度は跳ね馬 Boston Dynamicsの新作「Handle」

人馬一体型ロボ「Handle」

Boston Dynamics

 

 



Alphabet(つまりGoogle)傘下のロボット開発企業Boston Dynamicsが、新型ロボット「Handle」を公開しました。

両足には車輪が付いており、フェラーリのエンブレムにある荒馬のような姿勢で立ち上がったかと思えば、その姿勢のまま車輪走行をしたり、スピンやジャンプをキメるなど軽快なアクションを披露します。

Boston Dynamicsといえば、軍用の4足歩行ロボットBigDogSpot人型ロボットAtlasなどの開発をしてきたことで知られるロボット開発企業。

そのBoston Dynamicsが投資家向けの説明会で突如公開したのが、この人馬一体型ロボットHandleです。






Handleは起立状態、またはしゃがんだ状態のまま両足に付いた車輪で走行することが可能。高度な体重移動と車輪の速度制御によってローラースケートやローラーブレードを履いた人のように自由なアクションをこなします。Handleの動きは非常に高度な姿勢制御の上に成り立っており、ジャンプしてハードルを飛び越えるといったことまで可能です。



ただ、問題はそのそこはかとない気色悪さ。これまでのBoston Dynamics製ロボットは、手本とした生物をリアルに模倣する動きが特徴で、それはときに可愛らしく、ときに不気味の谷底へと誘うものでした。今回は...やや不気味の谷方面かもしれません。




もうひとつ難点をあげるなら、ひと目見ただけではHanldleが何のために作られたのかよくわからないところ。説明によれば、Handleは何らかの道具を運ぶためのロボットなのだとか。高度な技術で組み上げた現代版「からくり茶運び人形」とでも形容すればよいのでしょうか。






説明会の場にいた投資家たちがどう思ったのかはわかりませんが、Handleのコストは高性能人型ロボットAtlasよりも「はるかにお安くなっている」とのアピールもあったとのこと。2016年3月には親会社のGoogleが売却先を探していると報じられたBoston Dynamics。Handleが潜在的な新オーナー候補に気に入られるよう、祈りたいところです。






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木曜日, 9月 29, 2016

Ghost Minitaur|Ghost Robotics

子犬のように走り、フェンスも登れる4脚ロボ

 



最近の高度なロボットは、人間や動物の骨格に倣いつつ高度化したものが増えたせいか、動作がやけにリアルになって不気味の谷の底に近づきつつあるようにも思えます。

しかし、Ghost Roboticsが開発したGhost Minitaurは名前こそ怪物っぽいものの、まるで庭を駆け回る子犬のような動きで見る者の心を和ませます。ただ、このロボット、見かけによらず階段も登れば側転もでき、さらにはレバー式のドアを開けたり、金網をよじ登ることまで可能です。




想定される用途は軍関係もしくは災害時の被災者捜索などが想定されるとのこと。災害捜索には空から広い範囲を見渡せるドローンのほうが有利と思われるかもしれないものの、屋内捜索になればやはり地に足の着いたロボットに軍配が上がるため、将来は適材適所で活躍するようになるのかもしれません。




[Source : Ghost Rocotics




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土曜日, 8月 20, 2016

人工知能やロボットには奪われない「8つの職業」

 

人工知能やロボットには奪われない「8つの職業」

 

人工知能やロボットが人間の仕事を奪う、という言説がよく聞かれるが、果たして本当にそうだろうか。未来研究というジャンルの学問によれば、未来においては新しい職業が創造されるかもしれない。そしてそれは、わたしたちがいま、機械に譲り渡そうとしている仕事よりも興味深いかもしれない。











テクノロジーが仕事を奪う──これは、いかなる経済革命においてもそうだったように、現在、そして未来においても真実かもしれない。しかし、未来についての専門家たちは、新しい現実に対応する新しい方法を創造している。

「未来研究」(固有のルールと厳密な信頼性をもつ分野で、イタリア・ナポリでも2014年11月、科学をテーマにした博物館「科学都市」で会議が行われた)の実験の多くから浮かび上がってくるのは、将来を展望すると新しいニーズと結びついた新しい職業が数多くある、ということだ。

それでは、どのような職業が考えられるのだろうか。また、その職を得るためには、どのような能力を訓練しなければならないのだろうか。CST(Canadian Scholarship Trust Plan)のレポート「Inspired Mind」に基づいて、以下の8つを紹介する。









1.記憶の演出家(Nostalgist)

 

平均寿命が長くなったとき、人は、できることなら最良の記憶とともに生きたいと望むだろう。しかも、それを自分の部屋で直接体験することができるとすれば、なおさらだ。
住居に関連する新しいテクノロジーは、部屋の中に「没入的な舞台環境」の構築を可能にするだろう。そこで人は、過去にまつわる感覚を再体験し、自身の人生のアイデンティティを肯定的にとらえることができる。自らの体験を追従するような視覚的、音響的、触覚的刺激は、ポジティヴな感覚を生み出すのに適した心地よさをつくり出し、健康にもよい影響をもたらす。

この分野の新しい専門家たちは、環境をデザインする能力と風俗史家の能力、そしてセラピストに典型的な、狙いを定めた聴き取りの能力とを統合させたものになるだろう。
クライアントを本当に幸福にするために、どの年代にインスピレーションを受けるべきかを理解しなければならないからだ。






2.コミュニティ・オプティマイザー(Localizer)

 

2030年に、グローバリゼーションが大きな魅力をもっているとは思えない。コミュニティは、エネルギーの観点でも生産の観点でも、自立するためのリソースを維持しているはずだ。太陽光エネルギー、3Dプリント屋、都市園芸や温室が、各地域を自己完結した世界に変貌させるだろう。
ただしそれは、これらすべてのリソースを効果的に調整して、システムの基礎を管理することのできる誰かが存在すれば、の話だ。

このキャリアを歩みたい人は、まず何より、ネットワーキングと、さらには福祉関係の能力を発展させなければならないだろう(ソーシャルワーカーや、もっと単純にいえば「良き隣人」に典型的な能力だ)。ハードスキルでいえば、物流やサプライ・チェーンのマネジメント、数学・会計の能力が有益だろう。



3.ロボット・アドヴァイザー(Robot Counsellor)

 

15〜20年のうちに、家庭においてロボットのアシスタントが働くのが一般的になっているはずだ。最近イタリア・テクノロジー研究所(IIT)は、家庭用ロボットを経済的に手の届くようにするため、そして、それらをスマートフォンのテクノロジーと接続するためのプロジェクトの始動を発表している(その価格指標は、現在の25万ユーロから、目標として10万ユーロが設定されている)。

ロベルト・チンゴラーニ(IIT所長)が強調しているように、ロボットはわたしたちの体のもつ「意味論」を理解しなければならないだろう。この分野の研究はすでに進んでおり、良い成果が挙がっている。

機械にぬくもりが欠如していると恐れる人もいるかもしれない。高齢者の多くにとって、自身のプライヴァシーと自立意識を放棄することは、気の滅入る要素だ。しかし、ロボットのことを、管理下に置ける「おもちゃ」と潜在的に考えることができればネガティヴな感情も緩和できるし、かたや介護する側はストレスのたまる活動から解放され、クリエイティヴな瞬間に集中できるようになる。

とはいえ、ロボット介助を選ぶとき、介助される人のニーズや特徴を踏まえ、生活スタイルや家庭の動きを考慮に入れた厳密な選択が必要だ。これらは、ロボットという“新しいアシスタント”の到来によって滅茶苦茶になる可能性がある。

そのとき人間に必要な能力は、市場に存在するソリューションに関する知識とそれを提案する際の独立性に加えて、家庭カウンセラーの能力や、家庭が新しいテクノロジーを理解し、習得するための教育者の能力だ。



4.企業文化のエキスパート(Company Culture Ambassodor)

 

企業同士が、最良の人材を確保しようと競合することになる。そして、企業が才能を獲得し、彼らが「自分はいま、ふさわしい場所にいる」と感じさせるためには、それ専門の人材が必要となるだろう。
彼らが担う仕事は、レクリエーションや金銭とは異なる利益によって人を楽しませ、コミュニケーションを取り、企業の価値観を伝え、それが共有されるようにして、仕事が楽しいという環境と雰囲気をつくり出すことだ。

実際、現在でもすでに、こうした「目的」を掲げる仕事場も存在する。しかし、このような目的の下、グループの世話をする人物は、まだ誕生しなければならない職業だ。

こうした専門家がもっている能力は、熱狂できる性質とクリエイティヴィティ、イヴェント開催者がもつものと似た能力だ。そしてさらに、これらの特性を、仕事の組織化や教育、社会学や心理学の能力と統合する必要がある。



5.単純化の専門家(Simplicity Expert)


世の中に情報が氾濫し、人と人との間のやり取りが倍々ゲームで増えていく。そこから生じて増加していく「複雑性」を前にしたとき、「単純化」の要請が増えていく。あるプロセスの要点を見つけだし、クリエイティヴな仕方で方法を合理化して、実行の時間を減らし、より価値の高い活動のために時間を残す。そんな職能は、さらに多くの人を喜ばせることになるだろう。

例えばイタリアでも、こうした「複雑性マネジメント」の授業が行われている。自分の履歴書に含めておくべき要素は、数学の能力、社会学・心理学の能力、そして当然のことながら、マネジメント能力だ。



6.輸送アナリスト(Auto-transport Analyst)

 

いわゆる「運転手」がどんどん少なくなって、輸送はますます自動化されていく。ドライヴァーを必要としない自律走行車を運行することで、死亡事故を劇的に減らすことができるだろうと研究者たちは語っている(ある専門家たちは、その数は80〜99%減少すると言っている)。

しかしここでも、人間の手と、そして問題を予防し不測の事態に対処しユーザーの不便をタイミング良く解決する管理者が必要だ。このような人物は、サーヴィスを向上させる戦略もつくり出せなくてはならない。
この仕事がどんな人にすすめられるかというと、物流に情熱をもっている人はもちろん、数多くの小さなパーツが集まってひとつのシステムをつくり上げる仕組みを理解する適性を持っている人々だ。忍耐力があれば、なおいい。通勤客のような毎日旅をする人のストレスを理解するのに必要なことだ。

すべての仕事と同じように、ますます多文化になっていくであろう大都市においては、複数の言語についてのしっかりした知識が必要だ。



7.健康ガイド(Healthcare Navigator)

 


ヘルスケアの分野はいま、進歩の真っ盛りだ。そしてテクノロジーは、患者を院内だけでなく、その自宅までも追跡する新しいツールとプロセスを病院にもちこむことになるだろう。
すでに現在、病院だけで自分自身や大切な人の経過を追って決断を下すのは、困難かつ大きなストレスの原因となっている。そのとき病院がなにかイノヴェイティヴなシステムに変わるスピードが加速すれば、人々を過度に混乱させてしまうかもしれない。

患者やその家族が診療を受け、なにか決断を下すとき、病院や家庭での治療をサポートする院内の専門家が必要とされるのは、容易に予測できる。


“病院のウェルギリウス(『神曲』でダンテの導き手となる詩人)”は、「看護師とソーシャルワーカーの進化形」と見なすことができる。その役割は、保健制度についての完璧な知識をもつことになるだろう。そしてさらに、患者と、彼らが入院する際に有益となる人々(薬剤師、医師、保健アシスタント、理学療法士ら)との間をつなぐ接点となるだろう。



8.3Dプリントの構造設計者(Makeshift Structure Engineer)

 

洪水や地震などの災害が起きたとき、避難者を迎え入れて社会組織を再構築するためには、受け入れ施設を短時間で用意しなければならない。そのとき3Dプリンタが、緊急用施設をつくるのに利用できる(ガジェットをつくることができるだけではないのだ)。

この分野で専門家になりたいエンジニア/設計者は、3Dプリントのテクノロジーを知らなければならないが、それだけでなく、突発的な状況で働くことができなくてはならない。しっかりとしたリーダーシップが必要とされる。








必要な能力として浮かび上がってくるのは「横断的な能力」とでもいえばいいだろうか、社会科学やコミュニケーション技術などが結びついたものだ。

人間のあらゆる行動は、わたしたち人間にとってはごく自然で、あたりまえのものだ。しかし、その背後には学ぶべき科学が存在すると思い出すことが、新しい「サイバー労働者たち」と(少なくとも)対等に渡り合うための第一歩なのかもしれない。











TEXT BY DANIELA MANGINI
TRANSLATION BY TAKESHI OTOSHI

WIRED NEWS (ITALIA)




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水曜日, 6月 08, 2016

人工知能の反逆を抑止する「非常ボタン」| Google

人工知能の反逆を抑止する「非常ボタン」開発 

Google

 

http://www.sciencealert.com/nsa-leak-confirms-skynet-is-for-real



Googleの傘下にあり、驚異的学習能力をそなえた人工知能を開発するDeepMind社の研究者を含めたグループは、AIが人間のコントロールを拒否し、あるいは人間を害することを止めるための「非常ボタン(big red button)」を開発したことを発表しました。その研究成果は Safely Interruptible Agents というPDF文書にまとめられ、ウェブサイト上で公開中です。

  


一時は停滞していた人工知能の研究はここ数年で再び活発となり、ニューラルネットワークを押し進めたディープラーニング技術によって加速しています。今年3月にも「魔王」の異名を取る最高峰の棋士、イ・セドルに対してDeepMind社の囲碁ソフトAlphaGoが勝利を収め、人工知能の進化を10年早めたとも言われました。


想像を超えた進化のスピードを前にして、著名な科学者や先端企業のリーダーが警告を呼びかけることも相次いでいます。英国の宇宙物理学者、スティーブン・ ホーキング博士も人工知能の進化が人間にとって脅威になると折に触れて発言。そして博士やテスラモーターズおよび SpaceX CEOイーロン・マスク氏らが参加する非営利組織 Future of Life Institute (FLI) も自律ロボット兵器の禁止を訴える公開書簡を国連宛に提出していました。


今回の発表は、DeepMind社の研究者とFIL関係者の共同によるもの。この文書では、人工知能がいつでも適切に動作するわけではないこと。よって人間のオペレータが人工知能に有害な行動をやめさせて、安全な状況に導くための「非常ボタン」が必要であると述べられています。すでに人間のオペレータがいつでも安全に人工知能を中断できる「フレームワーク」は完成しているとのこと。一方では、人間の介入を妨害する方法を学習させない方法も確立しているそうです。


もう少し具体的にいうと、アルゴリズムに「割り込みポリシー」を組み込み、人工知能の振る舞いを強制的に変更するトリガーを仕込んでおき、マシンが自分で そう考えたと「騙す」のだとか。ちょうど『キャプテン・アメリカ 』のバッキーが特定のキーワードを聞くと洗脳スイッチが入るのと近そうです。


もともとDeepMind社はGoogleに買収されるに際して社内にAI委員会を設置することを条件としており「人工知能の暴走」には自覚的でした。この分野でトップを行く同社と、人の手を離れて自律判断するAI兵器にストップをかけるFLIが緊密な協力を続ける限り、『ターミネーター 』のスカイネットなどAIが人類に反乱を起こす未来は来ないのかもしれません。




http://www.cyberdyne.jp/
 CYBERDYNE





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月曜日, 4月 18, 2016

ロボットの「秘められた部分」に触れると人は....

 

人はロボットの「秘部」に触れると「興奮」するという研究結果

 

人はロボットの「秘部」に触れるとき、手や首に触れたときより興奮するという研究結果が、スタンフォード大学のチームによって発表された。ロボット「Nao」を使った実験動画も紹介。






人は、ロボットの「秘められた部分」に触れると興奮するという研究結果が発表された。

この研究を行ったのはスタンフォード大学のチーム。6月9日から日本の福岡で開催される国際コミュニケーション学会(ICA)第66回年次会合で詳細を公表する予定だ。

この研究では、アルデバラン・ロボティクス(ソフトバンクが95パーセントの議決権を所有するフランスのロボット企業)が開発したロボット「NAO」の体13カ所に被験者が触れるという実験が行われた。

被験者の利き手と反対の手にセンサーを取り付け、発汗状態が検知できる「皮膚コンダクタンス反応」と反応時間を測定した。

研究チームによると被験者たちは、NAOの尻や生殖器などの「秘部」(にあたる場所)に触れるとき、「手や首に触れたときより心理的に興奮」した。しかも、秘部に触れるときの方が「ためらい」を見せていた。

研究に参加したジャミー・リーは「われわれの研究が示しているのは、ロボットが新しいかたちのメディアであり、非常に強力な存在であるということです」と話す。「他人の秘部に触れることに関する社会的な慣習がロボットにも当てはまるということです」








英国デモントフォート大学の研究員で、セックスロボット撲滅キャンペーン(CASR)に参加するキャスリーン・リチャードソンは『WIRED』UK版の取材に応えて、興奮には「『皮膚コンダクタンス反応』と『反応時間』以上」の意味があると指摘した。

「すべての被験者は、ロボットに触れる以前に、自分や他人の体に触れるという経験をしています。そのため、想像が膨らんだのでしょう」とリチャードソン氏は説明する。

「今回の研究は、人の性的関心はパブロフの犬的な単純な条件反射ではないことを証明したのかもしれません。しかし、人の欲望はもっと複雑です。被験者が示したのは性的な反応であるとは限りません。たとえば汚らわしさや危険を感じて生理的に反応した可能性もあります」

リチャードソン氏が参加する団体CASRは、精巧な「セックスロボット」製品が開発されている現状を批判し、人とロボットの性的な関係は「人の生きた体験を阻害する可能性がある」と主張し、大きな注目を集めている


CASRのウェブサイトには、

「われわれはロボットの権利の拡大を提案しているのではありません」

と書かれている。

「ロボットは意識のある存在であると考えているわけではありません。ロボットは人の意識と創造性の産物であり、製造からデザイン、用途にいたるまで、人の力関係が反映されているというのがわれわれの考え方です」

「だからこそ、男女不平等の一因となるようなロボットを開発するすべての行為に反対します」

なお、ソフトバンクとアルデバランが共同で開発し、2015年7月に発売された人型ロボット「Pepper」は、人の感情に反応する「ソーシャルな相棒」だが、その規約には「性行為を禁止する」という条項がある。

具体的には、「性行為やわいせつな行為」、「ストーカー行為」を目的としたプログラムの作成、「性的、暴力的、わいせつなアプリケーションまたは動作の開発」などが禁止されている。



PHOTOGRAPH COURTESY OR STANFORD UNIVERSITY
VIDEO BY ARS TECHNICA VIDEOS
TEXT BY EMILY REYNOLDS
TRANSLATION BY KAORI YONEI, HIROKO GOHARA/GALILEO

WIRED (UK)



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金曜日, 2月 26, 2016

アンドロイドはあなたの「内面」を見抜く


あなたの「内面」を見抜く、Waka社のアンドロイド

人間の視線を観察してその人の性格を察知し、それに合わせて対応できるロボットが開発された。リハビリなどの分野で活躍が期待されている。


人間とやりとりができるロボット受付係(日本語版記事)はすでに働いている。





そして今度は、相手の性格に応じて対応を変えるロボットが登場した。


グーグルが買収したMeka社(日本語版記事)によるアンドロイド。


ウィスコンシン大学マジソン校のショーン・アンドリストが開発したこのロボットは、「ソーシャル・ゲイズ(社会的な視線)」に反応するようデザインされている。ソーシャル・ゲイズとは、私たちが社会的な環境のなかで互いに交わす視線のことだ。ロボットは、特別に開発された専用アルゴリズムを使って社会的な手がかりを処理し、相手の性格を推測して、それに合わせて対応する。

このアルゴリズムが頼りにするのは、相手が外向的か内向的かという要素だ。内向的な人は、外向的な人よりも会話相手を見る回数が少ない傾向がある。このロボットにこの傾向を察知させることで、人間ともっと上手く関わり合えるようになることが期待された。

こうした仮説を立てて生身の人間を相手にテストしたところ、アンドリスト氏とその研究チームは、被験者が自分の性格に合致したロボットを受け入れる傾向が強いことを発見した。

「リハビリテーションの分野では、人と対話できるソーシャルロボットが、高齢者や身体障がい者、認知障がい者の生活の質を向上するという面で大いに期待されている」とアンドリスト氏は述べている(PDFファイル)。「ソーシャルロボットは、人間がリハビリテーションに取り組む意欲をかき立てる上で、ひときわ効果的な手段となる。それは、ソーシャルロボットが、物理的な実体と、非言語的なコミュニケーション手段の能力を持っているためだ」

リアルに感じられる性格を伴ったロボットの開発に取り組むチームは多数存在する。そのひとつであるグーグルは2015年4月、ユーザーがロボットの性格を自由にカスタマイズしてダウンロードできるシステムを開発して特許を取得した。

特許明細書には次のように書かれている。

「ロボットの性格は、ベースとなる性格構造(デフォルトのペルソナ)の範囲内で、一時的な状態や気分を実現できるよう変更できてもよい。たとえば、 幸せ、恐れ、驚き、困惑(例えばウッディ・アレンのロボット)、内省、嘲笑(1960~80年代に活躍したコメディアン、ロドニー・デンジャーフィールド のロボット)といったものだ」







WIRED NEWS (UK)

火曜日, 10月 13, 2015

人工知能が「おしゃべりできる」のに、 いったい何の意味があるっていうんだ?


人工知能が「おしゃべりできる」のに、
いったい何の意味があるっていうんだ?


ERGUN EKICI
VICE PRESIDENT of EMERGING TECHNOLOGIES at IPSOFT



ただ「人間と会話ができる機械」を、真の人工知能であるということはできない。「問題解決」こそ、人工知能のあらゆるタスクのなかでも最も複雑な部分であり、最も重要な価値尺度となるのだと、IPsoftのアーガン・エキチは言う。


アラン・チューリングが1950年に「機械は思考できるか」という問いを投げかけて以来、「チューリング・テスト」に合格しようと努力する多くの試みが行われてきた。


このテストで試されるのは、会話をしている相手が人間なのか機械なのかを、人間が見分けられるかどうかだ。そして2014年6月、ユージーン・グーツマンと名付けられたチャットボットが、13歳の少年であるかのように装って、チューリング・テストに合格したと報じられた(日本語版記事)。自然言語の構文解析を入念に仕込まれたユージーンは、自宅や旅行先に関して使われた言葉を理解することができたという。


だが、ユージーンは本当に言葉の「意味」を理解していたのだろうか。この問いは、チャットボットが、会話から何かを学んで問題解決のスキルを示したのか、あるいは、理解したかのように演じて人間をうまく騙しただけなのか、と言い換えることもできる。
最初の問いから65年の時を経たいま、チューリングの「機械は思考できるか」という問いの根本に立ち返ってみよう。この問いは、「機械は理解し、学習し、問題を解決できるか」と定義し直すことができる。


真の人工知能を実現するには、まず、機械がユーザーの言葉の意味するところを理解し、解釈できなければならない。例として、「昨日、ジョンはジェーンから株を買った」という叙述について考えてみよう。わたしがある人に「今日の時点で株を所有しているのは誰か」と質問すれば、その人はおそらく「ジョンが所有している。なぜなら、ジョンは昨日ジェーンから株を買ったから」と答えるだろう。


ポイントとなるのは、機械が人間とおしゃべりできるかどうか、あるいは質問に答えられるかどうかではない。機械が問題の文脈を読み取って、その解決に役立つことができるかどうかだ。



だが、単純な検索エンジンに対して、「その株を今日所有しているのは誰か」、あるいは「それを先週所有していたのは誰か」といった質問をしても、正しい回答は得られないはずだ。検索エンジンは、その株を誰が買ったかという問いには答えられても、現時点で誰が所有しているかという問いには答えられない。「理解」が欠けているのだ。


機械が「理解」能力を得られるようになったとして、その次のステップは「学習」だ。人類が、最も高度に進化した、支配的な動物種になれた理由は、優れた視力でもなければ、鋭い嗅覚でもなく、あるいは完璧な聴力でもない。それは、比類のない直感的な学習能力のおかげだ。


子どもたちの能力は、読解力のテストによって評価される。機械も、小学校5年生レヴェルの読解力テストに合格する能力、つまりマニュアルを読んで内容を理解し、そのマニュアルについての質問に答える能力をもつべきだ。


次に、子どもたちが成長して青年になると、もうテストで読解力を評価されることはなくなる。その代わりに、今度は知識を応用して、問題を解決していく必要に迫られるだろう。そして、真の人工知能を実現するための最後の評価基準も、そこから導き出される。「問題解決」こそ、人工知能のあらゆるタスクのなかでも最も複雑な部分であり、最も重要な価値尺度となるのだ。


あなたが人間のオペレーターに電話をかけて、「自分の銀行口座にアクセスできない」と言うとしよう。この叙述には前後の文脈がなく、曖昧で不明確なため、それだけではオペレーターはどう対処すべきかを判断できない。したがってオペレーターは、(機械もいずれはそうなるはずだが、)いくつかの質問をする必要がある。


例えば、「それは口座振替のページにアクセスできないということですか、あるいはメインページにアクセスできないのですか」、「メインページにアクセスできないとしたら、お探しの口座は、メインページにリンクされているものですか、あるいはリンクされていない口座ですか」、「社会保障番号は入力しましたか」といったように。


この時点でポイントとなるのは、機械が人間とおしゃべりできるかどうか、あるいは質問に答えられるかどうかではない。機械が問題の文脈を読み取って、その解決に役立つことができるかどうかだ。


人工知能を評価するには、人間の知性を評価する場合と同じ基準を用いるべきだろう。つまり、機械が人間の言葉の意味を理解し、人間を観察することによって学び、その知識と学習能力を問題解決に利用できるようになることだ。そのとき、わたしたちは初めて、チューリングによる問いの真の意味と向き合ったことになる。








http://www.ipsoft.com/wp-content/uploads/2014/03/Ergun-Ekici2.png 
ERGUN EKICI|アーガン・エキチ
 
IPsoft社の新興技術担当副社長。他に、「2025年、ロボットが働く社会では奪われるよりも多くの仕事が創出される」というタイトルの記事がある。



WIRED US

金曜日, 9月 18, 2015

「Pepper」はユーザー規約で性行為を禁止されている

 

 

「Pepper」(ロボット)はユーザー規約で性行為を禁止されている

 

人間の感情に反応するように設計されたロボット「Pepper」の購入者は、このロボットと性行為をすることを禁じられている。
ユーザー規約の中で、Pepperを「性行為やわいせつな行為を目的に使用することを禁止する」と明記されているのだ。






人間の感情に反応するように設計されたロボット「Pepper」の購入者は、このロボットと性行為をすることを禁止されている。Pepperを販売するソフトバンクのユーザー規約(PDF)にも、Pepperを「性行為やわいせつな行為を目的に使用することを禁止する」と明記されている。


Pepperは、ソフトバンクと、フランスのロボット企業アルデバランが共同で開発した人型ロボットで、2015年7月に発売された。人間とさまざまなやりとりができるようつくられており、笑い顔やしかめ面などの感情表現に反応できる。だが、購入者に性的な快楽を提供することは目的としていないようだ。


Pepperの価格は1,800ドル(198,000円。他に月額料金が必要)だが、発売開始から60秒で完売した。


Pepperのユーザー規約にある、性行為を禁じる条項は、「人間とロボットとの親密な関係」に対して懐疑的な視点が向けられる時代が到来したことを示している。

9月には、ロボット倫理の専門家たちにより、ロボットへの性行為の全面禁止を呼びかけるキャンペーンが開始された。このキャンペーンの創始者たちは、セックスロボットの開発により「女性と子どもをモノとみなす傾向が助長」され、「女性と子どもが劣った存在であるという認識」が強まるので禁止しなければならないと主張している。

一方で、セックス人形メーカーのTrue Companion社は、「常に準備万端で、性的な会話や行為に応じることができる状態」のセックスロボットを開発中だ。「Roxxxy」(男性タイプは「Rocky」)というこのロボットは、年内に発売される予定だ。



なお、Pepperの人間との関わりがニュースになったのは、今回が初めてではない。日本では9月6日、酒に酔った男がPepperに対して暴行を加えるという事件が起こっている。報道によると、この男はPepperに対してではなく、ソフトバンク横須賀支店の店員の態度に腹を立てたのだと言うが、この事件により、そのPepperの感情読み取り機能は多少、低下してしまったに違いない。














TEXT BY RUBY LOTT-LAVIGNA
PHOTOS BY ALDEBARAN
TRANSLATION BY TOMOKO MUKAI/GALILEO

WIRED NEWS (UK)




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火曜日, 8月 25, 2015

ケンブリッジ「母」ロボット


子を選別して進化させる「母」ロボット、ケンブリッジ大の日本人研究者が発表




ケンブリッジ大学の研究者が、小さな「子」ロボットを作っては出来の良し悪しで選別する「母」ロボットを開発しました。

母ロボットは子供を製造しては性能を評価し、優れたものの「遺伝子」を次世代に導入してゆく仕組み。これにより、人為的な介入やソフトウェアシミュレーションを使わずとも、物理的に進化してゆくロボットを実現した点が意義とされています。「母」の目の前で「子」がもぞもぞと蠢く動画は続きをごらんください。

ケンブリッジ「母」ロボット

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6 枚


まず「母」ロボットは、1〜5個のプラスチックキューブと小型モーターからなる、「子」ロボットをつくります。その後、つくった「子」ロボットの性能を評価します。

具体的には、「子」ロボットが同じ距離を移動するのにかかる時間を測定し、その移動スピードによって合格か不合格かを自動的に判断します。そのようにして性能のいい「子」ロボットだけが「適者生存」するというわけです。

実際、この「母」ロボットが作成した「子」ロボットは、最高で2倍のスピードで移動するように「進化」しました。

この「母」ロボットは、人間によるシミュレーションや判断といった手助けなしで「子」ロボットの設計や構築、テストができますが、課題は時間がかかるということです。

名前は母と子ですが、母子はまったく別のロボット。子がまた次の世代を作って自己増殖・自己進化できるわけではありません。




研究チームを率いるケンブリッジ大学の飯田史也博士は「生物学の最も大きな謎は、いかにして知性を獲得してきたかということです。私たちはロボットを使ってこの謎を探求しています」と言います。

飯田氏は東京生まれ。東京理科大学で修士課程を修了後、スイスのチューリッヒ大学で博士号を取得し、生物を模倣したロボットの研究に取り組んでいます。産業用ロボットなど現場で活用されているロボットは、決められた動作を繰り返しするものがほとんどですが、飯田氏は「イノベーションと創造ができるロボットをつくりたい」と言います。

以下の動画で、飯田氏らによる、生物を模倣したロボットの研究について紹介されています。



PLOS ONEに掲載された論文はこちら。
Morphological Evolution of Physical Robots through Model-Free Phenotype Development

月曜日, 8月 17, 2015

ロボットHERMES|MIT


人の反射神経を持つロボットHERMES、MITが開発。マスタースレーブで感覚を同期





映画「パシフィック・リム」はパイロットたちの動きに合わせて、巨大な兵器ロボット「イェーガー」が動きまわり、敵の怪獣と戦う作品でした。

イェーガー乗りのようなマスター・スレーブ式の外骨格コントローラにより、人間のバランス感覚や反射までを取り入れて動くヒューマノイドロボット HERMES をマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者が開発しました。
MITの博士課程大学院生のジョアン・ラモス氏らが開発したヒューマノイドロボットの名は「ヘルメス」(HERMES)。

ロボットを操作する人がセンサーなどからなる装置を上半身に装着して、腕や手、指先を動かすと、ヘルメスも人の動きに同期して同じように動きます。いわゆるマスター・スレーブ方式ですが、ヘルメスのセンサーが受ける抵抗やバランスを操縦者の外骨格型コントローラにフィードバックすることで、人間のバランス感覚や反射神経を持ったロボットとして機能する点が特徴です。その様子について、ジョアン・ラモス氏は「人間の脳をロボットの中に入れようとするもの」と表現します。


ヘルメスの頭にはカメラが備え付けられていて、操作する人は離れていてもその映像を見ながら操作することで、あたかも自分がヘルメスになったように思いのままに動かすことができます。まだ上半身しか操作できませんが、ヘルメスの両手にはそれぞれ3本指があり、操作者の動きに合わせて、ものを掴んだり缶を潰したりするだけでなく、コーヒーをコップに注ぐこともできます。

ヘルメスを開発したもう一人の研究者である博士課程大学院生のアルバート・ワン氏によれば「将来は人間のような知能と自律制御もヘルメスに搭載する予定」。

このように、センサーを着けた人の動きに合わせてロボットを操作する遠隔操作技術は、日本の研究者が「テレイグジスタンス」と名付けこれまでも研究されてきました。慶應義塾大学が開発したテレイグジスタンスロボット「テレサ」では、操作者はヘッドマウントディスプレイをつけることで、あたかも自分がロボットになったかのようにしてロボットを操作することができます。



テレイグジスタンスロボットが特に期待されているのは、人が近づくのが難しい過酷な現場での作業です。例えば、6月にカリフォルニアで開催された人型ロボットコンテスト DARPA Robotics Challenge の決戦では人と同じように作業ができる災害救助ロボットがその動きを競いましたが、自動車を運転したりバルブを締めたりといった細やかな動きをするには、ロボットの遠隔操作技術が課題でした。

ヘルメスやテレサのように、遠隔操作で人と同じ動きをするロボットならば、原発事故の現場でも事故復旧の作業ができるようになるかもしれません。ただし、ヘルメスもテレサもまだ下半身は自在に動かせません。災害現場での活用はもう少し時間がかかりそうです。

論文は

月曜日, 8月 10, 2015

生身の人間そのものへの気付きや 注意が増すように情報技術を使役すること|DOMINICK CHEN


生身の人間そのものへの気付きや
注意が増すように情報技術を使役すること

DOMINICK CHEN


ビッグデータ社会が進むにつれ、いま先駆者たちの中で最も議論されるテーマのひとつに「人間性」がある。ディヴィデュアル共同創業者のドミニク・チェンは、情報技術イノヴェイションの先に、現実の世界を見つめ、感じる、生身の人間性を指向する重要性を語る。*この原稿にはいくつかの映像作品に関するネタバレが含まれています。

アルゴリズムの中で、人は人を必要とする
最近、自分が経営する会社、ディヴィデュアルが7周年を迎えるにあたって、マントラ(会社の信念)を改定しました。創業当時の「いきるためのメディア/media to be alive」というものから、最近はチーム内で「人間の自然に近いテクノロジー」という表現をよく共有していて、あらためて節目を迎えるにあたり「人は常に人を必要とする/People will always need people」という表現を採りました。これはダムタイプという日本のアーティストグループによるパフォーマンス作品『S/N』(1994年初演)の劇中に登場する言葉です。
劇中では、ダムタイプ中心人物の古橋悌二が道化のような派手な化粧を施しながら、HIVポジティヴの同性愛者としての現実を淡々と語り続けます。語りを終えた後、狂言回しの人物が「未来にも人間は残るでしょう。そして人はいつも人を必要とするでしょう」(In the future, there will be people. And people will always need people)と話すと、シャーリー・バッシーの「People, People who need people, Are the luckiest people in the world」という『People』のリフレインが鳴り響きます。
この表現はディヴィデュアル共同創業者の遠藤拓己が好きでよく口にする言葉で、自分たちが会社で手がけてきたコミュニティサーヴィスやコミュニケーションアプリの運営を通して感じることとも重なるし、また、昨今の人工知能やビッグデータ解析の動向と照らし合わせたぼく自身の考えともシンクロするところがあります。
なぜITヴェンチャーが「人はいつも人を必要とする」という言葉を標榜するのでしょうか。これはメンバー全員の総意ではなくあくまでも私見ですが、ひとりのユーザーとして情報技術に触れていると、時々、機械と接しているのか、その向こうにいる人間と接しているのか、分からなくなる感覚が生まれます。
その感覚は、日々の生活のなかにアルゴリズムが占める影響力が増大していることと関係しているのでしょう。知らず知らずの間に、情報技術によって活かされる人の縁もあれば、情報技術によって摩耗させられている人の心もある。その全体をただ時代的な変容と呼んで受け入れる誘惑にささやかに抵抗しながら、この違和感の正体について考え続けています。
 

おだやかで賢い機械が社会をつくる未来

Turing’s Cathedral / チューリングの大聖堂』(2013)という本では、磁気流体力学の基礎を築いたことでノーベル物理学賞を受賞し、最初期の本格的なコンピューターに触れたこともあるハネス・アルフヴェンの話が書かれています。アルフヴェンは現代のコンピューターの基本構造を定義したフォン・ノイマンと違って、計算機の軍事利用に反対し、核兵器と戦争の廃絶を訴える科学者の集いであるパグウォッシュ会議にも名を連ねる人物でした。
彼はある日、娘のひとりに「科学論文ばかりではなくたまには孫にでもわかるようなお伽話でも書いたら」と言われたことをきっかけに、オロフ・ヨハネソンの筆名で「The Tale of the Big Computer: a Vision」(米国でも絶版で、未邦訳かと思われる。直訳すれば「大きなコンピューターの物語:ひとつのヴィジョン」)という物語を書きました。
コンピューターは人間より優れた「秩序ある社会」をつくれるかもしれない。ぼくたちはそろそろ真剣に、このヴィジョンに従うのか否かを、ただ考えるのではなく、決断して行動する必要がある。

この物語は、コンピューターが生命進化の帰結のひとつであり、人間のような邪な権力への衝動を持たずに理性的に行動できる存在として描かれます。最終的に、計算機が自己増殖しながら繁栄していく過程で、機械に依存して進化が止まった人間を必要としなくなり、人間より優れた「秩序ある社会」を構成する光景が描写されて終わります。
ぼくはこの描写を読んでいて、宮﨑駿の漫画版『風の谷のナウシカ』のエンディングを思い出しました。自分のことを母と慕う自律ロボット兵器(巨神兵)を操作して、人間を使役する人工生命(ヒドラ)の本拠地を破壊する主人公ナウシカはこう語ります。「自分の罪深さにおののきます。わたしたちのように凶暴ではなく、おだやかでかしこい人間となるはずの卵です」と。その直後に、隣に居合わせたトルメキアの国王は「そんなもんは人間とはいえん」というセリフを吐きます。
いずれの例も極端に見えるかもしれませんが、ぼくたちはそろそろ真剣に、アルフヴェンの(架空の)ヴィジョンに従うのか否かを、ただ考えるのではなく、決断して行動する必要があるように思うのです。

機械に人間性を仮託しないこと

ディズニー映画『ベイマックス』は、「人間はいつも人間を必要とするのか」を考える上で、ひとつのリトマス試験紙のような働きをするものでした。ケアロボットのベイマックスが、最後に異次元空間の中で自らを犠牲にしてヒロを助け出そうとする時、「あなたはわたしのケアプログラムに満足しましたか?」と問いかけるシーンがあります。
それは身を挺して主人公を守る感動的な場面として演出されており、一緒に見ていた人は涙ぐんでいましたが、ぼくは逆にその言葉で現実に引き戻されてしまいました。なぜなら、ベイマックスには死の概念がなく、その行動原理もアシモフのロボット三原則よろしく、人間がプログラムしたものである限り、そこにはなんら悲劇性などないからです。現にエンディングでは、ベイマックスの命令チップ(CPU?)を回収した主人公が新たにベイマックスをよみがえらせ、再び一緒に活躍しています。もう少し現代的な設定にするとすれば、ベイマックスのプログラムはクラウドに格納しておけば、その義体が破壊されようと不滅なはずです。
ぼくが根源的な部分でベイマックスを人間の登場人物と同様に愛することができなかった理由は、単純に生死の概念が異なるからです。作中ではベイマックスを擬似的に「殺す」ことで人間に対するものと同じような感傷を生み出そうとしていますが、このアメリカ的な生々しさは浅ましくさえ感じてしまいます。
ものすごく大局的に見れば、ソフトウェアとハードウェアの複合体もある種の複製の仕組みをもつ生命システムとしてとらえることができるでしょう。形而上学的な遺伝子の概念を、模倣子の媒体としての情報技術とみなす議論もあります。しかし、生死の概念が根本的に異なる存在を人間的に愛するということにおいて、私たちの認知構造上の限界があるのではないでしょうか。
計算機と人間の体はまったく異なる存在であるがゆえに、計算機を擬人化したりして人間的な関係を結ぼうとするのではなく、計算機とは計算機的な関係を結ぶ方が、世界が豊穣になる。

ぼくは逆に計算機に対して、その非・人間的な能力に畏怖や憧憬の念を抱いてきました。昔のヴィデオゲームやスマホのアプリでバグが発生し画面が乱れたりする瞬間には、この異生物の脳内の構造を一瞬垣間見るような筆舌に尽くしがたい恐怖を感じます。開発しているソフトウェアの難しいバグをデバッグするときには、なるべくアルゴリズムそのものになりきって、その行動パターンやロジックを再現するようにこころがけています(こんなことを書くと、ソフトウェアエンジニアの人にはオカルトだと言われてしまうかもしれませんが)。
計算機はそれほど自分の体とは異なる存在であるがゆえに、計算機を擬人化したりして人間的な関係を結ぼうとするのではなく、計算機とは計算機的な関係を結ぶ方が、世界が豊穣になるのではないかと考えているわけです。

現代の計算機械は妖怪か?

ふと、こうした考え方は、人間と自然の対称性を重視する世界観とも通じるのではないかと気づきました。人と自然の対称性とは、人と自然は安易に相容れるものではなく、また、人が自然を制御できるものではないという前提に立つ考え方です。
荒ぶる神や善悪定かではない精霊が登場する古代の神話などは対称的な世界を表していますが、逆に人間偏重的な唯一神信仰ではもはや多様な自然との関係をバイパスして、擬人化された神格と人間の問題が前景化します。
現代において、柳田国男の民族学的研究や水木しげるの漫画などに登場する「妖怪」は、善悪を超越した超常的な存在であると受け継がれています。一方、人間を超えた能力を持つ彼らは、日常空間に潜む自然現象に向けた人間の恐怖や畏敬の念を具現化した姿でもあるといえるでしょう。
中国の『山海経』や杉浦日向子の『百物語』を読んでいていつも興味深いのが、そこに描かれる妖怪たちの挙動の意図が全く見えないということです。時には意外にも人に利することを行ったり、また時には人に従っている様を見せたと思った次の瞬間、簡単に人を殺したりもする。人間的な常識が通用しないため、人間的な関係性を結ぶことができない。それぞれのもののけには行動パターンが認められるものもあれば、姿かたちを定義することも難しいものもある。
こうして考えてみると、ぼくが現代の情報技術に対して抱く興味の根源には、妖怪文化に対する説明不能な感情と似たものが横たわっている気がします。プログラムを通して計算機の力が存分に発揮されている様を深く見れば見るほど、人間との作動原理が妖怪とのそれほどに異なっていることを思い知らされるのです。そのような超常的な力を使役し、人間にとって便利であったり、有益な道具が作れたと感じられたりする時の感動は、自分より大きな存在の力を借りて生まれた現象の面白さと表現できるでしょう。

善悪の彼岸にある情報技術

この「面白さ」とは、善悪の範疇に属さない感情でもあります。先述した『チューリングの大聖堂』では、プリンストン大学に集結した数学者たちの梁山泊のなかで、あらゆる計算機を計算できる万能チューリングマシンの構想を現実の「チューリング完全(理論上、特定の論理に従ってあらゆる計算が可能であること)」な計算機として具現化したフォン・ノイマンのその後の様子が描かれています。結果、自分を追いやったヨーロッパに大きな失望を抱いた彼は、積極的にアメリカ軍に協力するようになり、超人的な仕事量で様々な科学プロジェクトを推進していきます。
「脳の生態的な役割は、兵器としてのそれであった」とアルフヴェンがその物語の中で強調しているように、現代の「チューリング完全」なフォン・ノイマン型計算機は、もともとは原爆開発という軍事目的に駆り立てられて設計された存在でした。
情報技術に善悪はない。だが、今日のぼくたちは人を殺すことではなく、人を生かすことを主眼にすえて情報技術と向き合える時代を生きている。

しかし戦争を知らないぼくや多くの世代にとって、コンピューターはパーソナルコンピューターのことであり、いまの子どもにとってはスマートフォンのことを指しています。計算機は凶器として生まれたかもしれませんが、この半世紀ほどの間に、人々が日常生活でポケットに入れたり、腕に付けたりする非常に身近でカジュアルな存在へとも派生していったこともまた事実です。大げさに聞こえるかもしれませんが、こうして歴史を振り返ってみると、今日のぼくたちは人を殺すことではなく、人を生かすことを主眼にすえて情報技術と向き合える時代を生きているという実感があります。
善悪の彼岸にある非人間的な能力をもつ情報技術に対して、人間的な期待に基づいて悲観や楽観を繰り返すのではなく、人とは根本的に異質な存在としての関係を結ぶこと。それは何のために?と問うたときに、人間が自らをより深く知るため、という言葉が頭に浮かんできます。さらにそれは何のために?と自問してみると、それは「人は常に人を必要とするだろう」から、という冒頭のマントラと共鳴する答えが浮かびます。根底にあるのは、人間という存在そのものの解明されていない性質への関心です。

体と無意識の情報処理に注意する

今年の1月に触覚インタフェース研究者の渡邉淳司さんと対談をしたときに、ハッとさせられる表現に出合いました。彼は、「体と無意識は自分にパーソナライズ化されたビッグデータ処理機能」であると言っていたのです。確かにぼくたちの体や無意識は常時、この世界に溢れる感覚的、非言語的な情報を摂取し、意識に上らせるように表現を行っています。
仮にぼくたちの体が知覚しているすべての情報を意識上に上げていたら、気が狂ってしまうでしょう。しかし、これだけ言語表現に溢れた情報環境を生きるなか、無意識の感覚の価値は相対的に高まっているのではないだろうかとも思います。
主観的な情動や感覚を外部化し表現する。それはあたかも伝達することが不可能であるという限界を知った上で、なおも試み続けることを止まないという行為です。ひるがえって考えると、あらゆるコミュニケーションは同じ原理に従っているといえます。わたしの考えていることがあなたに理解できたとしても、わたしの感じているものはあなたには同一のものとしては感じられませんし、その逆もまた然りです。同時に、この溝は完全に埋まらないものの、もし共に十分な時間を過ごせば、お互いの線はただ平行するだけではなく、同一の地平へとゆるやかに漸近していくでしょう。
この同一度が90パーセントであるか70パーセントであるかという数値を評価し、比較するのが計算機のデジタルで合理的な思考法です。しかしぼくたち人間はいちいち数値に換算しなくても、その時々の気分であったり、意固地な信念などに従ったりして、身体的に決定しています。現代の情報技術が生んでいるコミュニケーション様式の多くは、計算機の世界観に人間の方を擦り合わせていく面白さを生んでいるように見えます。
SNSでの投稿に対するRTや「いいね!」は現実世界での話し相手のうなずきや笑顔といったフィードバックの劣化コピーとして見るのではなく、数値を介して行われるデジタルなコミュニケーション観を新たにつくり出しているといえるでしょう。同様に、弊社で提供している『Picsee』というプライヴェートな写真メッセンジャーアプリも、目の前にあるものを人に見せたいと思ったときに写真を撮ってすぐに好きな人に送れるという機能を提供していますが、それは言葉からではなく、写真から対話を始めるという新しいコミュニケーションの在り方を提示しています。Picseeでは何気ないまなざしの共有が生まれることによって、言葉だけでは知ることのできない相手の関心や心の動きを感じることができます。
人間は可塑的、つまり環境に応じて変化し、適応する能力に優れています。と同時に、情報技術もまた当然ながら人間の都合に応じていかようにでも変形させることができます。「人間と情報」の複合システムの面白さは、双方がお互いにとっての環境であると同時に、手段にもなりえるという点です。だから、アルフヴェンの寓話のように、人間から機械に寄せていくこともできれば、そうではなく機械のロジックを人間に寄せることもできるわけです。

人間的な情報技術とはなにか

このテーマは広範囲の情報技術に適用して考えることができますが、ここではコミュニケーション領域について単純化して考えてみましょう。TwitterやFacebookといったSNSでは、人間がさまざまなかたちで数値化されます。特にユーザーの人格を中心に情報が取り沙汰されるユーザーセントリックな構造では、自分以外のユーザーは自分をフォローしたり、自分の発言を支持する存在として映ったりします。
これは数値比較に基づく重み付けと、そのヒエラルキーが生じる非対称な構造であり、重要な情報とそうではない情報と同様に、重要な人間とそうではない人間が区別されます。逆にこのようなスターシステムを生まないことを考慮したコミュニケーションサーヴィスには匿名掲示板があり、通常はユーザー同士がつながったりすることなく、一期一会の会話を交わして終わるという構造になっています。
それぞれの構造に一長一短があると思いますが、前者はより現実の社会構造に近く、著名人とそのフォロワーという図式が反復されますが、後者は全員がほぼフラットな関係で対等にコミュニケーションを行うため、よりインターネット特有のコミュニケーション様式であるといえます。
ぼくはここに何らかの価値判断を読者に押し付けるつもりはありません。ただ、「人間的な情報技術とはなにか」ということを皆さんと考えてみたいとおもいます。というのも最近、色々な業種の方とITについてお話するなかで、いつも反復して出てくるテーマが「人間性」なのです。
出演しているNHKのニュース番組「NEWS WEB」のネットナヴィゲーターの先輩でもある予防医学研究者の石川善樹さんとお話させて頂いた際もそうでした。彼は「ウェルビーイング(well-being、心身ともに満足できる状態)」や「マインドフルネス(mindfulness、あるがままに、いま・ここの現実に注意できている状態)」、そして「幸福」や「心の望ましい状態」といった人間の心の動き方が、心理学や社会学などの分析的科学によって解明されてきていることを教えてくれました。人間が自らをより深く知り、行動を起こすことを支えるための情報技術という観点からは、特に「マインドフルネス」という概念が興味深く思えます。
人間の現実世界に対する解像度を上げ、生身の人間の気付きや注意が増すように情報技術を使役する。

今日の情報技術の問題のひとつは、目の前の現実世界と乖離させる方向に働いてしまうということです。コミュニケーション、ゲーム、メディア、コマース、広告技術など多様なジャンルの情報技術が存在しますが、すべてに共通する指標がエンゲージメント、つまりユーザーの注意がどれだけ獲得できるかという点です。ぼく自身もコミュニケーションアプリを運営する人間としてご多分に漏れませんが、同じアプリの一ユーザーとしては常に意識されることです。
PCのようにわざわざ対峙して使うツールであれば利用頻度も自然と制限されますが、スマホを常に持ち歩いているなか、さまざまなアプリから流れてくるプッシュ通知やコンテンツについつい注意が向かってしまい、目の前の現実世界との接続をその都度遮断するストレスにさらされます。つまり、「あるがままにいま・ここの世界に注意できている状態」、マインドフルではない状態にされるということです。
この意味で、スマホよりも更に体に近接した情報デヴァイスであるAndroid WareやApple Watchなどのスマートウォッチは非常に興味深い存在です。なぜならば、スマートウォッチを使っていると、腕もとで新着の通知や情報を確認することにとどまって、連動するスマートフォンを取り出して操作する回数と時間が結果的に減るからです。AppleはApple Watchを指して「discreet and nuanced communication」、ひかえめで繊細なコミュニケーションを実現すると表現していますが、確かに微かな振動と共に小さな画面で情報を通知する方法は、いま目の前にある現実世界への注意を遮断するコストが低いといえます。これとは対照的に、目の近くに画面を持ってこさせるスマートフォンの情報提示の方法はかなり直接的だといえるでしょう。
Apple Watchに込められた経営戦略的な思惑は計りかねますが、デジタル情報と人間のより自然な関係、つまり人間が現実世界と遮断しなくてすむ情報環境の提示として見た時、この巷ではあまり評判がよくない控えめなデバイスが、実は静かに、しかしかなりアグレッシブな転換を提示しているように見えてきます。道具は道具である限り、必ず「使い過ぎる」という程度問題がつきまといますが、自らを使い過ぎないように見せるその在り方に情報技術としてのエレガンスを感じるといえば褒めすぎでしょうか。
このような動向は他にも見出せるでしょうし、なにより「マインドフル」になれるかどうかという指標で様々な技術を比較したり、設計する上での指針としたりすることもできるでしょう。いずれもパワフルな計算機の世界観を押し付けることなく、人がより生身の現実にも十分な注意を払い、情報技術と現実環境との適切なバランスを見出せるようになれば、より人が自らだけではなくお互いに対してマインドフルになれる可能性が高まると考えられます。
マインドフルネスとは別の言い方をすれば、「人間の現実世界に対する解像度を上げる」とも表現できるでしょう。その現実世界のなかに自分や他者といった生身の人間があり、その情報的な表現ではなく、「本体」そのものへの気付きや注意が増すように情報技術を使役すること。それが「人間は常に人間を必要とする」というマントラに込めた情報技術イノヴェイションを模索する上でのぼくなりのコンパスなのです。