『鉄コン筋クリート』スタッフインタビュー(4) 安藤裕章(演出) |
『鉄コン筋クリート』スタッフインタビュー第4弾に登場していただくのは、演出の安藤裕章。『MEMORIES』『STEAM BOY』などでCGI監督として活躍してきたが、『鉄コン』では演出として初めて劇場長編に参加。膨大な素材を見事にとりまとめ、魅力的な映像に構築していった今回の仕事について、お話をうかがった。 安藤裕章 Hiroaki Ando STUDIO4℃の主要作品を多く手がけるCGディレクター、演出家。劇場作品『MEMORIES』のCGスタッフとして業界入りし、同作でCGI監督デビュー。続いてケン・イシイのPV『EXTRA』のCGI監督も担当。短編『音響生命体ノイズマン』や、GLAYのPV『サバイバル』などでスペシャルカットを手がけ、近年では大作『STEAM BOY』のCGI監督を務めた。また、2001年には短編『チキン保険に加入ください』を皮切りに演出家としても活動開始。TV『魔法少女隊ア・ル・ス』の各話演出で経験を積んだ後、『鉄コン筋クリート』に参加。全1537カットに及ぶ各カットごとのレイアウトの設計、アクションタイミング、ダイアローグシート確認、撮影演出を司り、各セクションの重要な橋渡し役として活躍。イメージシーンの絵コンテも手がけた。有限会社ビーン・ジャムの代表取締役。 |
●2006年12月8日 取材場所/STUDIO4℃ 取材/小黒祐一郎 構成/岡本敦史 |
―― 『鉄コン筋クリート』に参加されたのは、いつ頃の事になるんですか? 安藤 2004年の秋頃ですね。それより前から『鉄コン』のプロジェクトは動いていたのですが、完成に向けて巻きを入れるにあたって、演出という役職を入れなきゃいけない段階だったんだと思います。作品規模によっては監督と作監がいるだけでも成り立つんだけど、今回ほどの内容になると助監督的な役割の人間がいないと、どうしても効率よく回っていかない。そんなところで、スタッフ増強の1人として声がかかって、参加したというかたちです。 最初に呼ばれた時は、CGIディレクターのサポートをするようなかたちで(現場に)入る事をイメージしていたんです。だけど、実際は坂本(拓馬)君が凄く頑張ってくれて、CGIディレクターの仕事を完遂してくれたので、その分普通のレイアウトや原画のチェック、各素材のチェックなどのカット処理の部分に注力できました。 ―― 2004年の秋以前の段階では参加していなかったんですね。 安藤 ええ。ずっと(企画が)動いていたのは知ってたし、作品自体も凄く好きだったんですけど、まさか自分に声がかかるとは思ってなかった。だから凄くラッキーだな、と思いました。そして声をかけられた時に見せてもらったイメージボードに、とてもショックを受けたんです。宝町のビルの上にクロが座っているイメージボードだったのですが、まず画としてとても魅力的だった。西見(祥示郎)さんの画が、いわゆるセル調ではなくイラスト的と言っていいのか、凄く魅力的に描かれていて。木村(真二)さんの背景も、かなり遊びを入れた「おもちゃ箱をひっくり返したような」世界観で町を作られていて、こりゃ凄いわ! と大変なインパクトを受けたんです。 商業アニメの絵は、どうしても量産的な都合に合わせて整えなければいけないところがあるとは思うのですが、本当は作品のスタイルに合わせて色んな画があっていいですよね。それこそ絵本調のものがあったり。日本のアニメってマンガ文化がベースになっている事が多いと思うのですが、マンガだと作品ごとに絵柄が違うなんて至極当たり前の世界なのに、アニメではどうしても少し制約が出てしまう。しかし、そういう事を度外視して好きな絵柄で作っちゃおうよ、というのがそのボードからは感じられたんです。それが自分の望んでいる方向とピッタリ一緒だったので、「いいんスか、自分で? 喜んで入りますよ」という感じでした(笑)。 ―― 参加した時、作業はどのくらい進んでたんですか? 安藤 まだコンテが全然完成していない頃ですね。コンテの叩き台や先行して描かれた部分はあったんですが、ちょっと制作の動きとしては停滞していたのかな? とにかく、コンテとしてはまだひとつも完成パートを出してない状況でした。 その時点で、自分と作監の久保(まさひこ)さんが入って、あとは少し時期を置いて作監の浦谷(千恵)さんが入ってきました。それから、マイクさん(マイケル・アリアス監督)の指揮の下、西見さん、久保さん、浦谷さん、自分の4人で絵コンテ作業を本格的に始めました。 ―― 参加当初は、絵コンテの作業が中心? 安藤 そうですね。 ―― どんなかたちで進められたんでしょうか。 安藤 4人分業で、並行して絵コンテを描いていくかたちを採りました。町の中で平行してストーリーが進むような構成になっていたので、シーンごとに担当者を分けて、そのエピソードを、それぞれのテイストで描いていきました。「頭から順番に」と言うよりは、エピソードごとに区切って完成させていって、ある程度集まったところで、マイクさんと自分で編集をしてパートを完成させる、という感じだったんですよ。 ―― 分担の仕方は「アクションシーンはこの人」とか、そういう感じですか。 安藤 そうです。例えば、アクションシーンなら久保さん、シロのシーンは浦谷さん、とか。それぞれの方の得意分野を活かすかたちで、担当していただいています。
―― 大勢で描いているわりには、不思議とトーンが統一されてますよね。書く前に何か提示されたものがあった? 安藤 監督の方から、結構具体的なイメージの提示がありました。監督自身が描いた絵コンテも、その前の段階にベースとしてあるんです。 ―― さっき言っていた「叩き台」みたいなものですか。監督はあまり画がお上手でない、と聞いているんですけど、ラフな画で通して描かれたものがあったんですね。 安藤 ええ、ありました。実際にそれを見せながら「こうしてくれ」と言われて作業したわけではないのですが、監督の中でイメージがビジュアルとして結構はっきりしていたので、それであまりブレなかったんじゃないかな、と思います。 ―― コンテを作っていく上で、その前に木村真二さんが描かれていたという美術ボードの存在は、相当大きかったですか? 安藤 大きいです。コンテ作業の時点で、設定はかなり起こされていて、短冊で描かれていたイメージボードも、すでにでき上がっていました。あと、西見さんが先行して描かれていた絵コンテやイメージスケッチで、統一感が出るように引っ張ってくれたというのもあると思います。 ―― コンテ以降のご自身のお仕事としては、どうでしたか。 安藤 コンテの後、作打ち以降は一気にルーチン的な現場作業になっちゃいますね。と、言ってしまっては説明が途切れてしまうのですが、自分がスタッフィングされた役割を考えるに、従来の工程の部分とデジタルの部分をそつなく結びつける事を意識しつつ、カットの取り回しをしました。それぐらいしか取り柄がないので。 ―― この作品ならではの新しい演出的な試みなどはあったんですか? 安藤 ……この作品だけじゃなくて、デジタル化された後のアニメーション全般に言える事だと思うのですが、ちょっと変わったところを映像として狙っていこうとすると、今までの慣例的な段取りでは賄えなくなって、作り方を新たに考え直さなきゃいけない。素材の用意の仕方とか、作画の仕方とかも、一から。 ―― 普通のアニメーションみたいな段取りで、単に描いて背景を載せていけばいい、というわけではない? 安藤 はい。場当たりで進めて各部署から上がってきたものを集めたところで、「やっぱり狙ったとおりにできませんでした」では済まされないものですから。作打ちの段階から具体的に狙う画を目指して、素材を押し込んでおかなきゃいけない。では、変わった事をやっていくために、事前にどういう事をしておかなきゃいけないのか。 ―― 仕込みですね。 安藤 そうです。レイアウト段階で手法を決めてカットを設計し、それぞれ作業を分担する方に説明しておかなければいけないのですが、自分はその部分のテクニカルな段取りの牽引役を担いました。 ―― なるほど。 安藤 自分はアニメーションがデジタル化されていくその過渡期に、CGディレクターとして関与できたので、その辺りの牽引役なら多少は得意としていて。その部分ではちょっとは力添えをできたのではないか、という感じです。 ―― 今回の映画の設計理念なんですが、基本は手描きの2D素材をベースに使いながら、要所要所に3Dを入れていく、というスタイルなんでしょうか。全然違う作りのところもありますよね。 安藤 基本的に、伝統的な手描きのレイアウトベースの設計をしています。画面ではカメラを3D空間内で動かしたり、2Dでも手ブレを加えて疑似3次元的に動かしたりと、かなり自在にやっているのですが。それでも、多くは2次元的なレイアウトに落とし込んでいます。フル3Dで動くようなカットに関しても、描きの素材と連携する部分は、素材作成のために部分的に2次元的なレイアウトを作成しています。 ―― 手で描いたり、プリントアウトしたり。 安藤 そうですね。ラフで3Dからのワイヤーフレームをプリントアウトして貰った上に、ディテールをその上から手描きで描き込んで、素材発注の原図を作ったりとか。全部とは言えないですけど、必ず2次元的なレイアウトは関与させているところがある。それは、ずっと自分がやってきた方法論でもあるんです。その方が、映像の文法的に手描きの画との馴染みが出る映像ができるだろう、という。 ―― 今回、アニメーションとして目指した質感を言葉にすると、どんな感じなんですか。例えば手作り感とか、スタイリッシュとか。 安藤 うーん……やっぱり「絵としての魅力が最大限出るような画面作り」ですね。一方で、カメラワークとしては実写寄りのところを狙ってつけているつもりです。 ―― それは、例えば手持ちカメラ映像だったり。 安藤 はい。実写的なカメラワークに関しては、監督の希望が強かったですね。 ―― 画の印象で言うと、凄く緻密で質感のある背景と、わりとフラットなキャラクターが同居していますよね。それは参加した段階で、そのかたちになってたんですか? 安藤 そこは参加した段階でかたちになっていたものです。そのバランス自体、自分がインパクトを受けたところなんですけどね。「こりゃイイや!」と思って。 ―― キャラクターと背景の馴染み方にもそんなに違和感がないですよね。稀にあるじゃないですか。「なんで背景はこんなにリアルなのに、キャラはこんなにぺったんこなの?」みたいな(笑)。そうはなってない。 安藤 背景も決してリアルというか緻密一辺倒ではなくて、たくさん遊びが入っている。キャラクターも、描画としては凄くシンプルなんだけど、色遣いに美術と同じような遊びを入れてある。あと、西見さんの絵が一見シンプルでありながら、描画するフォルムや、簡潔にまとめられたディテールの中に、凄くリアルな部分があるんですね。ちょっとしたアゴの下の線とか、整理された線の中に、生身の肉体からくるリアルさをポンと感じる部分があるんです。そこら辺のマッチングの仕方は、西見さんの画の巧さが活きたのかな、と思います。 ―― 原画のチェックは、どういう感じで進められたんですか? 安藤 ええと、普通に(笑)。 ―― 普通は、演出と作監と監督が見ますよね。 安藤 みんなで見てますよ。レイアウトにしても原画にしても、監督、演出、作監の順でチェックしていきます。まずレイアウトの時点で、監督からそのカットの目的や押さえたいポイント等の指示を言葉として書き入れられます。それを自分のところで分業用に、画で指示を起こしたりリライトしたりして担当の方達に流す、という感じでした。 ―― マイク監督は、タイムシートは読めるんですかね。 安藤 うーん、どのぐらい見てたのか分からない(笑)。 ―― 安藤さんはどうなんですか? 安藤 自分は、原画チェックの段階では、タイムシートはタイミングの部分と撮影に絡むテクニカルな部分とふたつを見る事になります。タイミングに関して「ここは監督の意見も確認しておきたい」というところは、クイックチェッカーに入力して一緒に見てもらいました。制作の後半では、自身や作監のタイミングチェックの効率を上げるために、制作に手伝ってもらってクイックチェッカーへの入力を多用してしまいましたが……。またここでのチェックの後に、動画、仕上と撮影の前まで工程が進んでしまうので、この段階で素材、カットプランの不備がないかの確認と、撮影指示を入れる事になります。従来の撮出作業を実物なしでしているようなものです。きちんと見てると結構時間がかかる……。制作中、未チェックのカット袋の山が一向に減らなかった事の言い訳ですが。 ―― 大平晋也さんが原画を描かれたという、水彩画っぽい絵が動くところがあるじゃないですか。その辺りのちょっと特殊な映像のシーンについて、お話をうかがえますか。 安藤 シロのイメージの世界を描いた部分ですよね。このシーンに関しては、実はかなり大平さんにお任せです(笑)。相当、自由なイメージで膨らませていただける事が期待できる方だったので、もう「お任せします!」という感じでしたね。原画は画面で見たとおりの着彩されたかたちで描かれています。 ―― 他のシーンでは何かありますか? 安藤 いちばん大きなところは、やっぱりイタチのイメージシーン。このシーンだけは、CGのイメージ優先のカット作りになりました。他のところは普通のアニメーションの作り方で、レイアウト方式で作っているんですが、このシーンのみ美術はテクスチャー的な素材提供で、CGによって背景を作り込んでいます。自分はこのシーンの作業にはあまり関与する事はなくて、マイクさんが直接作り込んでいったような感じですね。だからあのシーンは、マイクさんのイメージ大爆発! というところです。 ―― 映画の中でもいちばん完成が遅れた部分らしいですね。 安藤 そうです。そこをしくじったらもう話が成立しなくなってしまうところですから。最後の最後まで引っ張って「どうしようか」と。最後には、作画の部分は作監の久保さんにお任せするかたちで、どうにか完成まで漕ぎ着けた。本当に間に合ってよかった……というところですね。 ―― 今回の作品で使っているCGの技術に関してなんですが、新しいものに挑戦すると言うよりは、今までやってきた事の集大成のように見えますね。 安藤 うん、そんなに奇をてらった技術を使ったという意識は、自分にも、マイクさんにも多分ないと思うんです。元々2人とも、セルアニメーションの映像の文法の中にCGを活用したいと思って仕事をしてきたので。一緒に仕事をしていて、CGをどう使うかという考え方で、違和感を感じる事はなかった。不思議と目指すものが一緒なんです。まあ狙っているところが一緒だから、同じプロジェクトに加わっている、というのはあるかもしれない。やっぱり動機としてあったのは「アニメーションを作りたい」という気持ちが第一ですから。おのずと集大成的なものになるのかな、と。 ―― 今回、全体の仕事量の中で特に突出しているのはどの辺りでしょうか。 安藤 どこかを突出させる事は自然としないですね。全部がバランスよく突出しているかな……。毎度の事なんですが、CGにしても「やめて~!」って言うほどたくさん使ってはいるんですけど(笑)、あまり画の中でそれがクドく主張する事はないように、コントロールしています。 ―― 相当長い移動ショットでも、「凄いCGでしょう!」みたいな感じにはなっていませんよね。あくまでも普通に見せていて。 安藤 作ってる方としては、できるだけ自然に見せたいという意識があります。実写的なカメラワークにしても「アニメに普通にこういう感じが入ってもいいんじゃないかな?」という風に考えています。バックグラウンドになっている映像文化がアニメだけじゃなくて、映画も合わせて全部あるから、自然とカメラもああなったかと思います。原作自体が凄く映画的だという事もあるかな。 ―― 振り返ってみて、活躍が目覚ましかったスタッフはいらっしゃいますか? もちろんメインは監督と木村さん、西見さん……。 安藤 作監の浦谷さん、久保さん。あとCGの坂本君と、色彩設計の(伊東)美由樹さんですか。みんな精魂を注ぎ込んでくれたと思います。動検の梶谷(睦子)さんもフラフラになりながら、動画のクオリティを管理してくれてたり。1本の劇場作品を作っていく中では、みんな一様に苦労しているところはありますよね。だから目覚ましくやってくれた人、って順番に挙げていくとキリがないんです。本当はそこについても語りたいんですが……。 メインスタッフだけじゃなく、作画で参加してくれた人達にも精魂を注ぎ込んでくれた人が多かったです。その中には原作ファンの方も多く、「ぜひともクロをやらせてほしいんです!」とか(笑)、そんなリクエストと共に参加してくれる人もいたりして、その辺は原作に凄く助けられたと思います。 ―― ご自身のお仕事としては、どうだったと思いますか? 安藤 絵コンテが上がってからは、制作工程の段取りを追っかけていく基本の作業だけで、自分はてんてこ舞いでしたね。参加してから終わるまで、一様にハードワークが続いたような……。みんなが頑張っている分だけ、自分も普通の段取りだけでは済まさず、1カット1カットに過度に力を入れてしまった、という思いはあります(笑)。 ―― 作画インから完成までは、約1年半ぐらい? 安藤 作画インが2005年の頭ぐらいで、2006年の9月いっぱいかけて完成なので、2年弱ですかね。やっぱり最初の方はのんびりしちゃったので、2006年はちょっとつらかったです。「もう少し時間があれば、もっと手を加える事ができたのに」とも思いつつ、本当にもう少し時間があったら、みんな倒れていた気もします(笑)。 ―― でも、到底2年弱で作った映画とは思えないですよ。 安藤 もっと短期間で凄い作品を作る会社もあるし、自分が前回参加していた『STEAM BOY』は異常に長かったりとか(笑)。なんとも言えないですけどね。でもまあ、『鉄コン』は期間としてはちょうどよい長さだったかな、と思います。 ―― チームワークのよさが見える作品でしたね。カリスマ主導のパワフルさではなくて、全編にパワーバランスが行き渡っていて、きっちり作られている。STUDIO4℃作品としては、そこが新鮮でした。 安藤 かなりハイペースで仕事をしていたから、みんなで頻繁に飲みに行くとかいった感じではなかったんですけど、作品を作っていくという目的の上では、凄く仲がいいチームでしたね。そこには監督の性格も多分に反映されているのかな、と思います。 ―― どんな性格なんですか? 安藤 すっごく人がいいですね。 ―― ああー(笑)。 安藤 で、スタッフの「こういうのをやりたい!」っていう意見を上手く取り入れてくれる。参加した人もみんなクソ真面目で、どんどんアイディアをカットに盛り込んでくる。だからカットチェックで順番にカットが回っていく中で、「ここまで描きやがって! それじゃこっちもやってやるぞ」って、作業の過程でせめぎ合っていくところが多々あった。西見さんや木村さんなんて凄く負けず嫌いだから……例えば、美術で言えば入ってくる原図をそのままで済ます事はありえない、必ず凄いものにして返してくる、みたいなせめぎ合いです。それと、作っていくイメージについてのディスカッションは、しょっちゅうで、そんな話し合いの上でカットの内容が変わる事もありでした。劇場作品を作るのって、そんな感じですよね。 ―― 長編の演出は、今回が初めてなんですよね。 安藤 はい。 ―― 今後はどちらの方向に? 確か最初に監督された『チキン保険に加入ください』の時には、「こういうものをもっと作りたい」みたいな事をおっしゃっていましたよね。 安藤 自分の中では方向的には『鉄コン』と一緒なんですよ。絵的なところにこだわってアニメーションを動かしたい。手法としては3Dの方からやってもいいし、手描きのアニメーションでも全然いい。今回は普通に2Dアニメの劇場演出を1本やってく中で、さんざん鉛筆を使って手を動かさせてもらったんだけど、やっぱり手で描くのは凄く楽しいなあ、と思いました(笑)。3Dであっても2Dであっても、自分としてはどちらでも問わないですね。 ―― では、次のご予定などは。 安藤 次、どう動くかというのは……『鉄コン』に根を詰めすぎてしまって、まだ次の充電を始められていない、というのが正直なところです(笑)。 ―― なるほど。ありがとうございました。 ●関連サイト 『鉄コン筋クリート』公式サイト http://tekkon.net/ STUDIO4℃ 公式サイト http://www.studio4c.co.jp/ |
関連記事
いまさら「鉄コン筋クリート」