金曜日, 4月 05, 2013

ロールモデルにして問題児 歌姫リアーナの秘密の告白

Unapologetic Diva Rihanna

ロールモデルにして問題児 歌姫リアーナの秘密の告白





音楽界において数々の偉業を打ちたて、現代を代表する歌姫へと進化したリアーナ。
プライベート でもパパラッチの標的となり、常に世間を騒がす彼女のその挑発的な
態度の裏に隠された本当の姿を探る。


Text: Jay Bulger Photos: Mario Sorrenti
Translation & Edit: Midori Yamagata



リアーナ
1988年2月20日バルバトス生まれ。2005年に「ポン・デ・リプレイ」で全米デビュー。3rdアルバム『グッド・ガール・ゴーン・バッド』の中から シングルカットされた『アンブレラ feat.ジェイ・Z』が、7週連続1位という驚異的な記録を樹立し、不動の地位を確立。2012年11月には、『アンアポロジェティック』をリリース。 世界各国で1位を獲得。


 

挑発的なセックスシンボルと聖女のような表情を併せ持つ歌姫

昨年11月に7枚目となるアルバム『アンアポロジェティック』を出したばかりのリアーナ。16歳のときにデフ・ジャムを率いるジェイ・Zの秘蔵っ子として 音楽シーンに登場して以来、6つのグラミー賞を受賞、デジタル史上最高の売り上げを誇り、YouTubeでは30億に迫る再生数を記録している。男性誌の “セクシー・リスト”では常に上位にランクインし、『バトルシップ』で女優デビューも果たした。

推定年収5400万ドルを稼ぎ出す彼女はもはや「リアーナ・インコーポレイテッド」といえる存在なのだ。24歳にしてドル箱シンガーとなったリアーナは、 しかし、大金よりも音楽性を重視しているのは明らかだ。

「ときどき、私を見ている人の瞳にドルマークが浮かんでいると感じるわ。私はある人たちにとっては商品と札束でしかないのよ。でも鏡で自分自身を見たとき に私の瞳に映るのはアートだけよ。この仕事をやっているのが大金を稼ぐためだとしたら、私が奴隷になるのに甘んじてるってことになるわ」 

 

 

ワイルドで風変わりな素顔をさらす>>>



ディーバやセクシー系ポップ・シンガー、美人ラッパーなどなど。シンガーを型にはめてジャンル分けするのが大好きなメディアは、リアーナをケイティ・ペ リーやレディー・ガガ、ニッキー・ミナージュらと同じクループに分類することが多い。彼女たちが次々に着替える個性的な衣装の陰に素顔を隠しているのと異 なり、リアーナはワイルドで風変わりな素顔をさらす。彼女には危うさを感じさせる気配もあって、それがファンを混沌に巻き込みもする。ステージに立ったリ アーナはプッシーにビートを叩き込み、「クソったれ」「私のアソコをなめなさい」なんて歌詞を口にする。

またツイッターでは26億人のフォロワーに聖書の名言をつぶやいたかと思えば、彼女の太ももに挟んだストリッパーの顔写真をインスタグラムにアップする。 そしてもちろん、ゴシップ誌が絶え間なく書き立てる恋愛やファッション、タトゥーにまつわるスキャンダルの数々。「最近、顔にタトゥーを入れようとしてタ トゥー・アーティストに断固拒否されちゃった」とジョークを飛ばすが、案外本気だったのかもと思わせもする。

物議をかもすのを恐れないリアーナはかつて「“ブラック・マドンナ”になりたい」とコメントしたこともあるが、マドンナのトレードマークのひとつとなって いる性的事柄を隠したがるキリスト教への怒りはない。

「私が生まれ育ったバルバドスのカルチャーではセックスはタブーではないわ。アメリカ人って禁断の果実みたいに思ってるわよね。隠すから逆に子供たちが興 味津々になっちゃうのよ」





パパラッチとファンの反応>>>


 

意識せずとも全身から性的フェロモンを発散するリアーナにとってセックス・シンボル扱いされるのは逆に奇妙なことなのかも。メディアに注目されるのも仕事 のひとつではあるが、いまだにリアーナが慣れないのがパパラッチとファンの反応だ。

例えば彼女がNYのノリータ地区のイタリアン・レストランに行くとする。彼女が愛車から降り立った瞬間、パパラッチが周りを取り囲み、次々とフラッシュが たかれる。そして道行く人々は携帯カメラをオンにする。一瞬にしてカオス状態となった歩道を泰然と歩き続ける姿はまるでネオ・ノワール小説に登場する女暗 殺者のようにクールだ。しかし、レストランのテーブルに座る姿は寄宿学校で学ぶ女子高生のように行儀がいい。まるで複数の人格が共存しているようなつかみ どころのなさこそがまさに、リアーナという女性の本質なのかもしれない。

しかし、音楽に関しては一切の妥協を許さない。自身が求める音楽の方向性を誰よりも把握しているリアーナが信頼するのは、大物プロデューサーのザ・ドリー ムだ。彼女のメガ・ヒット曲「アンブレラ」はじめ、ビヨンセの「シングル・レディース」やマライア・キャリーの「タッチ・マイ・ボディ」などを作った名ソ ングライターでもある。リアーナはそんな彼にも難しい要求を次々とつきつける。

「ポップやラブソングなんかクソよ。私が欲しいのは、希望が感じられて、気分がアガる音楽。陳腐で過剰におセンチな曲はいらないわ。困難な状況に置かれて いる人が勇気づけられて、情熱に火がつくようなサウンドが欲しいの。聞く人の生々しい感情を呼び覚ます本物の音楽を書いてくれなくちゃダメ」

このリクエストに応えたのがクリス・ブラウンとのデュエット曲「ノーバディーズ・ビジネス」だ。DV事件がきっかけで破局したブラウンとリアーナの間には 復縁の噂が絶えず、ブラウンはドレイクと彼女を巡っての乱闘騒ぎも起こしている。公式にはリアーナは「だからってクリスが私の愛する人って証拠にはならな い」と復縁説を頑なに否定する。しかし“俺とお前のことは他人には関係ない”“車のなかでメイクアウトしよう”と意味深な歌詞が続くデュエット曲がすべてを物語っているのである。