木曜日, 10月 22, 2015

Shiggy Jr. 「サマータイムラブ」リリースインタビュー

Shiggy Jr. 「サマータイムラブ」リリースインタビュー

司会者「Shiggy Jr.のメジャーデビューシングル「サマータイムラブ」のPVが公開になりました」





レジー「いいよねー。お金かけて作ったと思われる狙ったレトロ感が「メジャーに来た」ことを強調してて良い。で、今回から2回に渡って今年最注目バンドと言っても過言ではないこの人たちのインタビューをお送りします」


レジー「今回のインタビューは約1年ぶりだったので、まずはこれまでの環境の変化について話してもらいつつ、デビューシングルの話に移っていきました。それではどうぞ」


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転機となった1年を(苦労話とともに)振り返る

---前回4人でインタビューさせていただいたのが、『LISTEN TO THE MUSIC』のリリースパーティーの前だったんですけど。

原田茂幸(Gt.)「そんな前ですか」

---ちょうど1年くらい前ですね。去年の7月。

諸石和馬(Dr.)「そっかあ。なんか感慨深いですね」

---あっという間にこんなにビッグになられて・・・

4人「いやいやいや・・・(笑)」

池田智子(Vo.)「何も変わってないですよ(笑)」

---(笑)。とは言えこの1年でいろいろなことを体験されたと思うので、まずは『LISTEN TO THE MUSIC』のリリースから今に至るまでどんな変化があって、どんなことを考えながら、もしくは感じながら活動してきたかをお一人ずつお話しいただけますか。

池田「Shiggy Jr.のことを知っている方が増えたという実感はあって、すごくありがたいと思っています。あとはやっぱり事務所に入って、レーベルに入っ て、スタッフさんがついてくださって、というのが大きいですね。そうやって環境が変わる中で、自分のやりたいことやバンドとして大事にしたいことがより はっきりしていった1年でした」

原田「やりたいことを基本的には何でもできる環境にはなってきた、というのが一番変わったことだと思います。曲を作るにしてもPVを作るにしても物販を作るにしても、以前はやりたいと思ってもできなかったことが今ならできるようになってきているというのは感じますね」

諸石「そうですね・・・大体同じですけどね、同じ時間を過ごしているんで」

池田、原田「(笑)」

諸石「根本は全然変わって いないとは思うんですけど、関わる人がほんとに多くなってきているなあというのは感じます。コンベンションライブのときにもたくさんの媒体の方が来てくだ さったり、あとは地方にライブに行った時も反応が良かったり。いろいろなところに普及し始めている実感があって、すごく嬉しいです」

---森さんはこの1年で言うとNegiccoにはまったのがかなり大きいんじゃないですか。(注:詳しくは「Shiggy Jr.森夏彦インタビュー「アイドル・Negiccoにハマった理由とその魅力」」を参照) 

森夏彦(Ba.)「そうですね、Negiccoのおかげで今ここにいます」

池田「(笑)」

原田「言いすぎだろ」

森「・・・はい」

---以上ですか(笑)。

森「いや(笑)。やっぱり『LISTEN TO THE MUSIC』を出して明らかに動員が増えて、その中でメジャーも決まってという流れの中で、一歩一歩ですけど着実に進んでいるという実感はあります。見える景色が少しずつ大きくなっていく過程で、ちょっとずつ成長できているのかなとは思いますね」

---ありがとうございます。今お話しいただいたところでやはり大きいのがメジャーレーベルに入って、事務所に所属してというところなのかなと思います。以前インタビューさせていただいた時にもメジャーに行くタイミングは慎重に見計らっている印象を受けましたし、そのあたりは原田さんも公式ブログに心境を書かれたりしていましたが、このタイミングで自主での活動からそういう体制に移行したというのは何がきっかけだったのでしょうか。

原田「手が回らなくなった、というのが正直なところです。何をやるにしても4人だけではとてもじゃないけど無理っていう状況になってきていて」

池田「たとえば会場を押さえたり物販を考えたり、そういうことを自分たちだけでやろうとするとライブの練習ができないみたいなことになってきて、それは何か違うなと。このタイミングでいろんな人の力を借りるべきだなって思いました」

---物販やチケット周りを見ていた諸石さんはその辺り如実に大変だったんじゃないですか。

諸石「そうですね、地方でやるライブについての問い合わせに毎日のように答えて、ゲストリストをエクセルで作って・・・物販も品数増やしたいと思いつつもそこまで手が回らなくて。在庫のでかい段ボールも全部家に置いてあって、それを親父の車で運んで」

森「今考えたら大変なことをしてたよね」

池田「インタビューの段取りとか、お店回りとかも全部自分たちでやって・・・インストアライブの時、あそこにはあれあるけどこのお店にはないんだよね、どうする?とか」

諸石「やべえ、ミキサー足りない!みたいな(笑)」

池田「しげゆきくん(原田)とラジオに出るとき、遅い時間だったからそれだけのために森さんに車出してもらったり」

---ほんとに150%Do It Yourselfだったんですね。

4人「(笑)」

森「完全なるDIYでしたね」

---そういう時期を経て、このタイミングで役割分担を整理し直したと。

池田「そうですね」

---わかりました。そんな大変な状況を共有しているから、ということだけでもないとは思いますが、相変わらず皆さんの仲がよさそうだなというのはいろんなところから伝わってくるんですけど。で、プライベートの話だけではなくて、演奏面でも去年のリリースパーティーのときと比べるとかなり息が合ってきているような印象を受けるんですが、そのあたりはいかがでしょうか。

池田「私としては、どんどん歌いやすくなっているのは感じます」

森「リズムに関しては2人(森・諸石)でスタジオに入って、これまでの曲のグルーヴを再構築する作業を最近やっています」

諸石「スタッフさんにも来てもらって、客観的な意見ももらいながらやってますね。ここ1、2週間で結構変わったよね」

森「変わった。事務所に入って、演奏についていろんな意見を言ってくれる人が増えたというのは自分たちにとって大きいですね」

---以前諸石さんは「サンキュー」を演奏するときにピリピリされているとのことでしたが・・・





諸石「(笑)。今でもピリピリしてますね」

森「してんの!?」

諸石「してるしてる」

森「まじかよ、俺結構自由にやってるのに」

諸石「あの曲はねー、今でもピリピリしてますよ。そこは変わってないです(笑)。でも全体的にやり慣れてきたというのはありますね。まだ未熟なところばっかりではあるけど、曲の中での全員の呼吸がわかってきたというか」

---原田さん的には、ご自身が作った曲にだんだん息が吹き込まれていくように感じたりはしますか。

原田「ライブの映像とかを見ると、ちょっとずつ良くなっているようには思いますね。過去のものと厳密に比較しているわけではないですけど、バラッとしてる感じがちょっとずつなくなってきたというか。最近は、演奏は大丈夫そうだから動きのこととかを気にするようになってきました。バンドとして音がまとまってきているからこそ、そういう面に意識を向けられるようになったのかなと思います」


「サマータイムラブ」とShiggy Jr.の夏論

---今回のメジャーデビューシングルは「サマータイムラブ」「keep on raining」どちらもすごく気に入っているんですが、制作時期はいつ頃でしたか。

原田「「サマータイムラブ」は新しく作ったやつです。いつだったっけ?」

池田「レコーディングが2月だったから、真冬だったと思います」

原田「そっか。真冬に何がサマータイムラブだよって・・・(笑)」

---(笑)。

原田「「keep on raining」は、曲の原型としては結構昔からあったものを引っ張り出してきました。ファイルの制作順につけている通し番号で言うと、「keep on raining」が44番で「サマータイムラブ」は380番。ちなみに「サンキュー」は37番です。リリースが6月なので、雨の曲があったらいいなと思って」

---森さんと諸石さんは、Shiggy Jr.の楽曲作りに最初から関わるのは今回が初めてだったわけですけど。

森「そうですね、『LISTEN TO THE MUSIC』の曲は自分が加入した時にすでに出来上がっていたので。今回はアレンジの段階から一緒に考えることができたので、以前よりもスムーズにレコーディングに臨めたと思います。あとこいつ(諸石)は初めてドラム叩いたんで」

諸石「やっと僕の音が音源の中に(笑)。今まで自分が関わったことのあるレコーディングはプログレとかハードコアとかラウドなものが多くて、バンドで歌ものをちゃんと録ったのは初めてだったんです。だから今回はこれまで以上に、ポップスとして曲の魅力を底上げする音作りにこだわりました」

---今回のシングルについてはアゲハスプリングスの釣俊輔さんと一緒にやったのがビッグトピックだと思うんですけど、原田さんはアゲハみたいなことをやりたいと以前からおっしゃってましたよね。

原田「はい」

---実際に一緒にやってみていかがでしたか。

原田「ああ・・・やっぱりアレンジャーっていう仕事があるんだな、って思いました。「サマータイムラブ」に関しては、今回アレンジをお願いするにあたってオリー・マーズの「Wrapped Up」みたいなイメージにしてくださいって言ってたんですよ。そうしたら、ほんとにそれになってて・・・」



森「完全に「Wrapped Up」になってた(笑)。めちゃくちゃかっこよかったよね。めちゃくちゃかっこいいからこれはShiggy Jr.ではないっていう」

原田「なるほど、ここまで行ってしまうのかと(笑)。あまりにも本物すぎるので、逆に戻してもらったんです」

---そうなんですか。それはそれで聴いてみたいというか、別バージョンで出してほしいです。

池田「今改めて聴いたら面白いかもね」

森「帰ったら聴いてみよ」

---池田さんは以前生のストリングスを録りたいなんてお話しされていましたが、「サマータイムラブ」は念願かなってということになりますね。

池田「すごく良かったです。ストリングスが入った時の豪華さとかキラキラした感じが全然違いました」

---まさに今おっしゃっていた「豪華」とか「キラキラ」な感じがすごくJ-POPっぽいというか、バンドとしてずっと大事にしている「ポップであること」が具現化されているなあという印象を持ちました。今度は「サマータイムラブ」の歌詞についてお聞きしたいんですが、この曲には<神様 この季節をずっとずっとずっと永遠に>いうフレーズがありますよね。で、同じく夏について歌っている『LISTEN TO THE MUSIC』収録の「summer time」にも<このままずっと 楽しい時間が終わらないように 魔法をかけて>という歌詞があって・・・

諸石「確かに!」

---原田さんにとっての夏って何なんだろうなと思ったんですけど。

森「ほんとだ。びっくりした」

原田「俺もびっくりした(笑)。いや、全然意識はしてなかったな・・・何なんですかね」

---原田さんがそう思っているのか、池田さんがこういう言葉を歌ったらいいなということなのか、どうなんですかね。歌詞はメロディに乗ることが大事でそこまで深いメッセージは込められていない、ということは理解した上での質問なんですが。

池田「マレーシアに昔住んでたのとかも関係あるんじゃない?」

原田「年中夏だったんですよね、マレーシア」

---(笑)。夏という季節自体は好きですか。

原田「好きですね。夏来たな!って思います」

---「サマータイムラブ」ってタイトルの曲は他にもありますけど、m-floだとひと夏のアバンチュールみたいな世界観だし、EXILEだとお前をゲットする的な肉食っぽい話なんですが、原田さんの歌詞は超ピュアな感じで。




原田「恥ずかしい・・・(笑)。<サマータイムラブ 1時間だけ長く側にいられる>って部分が最初にできたんですけど、そこから妄想を膨らませていったらこうなったんですよね」

諸石「しげ(原田)の歌詞は他の曲とサマータイムの定義が違うもんね。海外の1時間ずらすやつじゃん」

池田「制度の話」

森「サマータイム(制度)ラブ」

---(笑)。

池田「最初に歌詞をもらったときは「サマータイムか、夏ね」と思ったんですけど。「サマータイムってそのサマータイムか」と気付いたときに、1時間延びて一緒に長くいられるって、なんて可愛い歌詞なんだろう!と。このキュンキュンした感じを消さないように、自分のそういう記憶を掘り起こしたりして(笑)。曲としてもサビ始まりでキャッチーで音がキラキラで、しげゆきくんが乗った状態で作ったんだなというのはデモを聴いた時に思いました。キーが高いし、リズムも難しいし、言葉も細かいので歌うのは大変だったんですけど、自分としては結構練習してレコーディングに臨みました」

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気持ちよさを支えるグルーヴの秘密

---「サマータイムラブ」は池田さんがおっしゃるようなキュンキュンした感じもありつつ、楽曲としてはかなり腰に来るというか、踊れる感じになっているなと思いました。ドラムとベースのお二人はどういうところに特に気を使いましたか。

諸石和馬(Dr.)「俺が意識したのはとにかくシンプルにして、踊れるようなグルーヴにするということです。ディスコっぽい感じというか、キックとスネアがしっかり入ってきてフィルはタカタカタカタカだけ、みたいな感覚を狙っていました」

森夏彦(Ba.)「シンプルなドラムと動くベースの組み合わせがあの曲のビート感につながっているのかなとは思いますね。ベースでずれというかリズムの揺れを作っている感じです。自分にとって苦手なスラップを多用する曲で大変だったんですけど。小難しいこともいろいろやっています」

諸石「リズムに関しては結構話したよね」

森「そうだね」

---原田さんも含めて。

諸石「いや、ここ2人で完結してたかな」

原田茂幸(Gt.)「うん。そこは関与しない」

---そこは口出ししないんですね。原田さんみたいにデモから作りこむ方だと、細かいところまで自分が思った形にしてほしいというタイプの人もいるじゃないですか。

原田「基本的なリズムパターンが変わらなければ僕は気にならなくて。たまに余計なフィルとかがあったら言いますけど、基本はお任せです。その方がいいと思う」

---わかりました。次に2曲目の「keep on raining」についてお聞きしたいんですけど。「サマータイムラブ」と「keepon raining」の組み合わせには、バンドの持つ2つの違う側面がいい具合に出ているなあと思いました。それこそ「Saturday night to Sunday morning」と「サンキュー」とか、「LISTEN TO THE MUSIC」と「baby I love you」とか。

原田「特に狙っていたわけではないですが、確かにそうですね」

---「keep on raining」のリズムの感じは今までのShiggy Jr.にはあまりなかった引き出しのように思いますが、リズム隊お二人にとっては得意な領域なんじゃないですか。

森「そうですね、こういうリズムパターンは2人でよくやっているんで」

諸石「十八番のフレーズだよね」

森「ただ、これも「サマータイムラブ」と一緒でスラップが多いから苦労はしましたが。「サマータイムラブ」がしっかり固めてやっているのに対して、こっちはちょっと遊びの要素も入れています。フェードアウトするところとか。レコーディングに関してもあんまり細かく直さずにグルーヴをそのまま入れました、という感じです」

---それに引っ張られてなのか、原田さんのギターもカッティングの感じがいつもより跳ねているというか、これまで以上に山下達郎感が出ていると思いました。

原田「めっちゃ頑張ったんだよね、あれ」

諸石「徹底的な指導があったからね、エンジニアさんから」

---そうなんですか。

原田「(小さい声で)そうですね・・・」

諸石「(笑)」

森「顔がこわばってる」

---もうちょっと具体的に(笑)。

原田「夜な夜ながっつり直されて」

池田智子(Vo.)「朝までやってたよね」

原田「あの時間やりたくないんだよね、集中力が全然なくなっちゃう」

---その指導はリズムに関してですか。

原田「リズムっすね、完全に。うまくなりてーなって思いながらやってました(笑)」

---池田さん的にはどうですか。僕この曲の池田さんのボーカル、超好きなんですけど。

池田「おおー、良かった!歌いたいことができたな、やりたいことができたなと私も思います。この曲は歌詞が女の子らしい感じなので、それを引き立たせるにはブリブリ歌うんじゃなくてかっこよく歌いたいと考えていました。今回レコーディングする前にジャクソン5を聴いて練習してたんですけど、子どもの頃のマイケル・ジャクソンみたいな「声は可愛いけど歌唱力がしっかりある」っていうギャップみたいなものを出せたらいいなと思っていました。リズム隊をちゃんと聴いて、細かい歌い回しを入れて声を張るところはしっかり張って、というのはこの曲では特に意識しています」
 

shiggy
 

 
「国民的な人気者」への第一歩として

---先日のコンベンションライブでは、これまでの「グラミー賞」という大目標に加えて、「東京ドーム」「100万枚」「紅白」というより具体的な目標が掲げられていました。皆さんと同じ編成のバンドでその3つを実現しているのって、ジュディマリくらいだと思うんですけど。




池田「そっか」

原田「確かに女性ボーカルで男3人ってなかなかいないから」

---今回のメジャーデビューシングルは、そういうクラスのところまで行くための第一歩ですよね。まだShiggy Jr.のことを知らない方たちに、まずはどういうことを知ってもらいたい、届けたい、見てもらいたいと思っていますか。

原田「今までと同じなんですけど、曲を聴いて単純に楽しいなって思ってほしいです」

池田「それは私も一緒ですね。あとはなんだろう・・・もし「J-POP=ちょっとダサい」みたいなイメージがあるんだとしたら、そういうのを変えたいというか。「流行っている曲を聴くのはかっこ悪い」ではなくて、みんなが好きなものを好きと言うのが恥ずかしくないような世の中になってほしいし、みんながShiggy Jr.を聴いてるって言いたくなるようなバンドでありたいと思います」

---存在としてポップであるってそういうことですよね。

池田「ほんとそうです。ずっと言っているけど、ディズニーランドやSMAPみたいな「みんな好きじゃん、だっていいもんね」っていう存在になりたいです」

---お2人はどうですか。

諸石「まあ大体、2人が言っていることと一緒で」

---4人の意見が統一されているのがいいですね。

池田「4人でいつも話しているから、まとまってきていると思います。1人が答えたら、大体ね」

森「そう、それそれ、っていう」

---(笑)。知らない人に届けるということに関連して、Shiggy Jr.のライブについてお聞きしたいんですけど。今年皆さんのライブを4回見たんですが、1回が先日のコンベンションライブ。で、あとの3回はアウェーというか、Shiggy Jr.目当ての人がマジョリティではない場所だったんですよね。MUSICA主催のバレンタインロック(2月14日@LIQUIDROOM ebisu)では、最初ちょっとフロアが静かな感じがあったんですけど。

池田「うんうんうん」

---それから高崎でUNISON SQUARE GARDENと対バンした時(3月26日@高崎club FLEEZ)。

森「ああ、確かに」

---あの時は後ろの方にいたんですが、ライブが始まった時はお客さんも様子を見てるような雰囲気があった気がします。あとVIVA LA ROCK(5月5日@さいたまスーパーアリーナ)も、初めてShiggy Jr.を見る人たちが多かったですよね。で、どのライブも最終的にはすごく盛り上がっている印象があって、このバンドはアウェーに強いなあといつも思うんですけど。初見の人にShiggy Jr.の音楽を届けようというところで何か気をつけていることはありますか。

原田「そういうことはよく話すよね。もちろん自分たちが100%楽しむのは当然のことだけど、見てくれる人のことも考えるというか」

森「来てくれるお客さんをイメージしながらスタジオで毎回シミュレーションしてます」

池田「たぶんこういう客層で、それに合ったセットリストはこれで、あえてガンガンいくのか見ながらゆったりめにライブをするのかってことを考えて。そのうえで、最終的にはガバッてお客さんをとって帰らなきゃねっていう気合を入れてライブをするようにしています。バンドの10か条にも「アウェーの方が燃えるんすよね、実際」っていうのがあってライブ前に皆で唱えるんですけど、そういうモードで怖がらずにいくのがすごく大事だなと。自分が心を開かないと誰も心を開いてくれないと思うから、私はみんなのこと好きだよー!盛り上げに来てるよー!よろしくねー!という気持ちでステージに立っています。他のメンバーもそうだと思いますけど」

---バンドのそういう心意気は見ていてすごく感じますね。

諸石「VIVA LA ROCKの前はめちゃくちゃ話したもんね、どういうライブにしようかって。どんなお客さんが来るかなとか、フェス好きな人はどんなライブが好きかなとか」

森「クリープさん(クリープハイプ)の裏で」

池田「ロックがめちゃくちゃ好きみたいな人は来てくれるのかなとか、一番手だからあっためる役だよねとか」

諸石「あの後の六本木のライブ(TOKYO M.A.P.S 5月6日@六本木ヒルズ)はまた全然違ったし」

---ライブごとにそういうことを考えるんですね。

原田「最近はより考えるようになりましたね」

池田「楽しいよね、そういう作業は。同じ曲をやるにしても、ライブっぽくバーッとやるときもあればピリッとかっこよく聴かせようというときもあるし。自分たちのやりたいことをちゃんと伝えるためにどうすればいいか考えるという感じです」

---正しく伝えて、それでお客さんに喜んでもらって。

池田「それが一番ハッピーですね」

原田「ポップスをやってる人たちはそういうことを普通に考えてやっている気がするな」

---ポップスと言えば、昨日(5月14日)原田さんと諸石さんはいきものがかりのライブを見に武道館へ行かれていましたね。




諸石「良かったですよー」

原田「めっちゃ良かった。すごかったね」

---いきものがかりはどの辺がすごかったですか。

原田「演奏は当然うまいし、間もいいし、MCとかも含めて完璧だと思いました。でも自然体で無理してないし」

諸石「自分が今まで武道館で見たのがイエモンと氣志團でどっちもロックスターだったので、いきものがかりのあの身近な感じはほんと衝撃を受けました」

原田「ああいうライブをちゃんとやれたらいいよね」

諸石「あそこに立たなきゃいけないなって話はしてました」

---いきものがかりのような間口の広さをShiggy Jr.としても目指していくというか。

原田「色は違うにしても、そういう風にはなれたらいいなと」

諸石「10代から70代くらいまでライブにいたから。すごいよね」

池田「最高だね」

---そういう形で売れるバンドってなかなかいないというか、たとえばフェスでは盛り上がっていたとしても世の中的にはそんなに有名ではないみたいな人たちも多いような気がします。いきものがかりみたいにお茶の間レベルで知られるバンドにShiggy Jr.がなるといいですよね。

森「なりたい」

池田「なった」

諸石「お願い事ノート的には「なった」だね(注:お願い事ノート→池田がバンド活動における夢や成し遂げたいことを書き連ねているノート)」

---完了した形で書いてあるんですね。

池田「はい。この前見返していたら、group_inouさんと仲良しになって共演したって書いてあって。叶ってるー!って(笑)。あと代官山UNITがいっぱいになったって書いてありました(注:4月28日の自主企画「なんなんスかこれ。vol.2」@代官山UNIT、共演はgroup_inouとNONA REEVES。チケットはソールドアウト)」

---すごいですね。

池田「結構すごいと思いました」

森「(唐突に)フェンダーUSAとエンドース契約した」

池田「書いた方がいいよ、ほんとに」

----(笑)。ありがとうございました。アウェーという話をさっきしましたけど、7月の頭には完全ホームのファーストワンマンがありますね。初のワンマンということで。

原田「初めてですね」

森「メジャーデビューしてやっと」

---「このイベントでこういう対バンだからこういう人が来てくれるんじゃないか」というシミュレーションをするという話がありましたが、今Shiggy Jr.がワンマンをやったときに来てくださるのはどういう方だと思いますか。

森「最近はすごい多様化してきてます。女の子も増えてきたり、中高生も増えてるし。前よりも少しずつ広がっているんで、今度のワンマンでまた少し変わるのかなっていう感じはしています」

---では最後に、ワンマンに向けてでもいいですし、メジャーデビューに向けてでもいいですし、意気込み的なものいただければと思います。

森「Shiggy Jr.はこれからメジャーでやりますが、今まで通りのことを大きい規模感で楽しくやっていきたいと思っています。これからも変わらぬ応援をお願いします」

諸石「ワンマンは1つの節目になると思うんですけど、Shiggy Jr.のライブはこれからもっと音楽的にも充実してくるはずだし、物販も相当いいものが出てくる予定なので、楽しみにしていてほしいなと。もっと沢山の人のShiggy Jr.愛がより深まってくれたらいいなと思ってます」

原田「今までずっと、普段音楽を聴かないような人たちにもShiggy Jr.の曲を聴いてもらいたくてやってきました。ようやく環境が整ってメジャーデビューできることになって、たくさんの人が動いてくれていることをこの前のコンベンションライブでも実感したので、きっといろんなところに届くのではないかと期待しています。今回のシングルで初めて僕たちの音楽を聴いた人が、Shiggy Jr.のことを好きになってくれたらいいなと思っています」

池田「ワンマンについては、これをきっかけにもう1つ上のステージにみんなでいけたらいいなと思っているのですごく気合を入れています。これからメジャーデビューして活動を続ける中でいろんなことを考える場面もあるかもしれないけど、この4人が楽しく仲良く、自分たちのやりたいことを正直にやるというのを大事にしていきたいです。あとは・・・Shiggy Jr.の音楽を好きでいてもらえるのは嬉しいしそれだけでほんとに十分なんですけど、私たちがこれまでやってきたことやこれから叶えようとしていること自体を応援してくれている方も中にはいると思うので、そういう気持ちにもしっかり応えていきたい。そのためにも、やれるだけのことは全部やりたいなと思っています」

---期待しています。本日はありがとうございました。

4人「ありがとうございました!」

 
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司会者「インタビューは以上になります。何かあれば」

レジー「1年前と同じで、相変わらずバンドの雰囲気が良かった。ここからまた新しい世界に踏み出していく前のわくわく感みたいなものが充満してる感じだったなあ。マスサイズで売れたいと思ってる人たちが中身の伴ったアウトプットで勝負に打って出るというすごく美しい構図なので、ぜひとも今のいい流れを持続させてほしいなと思います。応援してます。リリースまでもうちょっと時間がありますが、音源聴いたところで改めてまた読んでもらえると違った発見もあると思いますのでぜひ。今回はこんな感じで」

司会者「わかりました。次回はどうしますか」

レジー「もう一つインタビュー企画を仕込んでますのでたぶんそれかな」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」