シンガポール国立大学の研究チームが、仏教2流派の4種類の瞑想法について調べたところ、種類の異なる大きな効果があることがわかった。
シンガポール国立大学(NUS)の研究チームが、仏教徒が行う瞑想のうち4種類の瞑想法を調査した。仏教の流派のひとつである金剛乗仏教(密教)の「デイティ(Deity)」と「リグパ(Rigpa)」、および、上座部仏教(いわゆる小乗仏教)の「サマタ」と「ヴィパッサナー」だ。
研究チームは「PLOS ONE」に発表した論文の中で、これまでの研究では主に上座部仏教の瞑想法や、そのリラックスしたり注意力を高めたりする能力に焦点が当てられてきたと指摘している。
共同で論文を執筆したマリア・コジェフニコフとイード・アミハイは、それらの研究で提出された証拠には、経験から得られたものがほとんどないと論じている。そして、ネパールとタイから4種類すべての瞑想法の実践者を招き、瞑想中と瞑想後、さらにその後の認知的作業中の心電図(EKG)と脳波(EEG)を監視した。
その結果、「同じ流派のそれぞれの瞑想法でやることは非常によく似ている」にもかかわらず、2種類の異なる瞑想法のEEGの結果はまったく異なるものであることがわかった。
上座部仏教の瞑想法は、確かにリラックスに効果があることが示された。瞑想中の被験者の副交感神経活動が活発になったことが検出されたからだ。副交感神経系は休息や回復に関係している。
一方、金剛乗仏教の瞑想法では、瞑想中も瞑想後も、リラックス効果はほとんどなかった。その代わりに、覚醒や「闘争・逃走反応」に関係する交感神経系が活発になった。
もうひとつの研究では、被験者に対し、20分間の瞑想の前後に、コンピューターを使った2種類の視覚処理作業を行うよう求めた。その結果、「金剛乗仏教方式の瞑想法にのみ、瞑想後の認知的作業の能力が即座に劇的に向上した」と論文には述べられている。
研究チームでは今後の研究で、血液サンプルの採取を開始して、瞑想行為によって副交感神経系と交感神経系がどのくらい活発になるのかを突き止めたり、あるいは、長く瞑想を続けることによって、永続的な効果が得られるかなどについて突き止めたいとしている。
WIRED NEWS (UK)
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