日本の「イイ女」とイギリスの「イイ女」の違いとは?
おにぎり2万個を握った女子マネージャーのニュースの炎上事件を通して、日本人の「女性観」を考えてきました。今回は、日本人が考える「イイ女」とイギリス人が考える「イイ女」を比較しながらひもといていきます。日本の「勝ち組男」は「おにぎり2万個の女」を好きになる傾向がありますが、このような男性がイギリスにやってくると「イイ女がいない」と口を揃えて言うそうです。その理由とは?
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イギリスにおける「イイ女」とは?
日本ではオニギリニマンコの女がイイ女です。単純でバカだけれども、学歴があり、安定した会社に勤めていて、スポーツも得意な男は、自分より何かが優れている女は嫌いです。
嫌いどころか地球から消滅しろと思っている。
好きなのは手作りのオニギリやスイーツを差し出してくれて、ブログはスイーツの写真で満載の子鹿のような女。
Raspberry Pi (※)やホモ雑誌の話を話題にすることはなく、不動産にも市場にも興味のない女。
自分より身長の低い女。他の誰ともつき合ったことがない女です。
※名刺サイズの安価なコンピュータ。これを使うとだれでも簡単にプログラミングができる。
こういう男は、イギリスにやってくると、イイ女がいない、と口を開くたびにいうわけです。
それは当たり前です。ここではイイ女の定義が日本とは違うから。
まず、ここのイイ女は、日本の男達よりもはるかに身長が高い。人によっては170cmを越えている。しかし背が高くても堂々と10センチ以上のハイヒールを履きこなす。
そういうヒールに合わせる服は、体の線を浮き立たせるようなワンピースやタイトスカート。色は真っ赤だったり、真っ青だったり。
男物のブリーフケースを仕立てているブランドで、書類が入る大きさの、かっちりとした作りのビジネスバッグを買い、それを片手に抱えて大股で歩く。
肌はこんがりと焼けていて、化粧は薄め。スポーツは万能ですが、特にテニスが得意です。
夏には職場のクライアントの接待もかねて、競馬に行ったり、ヨットに乗ったりします。
会話にはギリシャ神話やラテン語の引用が時々入り、イギリス人の平均年収の数倍を稼ぐ専門性の高い仕事をしており、自分よりも年下の部下達を指導している。
部下のうち半分以上は外国人です。職場では男に交じって堂々と意見をいい、パブではグラスを片手に先週行った現代美術の展示会の話をしている。
週末は次のマラソン大会に備えて郊外を走ったり、近くの大陸欧州の国で週末だけの休暇を楽しむ。
結婚は二度目だけれども、配偶者は自分と同じ専門の仕事をしており、業界内の会合で知り合った年下で、二人の連れ子がいる。家事は分担しているけども、お互いに多忙なので、家事代行サービスを活用して、余った時間はマラソンやオペラの鑑賞に使う。子供は通いのナニー(ベビーシッター)に面倒をみてもらっている。ナニーはフランス出身です。
手作りスイーツは外注すればいい
職場の男性や配偶者に手作りスイーツを差し入れすることはありません。食品を手作りする様な付加価値の低い作業は外注するのです。
時給換算したら自分の本業の数分の一の価値しかありません。
そもそも料理が得意ではないのですが、配偶者がそれに関して特に何か言うわけではありません。幼稚園の先生はイギリスでは賃金が低いサービス業で、労働条件も悪いので、学生の頃から幼稚園の先生になりたいと言ったことは一度もありません。
周囲の同級生も、学生の頃の専攻を生かした職業について、平均年収の何倍かを稼いでいるのです。
配偶者は、彼女にもっと成功して欲しいと考えています。食事を作ってくれとか、掃除をしてくれという希望はありません。
この女性はアメリカ、フランス、イタリア、スイス、ドイツ、スペインの男性にも人気です。
時々ちょっと悪さをしようかな、という気も起こりますが、今の配偶者に満足しているので、相手とはパブで飲むだけの関係にとどめています。
「イイ女がいない」とボソボソといっている日本の男達は、業界の会合でこういう女性達に上から見下され、現代美術に関する会話にも入れず、家に帰ってオニギリニマンコの記事に「イイネ!」を連打しているのです。