水曜日, 10月 07, 2015

RoboBee|SEAS, Wyss Institute

0.1gの昆虫型ロボ RoboBee が泳ぎをマスター。水中でも優雅に飛行


ハーバード大の研究チームが2013年に開発した重さ0.1gの極小飛行ロボット RoboBee が、空中を飛ぶだけでなく、水に飛び込んで水中を泳ぐ能力を身につけました。

続きには水中飛行の様子を動画で紹介しています。

RoboBee

すべての写真を見る
6 枚

ハーバード大が2013年に開発した RoboBee は、コインほどの大きさで重さは約100mg。あまりに小さいため本体にバッテリーは搭載しておらず、糸のように細いケーブルで電力を供給します。このた めドローンのように回転するプロペラを持つのではなく、トンボのような透明な羽根を羽ばたかせて空中に飛び上がり、自由に飛行させることができます。
 

今回ハーバード大が公開した動画はその小さなロボットが水に飛び込み、水中を泳ぎまわるというもの。離陸した RoboBee は突然横にある容器に張った水へとダイブします。すると羽の動きが停止し、RoboBee 本体は沈んでしまいます。



ところが、底に本体が沈んだ頃、RoboBee は再び羽ばたき始め、クリオネのように水中を泳ぎ出します。水は空気に比べ抵抗が大きいため、空中で120Hzで羽ばたいていた羽根は約9Hzにまで動き が遅くなりますが、それでも充分 RoboBee は水面まで浮上していくことができます。ただ、水面から再び空中へと飛び上がるのはそれなりにパワーを要するため、現在のところはできません。

面白いのは、RoboBee 自体は2013年に開発したものそのままで、構造的にまったく手を加えていないところ。ただ、そのままでは表面張力に負けて水中に潜れないため、スムーズに水中に潜れるよう羽根の部分に潤滑剤が塗布されています。

羽根を動かすのは回転力を発生するモーターではなく、圧電アクチュエーターと呼ばれるパーツです。これは電界を与えると僅かに伸縮する素材を使っており、そこ極薄の羽根を取り付けて羽ばたかせています。

なお現状では、RoboBee は風が吹くなかでの飛行ができません。ハーバード大は本物のハチのように強風下でもうまく飛行するための制御方法についても研究を進めており、 RoboBee に極小カメラを装着して災害時の生存者捜索や環境監視用途などへの応用や、本物のハチと同じように農作物の花を受粉させるといった使用方法も考えられてい ます。

将来強風下での飛行や水中からの再浮上が可能となり、搭載可能な極小バッテリーが開発されれば、さまざまなところでの活躍が期待できそうなデバイスです。