Dropboxの新発想メールアプリ Mailbox が行列解消、すぐに利用できます。
「行列のできるアプリ」として話題になった iOS用メールアプリ Mailbox がサーバを増強し、並ばずに利用できるようになりました。同時にバージョンも1.2.0になり、スマートスヌーズやUI改善などの新機能や修正を加えてい ます。
Mailbox はもともとタスク管理アプリ Orchestra To-Do を開発していた Orchestra 社が、タスク管理の発想から開発したメールアプリ。受信ボックスのメール一覧から右にスワイプすることですばやくアーカイブや削除できるだけでなく、左ス ワイプで「今晩」や「今週末」、あるいは特定の日付までメールを先送り(snooze)できる点が最大の特徴です。
スヌーズしたメールはとりあえず目の前から消えるため、あとは受信ボックスに残った「今この瞬間に処理すべきこと」に集中できます。先送りしたメールは 「あとで(later)」ボックスに届く順に保管されるため、これから片付ける用件を並べた予定表のようにも使えます。
Mailbox はこの再送機能や効率的な着信通知のためGmail サーバと iOSクライアントのあいだに独自のサーバを挟む構造になっていますが、前評判から利用希望者が殺到し処理能力を大きく超過してしまい、アプリを導入して 起動しても「現在あなたの前にXX万人が並んでいます。後ろにはXX人です」と表示される「行列人数カウントアプリ」の状態が続いていました。
2月のアプリ公開から一か月ほどで Dropbox に開発元ごと買収された際には、課題として多数の新規ユーザーに応えられるサーバ規模の拡大を課題として挙げていましたが、買収から約一か月で行列なしで 使い始められる普通のアプリになりました。
なお行列解消と同時に公開されたv1.2.0の更新点は:
・賢くなったスヌーズ(「あとで今日中」などを選んだ際、現在の時刻や曜日を考慮して再送時間を調節)
・スワイプの高速化。多数のアイテムを同時にスワイプ可能に。
・UI強化。(name bubble のダブルタップでアドレス表示 etc)
・バグ修正と性能向上
Mailbox は Gmail / iOS 以外のメールプラットフォーム や OSへの対応拡大も目標に掲げており、今後のアップデートでは Android版や ほかのメールプロバイダ対応が期待されます。
Mailboxの設計思想を分かりやすく示す導入画面。新規メールが届く現在(Inbox)を中央に、左が未来(あとで片付けるタスク)、右が過去(すで に片付けたタスク)。
左右へのスワイプは通常のスワイプ(半スワイプ)と、端から端までしっかりスワイプするフルスワイプが区別されており、アーカイブと削除などをスワイプ距 離で振り分けられます。
受信ボックスのメールに目を通す、返信する、今ではないと判断して先送りするなどに応じて左右にスワイプすることで、メールすなわちタスクが左から右に片 付いていきます。中央からひとつ右がアーカイブ(「いつか参照するかもしれないけど過去」)、右端が削除。
未来側のひとつ左は「あとで」。左端は特定の時刻ではなく、「あとで買う」「あとで読む」のように目的ごとに分類する「リスト振り分け」になっています。 リストは任意に設定でき、ほかのメーククライアントやGmailではラベル付きで区別されます。
そのほかの小ネタはタップ&ホールドで受信ボックス内のメールも上下に動かして優先順位を付けられる、リストの一番下までゆくと「ぜんぶ」を一気にアーカ イブしたり明日に先送りできるなど。
最初のチュートリアルで提案されるように、すぐ処理する必要があるもの以外はインボックスに置かず、勇気を出して一気にアーカイブしてしまうことが効率よ く使うコツです。既読をすべてアーカイブやスター付き以外をアーカイブなどのオプションも選べます。
アーカイブしたメールも、トップの3つのメールボックスから「アーカイブ(チェックマークアイコン)」を選べばいつでも一覧と検索が可能です。