Oculus、VRヘッドセットの最新開発版 Crescent Bay を公開。高解像度で軽量化、ヘッドホン追加
最新版開発者キット DK2 の出荷からわずか2か月、Oculus VR が没入型バーチャルリアリティ・ヘッドセット Oculus Rift の最新プロトタイプ『Crescent Bay』を公開しました。
これかっこいい
クレセントベイ(開発コードネーム)はDK2比で解像度の向上や360度ヘッドトラッキング、トラッキング半径拡大のほか、本体の大幅な軽量化と小型化、装着方法の簡易化が図られました。またソフトウェア面での強化点である3D音響のリファレンス用として、取り外し可能なヘッドホンを追加しています。
クレセントベイ(開発コードネーム)はDK2比で解像度の向上や360度ヘッドトラッキング、トラッキング半径拡大のほか、本体の大幅な軽量化と小型化、装着方法の簡易化が図られました。またソフトウェア面での強化点である3D音響のリファレンス用として、取り外し可能なヘッドホンを追加しています。
Oculus Rift は二代目開発キットのDK2から、正確にいえばそのベースとなった試作機 Crystal Coveから、外部のカメラを使いプレーヤーの頭部の位置を認識するヘッドトラッキング機能を備えています。外装に点在する謎の白いドットはその画像認識のため。
Crescent Bayでは後頭部にもトラッキング用のマーカーを備えて360度のトラッキングが可能になったほか、外部のカメラも内製してトラッキング精度と範囲を向上させました。
方向や角度だけをトラッキングするデバイスでは、たとえばコックピットから上下左右を見渡すようなアプリケーションでは座っている間は破綻しませんが、プレーヤー自身が歩いたり動きまわるとコックピットもついてくることになります。
Crescent Bayでは約1.5m四方の範囲内でプレーヤーの(あるいはRiftの)位置を認識できるため、振り返ったりしゃがんだり、仮想空間の物体の周りをぐるっと回って観察するといったことが可能になります。
なにやら物議を醸しそうなヘッドホンの追加については、ソフトウェア側で立体音響のRealSpace3Dのライセンスを受けてOculusの開発環境に取り込んだため、開発者がサウンド設計を確認するためのリファレンスという位置付け。
Oculusのスタッフには、Crescent Bayのアナウンス直後から「そんな間に合わせのヘッドホンより俺の[機種名]のほうが絶対に良い、余計なことすんな」との苦情が大量に届いていますが、開発者側は:
・Crescent Bayはあくまで開発用のしかもプロトタイプであり、リファレンスとなる標準のヘッドホンは必要。
・市販のヘッドホンは高級品でも音楽にフォーカスして設計されているため、バーチャルリアリティ環境の3D音響向けにはまた別のチューンが必要になる。
・付属のヘッドホンは間に合わせでもそこそこでもなく、高品質。Oculus社内にはオーディオマニアが大勢いる。
・取り外し可能なオプション。
と淡々と回答しています。余談ながら、ソニーのHMZシリーズはバーチャルリアリティゲーム用ではなく仮想ホームシアター系の製品(「パーソナル3Dビューア」)にも拘わらず、初期モデルでは「それなり」のヘッドホン直付け仕様がファンの不興を買っていたのは懐かしいところです。
Crescent Bay相当の機能が機能が組み込まれた開発キット(DK3?)がいつ登場するのか、詳細な仕様や価格などはまだ不明。出たばかりのDK2よりもさらに大きく進歩したクレセントベイですが、Oculusはこれでも最終的な製品版には程遠いと表現しています。いつになったら家庭で広視野没入VRゲームが楽しめるのか待ち遠しいところですが、恒例の「製品版はもっと上」アピールには悔しいながらも期待せざるを得ません。