水曜日, 8月 22, 2018

『アイデア』感想



一億総星野源『アイデア』感想


今年の1月に星野源『ドラえもん』の感想文で、

地獄でなぜ悪い』でサブカル層を取り込み、『』でF1層とティーンを取り込み、『Family Song』でファミリー層を取り込み、『ドラえもん』でキッズを取り込んだ星野源、これで次朝ドラの主題歌でもやろうもんなら、冗談じゃなくこれ『一億総星野源』になるぞ…


って書いたらほんとに実現しやがりまして。「いやダムスかよ俺は」となりまして。 本気で日本中にお前の顔と声バラまく気か… こんなんテロじゃん… バイオテロならぬ ホシノテロじゃん… ってガタガタ震えてたんですけど、4月に『半分、青い。』の放送がスタートしてこの『アイデア』が鳴った瞬間、俺は心底ホッとしたんですね。

「あ〜あ、やっちまったな星野」と。





おいおいわかってんの? 朝ドラだぞ? 朝ドラの主題歌だぞ? と。
お茶の間は文字通りあったか〜い茶シバキながら見てんだよ?と。
いくらなんでも曲のスピード速すぎるだろと。
ジジイババアの心臓止める気かテメェ!?と。

過去の朝ドラ主題歌を思い返してみなさいよ。

『ひよっこ』桑田佳祐/若い広場
(ラァン…)ドゥンデデーデ〜デデ、ドゥンデデ〜デ〜デデ(トゥルルルルルルッルルル〜〜〜ルゥゥ)ドゥンデデ〜デ〜デデ、ドゥンデデ〜デ〜デデ
「アッソリャァ」
ポァンパァンパァン…ポァンパァンパァン…ポァンパァンパァン…ポァンパァンパパパパァ…ポァンパァンパァン…ポァンパァンパァン…ポァンパァンパァン…パッ…
「愛の言葉をリィィラァァァ〜」


『わろてんか』松たか子/明日はどこから
(チィン…)ドロリッチ〜〜ドロリッチ〜〜、テェレレンレレレッレテッテレレレレッレテッテレ、ティラレラァラァン(シャァン…デテトン)
「出かけるときの忘れもの〜〜」


だぞ?

穏やかぁーに一日始められるようにゆ〜〜っくりビート刻んでやってきてんだよ、
なのになんだ『アイデア』お前!?

デーーデデェデェーデェーーー!(カラコロカランコロ)
デーーデデェデェデェーーー!(カラコロカランコロ)
デェーーデデデェーーデェデェデデデェデェーーーー!!(カラコロカランコロ)
(ドス、ドス、ドス、ドス、ドス、ドス)
デーーデデェデェーデェーーー!(カラコロカランコロ)
(ドス、ドス、ドス、ドス、ドス、ドス)
デーーデデェデェーデェーーー!(カラコロカランコロ)
(ドス、ドス、ドス、ドス、ドス、ドス)
デェーーデデデェーーデェデェデェーーデェデェデェ!!(キュルンキュルルルルル)
(ドドドドドドドドドド!!)
「おぉっ…」
(ドドズドドド!)
「はよぉ…」
(ドドスドドス!)
「世のぉ…」
(ドドスドドス!)
「中ぁ…」
(ドドスコスコ!)

うるせぇよ朝っぱらからドラム。
なにが「おぉっ…」 (ドドズドドド!) 「はよぉ…」 (ドドスドドス!) だよ。
アラサー男の俺ですらうるせぇって思うのに、起き抜けに爆撃音みたいなドラム響かせてみなさいよ。ジジイ「空襲か!?」ってなるでしょうが。

だから最初は全然ピンとこなかった。このスピード感もそうだし、メロディラインも一発聴いたら覚えられるようなキャッチーなもんでもない。歌詞もそこまでピンとくるフレーズもない。それでもフルで聴いてみないことにゃあ肯定も否定もできねぇし、フル音源の解禁を首長くしてずっと待ってたんですよ。
まぁ、そもそも朝ドラの主題歌って解禁が遅いイメージあったからラジオオンエアが放送2ヶ月後の6月、遅くても7月くらいだろうなぁ………は?一っっっ向にきやしねぇ。
待てど暮らせどなんの音沙汰もねぇ。「星野源 アイデア フル」でいくら検索しても出てくるのはカバー、スライドショー、スライドショー、カバー。全部、地獄。

いやいくらなんでも、こんなひた隠します普通?オスカープロモーションの女優の結婚じゃねぇんだから、ラジオ解禁だけでもサッとやれよ、えっ8月入っちゃいましたけど?もうドラマ終わるぞお前…。

って思ってFUNGAIしてたら、8月20日全世界一斉配信スタートて。

「あなたがいつも聴いている音環境で、よりいつも聴いてる1番良い音で、なんの前知識もなく聴いてほしいというのが1番大きな理由です」



オイオイ…こんなにハードル上げて大丈夫?
ただリリースすんの忘れてただけじゃないんですかァ?
言っとくけど、世間の手のひらクルリするスピードなんてドリルマン並みだからな?
中途ハンパな曲だったら覚悟しとけよ、、、






ほんと調子こいてすいませんでした。

なんだこれ?なんだこれ?だめ、これはだめ、、

俺はな、4ヶ月間毎朝『半分、青い。』見て『アイデア』の「光」の1番だけを聴かされ続けてたんだよ、もう光浴びすぎて失明してましたよ。でも2番聴いた瞬間、視力2.0。視界が超絶クリア。ずっと暗闇にいた人が久々に光見て失明する、なんて話はよく聞くが、まさか闇見て視力戻るとは思いませんでしたわ。

最高の闇。

2番からアレンジがらりと変えてくるんだろうなってことはあれだけ隠したがってたことからもなんとなく予測はできた。
んにしても、ここまで変えてくるって誰が予想できたよ。
ジジイババアのみならず全人間の耳と脳を振り回してトリップさせるアレンジ構成。

数多くある星野源のタイアップソングでも例えば、『地獄でなぜ悪い』『SUN』『Family Song』なんかでも感じられるように、一曲の中に光と闇のエッセンス両方を取り入れるっていうのは奴の得意とするところだが、ここまで両極端なアレンジ施してる曲ってなかった。パンケーキ屋が道路工事の仕事はじめましたみたいな。

そんなアレンジに呼応するかのように歌詞の対比のすさまじいことすさまじいこと。
「おはよう世の中(真夜中)」 からはじまり、「歌声(泣く声)」「話し声(叫び声)」「モノラル(笑われる)」「メロディ(景色)」「咲いた花(踏まれ潰れた花)」「哀しみ(にこやか)」「青空(中指)」

おっっそろしいのが、この極端さが気持ち悪いくらいにガッチリハマってて、1番と2番、Cメロ〜大サビでガラリと表情を変えるのに違和感がまるでないってことだ。そして最もバケモンなのがサビ、

つづく日々の道の先を 塞ぐ影にアイデアを

雨の音で歌を(雨の中で君と)歌おう すべて越えて響け


高橋名人並みの対比の連打の中において、サビはほぼ歌詞を変えてない。ここまで対比対比対比だと曲のテーマ自体がブレてしまってもおかしくないのに、1番大衆に聴かれるサビで一本ずぶとい線を引くことで、「道の先を塞ぐ影にアイデアを」っていう『アイデア』の本当に伝えたいであろう部分は少しもブレない。
それどころか、1番の時点では単に明るいだけの曲だったのがフルで聴くことで、光も闇もすべてをひっくるめての大サビの「響け」。

星野源の言う、

「すべてを含み、すべてを越え、すべてを壊し、未来に進む」


これを4分半っていう短い曲時間のなかで完璧に体現してやがる。

MVも見てみろ今までの星野源のヒットソングを匂わせながら、全体の雰囲気として「葬式」を思わせる作り。奴の言う「破壊」と「創造」の体現…。
しかも間奏のダンスの振り付けがダンスぬらりひょん三浦大知だってんだからもう無敵アンド最強。マリオだったらスターとファイアーのダブル。最終的に2兆回再生くらいされんじゃねえのこれ…。

こんなんフルでなんの前情報もなしに聴かされたら、そりゃ泣くでしょうが。
しかも俺含め『半分、青い。』視聴者の場合、4ヶ月分の光と闇だし。
ゲーテもよく言ったもんだよ「光が強ければ影もまた濃い」ってな。
もう星野源のこと「尊師…」って言いかけましたわ。

着々と進む一億総星野源計画…。

サブカル、F1、ティーン、ファミリー、キッズ、団塊、
あと残ってるのって、P1層(パチンコ屋行ってる奴ら)くらいじゃないですか…?

7!7!リーチ!
台の上のオモえもんのオブジェクト、ガシャガシャガシャガシャ〜〜〜〜!!
画面グラグラグラグラ〜!!!
7!7! 
6…
 
画面ファッ… 

画面バリーン!!
星野源の顔ドーン!
「どぉ〜〜〜〜もぉ〜〜〜!星野源でぇ〜〜〜〜す!!」
台虹色にビカビカビカビカビカーーー!!
オモえもんのオブジェクトグルグルグルグル〜〜〜!!

7!7!7!

Congratulations!!

恋!ボーナス!!!

テ〜〜〜テテェレテレテェ〜〜〜♪
胸の中にあるもの〜〜〜〜〜!いつか見えなくなるもの〜〜〜〜!



『ぱちんこCR星野源』あるぞこれ。


星野リゾート 軽井沢ホテルブレストンコート(長野県・軽井沢町)「GOOD WEDDING AWARD 2018」準グランプリ受賞


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