金曜日, 5月 27, 2016

「iBot」が復活へ

 

セグウェイの生みの親が発明した6輪車いす「iBot」がトヨタと共同で復活へ

 

 


あのセグウェイを発明したことで知られるディーン・ケーメン氏が、階段を登れる電動車いす「iBOT」を過去に発明していたことはご存知でしょうか。
大小6つの車輪を持つことで斜面や段差をものともせず進むことができ、さらにはまるで2本脚で立ち上がるかのように姿勢を変化させて走行することができる近未来車いす。

2万 5000ドルで発売されましたが、2009年にコスト上の都合で製造中止。2013年の終わりにはサポートも終了しています。

このiBOTを復活させるプロジェクトを、ケーメン氏が設立したDEKAとトヨタ自動車が合同で立ち上げることになりました。




iBOT Poised for Comeback | Corporate
http://pressroom.toyota.com/releases/toyota-deka-research-partnership-may21.htm


トヨタのアメリカ法人のひとつである「トヨタ モーター ノースアメリカ」は2016年5月21日、ケーメン氏が設立した「DEKA Research and Development」と共同でiBotの開発を行い、次世代のiBotの提供を実現するためのサポート体制を敷くことで合意に達したことを発表しまし た。



ケーメン氏が自らiBotに乗って登場して提携を発表しているムービーが公開されています。






ケーメン氏がiBotに乗って登場。この状態のiBotは、まさにセグウェイのように2輪だけで立ち上がっている状態。

モーターで駆動される6つの車輪を持つことで、iBotはさまざまな状況でも高い走破性を備えているとのこと。

斜面を登るときは6輪状態でしたが、連れ添いの人と並んで歩くときには……

後ろの2輪だけで「ひょい」と立ち上がって走行が可能。こうすることで、横の人と同じ目線の高さで歩けるというメリットが生まれるのが画期的なポイント。

滑りやすい芝生の斜面を登ることができ……

もちろん斜面を下ることも可能。このような状況でも、座面の角度は常に一定に保たれる機構が備わっているので、乗っている人がずり落ちてしまう心配はありません。

普通の車いすだと立ち往生しそうな段差でも、大きな4つの車輪を巧みに操ることで走破が可能。

まだまだ世の中には「バリアフリー」が徹底されていない場所もありますが、iBotはそんな場所でも問題なく進むことができるというわけです。

ケーメン氏は2000年代前後にiBotを発明しており、2000年にはホワイトハウスの執務室で当時のビル・クリントン米大統領と一緒に写真に収まって いたことも。画期的な乗り物として認知されているセグウェイですが、実際には開発コード「フレッド」の呼び名で先に開発が進められていたiBotから派生 して誕生した、というのが事実だとのこと。



「セグウェイの発明者による車いす」として注目を集めたiBotは実際に2万5000ドル(110円換算で275万円)で販売が行われていましたが、セールスがあまり好調ではなかったためか、2010年前後にはほとんど動きが見られない状態に入っていました。


iBOT Discontinued -- Unfortunate for the Disabled but Perhaps a Budding Robotics Opportunity? | Hizook
http://www.hizook.com/blog/2009/02/11/ibot-discontinued-unfortunate-disabled-perhaps-budding-robotics-opportunity





販売当時はテレビCMでも製品が紹介され、セールス活動が行われていた模様。以下のCM映像ではビーチを走ったり階段を画期的な方法で登り降りしたりすることで、従来の車いすでは不可能だったライフスタイルが実現できるというメリットがうたわれています。







トヨタとDEKAの両社は、共同で体の不自由な人向けのソリューションとしてiBotの開発を行うことを発表しています。実際に「新生iBot」が登場する時期は未定です。




 Palmi(パルミー) 二足歩行 コミュニケーション ロボット






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