木曜日, 4月 28, 2016

ダイソン、次は打ち出の小槌

 

ではなく、 


創業者のジェームズ・ダイソン氏が

美容家電に参入するべく4年以上研究を

重ねてきた革新的ドライヤー「Dyson Supersonic」

 

 




美容家電の分野へ新たに参入し、今回世界同時発表ということで、ヘアードライヤー「Dyson Supersonic」の発表会に登壇した創業者のジェームズ・ダイソン氏。
「Dyson Supersonic」がいかにして生まれたかを熱く語りました。



登壇して挨拶もそこそこに、すぐにアンベールしたジェームズ氏。

従来のヘアードライヤーは、ヘッド部分が大きいため操作性が悪く、熱で髪の毛を痛めていたり、ロングヘアーの人は髪の毛が吸い込み口に絡まってしまい危険性を指摘。
これらの問題を一掃すべくエンジニアに対して様々な研究をするよう指示したと言います。




まず、毛髪について研究しました。熱が髪の毛に与えるダメージはもちろん、光を当てたときの髪の毛の輝き方にまで調べたそうです。様々なタイプの髪の毛を用いてテストするために、専用の試験装置も開発。全長1625kmを超える人毛を使用して研究を続けてきました。



▲さまざまな毛髪に対してテストをするための装置を開発。



その結果、設定した温度を絶対に超えないよう、温度センサーが毎秒20回計測。その情報を元にヒーターを調整する「インテリジェント・ヒートコントロール」を開発しました。これにより熱による毛髪のダメージを排除しています。


▲熱風が出てくる周りにセンサーを搭載。温度を管理してダメージを与えないようにしている。




送り出される風は、羽のない扇風機でお馴染みのエアマルチプライアーテクノロジーを採用。ハンドル部分に設置したモーターは、このために開発した最小・最軽量の「ダイソン デジタルモーター V9」。軸にカーボンを巻いた磁石を配し、回転数は一般的なドライヤーの約8倍にあたる毎分最大11万回転。直径は27mm。インペラー(羽根車)ブレード数は13枚にすることで、不快な回転音を抑制しています。


▲一般的なモーター(右)とDyson Supersonicのモーター(左)のサイズ比。こんだけ小さいことをアピール。




▲空気の流れ、それに伴う音をいかに小さくするか。




▲インペラーに取り付けた軸にカーボンを巻いた磁石を配置。




インペラーはアルミ製の削りだしで、精密さが要求されるため、これを制作するのにドイツの軍事用機器を採用。工場へ輸出するのに許諾が必要だったと語っています。


▲インペラーを削りだす装置は、軍事用機器を使っている。




防振ゴムと消音器も配することで静音化を実現し、モーターがハンドル部分にあることで、重心の位置が従来の本体部分から持ち手のあたりに移動。ドライヤーをするときどのような力を使うのか研究をしたうえで、いかに疲れずに使えるか追求したデザインに仕上がっています。


▲Dyson Supersonicの重心の位置。頭が重くないのでそれだけでも疲れにくい。




▲ドライヤーを使うときの動作を3次元的に解析し、疲れにくくするにはどうればいいか研究。





また、各種過酷なテストを行ない、どんな悪条件でも壊れにくい製品を目指しています。たとえば、ずっと揺すったり、柱に叩きつけたり、落としたり、踏み潰したり、動作したまま水中へ落としてみたりと、そのテスト映像は、スゴイを通り越して滑稽でした。




▲踏みつけたり、水中に落としたりとひどい仕打ちを受けるDyson Supersonic。念のため防水ではない。






アタッチメントは、3種類あり、どれもマグネットで吸着するので、装着や角度調整がカンタン。吹き出し口は2重構造になっているので、触っても熱くはなく、取り外しも手軽にできます。

▲マグネットを採用したことで、装着と調整のしやすさが断然違う。また、二重構造で外側に熱が伝わりにくくなっている。




▲アタッチメントは3種類。





こうして生まれた「Dyson Supersonic」は、ドライヤーに革命を起こしたと言っても過言ではありません。風量は 毎分2.4立方メートル。通常のドライヤーがおより毎分1.3から1.5立方メートルなので、かなり強いです。実際触ってみましたが、短髪なら最小でも十分すぎるぐらいです。



 

▲ヘアメイクアップ・アーティスト加茂克也氏によるデモンストレーション。MAXでロングヘアーがたなびく。





設定温度は3段階で78度、62度、45度。それにプラス送風があり、ボタン1つで切り替えられます。風を送る部分が短くなったぶん、取り回しもラクで風の当たる位置も調整しやすい感じです。

▲上についているプロペラマークが風量。赤いのが温度。押すごとに強さが変わる。下の水色のボタンは、送風ボタン。



▲カットモデル。




▲カットモデル。


▲カットモデル。


▲モックや試作機の偏移。



▲空気を吸い込む部分は、フィルター状になっていて、定期的に掃除するために外れるようになっている。掃除の時期がきたら風量ランプが点滅する。




価格は、4万5000円(税別)。アイアン/フューシャとホワイト/シルバーの2色を用意。ジェームズ・ダイソン氏がデザインしたレザーボックス付きの限定版は、5万5000円です。正直一般のドライヤーと比べたらかなりの高額ですが、一度使うと手放せなくなるくらいの商品なので、検討してみてはいかがでしょう。



▲プレゼントに最適、Dyson表参道店と直販でのみ販売のレザーボックス入り商品。5万5000円(税別)。