木曜日, 4月 24, 2014

ロケットがまっすぐ降りてくる!? スペースXの実験成功

ロケットがまっすぐ降りてくる!? スペースXの実験成功

ファルコン9、第1段着水試験にみる“したたかさ”

2013年9月29日のファルコン9の6号機(v1.1初号機)打ち上げでは、分離後の第1段の姿勢をスラスター噴射で制御する実験を行っている。今回は、第1段に着陸脚を装着し、姿勢を制御して垂直にゆっくり降りてくるところまでを試したわけだ。



グラスホッパーによる垂直離着陸試験の様子(動画:SpaceX)

スペースXは、非常に秘密が多い企業で、ファルコン9の再利用化についても不明点が多い。その一つに「重い着陸脚を装着すれば、ファルコン9の打ち上げ能力が低下するのではないか」という疑問があったが、今年4月に同社がルクセンブルグの衛星通信会社SESの通信衛星「SES-9」「同10」の打ち上げ契約を獲得した際に、“からくり”が明らかになった。
 
ファルコン9v1.1の公称打ち上げ能力は、静止トランスファー軌道に4.85トンだが、SES-9/10は共に5.3トンもある大型衛星だったのである。これに対してスペースX社は、ファルコン9v1.1には、同社が実験のために使う余剰打ち上げ能力があり、SES-9/10も打ち上げ可能であると説明した。つまり、ファルコン9v1.1は、最初から再回収実験のための着陸脚などを装備する前提で開発されており、そのために打ち上げ能力は低い値を公表していたのだった。

するりと認めさせた、商業打ち上げと技術開発の“同居”

先に触れたとおり、商業打ち上げ市場では、実験ペイロードと衛星の相乗りは強く忌避される。相乗りは打ち上げの成功確率を低下されるものだと認識されているからだ。余剰打ち上げ能力を生かした超小型衛星の同時打ち上げも、安全面で厳しい審査を行い、やっと実施しているという状態だ。

ところがスペースXは、実験を実施するのが、心理的抵抗感が少ない分離後の第1段であるということを利用して、着陸実験のためのペイロードと商業衛星打ち上げの相乗りを実現した。打ち上げコストは、顧客からの打ち上げ料金で賄われるので、スペースXとしては、事実上ただで実際の打ち上げによる技術開発を進めることが可能になった。

製品の完成度を上げるための開発コストを、顧客に負担させるというのは、ソフトウエア業界ではよく見る光景だ。バグが残っている状態で見切り発車でソフトを発売し、ユーザーからのバグレポートに基づいてデバッグを進め、新バージョンを配布する。が、商業打ち上げと技術開発の相乗りで、低コストかつ効率的に技術開発を進めるというのは、商業打ち上げ市場ではスペースXが初めてである。

スペースXのビジネス展開には、多分にネット・ベンチャー的な手法が散見されるが、これもその一つと言えるだろう。

スペースXの、ファルコン9再利用化には、他にも様々な疑問点がある。
分離後の第1段は、すでにかなり水平方向速度を獲得している。それを射点近くまで戻す(フライバック)には、相応の推進剤を必要とする。それによる打ち上げ能力低下と、再利用によるコスト低下は見合うものなのかどうか。あるいは、戻さずに遠隔地に着陸させるフライフォワード方式を採るなら、射点に第1段を戻すための輸送コストがかかる。これが再利用によるコスト低下に見合うものなのかどうか、などだ。

「H-IIAの約半額」が実現?

が、今回の着水実験により、スペースXがかなり緻密なビジネスモデルを組んで、それを着々と実施しつつあることが明らかになった。第1段再利用によって、本当に打ち上げコストが大幅に削減できれば、その影響は宇宙開発全般に及ぶ。日本が今年度から開発しようとしている新型基幹ロケットは、H-IIAの約半額というコストダウンを目指している。

しかし、2020年予定の新型基幹ロケット運用開始までに、スペースXが再利用による劇的な打ち上げコスト低下を達成してしまえば、開発途中での構想の抜本的再考を迫られることになるかも知れない。

月曜日, 4月 21, 2014

「はちま起稿」清水鉄平|INTERVIEW



 

 

「辛くない時期はなかった」 

月間1億2000万PVで得たもの/失ったもの

 清水鉄平「はちま起稿」に狂わされた人生

 

 

 

月間1億2000万ページビューを稼ぐ怪物サイト「はちま起稿」。その元管理人・清水鉄平とはどういう人物なのか。書籍発売を記念して、清水氏にインタビューを行った。

 

「はちま起稿」元管理人・清水鉄平氏。
2007年、高校在学中に「はちま起稿」を立ち上げ、
月間1億2000万PVの大手サイトにまで育て上げた

 

「いつだって辛くない時期はなかった。僕幸せになっちゃダメですよね」

「はちま起稿」元管理人の口から、こんなネガティブな言葉が出てくるとは思っていなかった。月間1億2000万ページビュー(PV)を越え、今がまさに絶頂期とも言える「はちま起稿」。しかし目の前にいる“元”管理人は、サイトの隆盛とは裏腹に「僕は幸せになってはいけない人間」と下を向く。

「上には上がいるし、自分がすごいって気にもならない。僕にないものをみんなが持っているからなのかな。現状に満足ができないし、しちゃいけないと思っていて、どこまで行っても満たされたと思ったことがない」

第一印象を正直に述べるなら「ネガティブ・暗い」。自分でも「文章は書けるけど他人と会話するのが苦手なコミュ障」と書いている。とにかく自分の言葉でしゃべるのが苦手なようで、なんとか口を開いても途中でどんどん小声になっていき、最後はモゴモゴと口ごもってしまう。攻撃的な「はちま起稿」とは正反対の人物像に面食らった。



2月18日、場所はSBクリエイティブ。
以前告知したとおり、書籍「はちま起稿 月間1億2000万回読まれるまとめブロガーの素顔とノウハウ」の発売を記念して、元管理人・清水鉄平氏にお話をうかがった。




びっくりするくらい口ベタだった清水氏。
インタビュー前にちょうどAmazon用の動画撮影も
一緒に行われていたのだが、セリフが言えず
何度もリテイクを食らっていた


 

炎上、引退、そして復帰―― 現在の「はちま起稿」と清水鉄平



日々ネットに接していて「はちま起稿」の名前を知らない人はいないだろう。
1日に更新する記事は約50本、月間ページビュー(PV)は1億2000万。
日本でも指折りの個人ニュースサイト(現在はチームで運営)の1つと言っていい。

一方で、その周囲には常に批判の声がつきまとう。ステマ疑惑、著作権侵害、誤報、露骨な対立煽り……。

管理人自身も顔バレ、氏名・住所の流出といった“炎上”を経験し、追い打ちをかけるように2ちゃんねるからは名指しで「転載禁止」を言い渡された。一度貼られた「悪者」のレッテルは今も消えず、ネット上では「はちま」と聞くだけで眉をひそめる人も多い。 



「アンチは平気。無関心の方が怖い」と言う一方で、いまだに誤解にもとづく批判が多いのはつらいという。「ネットで書いてもどうせ嘘だろって言われる。だからここ(書籍)では本当のことを書こうと思った」



「はちま起稿」トップページ


炎上で一番こたえたのは、周囲の人間にまで火の粉がふりかかってしまったことだった。「ステマ疑惑」が持ち上がり、過去に絡みのあったゲーム業界関係者まで疑惑の目を向けられるようになった。「ネットではステマがまるで事実だったように書かれてるけど、やってないことに対する証明はできない」。

本を書こうと思った一番の理由は、ステマについての疑惑を晴らしたかったからだという。

なお炎上した際、清水氏はいったんサイト運営から手を引き、「今後一切の報酬も受け取らない」と宣言していたが、現在はこれを撤回し、アドバイザーとしてふたたび運営に関わるようになっている。

記事は原則書かず(書く場合は「鉄P」と明記)、広告販売や記事内容、苦情対応といった運営全般に対するアドバイスが主な役割。

額は明かさなかったが「最低限の報酬」ももらっているという(本によると「欲しいゲームやBlu-Rayディスク、おもちゃを買うのに苦労しないくらい」)。


復帰を決めたのは2ちゃんねるから「転載禁止」を言い渡された少し後だった。それまで記事の中心だった「2ちゃんねるまとめ」ができなくなり、一時的にアクセスもがくっと落ち込んだ。

「僕が生きた証だからつぶさせたくなかった。

大学に行かず、青春のすべてがはちま起稿に詰まっている。これがなくなったら自分は今まで何をしてたんだってことになっちゃう」

以降は「ゲーム中心の2ちゃんねるまとめサイト」から「総合ニュースサイト」へとかじを切り、アクセス数も回復、現在に至っている。Twitter上でインタビューを申し込んだ際、はちま起稿の公式アカウント(@htmk73)でやりとりしていたのも清水氏本人とのことだった。





 

 

サイトは4~5人の「チーム」で運営 金銭面については「話したくない」

現在の更新メンバーは「片手で数えられるほど」で、この数人でローテーションを組んで24時間、1日約50本の記事を投稿している。当初は清水氏1人で運営していたが、たった1人で1日18時間、ひたすらサイトを更新し続ける体制に限界を感じ、2011年9月から現在のような複数記者体制になった。



具体的な組織体制などについても「チーム制です」と答えるのみで、
それ以上は明かしてもらえなかった。書籍内にも詳しい記述はないので、
そのあたりに期待して読むとガッカリするかもしれない



「編集部」のようなものはなく、記者はそれぞれ自宅から作業しており、やりとりはSkypeチャットを通じて行う。最初は知人のゲームライターに信頼できる人を紹介してもらった。中には2回しか会ったことがない人、年齢も分からない人もいるという。

サイトの収入は
「1:純広告」
「2:アドネットワーク(バナー広告)」
「3:アフィリエイト」
の3つが柱だが、金額などの詳細については「話したくない」と口を閉ざす。本の中でもこのあたりの話題はうまくぼかされてしまっている。

「アフィブログってだけで嫌悪する人は、僕らが1円でも儲けていれば面白くない。
他のブログが(金額を)出していない中でうちだけ出しても、ねたみや疑いの感情しか生まず、叩かれる材料を増やすことにしかならない」

チーム制にしたことで、サイト運営に対する意識も少し変わった。

「記者たちを巻き込んだのは自分だから、彼らを路頭に迷わせるわけにはいかない。背負うものが増えた分、後がないという思いが強くなった。今はトラブルが起きないよう、昔よりも健全なサイトにしようと努力している」



 

なぜはちま起稿は叩かれるのか



今回、インタビューにあたり清水氏への質問をTwitterで募集したが、まあ一言で言って、こちらの胃が痛くなるほどの「罵詈雑言の嵐」だった。
結果はTogetterにまとめてあるので、勇気のある人は見てみてほしい。


なぜはちま起稿は叩かれるのか。叩いている人の意見(これも興味がある人はググってみてほしい)はさておき、清水氏はこう分析する。


Togetter「ハッシュタグ『#はちまに質問』まとめ





「管理人の主張が見えるってのが大きいんだと思う。若いってのも追い打ちになった。身近な存在で目につきやすいから、叩きの対象になりやすい。逆の立場なら僕だって叩く」

また「ゲームの話題は特に荒れやすい」とも話す。
特に2ちゃんねるまとめ時代には、以前は使わなかった「痴漢」「妊娠」といった“ゲハ用語”も多用し、ゲハ(ゲーム業界・ハード板)独特の空気を積極的に表現しようとした。

「あくまで転載しているだけなので責任を追及されにくい」(書籍49ページ)という構造も「やりたい放題」を加速させ、アンチを増やす結果になった。

「結局は読者が求めてるからそういう傾向になってしまう。褒める記事よりも叩く記事の方が、良くも悪くも読者の反応が多いんですよ。その方が伸びるから、次はもっと反応がもらえるように持って行こうとする。それが続いていくうちにどんどん扇情的な書き方をするようになっていく」

これは「はちま起稿」に限らず、まとめサイト全体が抱える構造的問題なのかもしれない。

本人に悪意はなくても無意識のうちによりアクセスを集めやすい、過激な方向へと進んでいってしまう。もし一線を踏み越えてしまっても、「転載しているだけ」だから責任を追及されることもない。アフィリエイトやバナー広告のように、PVがそのまま収益に還元される広告を設置していればなおさらだ。最初からそれを承知で悪どくPVを稼いでいるサイトも多いと清水氏は指摘する。




「お金」ではないモチベーション



だが「はちま起稿」の場合、更新のモチベーションは「カネのため」ではなかった。本当にお金が欲しかったら、アダルト広告を貼ったり「魔法石無料プレゼント!」といった詐欺スレスレの広告を載せたり、いくらでもやり方はあるという。だが、はちま起稿はそういった分野には手を出してこなかった。貼ってある広告も、他のまとめサイトに比べれば健全だ。




はちま起稿に対し「カネのためにゲームを食い物にしている」という
批判は今でも多いが、本人は強く否定する



「読者が楽しんでくれる、ずっとそれだけがモチベーションだった。もちろん目に見える数字として、PVやアフィリエイトも気にはしていました。それも読者の反応の1つなので。僕自身が寂しい人間だから、自分がしたことに対して読者からリアクションが来るのがとても嬉しかったんです」

ただ、それでも読者に喜ばれたい一心で、結果的に扇情的な記事や不謹慎なネタを載せてしまった時期はあった。北海道から上京し、取り憑かれたようにサイト更新に没頭していた2010年4月~2011年9月。この時期について清水氏は、本のなかでこのように書いている。

“はちま起稿の人気が大きくなるほど、もっと読者を増やすためにがんばらなければいけない。苦しいけど努力すればしたぶんだけブログは成長していく(略)。この1年半はまるで強迫観念に囚われたように記事を書き続けていたのです”(53ページ)

速報性を重視し、裏も取らずに誤報を掲載したり、明らかに一線を越えた不謹慎なネタもかまわずに掲載していたのがこの時期だ。

“右肩上がりで伸びるアクセス数に天狗になっていた僕は怒濤の連続更新を言い訳に、「記事を修正したり謝罪に時間を使うなら、1つでも記事を多く記事を書いた方がマシ」と言い訳し、批判や指摘に耳を貸しませんでした”(53~54ページ)

しかし、本ではまるで過去のことのように書かれているが、現在もこの体質が完全になくなったとは言えないだろう。「記事が読まれる=読者に求められている」という点を評価軸にしていくかぎり、この問題を完全に絶つのは難しい。





「無断転載」悪意はなし

「アクセスを誘導している」と解釈



著作権意識についても聞いてみた。これもまとめサイトとは切り離せない問題の1つで、毎日のように記事を“転載”されている我々メディアとしても他人事ではない。

「はちま起稿では記事の要点だけを抜き出して、続きはリンク先で読ませる『引用』の範囲となるような書き方をするように(記者に)指示をしてる。

Webの記事は見られてなんぼで、はちま起稿はそのお手伝いをしているという認識です。適切なポリシーの下で運用されることで一定の価値があると考えています。例えば『ねとらぼは知らなくてもはちま起稿は見てる』って人が、はちま起稿で記事にすることでねとらぼを知り、ブックマークに入れるかもしれない。流入とロスとどちらが多いかを一概に語ることはできません」

はちま起稿の引用スタイルは基本的に「サイトのキャプチャ画像+本文の一部」で、明らかにブラックな「全文転載」や「商用サイトからの画像無断使用」は2ちゃんねる転載禁止以降避けるようになった。このあたりは前述していた「トラブルが起きないよう、昔よりも健全なサイトにしていきたい」という思いから改善された部分だ。




現在はもう少し変わって、サイトのキャプチャ画像+独自の要約+「全文を読む」ボタン、という形になった


ただ、今でも雑誌のフラゲ(発売日前に流出してしまった情報)をネタにしたり、明らかに“引用”の範囲を越えた記事の転載など、グレーな部分は残っている。

「よく聞かれるけど訴えられたことは1度もないです。だからといって好き勝手にして良いとは思っていません。誤って他者に迷惑をかけてしまった場合は申し訳ないと思います。

正式な著作者による削除・修正要請には応じています。ただ、はちま以上にえげつない引用をするブログはたくさんあるので、それに安心して甘えてしまっている部分は確かにありますけど……」

現在の基本ポリシーは「掲載時には細心の注意を払う」だという。
「明らかにこちらに非があるような場合は、言ってくれればすぐ直します。ただみんな直接言わないでTwitterや自分のブログで文句言ったりする。直接言ってくれよ!って思う時はある」

 

 

自分で記事書かずとも「今のはちま一番好き」



しばしば指摘される「自分で記事を書かず、他人のふんどしで相撲を取っている」という批判についても答えた。

「これはよく言われます。自分としては情報があふれている今の時代、読者の趣味嗜好に合わせたキュレーションは多くの人から求められていると思っています」

開設当初のはちま起稿は、清水氏自身が、自分の文章で自分の考えを発信していく普通のブログだった。本の中でも「昔から自分の考えを発信したいという欲求が強いタイプ」「(はちま起稿は)日記の代わりに自分の考えを発信する基地だった」(24~25ページ)と当時を振り返っている。

現在のはちま起稿に清水氏の文章が載るスペースはほとんどないが、これも「より読まれる」形を模索していった結果だという。では、今は「自分の考えを発信する」欲求はなくなってしまったのだろうか。





いつの「はちま起稿」が一番好き? と聞くと、迷わず「今じゃないですか」



「まだ僕は記事を書けると思っているけど、ただ、書けば書くほど言葉尻を捕まれて叩かれるし、記事を書くことに対する情熱は炎上でそがれてしまった」

だが、それでもはちま起稿のポリシーとして、記事の最後に「管理人のコメントを入れる」ことはやめなかった。

まとめサイトにとって「管理人の主張が見える」ことはデメリットも大きいが(だから“やる夫”にコメントを代弁させているサイトが多い)、これだけはこだわりとして貫き続けた。

いつのはちま起稿が一番好きか聞くと、迷わずこう答えた。

「今じゃないですか。以前は僕1人だったので情報も偏っていましたが、記者も増えて扱う情報も増えて多くの人に楽しんでもらえると思うので。アクセスも増えてますし」




 

1億2000万PVでも「満たされたない」矛盾



インタビューはここまでで、ここから先は筆者の個人的な感想として読んでほしい。「はちま起稿」なんて見るのもイヤで、いい機会だから徹底的に叩いて叩いて叩きつぶすべきだ! ――という人にとってはすっきりしないインタビューだったかもしれない。

「なんでねとらぼは著作権侵害で訴えないんだ」という声があるのも重々承知している(一応、明らかに引用の範囲を超えていると判断した場合など、随時削除要請はしている)。

ただ、昨今乱立する「明らかにカネ目的でやっているまとめサイト」に比べれば、純粋に「多くの人に読んでもらいたい」というモチベーションから出発しているはちま起稿はまだいい方だ。





思っていたよりずっと「天然な人」だった清水氏。
インタビュー中、本の印税の使い道に話が及ぶと
「聞いてくださいよ!」と急に乗り気に。
どこかに寄付でもするのかと思って聞くと、得意満面で
「実家の軽自動車がぶっ壊れそうなのでそれに充てたい」
と答え、その場にいた全員から突っ込まれていた




何より、自分の身に置き換えて考えてみてほしい。右肩上がりで成長を続けるPVと、「読者が自分のサイトを読んでくれている」という巨大な充足感に、一体どれだけの人があらがえるだろう。まとめサイトという構造や、それを求めてしまう読者の側にも問題はある。現在のはちま起稿には「望んでそうなった」側面と「望まずしてそうなった」側面が混在している。

「今のはちま起稿が一番いい」と清水氏は言う。

同時に

「辛くない時期はなかった」「自分は幸せになってはいけない」とも言う。


1億2000万PVを突破した今でも「満たされたと思ったことはない」とうつむいてしまう。この矛盾は一体どこから来ているのだろう。



高校2年の1学期。新しいクラスになじめず、友だちとの付き合いや受験勉強から逃げるように立ち上げた「鉢巻起稿\(^o^)/」(はちま起稿の前身になったブログ)が、その後の人生を大きく変えた。7年後、サイトは信じられないほど大きくなったが、代わりに大学進学という道を捨て、その後の炎上によって父子の関係は崩壊状態に陥った。本名はおろか顔写真や学生時代の卒業アルバム、実家の住所までさらされ、ネットの世界では「悪者」のレッテルを貼られた。


それを選択したのはもちろん清水氏だが、齢わずか23のこの若者が、すべて承知でこの道を選んだということはあり得ないだろう。

まとめサイトの構造、読者の声、ネットの空気、PV、巨大な承認欲求……。
いくつもの巨大なうねりに流され、気付かないうちに自分でも想像していなかったところまで来てしまっていた――そんな風に見えた。


本の帯にはこう書かれている。「ブログに人生を狂わされた男!

水曜日, 4月 09, 2014

世界最速の芝刈機|ホンダUK

動画:ホンダUKが世界最速の芝刈機を開発、最高速度187.6km/hでギネス記録に認定




F1 世界選手権 復帰を来年に控えるホンダの英国現地法人、ホンダUK の芝刈機が、世界最速となる 187.60km/h をマークしてギネス世界記録に認定されました。開発を担当したのはカーレースの本場、英国のツーリングカー選手権(BTCC)に参戦するホンダ ユアサ レーシングチームで、もとは20馬力しかなかったホンダ HF2620 をエンジンからフレーム、タイヤにいたるまで改造し、ハイスピードマシンに仕立てあげています。そしてもちろん、芝も刈れます。

日本でお目にかかる機会はそれほどありませんが、庭の広い諸外国では乗用芝刈機はポピュラーな存在。芝刈機によるレースも欧米ではわりと珍しくもありませ ん。人はタイヤがついていて乗れるものならなんでも競走したくなるようで、たとえばスクールバスレースや、牽引式キャンピングカーレースなども存在しま す。

世界最速に挑戦する芝刈りマシンには、欧州で販売していたホンダの乗用芝刈機 HP2620 を使いました。高速走行に耐えるための改造ポイントを列挙すると、パワーユニットは オリジナルの 614cc エンジンからバイク用 995cc V型2気筒 DOHC エンジンに換装。トランスミッションには F1 ばりのパドルシフト式6速ミッションを装備します。高速安定性を高めるため低重心かつロングホイールベース化、足もとは4輪バギーのオンロード用高扁平タ イヤを履いています。

これらの改造により出力は109馬力、加速性能を示すパワー・ウェイト・レシオは 1.28kg/hp。シャシーの軽量化も手伝って、0-100km/h 加速タイムは4秒に短縮しました。

 

これまでの最高速度記録は141.35km/h。2010年に米国ユタ州のボンネビルで記録されたものでした。今回、ホンダ ユアサ レーシングチームは、スペインのテストコースにて世界記録に挑戦。みごと187.60km/h の世界最高速度を記録しました。そのトライアルの模様を見ていると、​芝刈機のはずなのに、HF2620改 がフォーミュラカーのように見えてくるから不思議なものです。

なお、HF2620改 は、もとはといえば英国の人気番組「Top Gear」の雑誌版「Top Gear Magazine」が、ホンダと協力して始めた企画でした。下の映像ではTop Gear の名物覆面ドライバー Stig が、HF2620改 をドライブしつつ、コースサイドの芝を刈ったりしています。


11ac/n/a 超小型 5GHz専用無線LAN子機 【手裏剣】」GW-450S|プラネックス

プラネックスから.11ac対応で約2gのUSB無線LANアダプタ「手裏剣」、5GHz帯専用



プラネックスコミュニケーションズが、IEEE802.11ac対応の無線LAN USBアダプタ「カッ飛び! 11ac/n/a 超小型 5GHz専用無線LAN子機 【手裏剣】」(型番:GW-450S)を発表しました。カッ飛んだ製品名のとおり、周波数帯を5GHz専用にすることで小型化を実現。ノートPCなどに刺 したままでも邪魔にならないのが特徴です。



手裏剣はIEEE802.11ac対応の無線LAN親機と組み合わせれば、最大433Mbpsで通信可能。対応規格は、IEEE802.11a/n/ac のみ。プラネックスコミュニケーションズは、「5GHz帯専用にすることで邪魔な2.4GHz帯は見えない・接続しないので初心者でも高速な5GHz帯で 通信可能」と初心者にもやさしいことを謳っています。



セキュリティは、WPA2-PSK(AES/TKIP)、WPA-PSK(AES/TKIP)、WEP(64/128bit)に対応。対応OSは、 Windows 8.1/ Windows 8/ Windows 7/ Windows Vista / Windows XP SP3、および、Mac OS X 10.9 / 10.8 / 10.7 / 10.6。

本体サイズは約16×7.3×18.8mm、重量は約2g。小型ではありますが、本体にWPSボタンも備えます。
価格はオープンで、参考価格は2480円(税別)。発売日は4月中旬予定です。



プラネックスコミュニケーションズの変わった名前の製品といえば、2月に発売されたイヌ顔のWiFi 中継機「 忠継大王」があります。「大王を中継して手裏剣をカッ飛ばす」ことができるかと思いきや、忠継大王は5GHz帯に対応していないため無理な模様でした。5GHz帯対応犬の発売が待たれます。
手裏剣

イヌ顔のWiFi 中継機「 忠継大王」 MZK-EX300NP|プラネックス

プラネックスからイヌ顔のWiFi 中継機「 忠継大王」 MZK-EX300NP、コンセント直結型



プラネックスコミュニケーションズは、コンセントに直結する無線LAN中継機「 忠継大王(MZK-EX300NP) 」を2月28日に発売します。価格はオープン、Amazon.co.jp 価格は5960円。

忠継大王は、宅内WiFiルーターの電波を延長するコンセント直結型の無線LAN中継機。1階にルーターがあり、2階でWiFi接続すると通信が不安定と いった場合に、WiFiの電波を中継して引き込んでくるための製品です。PLANEX 以外のメーカーの WiFiルーターでも使えます。

奇妙な名称は、忠犬と中継を合わせて「忠継大王」。「ただつね」ではありません。大王がどこから来たかのか、一体どんな臣民を治めているのかは不明。プラネックスは充電大王なる製品も投入しています。

コンセントに直結して使うものの、前面にソケットが1口設けられているので、コンセントを完全にふさぐことなく利用できます。電源電圧は100Vに対応。 隣接する口を塞ぐかどうかは間隔によりけりですが、大王のプラグは正面から見て耳辺りの裏にあります。ソケットの口が何故か犬の目になっており、ソフトバンクの白戸家お父さん犬に若干似ていますが、おそらく偶然です。

IEEE 802.11 b/g/n対応で、対応スループットは最大300Mbps、対応周波数は2.4GHz。送受信で計2本のアンテナを使う2T2Rアンテナを内蔵。WiFi ルーターと忠継大王はWPSを利用して接続し、SSIDなどネットワークの設定を変更することなく、WiFiエリアを広げられます。

また電波状態のLEDインジケーターを備えており、WiFiルーターからの電波強度を確認しながら最適な設置場所を選びやすくなっています。大きさは58.9 x 38.3 x 94.5mm、約116g。




忠継大王

ダイオウグソクムシのiPhoneケース

ドワンゴ、ニコニコ超会議3でダイオウグソクムシのiPhoneケース限定1000個販売(動画)



動画コミュニティ「ニコニコ動画」を展開するドワンゴは4月26日と27日の両日、幕張メッセにおいて大規模イベント「ニコニコ超会議3」を開催します。 この中で、auや鳥羽水族館とコラボレーションしたダイオウグソクムシのiPhoneケースを1000個限定販売します。

価格は運営側いわく「原価7380円」のところ3000円。とにかくいろいろ説明が必要だと思いますが、まずは写真と動画をご覧ください。 速報でお伝えします。




実物を見た感想は「なにこれいらない! でも欲しい!」です。かねてより深海生物を追いかけてきたニコニコ動画ですが、ダイオウグソクムシはそのダンゴムシのような外観が話題を集めていました。

とくに今回モデルとなった鳥羽水族館のダイオウグソクムシ(通称:1号たん)は、2009年からまったく餌を食べることなく5年が経過し、その動向を配信 し続けたニコニコ生放送には「グソラー」というウォッチャーが生まれるほど。残念ながら2014年2月14日、5年と約1カ月の絶食期間を経て亡くなって しまいましたが、故節足動物をしのぶ声は後を絶たず今回その3DモデルからiPhoneケースが登場する運びとなりました。

ニコニコ超会議3では、このダイオウグソクムシのカチューシャも販売します。





ちなみにニコニコ超会議3ではダイオウグソクムシのブースが設置するほか、現役の有人潜水調査船「しんかい6500」も披露します。JAMSTEC(独立行政法人海洋研究開発機構)のホンモノの調査船は、深海6500mまで潜水可能な有人調査船です。国内にはしんかい6500より深く潜れる調査船はなく、世界でも2艇しかないという貴重なもの。



このほか、イベントでは例年、ニコニコ技術部によるさまざまな電子工作物を公開。今年はなぜか大相撲も行われます。 どうやらドワンゴがスマートフォン向け公式アプリを運営している関係のようです。また、イベント内のライブでは360度撮影が可能な特殊カメラLADY BUGを使ってライブ配信を実施。ユーザーは、360度自分が見たい部分に映像を動かしてライブが楽しめます。





Airblade Tap ハンドドライヤー|Dyson

ダイソン、洗面台で手を乾かすAirblade Tapハンドドライヤー発表。時速690kmの風で12秒乾燥



掃除機や羽根なし扇風機でおなじみのダイソンが、ハンドドライヤー Airblade シリーズ3機種を発表しました。

写真でジェームズ・ダイソンその人が使っているのは、洗面台から離れずに手洗いと乾燥ができる Dyson エアブレード Tap ハンドドライヤー。時速690kmの空気で、業界最速をうたう12秒で手を乾かします。





蛇口兼ドライヤー送風口はこんな構造。赤外線センサーで水を流すか、空気を噴出するかを感知します。一体化形状の利点は手が濡れたままハンドドライヤーま で移動する必要がなく、洗面台の周囲や床を濡らさないこと。また設置スペースの削減(ドライヤーのモーター部は洗面台の下に設置)。

一体化以外の特徴としては、ダイソンによれば業界最速(※)という12秒で乾かせること(同時に発表された、蛇口一体型ではない エアブレード V、エアブレード dB では10秒。高電圧版の場合)。また送風前にHEPAフィルターを通すことで、最小0.1ミクロンのバクテリア他の99.9%を除去した清潔な空気で乾燥 すること。

従来型のハンドドライヤーは、バクテリアも含んだ洗面所などの空気を吸い込んで風を作り出しており、手を擦 り合わせることで手に付いている水滴を蒸発させます。大抵の人は半乾きのまま途中で諦めてしまいます。(ダイソン)

時速690kmでの送風は、ダイソンお得意のブラシレスDCモーター Dyson Digital Motor V4 (DDM V4)で実現しています。ダイソンによれば、密度の高いHEPAフィルターを通しつつ高速に空気を送れるのはこのDDM V4のおかげ。

業務用として重要なランニングコストについては、「ペーパータオル一枚のコスト(0.4円)で6人の手を乾かせる」「維持費用は一日200人が使用する場 合で年間 約5000円」「他のハンドドライヤーと比較して69%、ペーパータオルと比較して97%コスト削減」としています。

そのほかダイソンの売り文句を適当に並べれば、
  • ダイソンのモーターチームには100人を超えるエンジニアが在籍。DDM開発には過去15年で1億ポンド(約170億円)を投資。
  • DDM V4 の開発には2690万ポンド(約45.7億円)と7年間。
  • エアブレード シリーズの開発には125名のエンジニアチームが3年近くにわたり研究開発、4000万ポンド(約 68億円)を投資。
  • エアブレード シリーズの開発を通して、試験チームは2億1300万回以上の手洗い実験を実施。
  • エアブレード シリーズのプロトタイプは300個以上制作。
  • Dyson Airblade dB ハンドドライヤーは、食品衛生のHACCP認証を取得した唯一のハンドドライヤー。
  • 特許は出願中も含めエアブレード シリーズで110件、DDM V4モーターで出願中も含め100件。

ダイソンはこのエアブレード タップ ハンドドライヤーとともに国内でB2Bビジネスに参入します。



これはぜひ普及してほしいな。

大型化してお風呂の入口とかにもつけたい


(※ ダイソンによれば、最速試験は「18 万円から 23 万円のメーカー希望小売価格を有する日本の主要メーカー3 社の製品のうち、各社の公表 内容により選定した最も性能の高い機種につき、NSF プロトコル P335 に基づいて試験を実施。低電圧と高電圧が販売されている場合その両方で実施」 )