火曜日, 11月 17, 2015

内向型にも4つのタイプがある

 

内向型にも社交系、思考系、不安系、抑制系の4つのタイプがある(米研究)


内向的か?あるいは外向的か?人の性格の核を成す一つの側面として、そのどちらかに分類される局面も多いと思うが、いずれも心理学的に単一の絶対的な定義はない。

研究では、内向型は社交系、思考系、不安系、抑制系の4つのタイプに分類できるという。


カール・ユングによる「内向型/外向型」の概念  「内向型」に関する定義は、心理学者のあいだでもさまざまに異なる。

最初に内向型/外向型という概念を提唱したのは、分析心理学の祖であるスイス人心理学者カール・ユングだとされる(1921年の著書『心理学的類型』)。

ユングは、心のエネルギーのベクトルによって内向型と外向型を区別した。
外向型の人の関心が外側に向かっているのに対して、内向型の人の関心は自身の内側に向かっているというものだ。

ユングの内向型=内省型と言い換えてもいいかもしれない。いずれにしても、内向型と外向型の区別は、どちらかがより優れているというものではなかった。




1990年代に登場したビッグファイブ(特性5因子)という概念


ところが、1990年代になって、人間の性格は外向性、協調性、勤勉性、神経症傾向、開放性という5つの特性から構成されるという「ビッグファイブ(特性5因子)」という概念が登場する。

問題は、「外向性」を尺度にする場合、その逆にある内向性のポイントは低くなってしまうということだ。さらに、「ビッグファイブ」は目に見える特性に焦点を当てており、外に出さない内向型の人が低く評価される傾向の基礎ともなっている。


また、一般的に内向的=シャイ(内気、弱気)だと考える人が多いが、パーソナリティ心理学を専門にする米ウェルズリー大学のジョナサン・チーク教授によれば、「シャイであること」「社交的であること」「内省的であること」はそれぞれに独立した特性であり、たとえば「シャイだけど社交的」な人や、「内省的だがまったくシャイではない」人も多く見受けられるという。





新たに提唱された、内向型を4つに分類した 「STAR」 モデル

 長年の研究の結果、チーク教授は、内向型を社交系内向型(Social Introvert)、思考系内向型(Thinking Introvert)、不安系内向型(Anxious Introvert)、抑制系内向型(Restrained Introvert)の4つに分類し、その頭文字をとって「STAR」モデルと名付けた。


社交系内向型:

社交系内向型は、純粋に自分がそうしたいから、ひとりで、または少人数で行動する。その行動の背景には、不安や社会的プレッシャーはない。ユングの理論でも、内向型の人は社交によって消耗するため、パーティなど人の多いところに出かけたあとは、“再充電”して元気になるために孤独な時間が必要となるとされたが、社交系内向型はまさにこのタイプである。


思考系内向型:

思考系内向型は、きわめて内省的で思慮深い人を指す。このタイプの人の関心は自身の内側に向かっており、チーク教授いわく「豊かな内面生活の持ち主」である。


不安系内向型:

一方、不安系内向型は、唯一シャイであることと重なる部分があるとチーク教授はいう。このタイプの人は、見知らぬ他人といると自意識過剰になりがちで、慣れない状況下では緊張してしまう。そして、やはり再充電するために孤独な時間を必要とするが、社交系内向型とは異なり、ひとりになっても事前の不安感がぬぐい去れない傾向がある。ただし、こうした不安感は、年齢を重ねるとともに軽減されていくという。


抑制系内向型:

最後に、抑制系内向型は、行動を起こすまでに時間を必要とするタイプ。直前や思いつきの誘いを嫌い、あらかじめじっくり計画を立ててから行動し、自分のなかで考えをまとめてから話そうとする。





なお、一般的に外向型のほうが幸福感が強いと言われているが、それは熱意や情熱、元気や社交性の高さなどが幸福の尺度とされているためだ。そうした傾向を外に対して示さないからといって、内向型の人が幸福感を感じていないわけではないとチーク教授は指摘する。
内向型の人にとっては、週末にパーティに出かけるよりも、家でひとり好きな本を読んでいるほうがよっぽど幸せなのだ。










via:buzzfeed・translated mallika