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火曜日, 10月 29, 2019

光学迷彩ついに実現!? カナダの軍服メーカーが完成させた量子ステルス技術



光学迷彩ついに実現!?

カナダの軍服メーカーが完成させた量子ステルス技術



光を曲げるレンズのようなものだそうです。

着用した者をあたかも透明人間のようにしてしまう、『攻殻機動隊』の熱光学迷彩、もしくは『メタルギアソリッド』のステルス迷彩、さらには『ハリー・ポッター』の透明マント。存在しないがために呼び名がいろいろありますが、あのSFアイテムは誰もが憧れる一品ですよね。人類はこれを実現させようと、さまざまな研究が行われてきました。

現代科学の粋を集めれば生み出せそうな気もしますし、時空を捻じ曲げでもしない限り、そんなこと不可能じゃないの? という気もするのですが…コレがホントに実現しそうなのです。


スクリーン状の素材「量子ステルス」

作っているのはカナダの軍服メーカー、ハイパーステルス・バイオテクノロジー社で、この技術は「量子ステルス(Quantum Stealth)」と名付けられ、現在は特許申請中とのことです。

9分近いプロモーション映像もありますが、まずは短めの動画ででチェックしてみてください。





なるほど、警備用の盾に使えば対峙する側はどこを狙えば良いのかわからなくなりますし、肉眼に限らず近紫外、近赤外、短波赤外線スペクトル、熱スペクトルで見てもかなり隠れられています。それに少し湾曲させると、真後ろにあるヘルメットも完全に見えなくなってしまいましたね。逆光とはいえ外からの光を反射しているにも関わらず、です。


左右反転も出来る


プロモーション映像で確認できるのですが、この「量子ステルス」はレンズのような役目も果たすことから、一定の距離を離れると背後で人物が歩く方向とは反対に歩いているように反射されます。これも敵を撹乱させるのに役立つとのこと。「量子ステルス」のニュートラル・ゾーンとデッド・ゾーンとを、中央と外側のどちらに設定するかで、反射の仕方が変わるそうです。

また円筒状にした中に物体を置いたテストもあり、これも背景は透けて見えるのに物体があるのかどうかすらも、非常にわかり辛い感じに反射しています。タネ明かしは、光の波長を相殺させる、破壊的干渉を人工的に起こしているから…なのだとか。



4つの特許はどれもスゴい


ハイパーステルス社のプレスリリースによりますと、この素材に電力は使わず、昼夜を問わず人、乗り物、船、宇宙船、建物などを隠すことが可能とあります。

また、同社はこの技術で4つの特許を出願しています。ひとつ目はこの素材そのもので、ふたつ目は太陽光パネルに利用することで、既存のパネルの3倍以上の電力を提供するというもの。

3つ目は裏側にプロジェクターを使い、「量子ステルス」をスクリーンとして使うとホログラフのような映像が浮かび上がるディスプレイ・システムで、4つ目はレーザー光線を散乱させるというもの。「量子ステルス」に一筋のレーザーを照射すると、それが388万8000本に分散させられるらしく、たとえは自動運転車で必須のLiDARなどレーザーを使った距離測定をもっと精密にすることが可能になるのだそうです。

そのおかげでステルス戦闘機の検知にも役立つというから、目には目を、ステルスにはステルスを、って感じがSF感をより高めてくれます。



軍事目的オンリーというけれど

The Telegraphいわく、紙のように薄く作られた「量子ステルス」の特許は、軍事的な目的でしか利用できないのだそうです。ハロウィーンの仮装に使うくらいなら可愛いものですが、もし犯罪組織やテロリストに悪用されたらトンでもないことになりそうです。

当然ながら戦地に投入されるのでしょうけども、太陽光パネルやLiDERなどの応用なら身近に役立ちそうですよね。







金曜日, 8月 24, 2018

ブタから「肺」を移植できる日

 

培養した「肺」を移植できる日が近づいてきた──ブタへの定着に米研究チームが成功


組織培養でつくった肺をブタに移植し、合併症や拒否反応もなく2カ月にわたって生存させることに、テキサス大学の研究チームが成功した。これは患者自身の細胞を使ってヒトの臓器をオーダーメイドで培養し移植する技術の実現に向けた、大きな前進だ。


ジョーン・ニコルズは、研究室にある「肺」に夜通し付きっきりだ。肺は赤ん坊と同じように、デリケートで発達途上でいつも目が離せない。

彼女とテキサス大学医学部ガルヴェストン校の「肺ラボ」研究チームはここ数年、毎日交代で午前1時にラボに戻っている。それは培養臓器[日本語版記事]の入ったバイオリアクターが水漏れを起こしていないか、肺を浸している栄養たっぷりの培養液がきちんと循環しているか、できたばかりの肺胞や血管が何かに感染していないか、入念にチェックするためだ。

最後の感染リスクは、常に不安の種だった。肺をつくるには、組織を何週間にもわたって温かく湿った環境におく必要がある。だがこういった環境は、カビにとっても天国だ。テキサス州ガルヴェストンの亜熱帯気候も問題になる。「この街では長いこと座っていると、人にもカビが生えるんです」と、ニコルズは言う。

ニコルズらの献身は報われた。チームは2014年に世界で初めて、ヒトの肺のバイオエンジニアリングに成功したのだ。チームはその1年後、ラボで培養した肺をブタに移植した。これも史上初の快挙だ。以降、さらに3回のブタ肺移植に成功した。移植先の個体から取った細胞を利用して培養した肺を、免疫抑制剤を使うことなく移植した。


「オーダーメイド」を実現する大きな一歩


ニコルズらは、計4回のブタ肺移植の結果を論文にまとめ、18年8月1日付で医学誌『Science Translational Medicine』に掲載した。これは患者自身の細胞を使って、ヒトの臓器をオーダーメイドで培養し移植する技術の実現に向けた、大きな前進だ。



バイオリアクターで30日間成長させたブタの肺。PHOTOGRAPH COURTESY OF JOAN NICHOLS

肺のバイオエンジニアリングは、粘土を使った造形に少し似ている。彫刻家が針金の骨組みを使って粘土の形を保つように、ニコルズのチームは肺の組織や血管を、丈夫で柔軟なたんぱく質の枠組みに沿って、ラボで培養した。

具体的には、死んだブタからとった肺組織を糖と洗剤の混合液に漬けて、前の持ち主の細胞や血管を完全に除去してつくられた。ちょうど、古いテーブルの塗装をはがすような感じだ。

ニコルズは、残った乳白色の塊を「臓器の骨格」と呼ぶ。主成分はコラーゲンとエラスチンだ。前者が強度を、後者が柔軟性をもたらす。

骨格は、ひとつずつバイオリアクターに入れられる。たんぱく質の塊を入れるこの装置も、ニコルズのチームがゼロからつくりだしたものだ。初期モデルは、ちょっと見映えのいい熱帯魚の水槽のようだった。現在の最新型にも、いまだにホームセンターの「ホームデポ」で買ったパーツが使われている。



バイオリアクターのなかにあるブタの肺。気管、肺動脈、肺静脈を通るカテーテルの配置を研究チームが外から確認できるように固定してある。PHOTOGRAPH COURTESY OF JOAN NICHOLS


つくりは質素でも、バイオリアクターの役割は極めて重要だ。「この装置を通じて、臓器に必要な成長因子、培地、機械的な刺激を与えるのです」と語るのは、ラボをニコルズとともに率いる小児麻酔医のホアキン・コリエラだ。

バイオリアクターは、胎盤に似て温かく快適、かつ栄養豊富な環境で肺が成長することを可能にする。肺は30日後に生きて呼吸しているブタの胸腔内に移植され、生まれもった肺の隣に収まる。


バイオリアクターの略図。微小流体システム、ポンプ、老廃物除去装置が相互に接続している。IMAGE COURTESY OF J. NICHOLS ET AL./SCIENCE TRANSLATIONAL MEDICINE

コロンビア大学幹細胞・組織エンジニアリング研究所の所長を務めている生物工学者のゴルダナ・ヴニャク=ノヴァコヴィッチは、バイオリアクターのなかで1カ月にわたって肺を成長させたことは画期的な成果だと語る(彼女は今回の研究には関与していない)。


以前とは異なり「血管が発達している」


ヴニャク=ノヴァコヴィッチは『WIRED』US版の取材に対して、「これまでの研究では、肺の培養期間がずっと短かいものでした」と説明する。このため血管の発達不全がみられ、これが肺の生存を妨げる主要因となっていた。だが、ニコルズとコリエラが時間をかけてバイオエンジニアリングで生み出した肺は、従来のものよりも血管が発達している。
小型の実験動物を使った過去の研究では、肺に液体がたまり、移植個体はわずか数時間で死亡した。一方、ニコルズとコリエラの研究では、発達した血管系のおかげで、肺移植後のブタは2カ月にわたって生存し、合併症は確認されなかった。

ブタが2カ月以降、どうなっていたかはわからない。実験に使われた4頭のブタはそれぞれ、移植後10時間、2週間、1カ月、2カ月の時点で安楽死させ、移植後の培養肺が移植個体の体内でどう発達したかが調べられた。

培養肺が問題なく定着しているのは、どの点をみても明らかだった。血管と肺組織が発達を続け、ブタの肺に固有のマイクロバイオーム(微生物叢)が定着していた。呼吸器疾患や、免疫系による拒絶反応の兆候は一切みられなかった。


さらなる検証が必要


残る大きな課題は、培養肺がどのくらい酸素を供給できるかだ。どのブタも、酸素供給量は通常の範囲内だったが、残っていたもともとの肺の機能によるものかもしれない。研究チームは移植した培養肺は発達途上であるため、もとの肺の呼吸機能を停止して単独でテストするのはリスクが高いと判断した。

これについては今後の実験で検証される予定だ。コリエラとニコルズは、今後ブタを移植後1年以上は生存させるつもりだという。

こうした研究には、さらに多くの実験動物が必要になる。ヴニャク=ノヴァコヴィッチは、「現状では(移植した)実験動物の数がとても少ないので、この技術の確実性は興味深いところです」と語る。とはいえ、結果はとても有望だ。十分な予算さえあれば「10年以内にヒトへの培養肺移植を実現できる」と、ニコルズとコリエラは考えている。
だが、まずはもっと実験が必要だ。それも、もっと設備の整った、信頼のおける実験施設で行う必要がある。

ニコルズの「ほしいものリスト」の上位にあるのは、まずバイオリアクターを設置する無菌室だ。そこは、頭のてっぺんからつま先まで防護服で覆った研究者だけが入れる部屋になるだろう。また、機材の自動化も進めたいと考えている。そうすれば手作業が減り、ミスが発生するリスクも抑えられる。

それに言うまでもないが、ニコルズは肺の様子をライヴカメラでチェックできるようになる日を心待ちにしている。培養肺の世話は今後もずっと24時間態勢になるだろう。しかし少なくともヴィデオモニターがあれば、ラボのメンバーにもリモートワークが許されることになる。




TEXT BY ROBBIE GONZALEZ
TRANSLATION BY TOMOYUKI MATOBA/GALILEO

WIRED(US)

火曜日, 3月 21, 2017

竜巻をスパコンで再現


2011年の巨大竜巻をスパコンで再現


ウィスコンシン大学マディソン校の気象学者が、2011年5月24日にオクラホマを襲った巨大竜巻をスーパーコンピューターを用いてシミュレーションし、映像として再現しました。

データ解析に使用したのはイリノイ大学が所有するスーパーコンピューターBlueWaters。竜巻が発生した120 x 120 x 20kmの3次元空間を構築、それをおよそ18億4000万の区画に分割し、それぞれで風向 /気温 /気圧 /湿度 /降水量(雪・雹・雨)といった気象要素をシミュレートしました。


2万コアのスーパーコンピューターを約3日間フル稼働したのちに、できあがったのが上の映像。研究者は「竜巻を生産するスーパーセルと呼ばれる超巨大積乱雲の内部プロセスを可視化することができた」と説明、雷雨から非常に強力な竜巻が形成されるメカニズムを解き明かすために、この研究が役立つはずだとしました。








[Source :
Popular Science]

火曜日, 1月 10, 2017

押すだけポン♪の簡単ドローン!?

開いてスイッチを押すだけ!

セーフティでコンパクトなドローン

Hover Camera Passport

CES 2017

 

 



CES 2017のUnveiledにおいて、折りたためるドローン「Hover Camera Passsport」が展示されました。

電源を入れて手を離せば、みずからホバリング。
軽い衝撃を与えても 安定しています。価格は599ドル。

1300万画素の写真と4K動画が撮影対応のカメラつき、iOSとAndroidどちらにもつながり、WiFi接続でコントロールできます。GPSではなく、イメージセンサーで顔認識を行い追尾してくれるので、セルフィにぴったり。360度パノラマ撮影も可能、32GB内蔵メモリつき。

安全で簡単なドローンとして、そしてユニークな角度から動画や写真が撮影できるカメラとして重宝しそうです。







https://www.youtube.com/channel/UCybX9hq-OAUXxOOybNRXjEg
Engadget 日本版 YouTubeチャンネルより。






自律飛行ドローンHover Camera Passport:ハンズオン

 





Hover(ZeroZero Roboticsの飛行カメラブランド)は、Passportと名付けられた同ブランド初のカメラドローンを発表した。現在の価格は549ドルに設定されており、最終的な予定小売価格599ドルから50ドル値引きされている。先週私たちはPassportを試すことができ、その性能には感動してしまった。

コンパクトなサイズ

折りたたみ可能なこのドローンの重さは242gで、飛行モードのときのサイズは本一冊分ほどだ。折りたたまれた状態だとビデオテープ程の大きさになる。街中を散歩する際に、このドローンを彼女のハンドバッグの中に放り込んでみたところ、最初こそ彼氏のドローンを持ち運ばなければならいことにイラついていた彼女も、そのうちドローンがハンドバッグに入っていることさえ忘れていた。スーツケース並のInspire用ケースのサイズと比べれば、Passportのサイズは夢のようだ。




Passportは、DJIのInspireやPhantomのようなフル装備のドローンではない。

4Kの動画と1300万画素の写真を撮影することはできるものの、カメラの用途としては、クローズアップでの撮影や三脚を使うような場面での撮影が想定されており、本当の意味での空撮カメラではない。WiFi接続についてもドローンがユーザーから60フィート(約18m)離れると途切れてしまい、そこまで高く飛ぶようにはできていない。

実際に使用していたときも、1、2度接続が途切れたが、このときはまだWiFiのカバー範囲をメーカーに確認していなかったため、ほぼ間違いなく私が60フィートの境界を超えたために起きたものだと思われる。

もしも接続が途切れてしまったとしても、ドローンがその場に浮いたままでいるため、ユーザーは近づいていってWiFiに接続し直すことができる。


そして何百フィートも飛ばせない代わりに、ユーザーはPassportを屋内でも飛ばすことができる。

これまでリビングルームでInspireを飛ばそうとしたことがあるだろうか?私はあるが、本当に絶対にオススメしない。
その一方でPassportは、ニューヨークにある私の小さなアパートの中や、外に出て歩道で飛ばすには完璧だった。Passportには音波センサーと、1秒間に100枚の写真を撮影できる、下向きに取り付けられたカメラが搭載されており、どちらもPassportを所定の場所で飛行させるために開発された。この安定性のおかげで、狭い場所でも壁にぶつかるのを心配せずにドローンを飛ばすことができる。

結局DJIのドローンは何百フィートという高さまで飛んで建物全体の動画を撮影することができる一方、Hover Camera Passportは、ユーザーから数フィート離れたところで写真や動画を撮影するという、いわば飛行型自撮り棒またはパーソナルカメラマンのような製品なのだ。


カメラ

しかしこのような、新しいタイプのドローンに関する理想論も、いい写真や動画が撮れなければ成立しない。

Passportにはイメージスタビライゼーション機能(電子式と1方向のジンバルによる物理的なものの両方)が搭載されており、動画のブレを抑えるのに一役買っている。

なお、ZeroZero Roboticsは、風が環境下では4Kではなく1080pでの撮影を推奨している。というのも、同製品のイメージスタビライゼーションのアルゴリズムは1080pに最適化されているためだ。

カメラの性能は、長編映画の撮影に使えるほどではないものの、必要最低限のことはできる。カメラのレンズは非常に小さく、iPhoneのカメラのレンズと同じくらいだ。さらに撮影した写真や動画のクオリティも、iPhone 6Sのカメラで撮ったものとほぼ変わらず、599ドルで買える242gのポータブルドローンと考えれば悪くない。







さらにフラッシュも内蔵されており、ドローンが数フィートだけ離れている状態でグループ写真や個人写真を撮る際にはかなり役立つ。

繰り返しになってしまうが、フラッシュが内蔵されているという事からも、Passportが空撮ではなくクローズアップ写真を撮るためにデザインされたということが分かる。

Instagram用や友人に送るためのものとしては、十分過ぎるくらいのクオリティの写真を撮影できるが、もしも映画のように見事な空撮映像を撮りたいという人が購入するとガッカリしてしまうだろう。


AIによる自律飛行とマニュアル操縦


見方によって、Passportがドローンよりも空飛ぶカメラに近いと考えられる理由が、かっこいい写真や動画を撮るために搭載されたテクノロジーの数々だ。
一旦Passportを空中に浮かせれば、ビデオモードに移り、Follow・360-Spin・OrbitからAIモードを選択することができる。

Followは名前の通りだ。Passportのカメラがユーザーをとらえると、携帯電話上のストリーミング映像に写ったユーザーの体の周りに黄色いボックスが表示される。そして画面に写ったユーザーをダブルタップすると、ボックスが黄色から緑色に変わり、Passportがユーザーをロックオンしたことが分かる。

そうすれば、ユーザーが歩き(もしくはゆっくり走り)回る後ろをドローンがついて行くようになる。さすがに走りながら急に方向転換したときには対象を見失ってしまっていたが、Follow機能はとても良くできていた。
 
Orbitもとても面白い機能だ。Followと同じ要領でPassportをユーザーにロックさせると、Passportが10フィート(約3m)程離れてユーザーの周りを回りだす。ユーザーが歩いているときにも有効で、撮影された動画はアクションムービーさながらだ。

素晴らしいことに、ユーザーはさらに、モバイルアプリ内のオンスクリーンジョイスティックを使って、Passportをマニュアルで操縦することもできる。自律飛行型のドローンの中には、AIの性能が良いからマニュアル操縦は必要ない(できない)と自慢気に謳っているものもある。しかしドローンを所有する上での楽しみの少なくともひとつが、自分でドローンを操縦することであるため、この宣伝文句は残念な結果につながることが多い。

またPassportのサイズであれば、家の中を飛び回ることもできるため、さらにその楽しみが増える。


まとめ

Passportにはとても感動した。私はこれまでにも、”空飛ぶカメラ”という新たなカテゴリーに含まれるドローンを試してきたが、ほとんどが中途半端でガッカリするようなものだった。しかしPassportは本当に良くできている。InspireやPhantomのような怪物級のドローンを補完するサブ機を探している人や、屋内や人の周りでも飛ばせるようなエントリーモデルを探している人にとって、Hover Camera Passportはぴったりの製品だ。



http://jp.techcrunch.com/2016/10/15/20161013hands-on-with-hovers-self-flying-camera-drone-which-launches-today/




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金曜日, 1月 06, 2017

「LHD」Large Helical Device

美しすぎる核融合研究施設「LHD」





世界にはでっかい科学施設があります。
最も有名なのは、スイスのフランス国境近くにある欧州原子核研究機構(CERN:セルン)でしょう。地下には全周27kmという巨大な円形加速器があり、それまでは想像の存在でしかなかった「ヒッグス粒子」を「99.9999%以上の確率で発見した」などの成果を上げています(2012年7月/2013年3月に発表)。



『CERN』地下にある「大型ハドロン衝突型加速器」( Large Hadron Collider )



日本は国土が狭いですから、このように大きな科学施設を造ることは容易なことではありません。しかし、実は日本にもでっかい科学施設・装置があるのです。

その一つが岐阜県にある『核融合科学研究所』の「LHD」(大型ヘリカル装置)です。

LHDとはあまり聞いたことのない単語でしょう。LHDはLarge Helical Deviceの略で、「大型のヘリカル・ヘリオトロン型のプラズマ装置」です。


核融合科学研究所の「LHD」全景。その大きさに圧倒されます。


このLHDは、核融合研究のために造られたもので「プラズマ真空容器」「超伝導磁場コイル」「断熱真空容器ベルジャー」から構成されており、高さ約9メートル、直径13.5メートル、重量はなんと約1500トンに達する巨大な装置です。




真空容器組み立て時の貴重な写真。LHDの製作には高い精度が求められました。


LHDは「核融合炉」の開発を目標に掲げ、その基礎実験用に造られた施設です。
核融合炉が実現できれば、水素やヘリウムなど軽い原子を使って核融合反応を行い、膨大なエネルギーを取り出すことができます。

簡単にいえば、太陽が行っていることを人の手でやろうというわけです。












「海水中に豊富にある重水素」を燃料に使うことができますので、特に日本のように、石油・石炭などの化石燃料資源に恵まれない国では、核融合炉の実現は大きな意味を持ちます。

 

超高温プラズマを閉じ込める超伝導コイル


さてこの核融合炉ですが、核融合反応を起こし、それを連続的に維持できないといけません。そのためには「物質を高温(1億度以上)・高密度(1立方メートル当たり10の20乗個以上)」状態にして、「一定時間(1秒以上)閉じ込めておく」必要があるのです。

この1億度以上の高温状態は「高温プラズマ」を生じさせて実現します。プラズマは、原子を構成するイオンや電子がバラバラになった状態のことを指し、固体・液体・気体に次ぐ「第四の状態」と呼ばれます。プラズマというと何か特殊なもののようですが、実は私たちの身近に存在します。蛍光灯やネオンサインなどはその例です。





































































高温プラズマは、そのままでは容器の壁に触れて温度が下がるなど、エネルギーを失ってしまうのです。プラズマを高温・高密度のまま維持するために、

・磁場を利用する
・強力なレーザーを利用する


という方法があります。「LHD」では「磁場を利用する」方式をとっています。

 

磁場を作り出す超伝導コイルの配置。このコイルでプラズマを逃がさないようにします。


ポロイダルコイルが垂直方向の磁場を作り出してプラズマを外側に逃がさないようにします。その上で、ヘリカルコイルが磁力線の籠(かご)を作って、その中にプラズマを閉じ込めるのです。
帯電したプラズマ粒子は「磁力線に巻き付くように運動する」という性質があるので、これを利用して真空容器の中にプラズマを閉じ込めるわけです。
 

磁場によって真空容器内でプラズマはこのように閉じ込められます。 ポロイダルコイルの作る垂直磁場を調整するとプラズマの位置をコントールできるのです。プラズマの中心の大半径が3.75mの状態を「標準配位」と呼んでいます。真空容器の中心の大半径が3.9mですのでプラズマはやや内側(LHDの中心寄り)です。



LHDを特徴付けているヘリカルコイル。科学実験施設が美しいというのは不思議な感じがしますね。

















本体内部はこのようになっています。メンテ時には内部も確認します。


 ヘリカルとは三次元の「渦巻き」という意味です。図を見ていただくと分かるとおり、ヘリカルコイルがまるで渦巻きのように組まれていますね。

このヘリカルコイルは「ヘリオトロン配位」という日本が独自に開発した磁場配位を用いており、同じく磁場によってプラズマ閉じ込めを行う「トカマク型」などと比べて、制御における信頼性が格段に向上しています。






実は、このヘリカル型の装置はトカマク型装置よりも歴史自体は古いのですが、実際に製作するには高い工作精度が必要で、なかなか実物を造ることができなかったのです。

核融合科学研究所のLHDは、1990年に建設が開始され、1997年に装置本体が完成しました。翌年の3月には本装置によるファーストプラズマの点火に成功。



これまでの運用で、

・1200万度の高温プラズマを1時間保持

・10兆個/ccの水素プラズマで9400万度を達成(ヘリカル型では世界最高記録)

・300万度で1200兆個/ccの密度を達成




などの成果を挙げています。

核融合研究はLHDでのこれらの成果を基に進められています。
研究者の夢である「太陽を自ら造り上げること」の実現が楽しみです。






iPhone 8

 

iPhone 8

急速充電・タップ起動に対応?



アップルが今年発売する次世代iPhoneについては、これまでのリーク情報から、デザイン刷新により全面ガラス製になることや、現行機種のアップグレード版に当たる「7s」と「7s Plus」に最上位機種の「8」を加えた3モデルが用意されることが伝えられている。

だが、このたび入手した情報から、これまで長く待ち望まれてきた2つの重要機能が新機種に搭載されることが明らかになった。


以下は、著名なリーク情報提供者であるソニー・ディクソン氏から入手した新型iPhoneに関する最新情報。






1.急速充電に対応


ディクソン氏は、新モデルが3機種発売されるとの情報を改めて事実と認めた上で、3モデルの全てに充電ポートを管理する新型チップ「トライスター3ハイドラ」が搭載され、急速充電が可能になると語っている。

ただ、これには不確定要素も幾つかある。

まず、既存の急速充電規格との互換性があるかどうかは不明。

同チップはクアルコム社製ではないため同社の規格「クイック・チャージ」には対応しないが、アップルがマックブック製品で積極的に採用しているUSB3.1を利用したものになる可能性はある。ただ、多額のライセンス料をアップルにもたらしているライトニング端子が撤廃される可能性はかなり低いと思われる。

次に、チップが急速充電に対応していたとしても、実際に急速充電機能を搭載するかどうかは限らない。

実は、iPhoneの現行モデルはiPadの充電器を使えば充電速度を改善できるのだが、iPhoneは高額な価格設定がされているにもかかわらず、この充電器は付属しない。

理由は不明だが、アップルがこの充電器を一般消費者の耳に触れないようにしていることは明らか。

最後に、ワイヤレス充電についての情報は今のところ入っていない。
ただ、筐体の素材が変更されることから、ワイヤレス充電対応の可能性もあると期待している。




2.「タップで起動」はiPhone 8限定機能に


ディクソン氏によると、アップルはアンドロイド携帯で搭載されている「タップして起動」機能をついに採用する予定だという。

ただ、対応するのはデザインが刷新される「8」のみで、iPhone 6から続くデザインを引き続き採用する「7s」と「7s Plus」では対応が見送られる。


スクリーンをタップするだけで通知内容をプレビューできる同機能は、アンドロイド携帯では下位モデルの多くにも搭載されており、アップルの判断は不可解。

ただ、ディクソン氏に情報を提供した関係者は同機能が「今のところ」iPhone 8のみに搭載される予定だと語っており、今後方針が変わるかもしれない。


iPhoneの販売台数減少に直面し、3世代連続で代わり映えしないモデルを世に送り出したことで、革新的な製品を開発する能力を失ったのではとも言われているアップルにとって、2017年はそうした懸念を払拭する大きなチャンス。
だが同時に、堅実なアップグレードや、これまで無視し続けてきた重要機能の搭載にも取り組む必要がある。

OLEDの「曲面スクリーン」や高性能デュアルカメラといった新機能は発表時の目玉となるかもしれないが、「タップして起動」や急速充電は日々の使用において同じくらい便利な機能となることだろう。









http://www.forbes.com/sites/gordonkelly/2017/01/03/new-iphone8-iphone-7s-quick-charging-display-upgrade/#4081deeaa6c0

木曜日, 10月 20, 2016

CO2から簡単にエタノールを生成

 

CO2から簡単にエタノールを生成する方法が偶然みつかる。

 

常温反応で高効率かつ低コスト










米テネシー州のオークリッジ国立研究所の研究者が、意図せずして二酸化炭素(CO2)から非常に簡単にエタノールを生成する方法を発見したと発表しました。これまでは藻や光触媒などを利用する方法がありましたが、新しい方法ではナノサイズの銅とカーボン、窒素を用いる常温の反応だけでエタノールを作り出せます。


The journal ChemistrySelectに掲載された論文を超絶にざっくりと説明すると、その技術はシリコンの上に配置したナノサイズの銅と炭素に、ドーパントとなる窒素とわずかな電圧を供給するだけでCO2を溶かし込んだ水を63%という効率でエタノールに変換する連鎖反応を引き起こすことができるとのこと。

研究者らは燃焼で生じるCO2を分解する方法を調べていたものの、偶然にもエタノールが生成できたことに「とても意外だった」と述べています。

この反応は常温で起こるうえ反応促進のための副反応が小さく、非常に純度の高いエタノールが得られるため、そのままアルコール燃料として利用したりちょっとガソリンを混ぜてフレックス燃料仕様の自動車を走らせたりできます。



インディカーもエタノール+ガソリンのフレックス燃料で走ります





さらにこの反応に使う電力エネルギーを太陽光発電で供給すれば、その場で消費するかバッテリーに蓄えておくぐらい(または売電)しかできなかったエネルギーを液体燃料として保管・運搬できるようになります。そしてエタノールの燃焼で発生するCO2はふたたびエタノールに戻せるため、大きく拡げて考えればこのサイクルは実質的にCO2排出量ゼロと言うこともできそうです。

研究者らは今後もこの技術の研究を深め、より効率的に変換可能となるよう改善したいとしています。願わくば早い時期に実用化まで漕ぎつけてほしいものです。






High-Selectivity Electrochemical Conversion of CO2 to Ethanol using a Copper Nanoparticle/N-Doped Graphene Electrode

 
source: Oak Ridge National Lab

月曜日, 10月 17, 2016

メモリを1000倍高速化する研究

コンピュータメモリを1000倍高速化する研究

磁界記録方式よりも高効率な

テラヘルツ波で書き換えを可能に

 

未来のコンピューターは今よりも1000倍ほど速く動作するようになるかもしれません。

欧露の研究チームがNatureに発表した研究によると、"T-Ray"と呼ばれるテラヘルツ波を利用することで、不揮発性メモリーセルの書き換え高速化が可能になるとのこと。

テラヘルツ波は電磁波と赤外線の間の波長をもつ一種の放射線。放射線と言っても人体への影響はないとされ、身近な使用例としては、空港などで使われるボディスキャナーがあります。パッシブ式テラヘルツ波スキャナーはあらゆる物質から発せられるテラヘルツ波を検知し、たとえば衣服の下に爆薬や武器、密輸品などを隠し持っていないかを検出することが可能です。

チームがNatureに発表した研究結果によると、このテラヘルツ波を使えば、磁化によって電源がなくとも情報を保持できる高速なメモリー(おそらくスピントロニクスメモリー素子)の動作を、電磁波を使った場合の約1000倍にまで高速化できるとのことです。

反強磁性体ツリウム・オルトフェライト(TmFeO₃)を使った実験では、従来使われてきた電磁波に比べ10倍の磁界を発生させ、より高速な動作に対応できることが確認されました。

研究では、まだ実際のメモリー素子としての動作実験には至っていません。しかし研究が進み実用化に至れば、いつの日か筐体の中で"T-Ray"が飛び交う超高速PCなども実現するのかもしれません。



Nonlinear spin control by terahertz-driven anisotropy fields

 

Future information technologies, such as ultrafast data recording, quantum computation or spintronics, call for ever faster spin control by light1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16. Intense terahertz pulses can couple to spins on the intrinsic energy scale of magnetic excitations5, 11. Here, we explore a novel electric dipole-mediated mechanism of nonlinear terahertz-spin coupling that is much stronger than linear Zeeman coupling to the terahertz magnetic field5, 10. Using the prototypical antiferromagnet thulium orthoferrite (TmFeO3), we demonstrate that resonant terahertz pumping of electronic orbital transitions modifies the magnetic anisotropy for ordered Fe3+ spins and triggers large-amplitude coherent spin oscillations. This mechanism is inherently nonlinear, it can be tailored by spectral shaping of the terahertz waveforms and its efficiency outperforms the Zeeman torque by an order of magnitude. Because orbital states govern the magnetic anisotropy in all transition-metal oxides, the demonstrated control scheme is expected to be applicable to many magnetic materials.

 

a, Spin and lattice structure of TmFeO3 shown in the Γ24 phase. Green/blue spheres: Tm3+/Fe3+ ions. Oxygen atoms are not shown, for clarity. The iron spins (blue arrows) form two antiferromagnetically coupled sublattices M1 and M2, which are mutually canted by the Dzyaloshinskii–Moriya interaction, giving rise to a weak ferromagnetic moment F = M1 + M2. In the Γ24 phase (that is, for 80 K < T < 90 K), the antiferromagnetic vector G = M1 − M2 encloses a finite angle 0° < θ0 < 90° with the x axis. b, Spin reorientation phase transitions. In the Γ2 phase (T < 80 K), the antiferromagnetic vector G is aligned along the crystallographic z axis, whereas it lies along the x axis above T = 90 K (Γ4 phase). In the Γ24 phase, G rotates continuously in the x–z plane. c, The crystal field splits the ground state 3H6 of the rare-earth Tm3+ ions into several energy levels with an energy spacing of ∼1–10 meV (schematic level scheme). The corresponding orbital wavefunctions set the magnetic anisotropy for the iron spins in thermal equilibrium (upper panel). Ultrafast transitions between these energy levels resonantly induced by terahertz pulses should exert an abrupt torque on the spins and act as an efficient trigger for coherent spin dynamics (lower panel). The small canting angle is not shown, for clarity.

 

a, Electro-optically detected terahertz transients used to excite magnon/Tm3+ resonances in TmFeO3. b, Amplitude spectrum of the waveform shown in a. Arrows indicate the frequencies of the magnon/Tm3+ resonances. c, Schematic of the experiment. The terahertz pump (red) and near-infrared probe pulses (NIR, blue) are collinearly focused onto the TmFeO3 sample with variable delay time t. Using a λ/2 plate, a Wollaston prism and two balanced photodiodes, terahertz-induced magnetic dynamics in TmFeO3 are measured by polarization rotation of the probe pulses. d, Resonance frequencies of the q-FM (red circles) and q-AFM (blue triangles) modes in dependence on sample temperature T. Black curves are guides to the eye.

 

  source: Nature


土曜日, 8月 20, 2016

人工知能やロボットには奪われない「8つの職業」

 

人工知能やロボットには奪われない「8つの職業」

 

人工知能やロボットが人間の仕事を奪う、という言説がよく聞かれるが、果たして本当にそうだろうか。未来研究というジャンルの学問によれば、未来においては新しい職業が創造されるかもしれない。そしてそれは、わたしたちがいま、機械に譲り渡そうとしている仕事よりも興味深いかもしれない。











テクノロジーが仕事を奪う──これは、いかなる経済革命においてもそうだったように、現在、そして未来においても真実かもしれない。しかし、未来についての専門家たちは、新しい現実に対応する新しい方法を創造している。

「未来研究」(固有のルールと厳密な信頼性をもつ分野で、イタリア・ナポリでも2014年11月、科学をテーマにした博物館「科学都市」で会議が行われた)の実験の多くから浮かび上がってくるのは、将来を展望すると新しいニーズと結びついた新しい職業が数多くある、ということだ。

それでは、どのような職業が考えられるのだろうか。また、その職を得るためには、どのような能力を訓練しなければならないのだろうか。CST(Canadian Scholarship Trust Plan)のレポート「Inspired Mind」に基づいて、以下の8つを紹介する。









1.記憶の演出家(Nostalgist)

 

平均寿命が長くなったとき、人は、できることなら最良の記憶とともに生きたいと望むだろう。しかも、それを自分の部屋で直接体験することができるとすれば、なおさらだ。
住居に関連する新しいテクノロジーは、部屋の中に「没入的な舞台環境」の構築を可能にするだろう。そこで人は、過去にまつわる感覚を再体験し、自身の人生のアイデンティティを肯定的にとらえることができる。自らの体験を追従するような視覚的、音響的、触覚的刺激は、ポジティヴな感覚を生み出すのに適した心地よさをつくり出し、健康にもよい影響をもたらす。

この分野の新しい専門家たちは、環境をデザインする能力と風俗史家の能力、そしてセラピストに典型的な、狙いを定めた聴き取りの能力とを統合させたものになるだろう。
クライアントを本当に幸福にするために、どの年代にインスピレーションを受けるべきかを理解しなければならないからだ。






2.コミュニティ・オプティマイザー(Localizer)

 

2030年に、グローバリゼーションが大きな魅力をもっているとは思えない。コミュニティは、エネルギーの観点でも生産の観点でも、自立するためのリソースを維持しているはずだ。太陽光エネルギー、3Dプリント屋、都市園芸や温室が、各地域を自己完結した世界に変貌させるだろう。
ただしそれは、これらすべてのリソースを効果的に調整して、システムの基礎を管理することのできる誰かが存在すれば、の話だ。

このキャリアを歩みたい人は、まず何より、ネットワーキングと、さらには福祉関係の能力を発展させなければならないだろう(ソーシャルワーカーや、もっと単純にいえば「良き隣人」に典型的な能力だ)。ハードスキルでいえば、物流やサプライ・チェーンのマネジメント、数学・会計の能力が有益だろう。



3.ロボット・アドヴァイザー(Robot Counsellor)

 

15〜20年のうちに、家庭においてロボットのアシスタントが働くのが一般的になっているはずだ。最近イタリア・テクノロジー研究所(IIT)は、家庭用ロボットを経済的に手の届くようにするため、そして、それらをスマートフォンのテクノロジーと接続するためのプロジェクトの始動を発表している(その価格指標は、現在の25万ユーロから、目標として10万ユーロが設定されている)。

ロベルト・チンゴラーニ(IIT所長)が強調しているように、ロボットはわたしたちの体のもつ「意味論」を理解しなければならないだろう。この分野の研究はすでに進んでおり、良い成果が挙がっている。

機械にぬくもりが欠如していると恐れる人もいるかもしれない。高齢者の多くにとって、自身のプライヴァシーと自立意識を放棄することは、気の滅入る要素だ。しかし、ロボットのことを、管理下に置ける「おもちゃ」と潜在的に考えることができればネガティヴな感情も緩和できるし、かたや介護する側はストレスのたまる活動から解放され、クリエイティヴな瞬間に集中できるようになる。

とはいえ、ロボット介助を選ぶとき、介助される人のニーズや特徴を踏まえ、生活スタイルや家庭の動きを考慮に入れた厳密な選択が必要だ。これらは、ロボットという“新しいアシスタント”の到来によって滅茶苦茶になる可能性がある。

そのとき人間に必要な能力は、市場に存在するソリューションに関する知識とそれを提案する際の独立性に加えて、家庭カウンセラーの能力や、家庭が新しいテクノロジーを理解し、習得するための教育者の能力だ。



4.企業文化のエキスパート(Company Culture Ambassodor)

 

企業同士が、最良の人材を確保しようと競合することになる。そして、企業が才能を獲得し、彼らが「自分はいま、ふさわしい場所にいる」と感じさせるためには、それ専門の人材が必要となるだろう。
彼らが担う仕事は、レクリエーションや金銭とは異なる利益によって人を楽しませ、コミュニケーションを取り、企業の価値観を伝え、それが共有されるようにして、仕事が楽しいという環境と雰囲気をつくり出すことだ。

実際、現在でもすでに、こうした「目的」を掲げる仕事場も存在する。しかし、このような目的の下、グループの世話をする人物は、まだ誕生しなければならない職業だ。

こうした専門家がもっている能力は、熱狂できる性質とクリエイティヴィティ、イヴェント開催者がもつものと似た能力だ。そしてさらに、これらの特性を、仕事の組織化や教育、社会学や心理学の能力と統合する必要がある。



5.単純化の専門家(Simplicity Expert)


世の中に情報が氾濫し、人と人との間のやり取りが倍々ゲームで増えていく。そこから生じて増加していく「複雑性」を前にしたとき、「単純化」の要請が増えていく。あるプロセスの要点を見つけだし、クリエイティヴな仕方で方法を合理化して、実行の時間を減らし、より価値の高い活動のために時間を残す。そんな職能は、さらに多くの人を喜ばせることになるだろう。

例えばイタリアでも、こうした「複雑性マネジメント」の授業が行われている。自分の履歴書に含めておくべき要素は、数学の能力、社会学・心理学の能力、そして当然のことながら、マネジメント能力だ。



6.輸送アナリスト(Auto-transport Analyst)

 

いわゆる「運転手」がどんどん少なくなって、輸送はますます自動化されていく。ドライヴァーを必要としない自律走行車を運行することで、死亡事故を劇的に減らすことができるだろうと研究者たちは語っている(ある専門家たちは、その数は80〜99%減少すると言っている)。

しかしここでも、人間の手と、そして問題を予防し不測の事態に対処しユーザーの不便をタイミング良く解決する管理者が必要だ。このような人物は、サーヴィスを向上させる戦略もつくり出せなくてはならない。
この仕事がどんな人にすすめられるかというと、物流に情熱をもっている人はもちろん、数多くの小さなパーツが集まってひとつのシステムをつくり上げる仕組みを理解する適性を持っている人々だ。忍耐力があれば、なおいい。通勤客のような毎日旅をする人のストレスを理解するのに必要なことだ。

すべての仕事と同じように、ますます多文化になっていくであろう大都市においては、複数の言語についてのしっかりした知識が必要だ。



7.健康ガイド(Healthcare Navigator)

 


ヘルスケアの分野はいま、進歩の真っ盛りだ。そしてテクノロジーは、患者を院内だけでなく、その自宅までも追跡する新しいツールとプロセスを病院にもちこむことになるだろう。
すでに現在、病院だけで自分自身や大切な人の経過を追って決断を下すのは、困難かつ大きなストレスの原因となっている。そのとき病院がなにかイノヴェイティヴなシステムに変わるスピードが加速すれば、人々を過度に混乱させてしまうかもしれない。

患者やその家族が診療を受け、なにか決断を下すとき、病院や家庭での治療をサポートする院内の専門家が必要とされるのは、容易に予測できる。


“病院のウェルギリウス(『神曲』でダンテの導き手となる詩人)”は、「看護師とソーシャルワーカーの進化形」と見なすことができる。その役割は、保健制度についての完璧な知識をもつことになるだろう。そしてさらに、患者と、彼らが入院する際に有益となる人々(薬剤師、医師、保健アシスタント、理学療法士ら)との間をつなぐ接点となるだろう。



8.3Dプリントの構造設計者(Makeshift Structure Engineer)

 

洪水や地震などの災害が起きたとき、避難者を迎え入れて社会組織を再構築するためには、受け入れ施設を短時間で用意しなければならない。そのとき3Dプリンタが、緊急用施設をつくるのに利用できる(ガジェットをつくることができるだけではないのだ)。

この分野で専門家になりたいエンジニア/設計者は、3Dプリントのテクノロジーを知らなければならないが、それだけでなく、突発的な状況で働くことができなくてはならない。しっかりとしたリーダーシップが必要とされる。








必要な能力として浮かび上がってくるのは「横断的な能力」とでもいえばいいだろうか、社会科学やコミュニケーション技術などが結びついたものだ。

人間のあらゆる行動は、わたしたち人間にとってはごく自然で、あたりまえのものだ。しかし、その背後には学ぶべき科学が存在すると思い出すことが、新しい「サイバー労働者たち」と(少なくとも)対等に渡り合うための第一歩なのかもしれない。











TEXT BY DANIELA MANGINI
TRANSLATION BY TAKESHI OTOSHI

WIRED NEWS (ITALIA)




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水曜日, 7月 27, 2016

硬さと軽さの両立|Nike

 

 

ナイキの美しき「アルゴリズミック・シューズ」が、五輪の100M走を劇的に変える

 

メタリックで青紫色、異なる大きさの穴が空いたプレートをもつナイキの新しいシューズは、コンピューターによってデザインされている。短距離走者のタイムを少しでも縮めるために「硬さと軽さの両立」を目指した、ナイキスポーツ研究所の4年間の実験の成果である。


ナイキの新しいシューズ「Zoom Superfly Elite」。
PHOTOGRAPH COURTESY OF NIKE



ナイキがリオオリンピック用につくった新しい陸上用スパイク「Zoom Superfly Elite」のスパイクプレートは、スポーツウェアとしては驚くほどシャレている。

プレートは、メタリックで青紫色。穴の大きさがバラバラの格子状になっている。その異様なデザインは、まるでディスコボールがサンゴと交配したみたいだ。

しかし、性能においては驚くべきメリットがある。100メートル走の選手のタイムを、0.1秒以上も縮めることができる。これは4位の選手を金メダリストに変えるくらい大きな違いである。

Zoom Superfly Eliteのスパイクプレートは1枚の素材でできており、従来の短距離用シューズのようにネジで留められていない。また、クモの巣状の構造はこれまでのどんなものとも似つかない。そのセルは足の外側や土踏まずの周りで縮んでおり、母指球や踵の辺りでは広がっている。

こうした馴染みのないデザインは、ナイキのスポーツ研究所の、4年以上にわたるアルゴリズムによるデザインと3Dプリント技術による実験の結果である。

ロンドンオリンピックの前から、デザイナーたちはいままでで最も軽量で硬いプレートをもつスパイクの制作を始めていた。そしていま、ジャマイカの陸上スター選手、シェリー=アン・フレーザー=プライスの協力のもとにつくられたZoom Superfly Eliteを、ナイキはついに完成させたのだ。

このスパイクプレートの重さは61g。ナイキの前モデル「Ja Fly2」の118gから半減している。そして硬さは約4倍にもなった。


100メートル走において、選手のタイムを10分の1秒以上も縮めることができる。4位の選手が金メダリストになるくらいの違いだ。
PHOTOGRAPH COURTESY OF NIKE

そのプレートはメタリックで青紫色。ランダムな格子状になっている。
PHOTOGRAPH COURTESY OF NIKE

その結果、スパイクプレートの重さは61gまで減少。前モデルの118gから半減した。そして硬さは約4倍になった。
PHOTOGRAPH COURTESY OF NIKE

このシューズは、ナイキのスポーツ研究所の、4年以上にわたるアルゴリズミックデザインの実験の結果だ。
PHOTOGRAPH COURTESY OF NIKE





 

 

 

「硬さと軽さの両立」を目指すためのアルゴリズム

 

もしあなたが短距離走者なら、硬いスパイクは強い味方になる。
2000年、カルガリー大学のヒューマンパフォーマンス研究所の研究者は、硬い靴底は中足指節関節(足の指のつけ根の部分)のエネルギー損失量を軽減すると発表している。

それは、陸上選手の全力疾走とジャンプの効率をよくすることを意味する。続く研究では、シューズの硬さが増すほど、短距離走のタイムの短縮につながることもわかった。

しかし、陸上用のスパイクをデザインするのに、硬さだけが大事なわけではない。
ナイキランニングフットウェアのイノヴェイションディレクター、ブレット・スクールミースターによれば、陸上用スパイクに硬さを求めることで、結局はシューズの重量化につながってしまいがちだという。シューズの硬さだけを追求するとスパイクは重くなり、「硬ければ硬いほど速い」という方程式は崩れてしまう。シューズが重すぎれば、いくら硬くても選手は速く走れない。

重さと硬さの関係に悩んだナイキのデザイナーは、コンピューテーショナルデザインに目をつけた。「ジェネラティヴデザイン」、あるいは「アルゴリズミックデザイン」とも呼ばれるそのデザイン手法は、より軽量で、丈夫な構造を制作するのに理想的な方法だからだ。








人間が「現存するシューズを改良する」というアプローチでデザインをするのに対して、コンピューターは「硬さと軽量化の両方を改良する」という目標を容易に達成できる。

ナイキスポーツ研究所で、デザイナーはプライスが100メートルを走ったときのデータを測定。彼らはそのデータを、重さと硬さが最適となるプレートの形を計算するアルゴリズムに送り込んだ。彼らは3Dプリンターで試作品をつくり、試作品を実験し、確実に結果を出すデザインができるまでそのサイクルを繰り返し行った。

いまのところ、研究所では成果が出ている。
プライスがZoom Superfly Eliteを履いて100メートルを走ったとき、タイムは0.148秒も短縮したのだ。大したことではないように思えるかもしれないが(0.148秒は瞬きする時間よりも短い)、プライスがロンドンオリンピックで金メダルを取ったとき、2位との差はわずか0.03秒だった。

「信じがたい結果です」とスクールミースターは言う。「0.148秒速くなれば、表彰台に届かないくらいの選手を金メダリストにすることができます






PHOTOGRAPHS COURTESY OF NIKE
TEXT BY MARGARET RHODES

WIRED US



Flyknitとは何なのか?|Nike

「ジェネラティヴデザイン」

 

 

「ジェネラティヴデザイン」

 進化するデザイン手法



重さ35kgのバイク「Light Rider」。
PHOTOGRAPH COURTESY OF APWORKS









ドイツのAPWorksが製作した「Light Rider」は、総重量35kgの超軽量バイク。この骸骨のような見た目のフレームは、「ジェネラティヴデザイン」と呼ばれる、コンピューターアルゴリズムを利用したデザイン手法によってデザインされた。



骸骨のようなバイク「LIGHT RIDER」の重量は、わずか35kgでしかない。ちなみに、BMWの「GS」は約250kg、Harley Davidsonの「Fatboy」は約330kgだ。

「自転車のような静かさと軽さ、かつバイクのようなスピードと安定性がほしかったのです」と、このバイクの製作責任者、ステファヌス・シュタールは言う。
彼は、German Airbusの子会社、APWorksのデザイナーだ。

Light Riderは、3Dプリンターでつくられたアルミニウム合金製のフレームを、金属製の蜘蛛の巣のように組み立てることによって、そのバランスを実現している。近づいてみると、肋骨の間から臓器を見るように、フレームの合間からバイクの機械部分を覗き見ることができる。



PHOTOGRAPH COURTESY OF APWORKS

 

アルミ合金製のフレームは、3Dプリンターでプリントされたものだ。
PHOTOGRAPH COURTESY OF APWORKS



ジェネラティヴデザイン、あるいはアルゴリズミックデザイン

 

Light Riderの奇妙な形は、「ジェネラティヴデザイン」と呼ばれる手法によってつくられた。
ジェネラティヴデザインは、建築からプロダクトデザインまで幅広くカヴァーする、デザインの新しい手法のひとつである。

従来であれば、イスやバイク、建物をつくるとき、デザイナーはまずその見た目をイメージしたのち、自らプロトタイプを製作する。
しかし、ジェネラティヴデザインでは、そのプロトタイピングの部分をコンピューターアルゴリズムにやらせるのだ(そのため、ジェネラティヴデザインはアルゴリズミックデザ インとも呼ばれる)。

「ジェネラティヴデザインでは、デザイナーは課題のゴールを示し、コンピューターにデザインの設計や改善を行わせます」と、Autodeskのレジデントフューチャリストで、ジェネラティブデザインの先駆者であるジョーダン・ブラントは言う。デザイナーは、 スチレンボードからモデルを製作する代わりに、アルゴリズムにプロトタイプの形状や機能を判断させるための要件(サイズ・重量制限や希望するデザインなど)を決めるのだ。



どう機能すべきかを、設計に組み込む

 

Light Riderの場合、デザイナーがシートの高さ、ホイールベース、バイクのフットレストやハンドルの位置といった変数を指定した。また、特定の状況下でバイクがどのように機能するべきかなども、デザイナーがまとめた。

「ライダーがLight Riderに座ったとき、あるいは何かに躓いた場合にどのような負荷がかかるか、などを算定しました」と、同プロジェクトのデザイナーである二ールズ・グ ラフェンは言う。それらのデータをもとに、「APWorks」のアルゴリズムが、あらゆる負荷に耐えうる最適な形状をつくり出す。どの形状でも、使う材料はできる限り少なく抑えられている。

「どの部品も、あるべき場所に配置されているのがわかります」とグラフェンは言う。デザイナーたちはソフトウェアがつくった設計図を調整し、それを3Dプリンターに送って14種類のパーツを生成する。そして、それらを組み立てるのだ。



コンピューターアルゴリズムを利用した「ジェネラティヴデザイン」というデザイン手法で設計された。
PHOTOGRAPH COURTESY OF APWORKS

PHOTOGRAPH COURTESY OF APWORKS

PHOTOGRAPH COURTESY OF APWORKS

 

 

“進化”したようなフレーム

 

ジェネラティヴデザインを、ある種の加速された進化であると考えている人は多い。

アルゴリズミックデザインの工程では、まるで選択圧に反応して進化が起こるように、パラメーターに対応してデザインが決まる。進化とアルゴリズミックデザインが同様の選択(強度や重量など)を行えば、その結果として生み出されるものも類似するのかもしれない。
Light Riderのフレームがいい例だ。

エンジンや後輪の緩衝器周りなど、バイクでいちばん負荷がかかる部分が最も頑丈なつくりになっている。ある意味、このバイクの骨格は人がバイクに乗っているときに何が起こっているかを可視化したものである。








同じくジェネラティヴデザイン(アルゴリズミックデザイン)の手法で製作された畳。部屋の広さや形などを入力すると、コンピューターが条件にあわせてランダムに畳のパターンを生成する。
(『アルゴリズムと伝統技術が実現する「ヴォロノイ畳」のカスタムデザイン』より)

 

 

速そうに見えるが、速くない(いまはまだ)

 

完成形は極めて軽いが、強い。「まっすぐ立っていても、速そうに見えなければなりません」と、シュタールは言う。同様に、バイクは重量感があるように見えた方がいい。しかし、重量は強度の条件ではないとも彼は言う。

Light Riderは、市場に出回るバイクのなかで最高のパフォーマンスを誇るバイクではない。1回のチャージで120kmほどしか走れず、最高時速も80km程度だ。

同チームは現在、別ヴァージョンのバイクを製作中であり、そちらはもっとスピードが出るであろう。56,500ドル(およそ570万円)で買うこともできる。

Light Riderに乗るのは死ぬほど楽しいとシュタールは言う。「加速が素晴らしいんです。馬力があるから、ウィリーも最高です」






PHOTOGRAPHS COURTESY OF APWORKS
TEXT BY LIZ STINSON
EDIT BY WIRED.jp_A

WIRED US