火曜日, 4月 26, 2016

「消えてしまいたい」と思ったあなたへ

 

「消えてしまいたい」と思ったときに

 して欲しい「心のケア方法」

 

ストレス、病苦、災害や事故などのショック…
耐えられないほどのつらさを抱えたときに、ふと「ああ、消えてしまいたいな」と思うことはありませんか?なぜそんな風に思ってしまうのか、その時どうしたらいいのか、あなたの心を見つめながら一緒に考えてみましょう。

消えたいと思う気持ち

 

 

 






「私なんか無くなってしまいたい」

 

「もう生きていたくない…このまま塵にでもなって消えてしまいたい。この世から存在を消してしまいたい」

とても心が虚しくなったとき、そんな風に思ったことはないでしょうか?

 一度も思ったことがない人にとっては「なにそれ?自殺したいっていうこと?」そんな風に取られることもあると思うのですが、ちょっと違うんですよね。

とてもパワーがある人、元気な人にとって、海の藻屑のように消えてしまいたいという気持ちはあまり理解されないものかもしれません。

しかし、疲れ果てて、ひたすら虚しいだけになってしまった心を、そのままただ存在だけさせておくこと、それはとても辛いことで、できることなら勝手に無くなってくれないかな…と思ったとしても、全く不思議なことではないのです。

そう、自分がどうにも楽には生きられない、そう感じてしまった人達の中には「自分なんて、何もかも無くなってしまいたい」と言う人は、意外と多いのです。

 

あなたの「消えたい」は決しておかしな気持ちではない

 

この記事をご覧いただいている人は、少なからず「消えてしまいたいな」と心のどこかで思っていらっしゃる方なのではないでしょうか。
やり場のない不安と、心の奥底から湧きでてくる深い絶望感に満ちた気持ちでいらっしゃるのかと思います。


では、どんなときに「消えてしまいたい」と思うのでしょう。

先ほどもお伝えしましたが、それを言う人の心はとても虚しい状態と言えるでしょう。
 
大切などなたかが病気になったり、亡くなったり、あるいはご本人が病気に苦しんでいることもあるかと思います。仕事を辞めざるを得なくなるなど「それは悩み苦しんでも仕方がないだろう」というような事柄に出くわし、苦しみ尽くした先の虚しさかもしれません。

また、日常での継続したストレス、自分の生き方を否定されるような事柄など、その人でないと分からない「とても大変な悩み」もあります。

さらに言うと「なんだか分からないけど私には存在する意味がないのかもしれない」という、一種の不全感みたいなものもあります。
 これは容易に他人に理解されないことから、相当な辛さを味わうストレスとなると思います。

そのほかにもたくさん原因はありますが、こうやって悩み苦しんでもがき続けて、もう疲れてしまった、虚しさを感じてしまった、早く楽になりたい…こんな想いが「消えたい」に凝縮されているのです。


どうでしょうか?どんな人にでも、起こりうる、当たり前の感情ではないでしょうか?

 

「消えたい」とは

 

「消えたい」という言葉には実は「自殺したい」「殺してほしい」という意味合いはそれほど濃くはありません。

実はそうした人達は「疲れ果てました、早く楽になりたいです」と呟いていることが多いのです。

実際に自殺をするためには、まず怖い思いをしなくてはなりません。痛いかもしれないし、苦しいかもしれない。あの世がどういうところかもわからないし、死んだ後にどうなってしまうのかわからない。そもそも「別に死にたくなんかない」のです。

「死にたい」ではなく、
「ここからいなくなりたい」「自分の存在をなかったことにしたい」… が近いでしょうか。

もう疲れ果てて虚しい感情を抱えた自分など、無かったことにしたいというような気持ちが強く、自分に手を下して積極的に「死の世界」に飛び込む元気もない状態です。

「消えたい」は「今の辛さから逃げ出したい」なのです。

あなたはどうでしょうか?


本当は消えたくなんかない

 

 

辛さに孤独が覆いかぶさるとき

 

もしも「今の辛さ」がどのような辛さであっても、一緒に辛さを共有してくれる人がいてくれたらどうでしょうか。本音を言い合える、辛い苦しいと言い合える仲間が一人いてくれたらどんな感じがするでしょうか。多分、心の重荷も半分になることと思います。泣き言を言わせてくれる人がそばにいるだけで心が少しでも潤います。

ところが、誰もあなたの言うことを分かってくれない、味方になるどころか同意もしてくれない、さらに聞いてもくれない…そんな状況だとどうなるでしょう。
 多分あなたは、本来の辛さに追い打ちをかけるような孤独感を感じることでしょう。

誰にも分かってもらえない、辛さを「辛い」と口にすることで虚しさがより大きくなってしまう…だからこそ、あなたの虚しさは大きくなって、やがてここにいることにすら疲れてきて、さらに「消えたい」に繋がってしまうのです

 

孤独は辛い!でも周りの人の反応は?

 

聞く人によっては「消えたい」なんて聞かされてしまうと「何を言っているんだ」「自殺したいのか」「生きたくても生きられない人もいるのに」と(多分)あなたが思うのと違う、しかも全く分かってもらえていない感じすらする反応をされることがあるかと思います。

一般的に、大事な人が「消えたい≒死にたい(ここに誤解があるのですが)」という言葉を放ったとき、聞いた人は取り乱したり、なんとか自殺を食い止めようとお説教をしたりしてきます。それはその方のあなたに対する愛情表現なのですが、残念ながら「消えたい」あなたに対する納得のいく答えではないでしょう。

そんなときには、是非専門家に話を聞いてもらうことをお勧めします。
家族でも、知り合いでもない、お仕事としてそういう気持ちを聞いてくれる人はたくさんいます。 

 

「辛い」「消えたい」って言いましょう!

 



もしも、ずっと暗い気持ちや悲しい気持ち、鬱々とした気持ちが2週間以上続いていたら、心療内科や精神科のお医者さんにかかってみるべきです。

「え、私は悪い病気なの?」とは思わないでください。

お腹が痛ければ内科にかかるように、心が痛いときもお医者さんに相談してみましょう。

ただし、お医者さんは話を聞く専門家ではありません。
お話をある程度聞いたうえで、治療が必要だと思ったならば、とりあえずお薬で「眠れない」「気持ちが落ち込む」といった目の前の困っていることに対処する術を与えてくれます。

「とりあえず楽になる」ことは、とても大事なことです。それは自分が何でそんなにつらい思いをしているのか、考える余裕をくれるからです。

話を聞いてもらうということでは、カウンセラーというお仕事の方々が得意分野です。
保険が効かないので少し費用はかかります。しかし、彼らはあなたの虚しさや、それに至る根本的な辛さをじっくり聞いてくれます。
多くは「耳を傾けてくれる」ことが彼らの仕事の仕方ですが、自分の本音を遠慮なく話すことができるという点ではオススメです。

居ても立っても居られない、今すぐ話を聞いてほしい!というときには「いのちの電話」や「よりそいホットライン」などの無料電話相談(一部電話料金はかかります)があります。

これは、自殺を考えている人の話を聞いて落ち着いてもらったり、生きるのが苦しくなっている人の気持ちを聞いたりするための電話相談なので、本当に辛いときにはとても助かります。しかし、回線の数の割に「話を聞いてほしい人」が多いため、多少電話がつながりにくいことは覚悟しておいてください。


また自治体にはだいたいのところに「精神保険相談」等の電話相談窓口があると思います。それを利用するのもオススメです。そちらはただ話を聞くだけではなく、役所で使える制度を教えてくれたりもします。

 もっと楽になりましょう

 

 

書き出すとスッキリする!

 

お医者さんや専門家の手を煩わせるほどではなさそう、もうちょっと気軽に重荷を下ろしたい…そんな時に、簡単で効果的な方法が一つあります。

紙と鉛筆を用意して、ひたすら何が辛いのか、どんな風に思っているのか、どう悲しいのか、そういった自分の本音を書きなぐってみるのです。書き切った紙を眺めてみると、あなたがなんで消えたいとまで思うようになってしまっているのか、自分で客観的に見ることができるようになります。

客観的に見た自分は、可哀想で、しんどそうで、辛そうで、見ていられないほどかもしれません。そう感じられるなら、心のままに、感情を押し殺さず、その紙を眺めながら自分のために大泣きしててください。涙と一緒に心の中の辛いものが流れていきます。

今までもやもやと心を曇らせていたそういう邪魔なものがすっきりすると「じゃあどうすればいいのか」と、次のステップに自ら繋げていける可能性が高くなります

 

しぼんだ心を膨らませて…

 




また、明らかにオーバーワークの時は、よく眠りましょう。
アロマオイルをたっぷり入れたぬるいお風呂に入ってリラックスするのもよいし、体を動かせるようなら少しウォーキングや趣味のスポーツを取り入れてみると眠りの質が良くなります。簡単なストレッチをしてからお布団に入るのもおすすめです。それだけでも心に少しゆとりができることがあります。

もしそれをする気持ちになれるのならば、好きな音楽や映像を見るのもいいかと思います。心の中にできてしまった穴に、お気に入りのものを詰めてしまうやり方です。

どうにもこうにも体が動かなくなったときは、あなたの体と心からの「どうにもならないよ」というサインです。

場合によってはお仕事をお休みさせてもらうなどの措置も必要になると思います。一時休んで「ああ、出世街道から外れちゃったな」「周りに迷惑をかけてるな」と思ってしまったとしても、それで自分らしさが取り戻せるならば、それはとても有意義なお休みになるはずです。その頃には医師の診察を受けていることだろうと思いますし、医師もまた「休んだほうがいいな」と思っていることが多いと思います。

 

重荷や空虚を手放しましょう!

 




今ある辛さや虚しさが少しでも軽減したときに、あなたはそれでもまだ消えたいと思うでしょうか?また明日には同じように「辛い、消えたい」と思ってしまうかもしれません。
それでも、今の「消えたい」は少しでも楽になるのではないでしょうか。



繰り返しますが「消えたい」はあなたの心からのSOSであり、他人から責められるような類いの感情ではありません。

あなたは楽になりたいだけなのです。人間として当たり前の感情を持っているだけなのです。

もしも、何とか明日を消えないで乗り切ることができ、「可愛い花が咲いていた」「お散歩中の犬と目が合った」くらいの、本当に些細なことでもうれしいことや楽しいことがあったとしたら、その先の人生もちょっと覗いてみたくなるのではないでしょうか。

今の辛さや疲れをまずは手放して、一つ深呼吸をしてみてください。周りをよく見てみてください。

明日また消えたくなったら、またいろんなやり方で楽になる方法を試してみればいいだけのことです。


そうやって、少しずつ心の重荷を捨てていけたらいいですね。