水曜日, 8月 27, 2014

Porsche 911 Targa


「ポルシェ911 Targa」のバレエのように開くルーフ(動画)

ポルシェの新型「911 Targa」では、わずか19秒間で自動的にルーフが収納される。バレエのように魅力的な動きで開閉するこの機構は、開発に3年かかったという。


ポルチェ911 Targa
ポルシェはデトロイトの自動車ショーで、美しい「ポルシェ 911 Targa」を発表した。1967年のオリジナルモデルの華麗な再来であり、バレエのように魅力的な動きで開閉する機構は、開発に3年かかったという。
ポルシェ 911 Targaは、初代こそ安全規制をすれすれで巧妙に回避した車だったものの、その後のモデルは、大型のサンルーフが付いた単なるクーペだった。しかし新しい911 Targaは、ポルシェの技術者たちが世界最高水準であることを証明している。ボタンを押すとルーフ全体がまるで花のように開き、トップが自動で収納されるのだ。
ルーフパネルのみを外せるタルガモデルが誕生したのは、1960年代の中ごろだ。タルガという名称は、当時イタリアで行われていた自動車耐久レース「タルガ・フローリオ」から取られた。1966年から1970年まで同大会5連覇を飾ったポルシェが、これを記念してポルシェ・911のセミコンヴァーチブル仕様に「タルガ」と名付けたのが最初だ
しかし米国運輸省は1960年代、横転時に死亡事故につながることを懸念して、コンヴァーチブル車の規制を考えていた。これを受け、一部の自動車メーカーはTバールーフ(Tトップ)を開発したが、ポルシェはポルシェらしくタルガトップをさらに一歩進め、911に籠の取っ手のような強化されたBピラー一体のロールバーと脱着式のルーフを持ち込んだ。このエレガントな解決策を、ポルシェは「安全なコンヴァーチブル」と称した。
初期のモデルはドライバーがトップを取り外してトランクにしまう必要があった。その後、ポルシェは機械式の解決策を採用したが、見苦しく非実用的で、車重と複雑さが増していっただけだった。
新しいTargaでは技術が優雅に進歩している。ボタンを押すと、美しくカーヴした軽いリアウインドが起きあがり、マグネシウム製のロールバーからガルウィングのようなふたつのフラップが開く。布製のルーフが持ち上がり、巧妙にZの形に折れ、後部座席の後ろに収まる。そして最後に、すべてがもとのように納まる。
そのためには、4個の主要コンポーネントが動き、膨大な数のレバーと作動装置が完璧なタイミングで機能する必要がある。これらがすべて、わずか19秒間で行われる。
この見事なバレエは、家のガレージ前で観劇するには楽しいが、102,000ドルという価格に加えて、コンヴァーチブルモデルの911より約18kg重い車重という犠牲が伴っている。しかし、350馬力(3.4リッター)あるいは400馬力(3.8リッター)で、時速100kmまでわずか4.4秒で加速するので、その重量も気にはならないだろう。
ポルチェ911 Targa


50周年
昨年、50周年を迎えた世界的なスポーツカーがあります。
ポルシェ911です。なぜ911はこれほど長く愛されているのか、最新ラインナップを見ながらちょっと考えてみたいと思います。
現行の7代目911である991型が登場したのは2011年のこと。以来、911の伝統であるモデルバリエーションの拡大を続けてきましたが、先日“タルガ”が発表されたことで、991型シリーズは1つの完成を見たことになります。(のちにGT2やGT3 RSや凄いのは出てくるでしょうけど)
新型タルガには、初代にはじまり、930、964の時代まで、タルガのアイコンであった特徴的なBピラーが復活。写真に見えるようにルーフセクションが可動式になっており、リアウインドウ下に格納される仕組みになっている。

タルガ、復刻調で登場

タルガにあえて昔のデザインを採用した背景には、サンルーフの面積の拡大によって、サンルーフ付きクーペモデルとの差別化が難しくなったことがあるようです。個人的に、930タルガを所有していたこともあり、この復刻デザインはかなり心に響きます。
 ここで改めて最新911のフルラインナップを見てみたいと思います。
911シリーズ車両本体価格(万円 税込み)
PDK/7速MT
カレラ1255/1178
カレラS1533/1456
カレラカブリオレ1434
カレラSカブリオレ1730
カレラ41378/1301
カレラ4S1655/1578
カレラ4カブリオレ1526
カレラ4Sカブリオレ1825
タルガ41500
タルガ4S1800
ターボ2128
ターボS2539
ターボカブリオレ2360
ターボSカブリオレ2813
GT31912



全部で15モデル、マニュアルの設定はクーペモデルにしかありません。サーキット志向のGT3にマニュアルがなくなったのも、この991型の特徴です。これはタイムを削るには、もはや人の手足ではPDKに太刀打ちできないというポルシェの決断といえます。
“カレラ”シリーズに搭載されるのは、3.4リッター水平対向6気筒エンジン。最高出力257kW(350PS)、最大トルク390Nmを発生します。
一方、“カレラS”シリーズは3.8リッター水平対向6気筒エンジンを搭載。出力は294kW(400PS)/440Nm。
素のカレラとSとの違いは50PS/50Nmで価格差は約300万円!(アクティブサスのPASMがSでは標準になるなど装備の違いはあるものの…)。また2WDと4WDとの差は約120万円、なんとも悩ましい価格設定です。
写真はカレラ4S。ベースは1655万円ですが、オプションのカレラレッドのレザーインテリア約90万円、アダプティブスポーツシート約60万円、スポーツクロノパッケージ約37万円、セラミックコンポジットブレーキ約150万円、etc.でトータル約2152万円となってます…。

911は911

また、ラインアップを眺めていると、15モデル中10モデルが4WDであることに気づきます。2WDは基本的にはスポーツドライブを楽しみたい人向けの設定で、高出力化した最新モデルは4WDありき、ということのようです。
911は、スポーツカーである一方で、4シーターへこだわりRRという駆動方式を採用するに至っています。そしてRRは限界域での挙動制御が難しいというネガティブな要素を4WD化することで払拭。
こちらはターボカブリオレ。520PS/660Nmの大パワーで、0-100km/h加速わずか3.3秒。まるでワープするかのような速さをもちながら、PDKかつ4WDかつ右ハンドルで、誰でも気軽にオープンエアを楽しめる。その万能さ加減にはちょっと溜め息がでます。
そして何よりも、カエルのような丸目の2灯ヘッドライトを採用し続けていることも911にとって重要な要素と言えます。かつて、996型で異型ヘッドライトを採用し失敗した教訓は、のちの997型、そして現在の991型へと生かされています。
こうして見ると、911が世界中で支持されている理由は、クラシカルな愛嬌あるスタイルで、4シーターという実用性を備え、4WDやPDKなど誰もが運転できる技術をうまく取り入れながらも、大前提として911らしいスポーツカーとしての運動性能は維持し続けているという、とってもシンプルなことではないでしょうか。
それにくわえて911の名のもとに15ものバリエーションを用意する巧みな商品企画や価格戦略に、911ファンはカタログを眺め溜め息をつき、身悶えするのでしょう。
いずれにせよ、大事なことは “ 911であり続ける” こと 。




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